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令和元年(2019年)11月1日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年11月1日)

知事記者会見
2019年11月1日(金曜)
14時00分~14時42分

知事冒頭発言

1 五輪マラソンの開催地変更について

【知事】先ほど、12時から組織委員会の会場におきまして、調整委員会が開かれたところでございます。そして、4者がそこに揃って、4者協議が開かれたところでございます。そこで主張しましたことでありますが、東京都といたしまして、マラソン、競歩の開催地変更につきましては同意をすることはできない、そしてまた、現在でもマラソン、競歩を東京で実施するのは最善であるという確信につきまして、いささかも変わっていないということでございます。
しかし、最終の決定権限を持つのはIOCでございます。IOCの下した決定を妨げることはしない。これは、あえて申し上げるならば、合意なき決定でございます。この間、法律の専門家の皆様にご意見を伺ってまいりまして、改めてですが、IOCの権限が絶対的であるということの確認、そして、移転案の変更、覆すことは難しいとの見解が示されていたところでございますが、ただ、交渉事というのは、そこから始めるものなのであります。
今回、都民の皆様方の中には、IOCのこのような突然の会場を移転するということは理不尽だ、そういった一連の経緯を踏まえて、東京開催を目指して、さらに引き続き努力をすべきだ、色々なご意見をいただいたところでございます。
そして、都民の皆様が望まれる東京開催を目指して、さらに闘うということも検討いたしました。しかしながら、法的には勝てる可能性は極めて少ないということでございまして、法的な手続きをとると、そういうことをした場合には、また裁判関係の費用がかさんでくるということで、現時点では東京都としてその道を採ることは賢明ではないとの判断もございます。
今回は、IOCによります突然の話でございましたので、最も驚かれたのは、つい先日もMGCが開かれて、そして代表選手が決まったなど、アスリートの皆さんではないかと思います。大変な不安を抱かれたものと思います。東京を想定して、長い間準備をしてきたんだ、だから、東京で走りたいなどというお声をいただいておりました。一方で、とにかく早く開催場所を決めてほしいと、そのための練習をしなければならないというようなお声も伺っております。
東京都としての主張をこれまで行ってきたわけでございますが、会場が決定するまでにさらに時間がかかるということは、アスリートの皆様にとりましては負担がさらに長引く、これについては望むところではございません。
この間、東京での開催に向けまして、一丸となって準備に力を注いでこられたのは都民の皆様であります。沿道の方々であります。関係者の方がたくさんおられます。改めてこの場をおかりしまして、心からの感謝を申し上げたいと思います。
10月30日から調整委員会が開かれたわけでございまして、IOCと組織委員会、そして東京都、多くの点について議論をさせていただきました。マラソン、競歩の実施に当たりましては、あくまでも東京2020オリンピック・パラリンピックの開催都市である東京都での開催ということを、先ほど申し上げましたように、主張いたしまして、また議論もいたしました。
今回のIOCによる突然の会場の変更、その決定、これに対して、都民の皆様や国民の皆様に驚きと失望を引き起こしているという認識を、IOC側に改めて伝えております。今回の調整委員会で、それらを踏まえて、以下のことが確認をされたわけでございます。
まず1点目が、オリンピックで会場変更に係る最終的な決定権限はIOCにあるということ。2点目は、マラソン、競歩の会場が札幌に変更された場合でも、新たに発生する経費については東京都の負担にはさせない。3つ目が、既に東京都が支出したマラソン、競歩に関連する経費でございますが、十分に精査、検証いたしまして、東京都において別の目的に活用できないというものは東京都の負担にさせないということ。そして4つ目ですが、マラソンと競歩以外の競技については、今後会場を変更しないことでございます。このまず4点ですね。
IOCからの説明、なお足りない部分あります。私たちとしても、どうしても納得いかない部分があります。しかし、今申し上げた部分では意見が一致したところということで確認をしておきたいと思います。
そもそも、もう決まったのですよという、言い放っている相手に対して、タフな交渉であったことは事実だと思います。それぞれの現場で頑張ってくれた職員にも、お礼を言いたいと思います。そして、調整委員会では、色々な角度から議論がなされました。法的な問題はどうか、財政的な問題はどうなのか、技術的な暑さ対策はどうなのか。整理ができた項目もあると認識しておりますけども、やはり最後まで残る問題というのが、マラソンに対しての都民の期待、そして、準備に心血を注いでこられました沿道や関係者の方々の思いでございます。
どのようにしたら、こうした都民の皆様の思いに応えられるのかどうかということで、これまで皆様からのお声を頂戴してきた、そういった皆様の、都民の皆様の思いを直接IOCに投げかけたわけであります。そうしましたところ、今朝というか深夜に、IOCのバッハ会長からメールを頂戴いたしました。
内容は、IOCと東京都が一緒になって、東京のオリンピックマラソンコースを活用して、もう既に決まっているところ、これを活用して、2020オリンピック・パラリンピック大会の後で、オリンピックセレブレーションマラソンを開催したいという考えを頂戴いたしたわけであります。
これは、そもそも私から、都民の思いに応えてくださいというリクエストをお願いしておりまして、それを踏まえて、バッハ会長から真摯なメッセージをいただいたということだと受けとめております。具体的な企画につきましては、これからIOCとの間で検討していきたいと考えております。
それから、最後に、将来に向けての問題点についても指摘をさせていただきました。オリンピックの経費の問題などを考えますと、ある意味、周知の事実として、7月、8月というのが動かしにくいということは、重々私も存じております。ところが、オリンピック開催の前提条件に、この7月、8月でフィックスということになりますと、今後の大会、2024年はパリ、そして、2028年はロサンゼルスと既に決まってはおりますけれども、その後の、それこそ持続可能なオリンピックの大会、これらについては、北半球の都市のどこをとっても、過酷な条件になることが避けられないのではないかということ。様々な大会に関係する事情を十分理解しつつということを今も申し上げましたけれども、近年の地球温暖化や気候変動の現状を考え、また、毎年、世銀が、自然災害の、何もしない場合にはどれぐらい損害が出て、被害が出てという、これは、定期的に、発表もされています。
私は昔、そういったことに携わっていたときのシミュレーションをかなり前倒しで来ているのではないかということを考えますと、4年に1回のこのスポーツの祭典も、なかなか7月、8月のこの時期っていうのは難しいのではないか。いやいや、もう10月にやったとしても、これだけ台風が来ているのだから同じでしょうと、色々な議論があると思いますけれども、この点について議論すべきだと思います。
ということで、私のほうから、今日の会議、4者協議に臨んだそのご報告を、皆様方に、まず1点させていただいたところでございます。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:283KB)

2 「東京eスポーツフェスタ」について

今日は、そのほかに、3点ございます。足早にご紹介いたしたいと思います。
来年1月に、「東京eスポーツフェスタ」を開催いたしますので、その企画の概要をお伝えしておきます。
このフェスタですけれども、老若男女、誰もが参加できて楽しめる競技大会にすることによってeスポーツの裾野を拡大して、関連する都内の中小企業の活性化を目的に実施をするということでございます。5月にご案内しておりますとおり、来年の1月11日と12日に東京ビッグサイトで開催をいたします。
イベントのロゴマークも作成いたしまして、これは日本の伝統の模様で、紗綾形っていうのがこちらにある、紗綾形とeスポーツのeを組み合わせたものとなっております。
このeスポーツの競技大会は、3種目で実施いたしまして、家庭用のゲーム機で対戦する「太鼓の達人」、私、これ、ちょっとはうまいです。そして、スマートフォンで対戦する「パズドラ」とか、「モンスターストライク」の3種目で競い合います。子供さんから大人まで気軽に始められて、人気の高い種目となっておりますが、「太鼓の達人」は小学生以下を対象とさせていただきます。
それから、eスポーツの関連産業展示会も行いますが、ゲームソフトの開発、周辺機器の製作、販売などを行います都内の中小企業の出展を30社程度募ってまいります。そして、競技大会の参加者、ゲームメーカー、一般の来場者にPRを行ってまいります。
今日から、競技大会のうち、「モンスターストライク」の参加者を募集いたします。これは、相手がいるゲームです。それから、関連産業の展示会のほうの出展者の募集を始めてまいります。そして、「太鼓の達人」と「パズドラ」については、当日、会場での参加申し込みとさせていただきます。公式サイトもございますので、たくさんのご参加、出展を期待するところでございます。
そして、eスポーツ関連の展示や体験コーナーも設置をいたしますので、eスポーツを知らないとか、触れたことがないという方々もぜひお越しいただきたく存じます。企画全体の詳細は、12月中旬にお知らせの予定です。
詳細は、産業労働局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:195KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 東京農業アカデミーについて

【知事】3点目は、「東京農業アカデミー」で、新規の就農希望者を対象に、研修農場の研修生を募集するというお知らせであります。
東京都におきましては、都内農業者の技術の高度化、経営力の向上を図るために、総合的な育成プログラム、東京農業アカデミーを来年の4月からスタートさせます。このうち、新たに農業を始めたい方を対象といたしまして、八王子市内に約2ヘクタールの研修農場を開設いたしまして、研修生を募集するというものであります。
研修におきましては、栽培する技術だけでなくて、先進的な農業経営も学べる2年間のカリキュラムを用意いたしまして、新たな東京農業を実践できる農業経営者を育成するものであります。
第1期生の研修生は、今日、11月1日から募集の受付開始であります。応募者の中から、概ね5名程度を選考する予定といたしております。研修生には、今後の東京農業を背負って立つ農業者になっていただくことを期待するものでありまして、東京で農業をやりたいという意欲のある方、ぜひとも応募していただきたいと思います。リタイアして、これから第2の人生という方も結構ですし、また、若い方で、農業を産業としてやっていこうという、そういう意欲あふれる方、お待ちいたしております。
詳細は、産業労働局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:226KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 「BEYOND FES 日本橋」開催について

【知事】3本目、最後ですけれども、「BEYOND FES 日本橋」を11月の5日から11月の11日まで開催をするというお知らせであります。
多くの方にパラスポーツの競技、そして選手に興味を持っていただいて、競技会場での観戦、応援を促進していくためのイベントですが、もうこれで3回目となります。今回は、今年の9月末にオープンいたしました日本橋のコレド室町テラスがメイン会場で、「みんなが楽しめる! それがパラスポーツ!」という言葉を、合言葉にしまして、パラスポーツの魅力を広く発信するというものであります。
ステージでは、パラアスリートの素顔であるとか、親子でのパラスポーツ観戦の楽しみ方など、日ごとに異なりますテーマやゲストでトークショーなどを実施いたします。
会場の中では、パワーリフティング、それからシッティングバレーボールなどの競技体験、それからパラスポーツの振興に取り組むTEAM BEYOND企業、これ、今、TEAM BEYONDは総勢130万人ものメンバーに入っていただいているわけですが、企業単位でも入っていただいておりますので、その企業のブースを展開してまいります。
それから、会場周辺の店舗にもご協力いただきまして、競技を紹介するパネル展示と連動したスタンプラリーを開催いたしてまいります。
日本橋エリアを回遊して、伝統や文化を堪能しながら、パラスポーツに興味、関心を持っていただきたいと、このように思います。
10日の日曜日には、パラ応援大使の1人で、タレントの眞鍋かをりさん、それから7月のブラインドサッカー日本選手権でMVPに輝かれました、東京都立八王子盲学校に通っておられる菊島宙さんがゲストにお越しいただく予定でございます。
そのほか、イベント期間中には、タレントの武井壮さん、この方、本当に何でもできてしまう。10種に出ておられたということもあって、何でもできてしまう、まさしくスポーツマンという方ですが、武井さんをはじめとする多くのゲストの方にご参加をいただく予定としております。会場の皆様にパラスポーツの魅力を伝えて、一緒にイベントを盛り上げていただくということで、私も10日にはトークショーに参加をいたしまして、ブラインドサッカーの競技体験をするということで、私も少し準備をしなくては、と思っております。
ぜひ期間中、足を運んでいただいて、多くの方にパラスポーツの魅力を知っていただきたいと、このようなお知らせでございます。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:413KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、東京新聞の原です。五輪のマラソンの関係で3問ほどお伺いします。
まず、冒頭、知事、いろいろ今回の判断に至った理由をご説明いただいたんですけれども、最終的に今回の判断を、お決めになられたタイミングといいますか、いつお決めになられたのか。それと、今回、1日、今日という日付なんですけども、今後も、場合によっては、まだこの交渉を続けるというような選択肢をお持ちだったのかどうか。先ほどの発言の中で、法的な措置も検討はしたけれども、現時点では賢明でないというようなお言葉がありました。これは、「現時点では」というのは、今後、ひょっとしたらあり得るという意味でおっしゃったんでしょうか。

【知事】先ほど申し上げましたように、この交渉、やはり都民の思いを叶えたいという気持ち、それから都民の皆さんの大切なお金を既に使っているという事実、それから移転したときに東京にお金を出せと言っている人たちがいる、これらのことを考えますと、交渉をしっかりやっていかないと危ないと思ったわけであります。また、そういう交渉を通じて、やはりしっかりとしたものにしていかないと、そもそも東京大会そのものが荷崩れを起こしてしまうということは大会の成功につながらない、色々な思いがございました。
法的なチェックもしたわけであります。これからどういう、また、今日合意をした部分がございますけれども、今後の実践といいましょうか、その動き次第ではありますけれども、基本的には、片務といいましょうか、今回の開催都市契約一つとりましても、IOCが絶対的な力を持った契約内容になっているということ、これはもう皆様が色々分析されているとおりでございます。ですから、法的に訴えられる部分と、訴えるときの費用、エネルギーなど総合的に考えたということです。
では、いつ結論を出したのかということについては、最後の最後まで、色々な交渉事は続きました。そのような中で、やはりこの点については、東京都として、移転そのものにすんなり合意ということは難しいと。一方で、大会成功のためには、そのことについては妨げることはないという、この両方で、先ほども合意なき決定という言葉に集約させていただいたところでございます。
昨日の夜中までも、また今朝ほどまでも、色々なやりとりを続けた結果ということですから、何月の、何時何分と言われても困りますけれども、ぎりぎりまでということです。

【記者】タイムリミットとしては、今日の11月1日ということで設定といいますか、されていたんですか。

【知事】組織委員会の中には、もう1日ぐらい延ばしてもいいのではないかなどということをおっしゃりながら、非常に困惑させられたこともありました。しかし、やはり大会の成功に持っていくためにはどうするのかということでしたので、最後の最後まで交渉を続けながら、タフではございましたけど、相手は、IOCの皆様、結構、弁護士の方が多いわけですね。そういう中で積み重ねてやりとりをし、やはり大会は成功させなくてはいけないという思いは両方にございますので、そういう結果として、今日の4者協議の場でのそれぞれの発言、そして確認事項に至ったということであります。

【記者】もう1つ、争点といいますか、焦点になっていた費用負担の扱いについてお伺いします。今回、先ほど出していただいた確認事項、議論の到達点というような表現もあるようなんですけれども、新たな費用負担が発生した場合には、東京都は負担しなくてよいと。これまでの支出済みの部分についても、検証の上、東京都に負担させないケースもあるというふうにあるんですが、これ、どのように担保していくのかというところで、こういった文字はありますけれども、札幌の競技の中で、競技そのものには負担しなくても、ほかのところの予算にしわ寄せが行って、最終的にはめぐりめぐって、事実上、負担をせざるを得ないというケースは想定されないというふうに受けとめてよろしいのかどうか。

【知事】私はそのように理解をいたしております。あえてその方に向かっていこうということであるならば、ワンチームと言っておりますけれども、そこが崩れてくるのではないでしょうか。

【記者】幹事社から最後、今のワンチームにも絡むんですが、今日の4者協議の中でも、コーツ委員長から、おそらく謝罪といいますか、申しわけないというような趣旨の発言はなかったように見受けられました。いろいろ混乱も招いた中で、そういった、最後までそういう姿勢がなかったこと、それから森会長から知事のほうに対しての連絡等は、なかったプロセスも含めて、本当に今後、わだかまりなく、ワンチームとしてやっていくことができるのか、そのあたりのご認識をお願いします。

【知事】バッハ会長からいただいたメールの中には、提案もあり、また都民の皆様に対しての、訳し方ではありますけれども、皆様のお気持ちは十分に分かりますというような表現があって、私はそれは、これまで私自身からも、コーツさんを通じて、またバッハさんに対しての、色々なメッセージなどが届いて、それに対しての言葉をお書きいただいたものと、このように考えております。

【記者】フジテレビの小川です。バッハ会長とのやりとりについてなんですが、バッハ会長から、今朝、メールが、深夜の段階でメールが届いたというんですが、それまでどういった形でやりとりがあって、また知事は、都民の思いというのをバッハさんにどういうふうにお伝えしていた。例えば、何か世論調査ですとか、都庁に届いている声ですとか、知事ご自身が聞いた声とか、具体的にお願いします。

【知事】バッハ会長については、常に、コーツさんが、この東京大会の委員長でいらっしゃいますので、コーツさんに伝えることは、すなわちバッハさんと、会長とシェアされているというのが大前提でございます。よって、8割以上の方、都民の皆様が、反対の意見が来てますよという、数字はこうですよ、そして、これだけの沿道の自治会・商店街の皆様が準備をしているんだといったことも含めて、逐一お伝えをしてまいりました。その点について、私はコーツさんにしても、バッハ会長にしても、ご理解をいただいているからこそ、今日の深夜のメールの中にも、その思いは触れていたと、バッハ会長の言葉の中には、それがあふれていたと思っております。
また、この準備をしていただいてきた、また心待ちにしてきた、100万人を超すであろうと思われる、例えば、マラソンの競技のところで、中には、沿道でよく見えるコーヒーショップとかお店屋さんを予約しておられた方、都の職員も、中にもそういう方いらっしゃるし、もっと言えば、それを見るためにマンションを買ったという人までいるんですね。一室を。そこの沿道が見えるからと。そういったこともあるわけで、その気持ちは、ただアスリートファーストの一言だけでというのを、その方々に説明するというのは、なかなか大変であります。そこをわかってくださいということで、都民の心情も含め、また、どれぐらいお金を投じてきたかも含め、数値的なこと、心情的なこと、こういったことについてもお伝えをしてきました。

【記者】深夜というのは、何時ぐらいにメールがあったんですか。

【知事】深夜。夜中の2時ぐらいでしたかね。はい。

【記者】じゃ、昨日、知事が都庁を出られた後にメールが。

【知事】そうですね。はい。

【記者】あと、先ほど北半球での開催の問題点というのを指摘なさっていたと思うんですけれど、例えば、もうちょっと具体的に、どういうところが特に問題かとか、今後どうあるべきかというのを、知事のお考えがあったら教えてください。

【知事】これは、都民の皆様からも、また一般的にも、何でこんな暑い時期にと。前は10月だったじゃないか、10月10日が開会日だったじゃないかと。今、テレビの番組見てても、色々なエピソードが出ているところですけれども、そういう中で、やはり、みんな本当に、このままこの時期にやるのかというのは、とても素朴で、そして、かつ体感的に感じられる部分だろうと思います。
今年、パリでも、42度、43度を超える日がありました。それから、昨日は今度のLAの大会のトップだと思いますけれども、その前のシンクロナイズドスイミングの選手の方ですが、あの方とも、ずっと何を話していたかといったら、山火事の話でした。今、ロサンゼルスやカリフォルニアが大変な山火事に包まれているということとか、夏の報道では、50度を超える温度を記録したところもあった。カリフォルニアも日本全体ぐらい広いところですから、地域によって違うんでしょうけれども、そういったことを考える中において、アスリートファーストというのであるならば、やはりこの点というのは一番大きなところではないだろうかと、このように考えております。
ずっと、もう、各国の気象庁や航空関係のところでは、全て数値もほとんどの国は出していますので、そういったことを考えると、いわゆる暑さ指数などを考えると、なかなか厳しいところもある。もし、今年のような10月だったならば、1964年が10月に行われたわけでありますけれども、台風でどうなったものかというのが、また反論も返ってくるところなんですが、いずれにせよ、この気候変動というのは、もう議論の前にリアルであると、現実だということを考えると、今後どうしていくのかというのは、やはり避けずに議論すべきテーマではないだろうかと、このように思います。その旨で申し上げました。

【記者】あと、すいません。最後に1点だけ。ちょっと話題は変わってしまうんですが、今、ヒアリが都内各所で見つかっている中で、都庁としての現在の対策と今後の対応についてお願いします。

【知事】青海の埠頭で出てきたヒアリの話は重要だと思います。800個体以上のヒアリが発見されて、うち50個体以上が女王アリだということが確認されておりまして、そして、さらに、繁殖可能な女王アリが飛び立った可能性があるということは、また次の別の巣がつくられるということの不安があるわけで、10月25日に国と地元区などの実務者から構成されます東京港におけるヒアリ等対策連絡会を開催しまして、迅速な情報共有をしております。
まず、どれぐらい世代交代が行われているのかとか、そういったことを調査によって確認していくということでございます。現時点では、証拠としての確認ができていないので、まだ定着したかどうかはわからないということですが、さらに調査を続けるということで、半径2キロメートル圏での周辺調査をさらに拡大をするということです。本当に小さいですね、ヒアリ。分からないのですが、アリらしきものを見つけたら、さわらないようにしていただきたいということであります。
オリンピック・パラリンピックからヒアリまで、課題は山積いたしておりますけれども、1つ1つしっかり取り組んでいきたいと思います。

【記者】日本テレビの中丸です。オリンピックの話に戻ります。知事は先ほど4者協議でもおっしゃいましたけれども、今回は同意なき決定ということですが、都知事として、今回の件、同意ではないにしても、了とすることになった一番の理由というのはどういったことでしょうか。

【知事】それは、契約上、IOCが決定権を持っているという動かせない事実があるからです。ですから、これに対して、了と、言ってみれば、せざるを得ないというものではあります。ただし、そこに至るまでには、既に経費をかけたり、多くの人たちの期待感であったり、それらがあるわけですから、ああ、法律がそうだから、契約がそうだからといって、それに東京都知事として乗るということは考えられませんでした。よって、都民の皆様の気持ちをしっかりまずは伝えるということ、それから法的、財政的、それから技術的、この点について議論を重ねたということであります。
前々から申し上げているように、問題となっているドーハのカタール。ドーハにおけます女子のマラソンで棄権者が続出して、あのシーンがとてもショッキングだった、ショッキングだったけれども、10月3日にはバッハ会長が「すばらしい東京の暑さ対策だ」と言っていただいて、そこからあっという間に移転の話になって、というのは、やはり、この流れはまだ多くの皆さんはクエスチョンマークなのではないかと思います。だからこそ、今、冒頭に少しその点についてもまだ納得はしていないけれども、4点ではクリアしましたということを、クリアといいましょうか、共有したということを申し上げたわけであります。

【記者】もう1点なんですけれども、今回の結果なんですが、マラソン、競歩は札幌のほうに移ります。ただ、他方で、バッハ会長のほうから直接メールでセレブレーションマラソンの開催という新たな提案というか、あれもありました。都としては、何ていうんですか、今回の結果というのは実をとったものというふうに言えるんでしょうか。知事としてどうお考えですか。

【知事】はい。マラソンのコースの方々の期待感、自治体、町会であったり、商店街であったり、その期待は本当に大きいものがあります。せっかく準備していたのにというのは、これ、もし立場を変えれば、やっぱり残念だと思うんですよね、その方々にとっても、私にとっても残念であります。
そこをやっぱり何とかしてくださいということもこちらから投げさせていただいて、その結果として、戻ってきたのは、とても具体的なご提案だと思っております。マラソンコースに決まっていたところを使ってマラソン大会をやるのであれば、やりましょうと。IOCと共同でというお話は、この後どうするかについてはしっかり詰めていかなければなりませんけれども、やはり幻のマラソンコースを幻に終わらせないためには、1つの具体的な実になるのではないかと思います。

【記者】すいません。あと、最後に1点です。先ほど東京新聞さんの方も質問していた件でちょっと答えがなかったので、今後、ワンチームでやっていけるのかどうかというところをお願いします。

【知事】やはり、今回の4者協議もそうでありますけれども、それぞれ関係者、これに都民、国民が皆さんついておられるわけで、まさしく気運醸成の段階です。今、本当は、そこに集中していたいぐらいのところでありますけれども、ほかに別のエネルギーを使ってしまって、職員も、これまで担当してきたのがいきなり変わって、戸惑うしかなかった。
ただ、今回のこの結論を合意なき決定ではございますが、前に進めるものは進めていかなければなりません。そういう中で、やはりワンチームとして大会を成功させる。これはオリンピックもパラリンピックも、そしてIFもNFもそれぞれ関係する人たちがやはり前を向いて、すばらしい大会にしようじゃないかという、そのことが気運醸成の全てのこのプラットフォームになると思います。そういう意味でワンチームというのは欠かせないことだと思っています。

【記者】共同通信の恩田です。今回、決定前提だったIOCの進め方に少し批判の声もかなりあったと思うんですが、知事、いつどこで誰がどのように決めたのかわからないとおっしゃっていたと思うんですけれども、その疑問というのは調整委を通じて解決されたのかということと、都として、これまで準備してきた蓄積とノウハウがあると思うんですが、その辺はどのように札幌と今後協力していくかという2点をお聞かせください。

【知事】まず、いつ誰がどこでっていうのは、何度かこちらから質問状や会談でのやりとりの中で伺いましたが、非常にざっくりとしたお話が多く、まだ分からない点もあります。
それから、2つ目が、これまで蓄積してきたものがございます。それは、都として、今後のレガシーマラソンではなくて、セレブレーションマラソン、名称はともかく、そういったことにも今後、人員も振り向けていかなければなりませんでしょうし、それらについては今後考えていきたいと思います。

【記者】読売新聞の石原です。すいません。合意事項について2点ほどあるんですけども、まず、札幌に変更された際に発生する新たな経費は東京都に負担させないとありますが、これはつまり、例えば、この前、コーツ委員長は予備費での対応というのも検討されていたと思うんですけども、予備費になった場合は東京都も負担する可能性が出てくると思うんですけど、予備費対応となったときでも東京都は負担することがないということになっているのかっていうことがまず1点と、あと、もう1点が、東京都組織委員会が支出したマラソン、競歩に関連する経費については、東京都において別の目的に活用されないものは東京都に負担させないこととあるんですけども、別の目的に活用できるものとできないものっていうのは具体的にどういうものなのかっていう点で、例えばセレブレーションマラソンで、例えば、今、整えている道路を使うとなるとすれば、例えば遮熱補正でこれまで300億円程度お使いになっていたと思うんですけど、その部分は、経費について計上しなくて済む、逸失利益というか、請求しなくて済むことになるのかっていう、この2点をお願いします。

【知事】1点目の予備費云々ですけれども、もはや東京都とすれば合意をしていないわけでございまして、かつ、合意した中身については、東京都はその経費を負わないということを明確にここで白日のもとに決められているわけでございますので、それについては東京都として、それは結果的にどうなさるのかは、それこそ、私どもはそれについては合意しておりませんので、勝手に、ここ東京都ねって言われるようなことは、普通はあり得ませんので、必ずそういう方向でやってもらうようになります。そうでなければ、今日やった意味がありません。
それから2つ目の、これまで使ってきたお金について、かけてきたコストでありますけれど、様々なものがございます。アイテムごとによって、それはまた別のところでも使えるとか、よく精査をいたしたいと思います。
そしてまた、舗装については、これも大会で使うキロというか、そこだけではございませんので、それらも、これからのもう一度改めての計算になろうかと、このように思っております。

(テキスト版文責 政策企画局政策調整部政策調整課)

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