ごあいさつ・
プロフィール
施政方針 記者会見 知事の動き 知事と語る
東京フォーラム
海外出張・交際費

ここから本文です。

平成31年(2019年)2月8日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成31年2月8日)

知事記者会見
2019年2月8日(金曜)
14時00分~14時45分

知事冒頭発言

1 明日の東京都内での降雪について

【知事】はい。よろしくお願いします。
まず、雪でありますけれども、明日は多摩、東京23区で積雪が見込まれるとのことでありまして、5センチから10センチの積雪が見込まれるという、気象庁の情報であります。そこで、総務局総合防災部が、気象庁などの関係機関と連携いたしまして、情報収集に努めてまいります。それから、防災ツイッターを通じまして、必要な情報の発信に努めておりますが、今後、場合によっては大雪になるという情報もございますので、是非、皆様方もお気を付けいただいて、転倒なども含めて、それから最新の気象情報、公共交通の運行状況など、ご注意いただきたいと存じます。

2 「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」について

【知事】昨日もフランス大使がパリで集めていただきました、300個の古い携帯電話の基板をお持ちいただきました。風呂敷に包んで。この「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」でありますけれども、ご承知のように、平成29年の春からスタートしたプロジェクトでございます。そこで、約2年間で必要量を集める予定で進めてきたところ、ご協力のお蔭で順調に回収が進みまして、目標達成の目途がつきました。そこで、来月、3月31日(日曜日)、年度末でございますが、それをもって終了することとなりました。ご協力いただいた皆さんに、心から感謝申し上げますが、まだ3月31日(日曜日)までございますので、引き続きよろしくお願いします。
進捗状況をちょっとご紹介しておきますと、去年10月時点で金が93.7%、銀が85.4%、銅は、一つの携帯で12グラムとれることもございまして、もう既に100%となっております。
ということで、昨日のフランス大使からのお持ちいただいたように、また、皆さんもご存じのように、この都庁舎を訪問していただく世界のさまざまなVIPの方が、必ず携帯を持ってきてくださるということで、これは、とても世界に対しての発信力がございます。そういうことから、皆さん、東京都庁に来るなら、また、「東京オリンピック・パラリンピックは、そういう循環型の大会なんですよ」ということは、非常に伝わりやすいテーマだったと思いますので、これは、今後、引き続き、いろいろな形で発信したいと思います。
ちなみに、都庁舎にメダル協力ボックスを設置いたしましたが、今日現在で13万3,000個を超える小型家電等が集まりました。感謝申し上げたく存じます。多くの方の思いが、金・銀・銅のメダルになって選手の胸に輝くということでございます。楽しみにしていただきたいと思います。
残り2か月でございますが、是非とも東京2020大会を、あなたの大会にしていくために、皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:465KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 「BEYOND STADIUM」について

【知事】それから、これもオリンピック・パラリンピックというか、パラリンピック絡みでありますけれども、パラスポーツの観戦・応援をしていただいて、競技であるとか選手の魅力や応援の楽しさを体感していただくためのイベント、「BEYOND STADIUM」を2月24日(日曜日)、大田区総合体育館で実施いたしますので、お知らせ申し上げます。
当日ですが、パラ・パワーリフティング、それからウィルチェアーラグビーの競技ルール、応援方法について学んでいただいたり、実際に競技を観戦・応援していただきます。それから、来場者が楽しみながら選手の、「あの人はこういうのが得意」とか、一人ひとりの特徴であるとか、強みであるとか、そういったことを覚えていただくことができるスタンプラリー、それから迷路、競技団体や「TEAM BEYOND」の企業や団体メンバーと連携して、カヌーや車いすフェンシングなど、さまざまな競技の体験をしていただけるように、また、パネルの展示なども行いますので、是非、ご参加いただきたいと思います。
それから、観戦の前には、地元大田区の皆さんの御協力で、和太鼓とか、チアとか、バトンなどのパフォーマンスで会場を盛り上げていただく予定にいたしております。
ちなみに、私はここでカヌーの練習をしまして、22の種目のうち21まで行くことになりますので、大変楽しみにしております。
それから、大ファンの方もいらっしゃると思いますけれども、ゲストには、Little Glee Monster、良い歌ですよね。それから、仮面女子の猪狩ともかさんが御出演の予定になっております。来場者の皆様と一緒に選手を応援していただきます。それから、選手のトークショーがございますので、楽しみにしていただきたいと思います。
それから、「TEAM BEYOND」の公式ウェブサイトで参加者を募集いたしておりますので、是非御参加いただき、それから会場で選手にエールを送っていただきたいと思います。
このように、取組を通じて、今後も競技会場で観戦・応援する方を増やしていきたい。パラリンピックのチケットから売れていくぐらい。もちろん、オリンピックのチケットの販売が先行しているわけでありますけれども、売れ行きについては、パラリンピックのチケットがバンバン売れるという、是非、それぐらいの盛り上げを行っていきたいと思っておりますので、御協力をお願い申し上げます。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:216KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 「東京都無電柱化推進計画」の改定について

【知事】「東京都無電柱化推進計画」の改定をいたします。そのお知らせでございます。
都におきましては、東京の防災力を高めて、都民の皆さんが安全・安心にお暮らしいただける「セーフ シティ」を実現するために無電柱化を進めているのは、もう何度もお伝えしているとおりでございます。今回、無電柱化の整備計画であります「東京都無電柱化推進計画」の改定についての素案を作成いたしましたので、お知らせいたします。
この計画ですが、2014年度に定めた第7期の推進計画に、新たな施策なども加えまして改定するものであります。
計画期間ですが、今の計画の「2014年度から2018年度まで」を2年間延ばしまして、「2020年度まで」といたします。もちろん、オリンピック・パラリンピックの年ということでもございます。
無電柱化を進める整備計画の対象ですが、国道に都道に区市町村道を合わせまして、新たに238キロメートルを加えるものであります。これで全体として1,154キロメートルであります。「1桁足りないんじゃないか」と言って、発破をかけているところですが、今、コスト、それから技術的な課題など、ちょうど今、まさしく佳境に入りつつあるところなので、現実的な数字がここに盛り込まれているということであります。
都道の無電柱化でございますが、都道については新たに89キロメートルを加えまして、これまで進めてきたセンター・コア・エリア、これは環状六号線と山手通りの路線ですけれども、そこのところの輪っかに加えて、今度、もう少し広げて、環状七号線の内側エリアの路線、それから区市町村の庁舎のあるところ、それから災害拠点病院などを結ぶ路線などで整備を進めるということです。何が言いたいかというと、災害の拠点になるところは、例えば、電力がなくならないような、バックアップをするという装置を整えると同時に、そこが一つ拠点になりますから、その道路のところでバタバタと電柱が倒れたりすると近付けなくなるなどの災害への対応ということで進めてまいります。
それから、区市町村道の無電柱化でございますが、今回は新たに80キロメートルを計画に位置付けるというものであります。区市町村道の無電柱化を加速させなければならないので、都は引き続きチャレンジ支援事業制度を活用いたしまして、また、自然災害への対応として、防災に寄与する路線について、補助率を拡充いたします。これによって、区市町村の負担を軽減するものであります。
ちなみに、無電柱化というのは、最初に「ここの道路やりましょう」と決めてから実際にできるまでは、大体7年間掛かるというのが相場でございます。今、仕込んでおかなければ、その先なかなか進まない、そこにコストの削減と技術革新と両方掛けて加速していくという計画でございます。
それから、近年多発します自然災害に鑑みまして、今、申し上げましたような理由もあって、特に、台風が多く襲来する島しょ部、島においても無電柱化は必要でございます。電柱倒壊、覚えていらっしゃいますか、大阪府泉南市で電柱が倒壊して、道を全部塞いでいるシーンでございますけれども、このように道路を妨げたり、それから停電に備えるための無電柱化の推進というのを、特に島しょ部の防災力、それから景観の観点からも向上させていくという考え方でございます。
これらを盛り込みました素案に対してのパブリックコメントを今日から3月10日(日曜日)まで実施いたしますので、皆さんからもご意見を頂戴したい。そして、そのご意見も参考にしながら、年度内に計画を改定する運びといたします。素案の方ですが、都のホームページからご覧いただければ、ダウンロードもできます。そして、都民情報ルームなどでも閲覧することができますので、是非ご覧いただき、ご意見をいただきたいと存じます。
詳細は、建設局にお聞きください。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:613KB)
(「「東京都無電柱化推進計画(改定)」(素案)意見募集」は、こちらをご覧ください。)
(「「東京港無電柱化整備計画」(素案)に関する意見募集」は、こちらをご覧ください。)

5 防災風呂敷について

【知事】それから、最後でありますけれども、「また風呂敷か」と言われるかもしれませんけれども、災害時に役立つ風呂敷を作成したので、御紹介しておきたいと思います。これまで、防災に関するイベントやセミナーなどを通じまして、災害への備えについてお知らせしてきましたけれども、身近な防災グッズとしての御紹介でございます。
風呂敷は、言うまでもなく、日本の伝統、そして文化ということでございますが、エコの知恵でもあります。それから、平常時は、物を運んだり、包んだり、ギフトにしたりと繰り返し使えるということですが、災害時にもさまざまなことに使えまして、例えば、怪我の応急処置に使う三角巾になったり、女性が避難所で着替えをする際も一つの目隠しになったり、授乳する方々にとっても目隠しに使用することができるなど、風呂敷は本当に「フロシキブル」と、私は言ってるのですけれども、柔軟性(フレキシブル)があると。はい、すみません。ベタなあれでしたけれど。
そこで、ちょっと御紹介したいのは、こちらの風呂敷でございます。爽やかな色になっておりますけれども、特殊な加工がされておりまして、実は水を運ぶこともできるという、撥水性が高いということで、どれぐらい高いかをちょっと実演してみたいと思います。
(知事が、風呂敷を使って実演)
はい。行きますよ。全然こぼれていない。「何やってんだ」と思われるかもしれませんが、これだけ水を入れているのに、ほら、とても撥水性が高いのです。
一方で、いざとなったときに、いろいろなケースがありますから、「水が運べる」ということと、それから、面白いのは、今度は、ブシューッと絞りますと、シャワーになる。撥水性が高く、かつ、水を通すということです。ピャッピャッと叩けば、水滴は落ちる。傘などに使われている素材でもあるかと思いますが、ということで、料理教室をやっているみたいになりましたけれど、こういうふうに、今回、災害時の活用方法を都民の皆さんに広めるということで、今回の風呂敷も作ってみました。これからこの風呂敷を、防災イベントであるとか、防災人材の育成研修などに参加してくださった方々にお渡しして、使い方を広めていきたいと思います。防災グッズは、今、いろいろなアイデアが詰まったのがいっぱいありますけれども、これも一つだと思って、ご紹介いたしておきたいと思います。
また、災害時の活用方法については、三角巾の作り方を紹介する動画なども東京都防災ホームページで公開しております。それから、防災イベントなどを開きますので、どうぞ実際に御体験いただいて。どこかの地域は、これに避難場所を描いた地図を柄にして、皆に配っているとか、いろいろ、防災も「怖い、怖い」という思いはいっぱいありますけれども、ある意味、定着させるためには、どこか身近で皆で楽しみながら守るということができれば、一番よろしいのではないかなと思っております。
詳細は、総務局にお聞きください。

質疑応答

【記者】2月幹事社の産経新聞の大泉です。ありがとうございました。幹事社からいくつか冒頭、質問させていただきます。まず、みんなのメダルプロジェクトについてなんですけれども、これ、実際に始まったのが大体2年ぐらい前だったと記憶していますけれども、当時始まったばかりのときは、金で30キロ、銀で4,000キロ、銅で2,700キロという目標を聞いて、随分ハードルが高いなというか、なかなか大変なプロジェクトを立ち上げられたなという印象を受けたんですけれども、100%が見えてきたということで、2年かけて随分五輪に向けても盛り上がってきているのかなと思います。実際、オリンピック・パラリンピックへの期待も高まるわけですし、また、知事が仰るとおり、リサイクルというもののありようとして、一つの姿を見せているのかなとも思いますし、楽しみながらリサイクルに参加するという意味でも、大変意義のあるプロジェクトだと思っているんですが、これについて改めて知事からお考えをお願いします。

【知事】元々のアイデアは以前からあったということでございますが、それを、都としてそのイニシアチブをとりながら、組織委員会や、それからさまざまな方々と連携しながらこれを進めさせていただいた。今、全国各地でこのご提供がいただけるということで、今回の目標達成につながったのだろうと思っております。
やはり、次の東京大会がメッセージを出していく絶好の場でもございますので、いろいろな技術力とともに、とにかく世界共通のエコの問題についてはしっかり発信していく。さらに、メダルというとてもオリンピック・パラリンピックにとっては身近なグッズが関わっているということに、わかりやすさも手伝って、今回の目標達成に近付くことができたのではないかなと思っております。
こういう形で、さらにこれからもいろいろな工夫をしながらも発信していきたいと思っております。ご協力ありがとうございました。

【記者】幹事社からもう1問。オリンピック・パラリンピックについてなんですが、ちょっと話を変えまして、今週、都庁で道路交通マネジメント、いわゆるTDMの関係の会議が行われました。現在、高速道路の使い方として、一部値上げをするロードプライシングという案があったりとか、あと、専用レーンを設けるという案なんかも俎上に上って、今後検討していくという話が出ています。なかなか、具体的な値上げとなると、単純にその値段に対する反発も予想されるわけで、また、諸外国の高速網と違って、実際に使われる首都高というのは車線も少ないし、すごく立体的に輻輳していて、複雑な構造をしていて、なかなか専用のレーンを設けるというのにはハードルが高いのではと。かえって混乱や危険性も増すんじゃないかという指摘も出てくることが予想されます。こういう、さらに高速網を事実上制限するということで、かえって一般道が混んでしまうという懸念も出ると思います。そこら辺について、日頃、「輸送というのは、オリパラ成功の鍵である」ということを知事仰っていますけれども、ご見解をお願いいたします。

【知事】大変重要なご質問かと思います。選手、そして大会関係者をお運びするルート、「オリンピック・ルート・ネットワーク」と呼んでいますけれども、この交通運用については、組織委員会と一緒に関係機関と協議を行っているところであります。ご指摘のように、首都高というのは非常にレーンが少ない、それから、左右から合流が多いので、全面的に専用レーンを設けるというのは、かなり現実離れしているかなと。そこから大会関係車両や一般車両と一緒に渋滞に巻き込まれる影響が大きいということになろうかと思います。
そこで、専用レーンを設けるとしても、必要最小限、そして効果のあるところで検討すべきだという話を今、まさしく検討中だということで聞いているところであります。まだ、どこの場所でということを特定しているという状況にはないと聞いております。
それから、料金でありますけれども、基本的に大会の交通政策、「TDM」と呼んでいますが、これは経済活動の維持と円滑な大会輸送の二つを一遍に実現を図らなければならないということから、現在、経済団体や物流団体など、さまざまな企業へ御協力の要請を行っております。
今回、検討会では、TDMによる車両の減少量というのが、一般道に比べますと、首都高速道路上では減少割合が少ないということが報告されております。よって、さらに実効性の高い対策の必要性を検討すべきではないかという意見も出ている。
こうした声をもとにしまして、国、それから大会組織委員会と一緒にさまざまな方策を検討していくということで、今、御質問のありましたロードプライシングもそのうちの一つということになろうかと思います。
でも、いずれにしても、経済活動の維持と、円滑な大会輸送との両立ということでございますので、十分に検証をした上で、さまざまな施策の実現可能性を見定めていこうというところでございます。冒頭ありましたように、ここが大会成功の鍵の一つだという認識でもって、都としても取り組んでいきたいと思っております。

【記者】ありがとうございました。
幹事からは以上です。質問のある社は、挙手の上、知事の指名を受けてから質問をしてください。それでは、各社さん、どうぞ。

【記者】フジテレビの小川です。先日、バンクシーと見られるネズミの絵が都の施設に描かれていた件なんですが、これ、今、都は専門家にいろいろ検討してもらっていると思うんですけれど、専門家は、取り外すとバンクシーが自分の作品だって認める可能性は低いという見解を都に伝えたということが、フジテレビの取材でわかったんですが、その上で、専門家は、扱いについて、公開で討論するよう求めていますが、都としては、どのような対応を考えていらっしゃるのかということと、あと、また、バンクシーは元々ストリートアートですので、そこにあることに意味があるという見方もありますので、元の場所に戻して公開するということも選択肢の中にあるんでしょうか。お願いします。

【知事】バンクシーさんの作品ではないかと言われるネズミでありますけれども、これだけ、あちこちでまた見つかっているとかというので、バンクシーさんからすれば、「それが自分のアートなんだ」と仰りたいのではないかなと、勝手ながら推察するところであります。外してしまうと、それはバンクシーが認める確率が低くなるというお話など、専門家の方々からのお話は、私はまだ直接伺っておりませんけれども、いろいろなご要望をいただいていることと思います。
では、あそこを取り外してしまったら価値がないではないか、もしくは認めないではないかというお話ですが、あのままにしておきますと、また、きちんと維持ができるのかどうか、それから、道路にも近いところにありますので、そういった混乱なども予想されるということから、一旦取り外しをしたところであります。
ただ、いずれにせよ、あの絵が描かれておりましたのは防潮扉なのです。防潮扉というのは、防災上重要な施設、それはまさしく「防潮」の役目を果たしていますが、東日本大震災のときに、防潮扉を閉めに行った方が亡くなるなどの被害があったことも事実で、防潮扉はなくしていこうという、今、そういう方向性であります。防潮扉そのものは、もっと海に面したところでその機能を果たす部分をつくりつつありますので、いずれにせよ、外されるのは、時間的な、いつかは別にしましても、そういう流れになっております。
よって、そういうことからが一つと、それから、今また改めて、そこにまた戻して云々ということについては、その考え方は都としては、場所に戻して公開をするという考え方は、今はございません。
なお、一方で、是非見たいという方もいらっしゃるかと思いますので、そこは何らかの工夫をこれからしていきたいと思っております。
【記者】ということは、もし本物だとわかった場合は、何らかの形で都民に公開していく、皆さんに公開、見えるような形にしていく。

【知事】そこは、だから、誰がその真贋を、「これ、本物か」というのは、誰がするのかがわからないというのが、「バンクシーさんならでは」ではないかなと。でも、こうってやりとりしているのは、それがバンクシーさんの思惑でもあるのではないかなと思います。
いずれにしましても、今はきちんと保管をさせていただいているという状況であります。

【記者】ありがとうございました。

【記者】朝日新聞の土居です。児童虐待の方針についてお伺いします。野田市での事件で、教育委員会であるとか、児相の問題とかが次々と明らかになってきて、都としては虐待防止条例を出して執行していくという一方で、都知事の先日のご発言の中で、実効性の確保をやっていくというお話もありました。具体的に、どういった形で実効性の確保、要は「しつけ」という名目での虐待を防ぐためにやっていかれるのかというところが、お伺いしたいのが一つと、あと、民法の懲戒権という規定があると思います。それについて、要らないのではないかという意見もあると思いますが、知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】まず、この度の小学4年生の女の子が亡くなられた件については、まずお悔やみを申し上げると同時に、児童虐待が子供の命を奪うというところにまで至るということについては、非常に憤りを感じるところであります。
一方、この児童虐待を防止するためには、都、それから都民、関係機関が一体となって、社会全体で守る必要があると考えております。
ご指摘のように、ただいま都におきましては、社会全体で全ての子供たちを守るということから、条例の検討を進めているところで、そして、条例案では、「未然防止」をはじめとして、「早期発見・早期対応」、そして、「子供と保護者への支援」などの項目に取りまとめまして、保護者の体罰などの禁止、それから、健診受診の勧奨に応じる努力義務、それから、警察、子供家庭支援センターとの連携の強化と、かなり幅広い内容を盛り込む予定でございます。
この実効性の担保ということについては、まず、この条例を成立させること。そして、それから、前の目黒と香川の問題でもありましたけれども、府や県とか、自治体の境を越えたときの情報の共有を一体どうするのかということ。それから、民法との関係になりますけれども、酷い場合といいましょうか、その際は警察が介入してくることになってくることが想定されるということもあります。それらの法律上の問題点なども、まずはこの条例を設けることによって、さまざまなこれまであった課題なども整理されてくるのではないか。また、条例について広く知らしめることによって、今、大変社会がこの問題で、世界的にも、日本の状況は大丈夫かという声が上がっているということで、機運を高めていくことなども、条例をつくることによって進めていけるのではないかと思っております。
体罰全面禁止の法制化など、国連の子供の権利委員会からは、児童虐待防止対策の強化についての要請もあったと聞いております。いずれにしましても、今度の定例議会の方でしっかりと議論を重ねていただければと思います。
それから、緊急安全確認などの対策を講じる方針というのが、今日の関係閣僚会議でも議論されているということを承知しておりますので、国の方針を確認いたしました上で、必要な対応について、速やかに実行に移すように指示したところでございます。条例を作った効果が、できるだけきちんと表れるように、しっかり体制を組んでいきたいと考えております。

【記者】民法の懲戒権については、どのようにお考えですか。

【知事】それらにつきましても、これからの整理になろうかと思います。

【記者】共同通信の河村です。ちょっと話が変わって恐縮なんですが、豊洲市場のにぎわい創出事業についてお伺いいたします。一般の方も参加できる土曜マルシェが1月から始まりまして、大体1か月ぐらいが経ちました。また、今週末、知事もお伺いになると聞いているんですが、世界料理学会という、またプロの方向けのイベントも開かれるということで、今、こうしたイベントに対しての知事の手応えと、今後、もっとこうしていけばみたいなものがあったり、今後、「千客万来」ができるまでに、さらにどうつなげていきたいかというのをお聞かせください。

【知事】お陰様で、豊洲市場でにぎわい創出のイベント、「おいしい土曜マルシェ」というのは大変人気がございまして、1か月が経過したところで、大変多くの一般来場者の方々が、合わせまして3万2,000人を超えるということで、多くの皆様方がご参加いただいているということでございます。
料理学会の話は、明日ですけれども、青果の業界が中心となって開かれるということで、私も参加する予定といたしております。豊洲市場の5街区の屋外スペースで開かれている土曜マルシェ、それから、明日、豊洲市場の中の方の講堂で世界料理学会が開かれるということで、例えば、六雁の秋山さんとか、それから、京料理だと西さんとか、もうその道で知られるカリスマのような方々が集われるということで、お料理に対しての哲学とか食材、それから、市場への思いなどの意見交換をされることを大変楽しみにいたしております。
やはり食文化は、日本の発信するキラーコンテンツでもあろうかと思いますので、こうした取組が豊洲から世界へ発信されるということ、大変楽しみにしております。私も、食べる方の代表として、トークセッションに参加していきたいと考えております。どうぞ明日は、そういう意味でおいしい土曜マルシェと、それから、世界料理学会のディスカッションの方に是非ご参加いただければと思っております。

【記者】THE PAGEの具志堅です。無電柱化推進計画についてお尋ねしたいのですけれども、今回の計画、2014年度から18年度までの第7期の計画を2年延伸されるというお話なんですけれども、これは、わざわざ2年延伸しなくても、来年度からまた5か年の8期の計画を立てれば良いんじゃないかなと思ったんですけども、わざわざ延伸して8期を立てないのはどういった理由があるのかということと、あと、2020年まで延伸して、それ以降の計画をどう進めていかれるお考えなのかということ、この2点をお聞かせください。

【知事】一言で、オリンピック・パラリンピックまでに間に合わせる部分というのに、拍車をかけていきたいということで、ピンポイントで2020年ということにいたしております。それと今ちょうど、さっきも申し上げましたように、コストの縮減であるとか、それから、技術的な革新というのが、緒についてしばらく経って、その可能性というのが出てきているところですから、そこでどのような、今後の、より野心的な目標が立てられるということを見通せるような段階になるのが、2020年ぐらいだったら良いなと思っているところであります。

【記者】テレビ東京の吉田です。すみません。来週から、多摩市で自動運転バスの実証実験が始まります。高齢化が進む多摩市で実験を行う意義と、どのようなスケジュール感で施策を進めていきたいか、お聞かせください。

【知事】自動運転は、特区の制度を活用しまして、これまでも羽田の近辺であるとか、さまざまなところで、さまざまな乗り物を活用して行ってきました。私も、自動運転タクシーなど、既に試乗してみたところであります。
次に、今、多摩の方のバスということでございますが、やはり、特に高齢化をすることによって、ご本人の足の確保というのが大変なときに、今度はハンドルを握る人、つまり運転手の皆さんの確保も今、難しい状況になってきているということでございます。そもそも若い人たちが運転免許を取らなくなった上に、トラックとかバスとか、さらに、免許のレベルといいましょうか、カテゴリーの違うものに挑戦される方がさらに減っているということを聞いております。そういう意味では、この自動運転というのは、いろいろな移動体、車の種類によって試されるものだと思っております。
いつまでに何をというのは、むしろこれは結構技術的な、また世界との競争もある中で、しかしながら、特に多摩地域ということで申し上げるならば、そのニーズは極めて高いものになるのではないかと思います。
一方で、自動運転の試行が各地で行われておりますけれども、やはり安全性ということの確保、突然の人の飛び出しであったり、子供がボールを追いかけて、などという、そこにどれぐらいまで対応できるのかどうかとか、課題は一方で大きいもの、また、高いものはあろうかと思いますが、一つずつ試行を積み重ねて、それを確実な形、また、法律的な問題も出てくるかと思いますけれども、総合的に、かつ有効に、この自動運転については、国としても、また東京都としても取り上げていく、また挑戦する分野だと思っております。

【記者】NHKの成澤です。すみません。児童虐待の話にちょっと戻って恐縮なのですけれども、先ほど、知事からも、本日の政府の関係閣僚会議についてご言及ありましたが、都の方に必要な対応について指示したということだったのですが、そもそも、この会議が、1か月以内に緊急の安全確認を行うというふうに、ある意味、目標、設定というか、そういうことを打ち出したことについて、知事の評価といいますか、受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

【知事】目黒の結愛ちゃん、そして、今回の女の子の問題など続いて起こっているということに対して、やはり国としても、その対応を急がねばという、その思いだと思います。やはり、これも社会的な問題として、スピードアップして行う必要があろうかと思いますので、本日、閣僚会議が開かれたと。そしてまた、方針も示されたということは、国と都と、そしてまた、他の自治体も合わせて、連携しながら、スピード感を持って対応していきたいと考えております。

【記者】東京新聞の梅野です。情報公開の制度についてお聞きします。都の制度ですけども、ご案内のとおり、開示されなかったことに対する不服申し立てという制度があって、その際に、口頭で意見陳述できるということが、一応条例に定められています。ただ、それ、審査会というところが認めた場合に限るという条件なんですけれども、調べてみますと、意見陳述というのが、ここ10年間、全く行われてないということがわかりました。実際、希望している人は年に数件はいらっしゃるそうで、そういった希望した方からは、ちょっと情報公開の意義に反するんじゃないかというようなご意見も出ていました。
そういったことに対して、10年間やってなかったということに対する受け止めと、もう一つ、原則として、意見陳述は審査の迅速化のために止めようと事務局の方が提案して、審査会で原則として決めてしまったということもあるんですけども、そういった、条例で決めたことを運用でちょっとないがしろにしてしまうような状況になってしまっていることについて感想をお聞かせください。

【知事】本日の貴紙の朝刊も拝読させていただきました。都の情報公開制度では、審査請求人が意見を表明する機会として、一つが書面によるもの、もう一つが口頭によるものと2種類あるわけでございますが、書面による意見表明の機会というのは複数回確保されていると、記事の中にも書いてあったかと思います。
審査会の審議ですが、書面を中心に行っておりますけれども、審査の請求人から口頭意見陳述の申し出があった場合には、全て審査会に諮って、合議の上で必要性を判断していただいているということで、これまで10年間、合議の上でそういう判断をされてきたということに他ならないと思います。
ただ、審査請求の手続きについては、今後、口頭意見陳述ができるということも含めまして、情報公開のホームページなどでもっとわかりやすく御案内するなど丁寧に対応していきたいと思っておりますので、その旨を指示したところでございます。
それから、一方で審議の迅速化ということも求められているかと思いますけれども、審査会としても、効率的な審議を図る工夫などもしておられると聞いております。審査請求人から口頭意見陳述の申し出があった場合には、先ほども申し上げましたように、全て審査会に諮って、委員の皆さんの合議の上で、必要性の判断をしていただいているところでございますが、より都民の皆様方にも、そのシステムなども含めて、丁寧に説明をするということで、情報公開の道筋というのを確保していきたい、こう私は思っておりますし、また、その旨、指示したところでございます。

【記者】関連して、すみません。迅速化なんですけれども、そのためには、どうしても情報開示請求の件数自体は増えているものですから、審査会や事務局の組織の拡充、人数を増やすといったことも選択肢にあると思うんですけども、そういったことは考えておられないでしょうか。

【知事】また改めて確認してみたいと思っております。
ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

ページの先頭へ戻る

東京都庁〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1交通案内 電話:03-5321-1111(代表)法人番号:8000020130001

Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.