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平成30年(2018年)8月3日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成30年8月3日)

知事記者会見
2018年8月3日(金曜)
14時00分~14時43分

知事冒頭発言

1 オリンピック・パラリンピックに関するイベントについて

【知事】お暑うございます。
今日は、私の方から何点か、まずお伝えをすることといたします、いつものように。
まず、先ほど、午前中でしたけれども、公明党の東京都本部に対しまして要請会を行わせていただき、大変、国と都政としっかり連携していくためにも、公明党の国政におられる議員の皆様方にも、都としての考え方、お願いということで、良いコミュニケーションがとれたと考えております。
それから、7月31日(火曜日)に関係局長会議を開きまして、豊洲市場の安全・安心について発言させていただきましたので、改めて申し上げておきたいと存じます。7月の中旬に追加対策工事を終えまして、そして、先日、専門家会議でその有効性について確認を行っていただき、7月31日の時点で、都が実施した追加対策によって「将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認した」旨の評価をいただいたわけでございまして、その結果といたしまして、豊洲市場、産地、出荷者、市場関係者、そして消費者、全ての関係者の皆様方に安心してご利用いただける市場、「安全・安心な市場」として開場する条件を整えることができたと、この旨もお伝えしたところでございますので、改めてこの件について述べさせていただきました。
次に、オリンピック・パラリンピックの関連でいくつかお伝えしたいと存じます。
まず、「TEAM BEYOND」でありますけれども、この一環で、「BEYOND AWARD 2018」を実施いたしますので、そのお知らせでございます。今年は、好きなパラアスリートに絵と応援メッセージを送る「絵てがみ」という部門と、それから歌、ダンス、チアなどでパラアスリートを応援する「音楽パフォーマンス」、これを9月3日(月曜日)まで募集させていただきまして、優秀作品は10月に表彰いたします。
「絵てがみ」部門ですが、事前審査を通過した作品を東京駅に展示させていただきます。そして、一般の方からのウェブ投票も実施いたします。そして、応募いただいた「絵てがみ」は、宛先の、好きなアスリートの方にお届けするということで、みんなで「パラアスリートの皆さん、頑張ってください」という応援であります。
同じく「音楽パフォーマンス」部門もございまして、審査員や観客の前で実際に実演していただいて、その場で観客による投票を含みます公開審査を行う。
審査員でありますけれども、教育評論家の尾木ママ、尾木直樹さん、そして、振付師でタレントのパパイヤ鈴木さん、それから、東京アスリート認定選手でパラカヌーの瀬立モニカさんなどにご協力いただく予定となっております。
夏休みの間でございますので、お子様をはじめ幅広い世代の方に、是非好きなパラアスリートに対して、応援メッセージを送ってほしい。多くの皆様方からのご応募をお待ちいたしております。以前から申し上げておりますように、「パラリンピックの成功が東京大会の成功」だと確信いたしておりますので、是非パラリンピックのいろいろな種目に皆様方も触れていただいて、どんな選手がいるのか確認していただいて、応援していただきたいと存じます。
それから、もう一つ、オリパラ関係でございます。「未来(あした)への道 1000キロメートル縦断リレー2018」のグランドゴールについてのお知らせです。1000キロメートル縦断リレーは、15日間に渡って、被災地を「ランニング」と「自転車」でたすきをつないでいくということで、スポーツの力で被災地に元気を届け、復興の状況なども広く発信する事業であります。
東京2020大会の2年前の7月24日(火曜日)、先日、青森市をスタートいたしまして、高橋尚子さんが最初スタートしてくれました。そして、最終日が8月7日(火曜日)になりまして、今回は、場所は駒沢オリンピック公園がゴールとなります。そして、私も最終区間のランナーの皆さんを駒沢でお迎えをしたいと思います。最終区間に走っていただく方々は、バルセロナオリンピックの200メートル平泳ぎの金メダリスト、凄かったですね、彼女の泳ぎ、岩崎恭子さん。それから、5人のゲストランナーにご参加いただくことといたしておりまして、15日間に渡る縦断リレーのフィナーレを飾っていただくことといたします。
ゴールでの式典では、このリレーを映像で振り返り、そして、青森から東京まで、全国から集まった、約1,600人【注】もの多くの方々の復興への思いを、たすきとともにしっかりと受け止めてまいりたいと思います。担当は、オリンピック・パラリンピック準備局でございますので、ご確認をよろしくお願いいたします。
【注】最終参加者数 1,540名

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:637KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 「チャレンジショップ創の実」の多摩地域への展開等について

【知事】それで、今度は、商店街関係であります「チャレンジショップ創の実」。前に、自由が丘での「チャレンジショップ創の実」をご覧いただいたかと思いますが、今度は多摩地域に新たに同じく「チャレンジショップ創の実」を設けるというお知らせでございます。
「チャレンジショップ創の実」を目黒の自由が丘に設けまして、女性、若者が商店街に出店して、将来のリーダーとして活躍できるように、店舗の運営であるとか商売、ビジネスのノウハウを学ぶ場を提供してきているわけであります。今度は、多摩地域でも同じようなサポートを行うということで、場所は武蔵野市の吉祥寺、「ジョージ」であります。新しく「チャレンジショップ」を11月に開設するというものであります。
言うまでもなく、吉祥寺というのは、都内の各地から買い物客が訪れますし、大変レベルの高い販売経験を積むことができるのではないかということであります。意欲を持って、このビジネスに工夫を凝らして取り組もうとする女性であるとか、若者の入居を期待いたしておりますので、今日から受付が始まります。奮ってご応募いただきたいと思います。
また、女性経営者が商店街に限らずさまざまなビジネス分野でも力を発揮するということは、東京の産業の発展にとりましても不可欠でございますので、そうした動きを、より確実なものとして後押しをしていく。具体的な行動の輪を広げていくということから、女性の経営者によります議論、そして交流の場を今年度中に設けたいと考えております。これは、内容が固まりました時点で、また改めて紹介したいと思いますが、しっかり、東京では、どんどん新しい企業が芽を出して実を結ぶようなエコシステムをつくっていきたいと考えております。
詳細は、産業労働局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:119KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 創薬系ベンチャー育成支援事業『Blockbuster TOKYO(ブロックバスタートーキョー)』のプログラム開始について

【知事】それからもう一つ、ベンチャー絡みでありますけれども、創薬系のベンチャーを育成する支援事業を始めてまいります。こちらは、「Blockbuster(ブロックバスター)」と呼ぶものでございまして、創薬系ベンチャー育成支援事業「Blockbuster TOKYO(ブロックバスタートーキョー)」というプログラムを開始いたします。これは、新たな医薬品の開発には、これまで製薬企業中心の研究や開発が行われてきたわけでありますが、それに加えて、有望な技術を持つ研究者やベンチャーと、そして、製薬企業とのオープンイノベーションが必要であるということから、ベンチャーの活躍はますます重要だと考えております。
この度、これは自治体初の取組になりますけれども、創薬分野に特化したアクセラレーションプログラムとなります。名付けまして「Blockbuster TOKYO」という名前になります。明日8月4日(土曜日)から研究成果の事業化を目指す方々が参加する「早期選抜プログラム」を早速開始いたします。また、今月の27日(月曜日)からは、この創薬系ベンチャーのエッセンスを学ぶことができる「研修プログラム」、そして、9月の下旬になりますと、事業化のさらなる加速を目指す「選抜プログラム」と、このように段階を踏まえて準備をしてまいります。
「早期選抜プログラム」には、全8チームの参加が決まっておりますが、どのチームも、有望な技術をお持ちの方でございます。また、「研修プログラム」、「選抜プログラム」と続くわけですが、引き続き募集を行っております。これら三つのプログラムは、いずれも創薬系のベンチャー、研究者の成長に資する内容だと考えております。都といたしましても、その育成に取り組んでまいりたいと考えております。
詳細は、政策企画局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:110KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 「一斉帰宅抑制推進企業認定制度」の創設について

【知事】次が、これが災害時の課題でございますが、「東京都 一斉帰宅抑制 推進企業 認定制度」を設けるという話ですが、一言で申し上げますと、先日の、例えば、大阪北部地震のときも、大阪では、一斉にみんな家を目指そうということで、帰宅困難者が発生して問題となりました。そして、こちらもまだ忘れ得ぬ光景でありましょうが、東日本大震災の際は、都内で約352万人の帰宅困難者が発生したわけでございます。
多くの帰宅困難者が一斉に帰宅するとなりますと、道路が人で埋まったり、救命や救助活動に支障を来したりという恐れがあります。また、そこに余震が来るとなると、二次被害の拡大につながる恐れも出てまいります。そのために、大規模地震発生時などには、むやみに移動を開始しないで、会社などの安全な場所に留まる。いわゆるこれを「一斉帰宅抑制」と呼んでいるのですが、このことが大変重要でございます。新宿新聞さんは、この件についていつもご質問いただいているわけでございます。
さて、それでは、企業はどれぐらい取組をしているかということでありますけれども、アンケート、一斉帰宅抑制については7割以上の方々、企業がそのことについては知っている。ただ、「従業員への周知に取り組んでいますか」と、ここまで聞きますと、これが一気に3割に留まってしまうということで、頭ではわかっているけれども、「では、そのときどうしますか」というようなところにまで至っていないということから、新たに企業の取組を支援する制度をつくったということであります。名付けまして、「一斉帰宅抑制 推進企業 認定制度」と、漢字ばかり並びますけれども、こちらを創設いたします。この制度を通じまして、一斉帰宅抑制に取り組んでいる企業の裾野を広げていきたい。そして、帰宅困難者対策に対しての社会的な気運を醸成していきたいということであります。
具体的な話になりますけれども、従業員の3日分の水・食料の備蓄、それから、「東京都帰宅困難者対策条例」に定めている一斉帰宅抑制の四つの取組を実施している企業を対象といたしまして、ひと工夫加えた積極的な取組を実施している企業を「推進企業」として、そして、そのうち特に優れた取組をしている企業については「モデル企業」として、都が認定するということでございます。
例えば、「備蓄品を集積してストックする専用スペースの確保が難しい場合に、個々の机の下を備蓄品置場に活用する」といったような工夫をしている企業などは、「推進企業」として認定するということであります。大体、いろいろなオフィスに行きますと、自由に、場所を決めない場合は別ですけれども、大体、下もいっぱい自分のもので詰まっているケースが多いのですけれど、いろいろな呼び掛け、企業としての取組として、そういったところにもちょっとしたストックをすることによって、いざというときに備える、そのような企業を後押ししていきたいと考えております。
ということで、8月6日(月曜日)から募集を開始しまして、12月には「推進企業」を認定いたしまして、その中から、2月に「モデル企業」を認定いたします。そして、「推進企業」、「モデル企業」に対しましては、認定証であるとか認定マークを交付して、都のホームページなどでも社名、取組内容を公表させていただきます。企業それぞれのCSRにも資するのではないかと存じます。「モデル企業」につきましては、認定式を開催して、認定証などをお渡しして、背中を都としても応援していきたい。是非、多くの企業に皆様方にご応募いただきたいと考えております。
詳細は、総務局にお聞きください。
私の方から、いくつか申し上げさせていただきました。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:342KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】8月幹事社の産経新聞の大泉です。よろしくお願いします。幹事から、冒頭、2問、質問させていただきます。
まず、冒頭で触れられた豊洲市場の関係なんですが、今週、安全宣言を行いまして、翌日には農水省に認可申請を行ったと。開場に向けた準備を整えている最中だと思うんですけれども、今後、千客万来予定地の仮設の賑わいも含めて、豊洲の賑わい、盛り上がりをどのように醸成させていくのかという部分と、あと、安心・安全の発信という部分で、今後、どのような手法を使って、知事を中心に豊洲市場の安心・安全を発信して世界に冠たる市場に育てるのか、ここら辺を教えてください。

【知事】まず、賑わいでありますけれども、今回、農水大臣の認可申請をいたしまして、約1か月と、審査に要する時間はそのぐらいかなということを聞いております。その上で、9月13日(木曜日)には式典を行わせていただくという手はずを整えております。
そして、これらのこの準備と同時に、さまざま発信をしてまいります。そして、豊洲、新しい市場に対しましての安心・安全については、例えば、引き続きモニタリング、地下水の水位から、その他、環境、大気など、日々、また、定期的に発表させていただいておりまして、これらのモニタリングの継続及びその公開を続けていく考えでございます。
そしてまた、今、移転の準備をされておられる業界の方々。今回、この安全宣言ということを受けて、大変、移転にさらに力が入っていると聞いております。このように、業界の皆様方が、大変元気に次に向かっての準備をされておられるということも、一つの勢いを示すものにつながるのではないだろうかと期待いたしております。10月11日(木曜日)に開場ということになりますと、私は、そのこと自体は、これからの都民の皆様への情報発信そのものになるのではないかと思っております。これからも、さまざまな形での情報発信、そして情報公開、この2本立てで進めていきたいと考えております。

【記者】それでは、幹事から2問目です。東京五輪の関係でお願いします。
「Tokyo Tokyo FESTIVAL」のプロデューサーの川上氏の辞任についてなんですけれども、先日、川上氏をちょっと取材する機会がございまして、川上氏が、今回当初考えていたスキーム、川上さんがプロデューサーをされて、川上さんの勝手知ったるスタッフを使って文化事業をやりたいというようなお考えがあって、それで練られたスキームが代理店を介して外注するというようなスキームだったと思うんですけれども、そのようなスキームに対して、立てたところ、知事サイドがあまりそのスキームに乗り気じゃなかったというか、あんまりそのスキームは良くないというような指摘があったと。それでも川上さんが「このスキームじゃなきゃできない」、「難しい」というようなことを言ったら、当初のスキームどおりで事業が進むことになったということを仰っていたんですけれども、知事が一旦、懸念を表明したようなスキームを、なぜ追認したというか、承認されたのかというのが、ちょっとよくわからなくて質問させていただきます。

【知事】私は、そのご質問そのものがよくわかりません。川上さんとは、これまでも東京を文化の発信の地にしていこうということで、共通の認識を持っておりました。スキームについては、いろいろA案、B案など、いろいろ工夫もしたところもございます。そして、そこをできるだけクリアにするための工夫をしていたというところでございます。そしてまた、これについては、例えば、このスキームのあり方などにつきましては、私自身は予算委員会の方でもしっかりとお答えしているところでございます。
いずれにしましても、このスキームそのものは適切なものであるべしということで進めてまいりました。残念ながら今回、この統括プロデューサーを降りられるということでございますが、これからもいろいろな意味で川上さんのアドバイスを頂戴してまいりたい。そして、せっかくのこの「Tokyo Tokyo」という、この2020年のオリンピック・パラリンピックの機会に、東京の文化を発信をしていこうということでございますので、これから加速度的に進めてまいりたい、このように思っております。

【記者】それでは、川上さんがこれまでブログ等でも今までの経緯について説明されてるんですけれども、そういった内容と知事のこれまでの経緯の認識っていうのは違うということなんでしょうか。

【知事】いや、そんなことはありません。川上さんも重々ご理解いただいてると私は理解しております。まだ、物事が始まっていない段階で、何か問題があってはいけないと思っておりますし、問題視されるのがよくわからないと思っております。

【記者】幹事社からは以上です。それでは、各社さん、お願いします。まず、知事の指名があってから発言をお願いいたします。また、不規則発言はお止めください。よろしくお願いします。

【記者】MXテレビの白井です。東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策が課題になる中、7月27日(金曜日)に森会長がサマータイムの導入について総理に打診されたということで、今朝の鈴木オリンピック大臣の会見でも、大臣は慎重な姿勢を示されましたが、このサマータイムについて、小池知事のご所見をお願いいたします。

【知事】はい。サマータイムというのは、各国かなり適用されて、サマータイムに変わるタイミングが、それぞれ国によって違うので、結構、変わる時期の飛行機の出発時間とか、注意しないとえらいことになったりいたしますが、また、地球温暖化対策という観点からサマータイムをという流れも、一時期あったように記憶いたしております。
そして、今年も、大変な猛暑であるということから、2020大会での暑さ対策というのは、ここへ来まして、特に皆さんの関心も高まっているということもあり、さまざまな対策を、一つ、二つぐらいグレード上げて取り組んでいかなければならないということから、この暑さ対策、2020大会の暑さ対策、東京都としても、取組をもう一度見直してみましょうという流れで、指示しているところでございます。
そのうちの一つとしても、このサマータイムの導入ということも一つの考え方ではないかと思っております。朝の時間を変えるということは、今度、夕方の時間に響いてくるのをどうするのかとか、また、別の問題も呼び起こすことになろうかと思います。いずれにしても、メリット、デメリットがありますし、また、お金も結構かかることになろうとも聞いております。それから、国民生活への影響があるということであります。これはまた、サマータイムとは日本全国の話になりますので、私はむしろ、国においてまず検討を深めていただくということを見守っていきたいと思っております。

【記者】日本経済新聞の秋山です。税財源の偏在是正についてお尋ねいたします。先ほど冒頭でも公明党の方とコミュニケーションされたというお話ありましたけれども、もし、都としては全く仮定したくないことだとは思うんですけれども、政府による偏在是正の措置が実現した場合に、都政に具体的にどのような影響があるとお考えでしょうか。例えば、地下鉄の延伸であるとか、そういう交通インフラの整備が滞るであったりとか、託児所がつくれなくて、待機児童問題が、対策が進まないであるとか、そこら辺考えられると思うんですけど、具体的なお考えというのをお示しいただけますでしょうか。

【知事】はい。この「偏在是正措置」と言われていますけれども、そもそもこの偏在があるのかというところから始めなければいけない、このようにも思います。ご承知だと思いますけれども、都の財政というのは現在も年間マイナス4,200億円の影響を受けております。さらに、一旦お約束したものが、またチャラにされようとしかねない、消費税が10%になる段階で、減収幅が約800億円拡大するわけでありまして、合計いたしますと4,200億円プラス800億円で、5,000億円のマイナスが生じている。これが平成28年度の税制改正を踏まえた法律で、既にもう決まってしまったという状況でございます。
そこで、例えば、消費税10%の段階での減収幅が約800億円ということになりますと、800億円は、すなわち保育所を設ける、整備をするために必要なお金を換算いたしますと、約300ケ所に相当するということでございました。800億円あれば、300ケ所の整備費ができ、そして、先日も発表させていただきましたが、3,000人以上、今回、待機児童の減少ということで、それでもまだ5,500人の待機児童ということでございますので、そこを一気に解消するチャンスを失うという話になります。
この手の話は、いろいろなところに掛ければ具体的な数字が出てくるかと思いますけれども、やはり都といたしましての今後のさまざまな計画に支障が出てくるということであります。そして、これは単に、「都だけが楽しくやろうぜ」という話ではなく、これがまた東京の富を生み、それはすなわち日本経済を牽引するということから、これこそ共存共栄であって、しっかりと卵を産む鶏であり続けるために必要な額であると。
また、よく指摘されますのが、基金ということで、「お金持ちじゃないか」と。これは他の自治体もそうでありますけれども、やはり備えておくということも、特に、東京都はリーマン・ショック以来、ましてや不交付団体であるということから、その備えに対する意識は大変高うございます。そういう中で、引き続き、この課題については取り組んでいかなければならないと考えております。
それから加えまして、今年の年末の税制改正で新たな偏在是正措置、言葉は別にして、追加されたらどうなるかというのは、先ほどの消費税でマイナス800億円から換算すると、さらにそれは規模次第ということになろうかと思います。
いずれにしましても、少子高齢化であるとか、災害への備え、地下鉄の整備、それから首都高日本橋の地下化など、さまざまな課題がある中において、財政需要を抱えているところで、社会保障関連費だけとってみましても、今後、年間300から400億円のペースで増加するということが見込まれている東京でございますので、今回の税制というのは、大変東京にとりましても極めて重要な意味をなすものということで、国政の皆様方にその点を都で、都の選出の議員の国政の方々にお願いをするということで、今回、公明党の皆さんにお訴えをさせていただいたところでございます。
よって、これからの都民生活のみならず、日本の経済が、この縮小を均衡するのではなくて、より拡大の方向に持っていくためには、東京をもっと活かすべきであるということを、私は強くお訴えしたいと思っております。それは一言で言うと、「共存共栄につながる」、こう思っております。

【記者】新宿新聞の喜田です。二つ質問があります。一つは豊洲の問題と、もう一つは帰宅困難者の問題です。
まず豊洲の問題では、安全宣言の話なのですが、前に小池都知事は、安全宣言をするためには科学的な根拠と、もう一つは都民の理解ということを仰っていたと思います。今回は、科学的な根拠については専門家会議の結論が出たということで、その一つの根拠が満たされたと。
もう一つの都民の理解という点なんですが、築地市場の女将さんの会が、やはり今回の農林省への築地市場の変更の申し入れについては、反対の意思を表明されて申し入れをしているということなので、やはり女将さんの会という、女性の目から見て、本当に食べ物の安全というのは男性以上に非常に敏感だと。私は、小池都知事も女性の視点で、都民の理解ということをずっと仰っていたと理解しておりましたので、その辺りについて、今回、安全宣言に踏み切られた一番大きな理由というのは何なのかということをご説明いただきたいなというのが1点です。もう一つは、帰宅困難者の問題です。帰宅困難者については、今日、在勤者のいわゆる、帰宅をすることを抑制するための表彰制度というのをおつくりになったということで、帰宅困難者に取り組んでいるような都の姿勢というのを窺わせるようではありますが、我々新宿区新聞社の立場からすると、この帰宅の抑制というのでは、これはまだ95万人の帰宅困難者の問題には、直接解決にはならないんですよということを申し上げたいんですね。
なぜかというと、今回の抑制の議論というのは、いわゆる東京で働いている在勤者の方々の中から帰宅を急ぐ方々を抑制するという話なので、巷に言われている95万人の帰宅困難者という数字の中には、この在勤者は原則、含まれていないんですね。つまり地震が起こったときには、各企業は、原則、そこに留まるという前提で、そういう方々が溢れて出てこないという前提で、出てくるのはいわゆる来街者や来訪者、その町を訪れている来街者や来訪者が95万人溢れますよと、こういう数値が95万人の根拠なのですね。したがって、95万人の溢れる中で、その3分の1の30万人ほどが今、帰宅困難者の避難施設として確保されているけれども、いまだ60万人は確保されていないという中で、今回のお話で、その確保に向かって、少し、一歩進んだかのようなとられ方をされてしまうと、非常に実態を間違えて把握してしまうと思われるので、小池都知事に質問としてお願いしたいのは、そういう元々我々が言っている帰宅困難者の対策で何か進捗があれば教えていただきたいと、こういう質問です。

【知事】まず、豊洲のご質問がございました。豊洲市場につきましては、これまでもモニタリングを重ねて、そしてまた、水位などについても計測を重ねていき、そして追加対策工事を完了させた上で、これからの維持管理も含めながら、将来のリスクを回避するという、その準備が十分整ったということから、専門家会議の皆様方から今回の結論を頂戴したわけでございます。そして、今回のいわゆる安全宣言というのは、そのことについて、専門家会議の皆様方のご評価を受けた形で行わせていただいたものでございます。
女将さん会、いつもご意見を頂戴いたしております。また、女将さん会のご主人方も、一方で準備もされておられるようでもございますし、是非皆様方には、常に市場が安全なものであるという、そのために必要なさまざまな数値などもこれからも引き続き公表して、そして皆様方のご納得をいただけるように進めていきたいと考えております。
二つ目の帰宅困難者の話でございますが、ご意見としてしっかりと受け止めているのは毎回同じでございます。都における一時滞在施設の確保でありますけれども、仰っている約95万人、こちらでは92万人と計算をいたしておりますけれども、約37.1%の方々の確保、一時滞在施設を確保しているという算段でございます。これからどうする、これからさらに民間事業の協力なども経まして、さらにこの数値も高めていきたいと思います。
また、ご指摘のように、東京の場合は昼間人口が多いわけで、これ、税制にも関わってくるのですけれども、昼間人口のこの多さの部分は、全国知事会などでも、一方的な数字しか発表されない。それで昼間人口は逆に多いわけで、その人たちにどのようにして一時帰宅を抑制するかというアナウンスメントをしっかりしなければならないなと。それと、仰るように、この留まる場所の確保、一時滞在施設の確保ということについては、引き続き進めてまいりたいと考えております。
今申し上げましたように、一つひとつの企業の皆様方にいろいろな工夫をしていただくことで、そのモデル企業などをお伝え、認定をするということは、一つ大きな流れをつくる。この一歩一歩の流れではありますけれども、都といたしまして後押しができると考えております。

【記者】毎日新聞の芳賀です。日本ボクシング連盟の問題につきまして、ちょっとお伺いしたいと思います。ご承知のように、日本スポーツ振興センターからの助成金流用が告発されましたし、あるいは日本連盟の会長と暴力団組長との不適切な交際が指摘されたりしておりますが、ボクシングは2020年東京オリンピックの実施種目でもありますので、一つは、開催都市の長として、二つ目は、知事は以前、ウエイトリフティング協会の会長もお務めになったと存じておりますが、競技団体の長として、競技団体のガバナンスの面からそれぞれご所見をいただきたいと思います。

【知事】今回の日本ボクシング連盟については、内実はよくわかりませんが、随分多くの方々が告発を出されたということは、事情があったのだということ、それぐらいしかコメントができません。ただ、これから、メダルを取りにいく競技でありますので、是非ガバナンスをしっかりと立て直していただいて、皆さんが同じ方向に向かって、メダルを確保するための方向性が、その前の段階でエネルギーを使われるというのは、極めてもったいない話だと思いますので、是非、連盟内でしっかりとその答えを早急に出していただいて、「金メダル30個狙う」と言っているわけですから、その素地をしっかりとつくれるように、それぞれの関係する組織の方々は、立て直しに協力はすべきなのだろうと思います。
それから、私自身、日本ウエイトリフティング協会の会長を何年か務めました。そして、感じるところは、スポーツの団体というのは、大体、高校時代からみんな戦い続けてきて、よく知り合った中で、よく「体育会系」という言葉が使われますけれども、体育会そのものなのです。ですから、非常にヒエラルキーがはっきりしていて、なかなかそれを壊すというか、それを変えるというのは難しい組織だなと思います。ただ、やはり良い結果を出しているところというのは、選手も伸び伸びとしていますし、そして、それによって結果が出せているところも多いと思います。2020年の大会で、一つのホームで戦えるこの機会というのは、本当に滅多にないことですから、逆に2020年でそれぞれの競技でメダルが本当に狙えるような、そういうアスリートを育てていくための素地というのを改めてつくり直す良い機会ではないのだろうかと思います。
今回の件について、あまり内情をよく存じ上げませんけれども、特にこのスポーツ界というのは、そうやって中学や高校時代、場合によってはもっと小さいときから一緒に地域であったり、インターハイであったり、国体であったり、しょっちゅう顔を合わせているメンバーで、その人たちが何々高校とか何々大学とか、いろいろな流れができていく中から出てきている人間関係なので、なかなか難しいところもあろうかと思いますけれども、しかし、目的は何なのかという原点に戻る機会にされたら良いのではないだろうかなと思っております。
また、ホストシティ東京として申し上げるならば、やはりそこでの戦いではなくて、真の、世界との戦いにおいて、素晴らしい選手がこれからも育ち、そしてメダリストがたくさん生まれることの方を期待いたしております。
以上、本日は終わらせていただきます。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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