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平成30年(2018年)7月27日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成30年7月27日)

知事記者会見
2018年7月27日(金曜)
14時00分~14時53分

知事冒頭発言

1 都発注の工事に関する猛暑への対応について

【知事】お暑うございます。それでは、定例記者会見、行わせていただきます。
ニュースの方はといいましょうか、お伝えすることは、夏枯れはございませんで、何点か私の方から、まずご報告をさせていただきます。
まず、昨日、多摩市内のビルの建設工事現場で大規模な火災が発生したのは、ご承知のとおりでございます。5人の方が亡くなられ、また、多数の負傷者が出たという大火事になったわけでございます。お亡くなりになられました方々に、まず心からお悔やみを申し上げます。
また、負傷された方もたくさんいらっしゃるということでございまして、お見舞いを申し上げるところでございます。
原因については、今後、究明されることになりますけれども、都の発注工事におきましても事故の防止に向けて、それぞれの工事現場に対して注意喚起、緊急点検を行うように、指示をしたところでございます。消防庁の方で、地下の工事をやっている箇所というのが1,200ぐらいあるのですけれども、その中でもB3まで、深いところでの工事、約60か所については、できるだけ早く緊急点検をすることといたしております。
それからもう1点ですが、猛暑が続いておりますが、こちらについても、事故防止への対応が必要ということでございます。気象庁が昨日、昨日はまだ少しは和らいだのかな、東京の方は。北海道は結構涼しかったのですけれども、昨今の猛暑につきましては、「命の危険がある暑さ」、「一つの災害」だとの認識が発表されております。都内におきましても、40度を先日超えたところでございますが、特に、屋外で業務をされている方々の熱中症のリスクなどが高まっておりまして、不測の事態につながりかねないということから、熱中症対策を進めていかなければならないと認識しております。個々の現場の実態に合わせて対策が徹底されますように、特に、都の発注工事の受注者に対しまして、改めて注意喚起を行ってまいります。
また、想定を超える猛暑でございますので、作業の一時中止なども必要になってくる場合もあろうかと思います。それが工期などへの影響が見込まれる場合には、受注者から工期の延伸についての協議ができるということを伝えてまいります。
いずれにしましても、この猛暑が続く中で、工事の現場で働く方々が無理な環境の下で作業を実施せざるを得ないということがないように、発注者として配慮をしていくつもりでございます。
詳細は、財務局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:47KB)

2 台風12号への注意喚起について

【知事】大火事の次が、今度は台風でありまして、台風第12号に関連してのお知らせであります。
一昨日、台風第12号が発生いたしまして、今後の台風の進路によっては、首都圏にも影響を及ぼす恐れありとのことでありますので、十分な警戒をお願いしたいと存じます。
既に、この台風で小笠原諸島については、お昼前の11時53分に、大雨(土砂災害)警報が発表されております。小笠原村では避難所を開設するなどの対策を講じているとのことであります。そして、現在は、台風は伊豆諸島に接近しておりまして、今後の動きをウォッチするためにも、総務局を中心に情報連絡態勢をしっかり構築してまいります。そして、情報収集を行うともに、区市町村との連携をいたしまして、24時間体制で土砂災害、そして浸水被害などの発生に警戒してまいります。
私にも、必要な情報はいつでも上げるようにということを指示しておりまして、万全の態勢で臨むところでございます。
それから、都民の皆さんにおいても、先日の西日本での豪雨、そして昨年の九州北部豪雨というのもありました。いろいろこれまでの災害から得た教訓を踏まえまして、最新の台風情報、そして区市町村の避難準備情報などに、十分ご注意していただきたいと存じます。
また、改めて、あらかじめどこにどう逃げたらいいかなどを確認しておくなど、早め早めの行動をお願いする。それから、必要なときには避難をすることをためらわないということを、心掛けていただきたいと思います。
それから、乳児用の液体ミルクでございますけれども、昨日の時点で、これまで既に倉敷の方には、要請に基づきまして2,100本をお届け済みでございます。それから、昨日は、愛媛県に、乳児用液体ミルク500個を救援物資として提供することをお約束し、既に早急に手配するように指示したところでございます。災害時に有用な液体ミルクということでお伝えしてまいりましたが、ちょうど愛媛の方では、水のインフラ、浄水場がやられたということで、東京都もお手伝いさせていただいているわけでありますけれども、水がないと。また、こういうときには、いつもは、普通だと母乳が出るところが急に出なくなるなどの事態が起こることがございますので、そういう意味で、有用な液体ミルクは被災地それぞれで活用していただければと思うところでございます。

3 全国知事会議及び平成30年度普通交付税算定結果について

【知事】3本目でありますけれども、ご承知のように、昨日は全国知事会に、私、参りました。そして、特に税財政の問題に関しましては、私から、「いわゆる『東京一極集中』を是正すべき」という提案がございますけれども、都としての考え方を申し述べてきたところでございます。東京への集中・集積が、日本の、地方の活性化を阻害するかのような提言案でございますが、その主張に対しましては、東京都が力強いけん引役となってこそ日本全体の成長を目指せると、そして、日本の各地域が自らの権限と財源で真の地方創生を推進すること、その両方が重要だという点を強調させていただきました。また、日本全体の発展のために、地方分権の理念の下において、地方の役割に見合った税財源の拡充を図る必要がございます。限られた財源、パイを奪い合うという対症療法的な姿勢については断じて賛成できないとも申し上げました。「東京対地方」、東京も地方なんですけどね。「東京対地方」で引っ張り合いをやっていると、結局のところ、今何が起こるかというと、「では、海外行こう」という話になってしまうので、ゲームが全く変わってしまって、全体としての日本の存在ということが、かえって阻害されるということに気が付かなければならない。そういうことも知事会の方では申し上げてきたわけでございます。
これらのことを、きちんと申し上げることは申し上げて、知事会の提言案の方には、税財政の部分で、4年ぶりですけれども、都の意見を反映することができたと思います。
いずれにしましても、都としての考え方をしっかりお伝えして、ご理解いただくということがまずはできたものと考えておりますけれども、これからも引き続き、都民の皆さんにも、こういったことについてお知りいただけるような工夫もしてまいりたいと思います。
それから、今回の全国知事会において、この記者会見でも何度か申し上げておりますが、大阪北部の地震の際にブロック塀が壊れて、そして女の子が残念ながらお亡くなりになったという事案がございました。これをベースに、改めてブロック塀を木材にしたらどうかと。もちろん不燃がどこまで保てるかとか、どこに建てる、どこだったら良いのか、どこだったら相応しくないのか、いろいろ検討しなければなりませんけれども、ポイントは、木材の需要を確保するということ、需要をつくることによって、まさしく治山、山の活性化ということにつなげていくという、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではありませんけれども、そうやって国産の木材の活用を積極的に推進するということを提案させていただきました。
結果といたしまして、そのためのプロジェクトチームが全国知事会の中に設けられることになって、本日の会議でご了承、全国知事会でそれが設けられるということになったわけであります。
ブロック塀の代替など、国産木材の幅広い活用策を全国知事会で検討するということは、国産木材の需要と供給の好循環を生み出すと思います。そして、森林の再生、そして治山の取組を進めることになって、これこそが共存共栄という形になる。そして、他県の知事の皆さんも、是非この件については、「一緒に取り組んでいきたい」という声が、あちこちから上がったわけでございます。こういう形で、お互いが上手く得意範囲を活かし合うという、そのような図式を、是非この全国知事会で、何か戦い合って、奪い合うのではなく、むしろ本当の意味で日本の持てる力をお互いに活かし合うというような方向性を確立できればと願っております。
それから、平成30年度の普通交付税の算定結果が出ましたので、お知らせいたしておきます。先日、この算定結果が総務省より発表されたわけでありますけれども、都は、引き続き47都道府県で唯一の不交付団体ということになります。いつの間にか、ほかの自治体が不交付団体から交付団体になっているという、これもある意味驚きかと思いますけれど、数年前からでありますけどね。地方交付税に頼らないで、自らの財源で自治体運営を行うということのできる不交付団体というのは、現在、78団体でございまして、10年前と比べますと半減であります。これは、あえて申し上げると、いわゆる対症療法的に対策をしてきた結果であって、実は地方創生、地方分権、いろいろ言葉があっても、問題の解決にはつながらないという何よりの証左ではないかと思います。
それから、もう一つ強調したいことは、この交付税算定上の「財源超過額」を見ると、「ああ、都には財源に随分余剰があるんですね」という説が出てくるわけでありますけれども、そうではなくて、昨日の全国知事会でも発表させていただきましたが、「財源超過額」というのは、地方交付税を配るために、「国の物差し」で計った理論値であって、実態とは違うということであります。
実態と乖離している理由を申し上げますけれども、交付税算定上はほとんどカウントされない支出があるのです。例えば、待機児童対策など、「国の基準を超えて行う都独自の対策」であったり、それから都市型水害への備えなど、「各自治体特有の対策」であったり、それから一番わかりやすいところでは、東京2020大会の開催準備です。これまで「標準的な行政サービスを超える取組」というのは、それらはほとんど、この計算の中では支出として認められていない。今、申し上げた三つの例を申し上げましたけれども、これだけで約3,600億円に上っております。
それから、また、支出としてカウントはされるのですが、その算出の方法が適切とは言えない支出もございまして、例えば、「国の物差し」では、318万人に及びます区部の昼間流入人口に対して上限値が設けられていて、72万人分しかカウントされておりません。それが金額にしますと約6,000億円という数字になりまして、先ほど申し上げた3,000億の分と、こちらと、6000億と合わせただけで、約1兆円の乖離が生じているわけであります。
よって、交付税の算定上の財源超過額をもって、先程の1兆1,687億円、「ああ、東京はお金持ちですね」という主張は、決して妥当ではないということであります。
このような誤った認識に基づいて、東京を標的とした不合理な税の見直しがなされることがないように、都として必要な主張をしっかり展開をしてまいりたいと考えております。
詳細は、政策企画局及び財務局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:487KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 東京金融賞の創設について

【知事】次に、以前からお伝えしている東京金融賞を設けたということは、お伝えしているとおりでありますけれども、いよいよ募集を行うということであります。昨年の11月に「国際金融都市・東京」構想に基づいて、新たに東京金融賞を創設するということについてはお伝えをしたとおりであります。東京金融賞は2部門からなっておりまして、一つが「都民ニーズ解決部門」、もう一つが「ESG投資部門」、この2部門から構成されております。
「都民ニーズ解決部門」でありますが、さまざまな都民のニーズがあるわけですが、その解決に資する画期的な金融商品であったり、サービスの開発や提供を行う金融事業者を表彰するものであります。
都民の利便性の向上につながる具体的な解決策の東京での事業化に向けて、賞金、そしてまた支援プログラムも用意している。これがまず一つであります。
もう一つの「ESG投資部門」でありますが、環境や社会、それから企業統治の視点を重視するものでありまして、ESG投資の普及を実践しておられる金融事業者を表彰いたしますということであります。
今日から、日常生活で解決してほしい金融サービス部門における課題、そしてESG投資に関するニーズを都民の皆様から募集いたします。募集期間は今日から8月27日(月曜日)まででございますので、できるだけ多くの皆さんから「こういうアイデアはどうだ」、「こういうことをしています」など、皆様からいただいたテーマの中から選んでまいりたいと考えております。
8月27日(月曜日)が締切で、9月頃から金融事業者の募集・選定を行いまして、来年2月ぐらいに表彰式を開催というのが、主な予定といたしております。
東京金融賞を通じて、都民の皆さんの利便性の向上、それから、金融の活性化を実現していく。と同時に、この賞が国際金融都市・東京の象徴となるように育てていきたいと思っております。
詳細は、政策企画局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:171KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 東京2020大会開催期間中の交通混雑緩和に向けた取組について

【知事】東京2020大会開催期間中の交通混雑緩和に向けまして、大会の公認プログラムとして、「2020TDM推進プロジェクト」を発足するというお知らせでございます。このプロジェクトでありますが、都と国、組織委員会、この3者で主催いたしまして、経済団体などが協力者となり、そして協力者自らがTDMを推進するということと、その輪を業界団体に広げていくということなどを狙いとするものでございます。
来月の8日(水曜日)に、経済団体とともに発足式を実施いたしまして、私も参加することといたします。式典において、このTDMの取組に向けた意見交換、そして共同宣言などを行う予定といたしております。また、発足当日から、TDMへの協力企業のエントリーを開始いたします。エントリー後は、ホームページへの企業名の掲載、それから相談会などを開催する予定であります。何度も申し上げておりますように、時差ビズ、テレワーク、それから大会時の交通混雑に備えて、より多くの企業と混雑緩和の方策について、一緒に考えてまいりたい、そして、多くの企業の皆さんにご協力いただきたいと考えております。
それから、大会に関連してでありますけれども、「みんなでラジオ体操プロジェクト」が、既に7月24日(火曜日)にキックオフイベントを開催したところでございますけれども、今年も東京2020大会の開催期間であります9月6日(木曜日)までを重点期間として開催をいたしております。このプロジェクトで、都民・国民の健康増進、大会への気運醸成などを図ってまいります。
今年は新たに、ラジオ体操の動画の入ったDVDとカードをキットにいたしまして、賛同いただける企業などに配布して、広く取り組んでいただくようにいたしております。それから、ラジオ体操の動画を募集いたしまして、優秀な作品を表彰します「動画コンクール」を実施することといたします。募集期間は、このキャンペーンの最終日、9月6日(木曜日)までで、専用サイトから簡単に投稿できるようになっておりますので、スマートフォンなどで撮影して、ご応募いただきたいと思います。
そして、今回、全国知事会でも、このラジオ体操のことが話題になりまして、栃木の福田知事から、「ラジオ体操は健康に良いよ」と、「もっとやろうよ」というようなお話もいただいたところでございます。このプロジェクトを全国に広げまして、大会の開催気運の醸成、これは元より、開催期間を意識した交通混雑緩和への協力にもつなげてまいりたいと考えております。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:361KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

6 「大学との定例懇談会」第1回懇談会の開催について

【知事】それから、あと2本あるのです。先日、都と都内大学との連携のためのプラットフォームとして、「大学との定例懇談会」の設置ということについてお伝えしたわけですが、第1回の開催日を決めました。お知らせいたします。第1回は、「2020年、そしてその先に向けた大学との連携」ということをテーマにいたしまして、8月2日(木曜日)の開催を予定いたしております。
その中で、東京2020大会に向けて、ボランティアに学生さんが積極的に参加しやすい仕組みづくりであったり、パラリンピック、それから障害者スポーツへの理解促進の取組など、大学の学長さんらと忌憚のない意見交換を行いたいと考えております。また、東京2020大会後のレガシーや、東京の将来を見据えまして、大学の皆さん、いろいろな知見をお持ちでいらっしゃいます。それから、新たな発想もお持ちでいらっしゃいます。そんなことから、都政の政策と結びつけられるような、さまざまな分野での今後の連携の可能性につきましても、幅広く議論を行っていきたいと考えております。
それで、第1回の懇談会には、いろいろな大学名がこちらリストアップされておりますけれども、自治体との連携実績がある大学であったり、グローバルな展開をされて取組に力を入れておられる大学、それから、スポーツなどの特色ある分野に強い大学を中心にお声掛けして、まずは19校の大学の学長の皆様などにご参加いただくことといたしております。
詳細は、政策企画局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:68KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

7 「東京動画」へのSNS等による動画投稿の受付開始について

【知事】それから、最後でありますが、東京都の公式動画チャンネル、ご承知のように「東京動画」というサイトがございますが、これについての新しい取組のお知らせであります。
都政に関して、さまざまな動画を一元的に集約したポータルサイトが「東京動画」でありますが、今日現在で、昨年の8月に開設したときよりも、2倍以上の動画を掲載しております。その数、約2,700本、都政に関する発信力を高めてきていると感じます。「東京動画」を一層、身近に感じていただくために、都民の皆さんが投稿してみたくなるような募集テーマをそれぞれの時期で設定しまして、ツイッターであるとか、インスタ、ユーチューブなどを利用して、気軽に都民の皆さんに動画を投稿できる仕組みを整えましたので、そのお知らせであります。
この募集テーマですけれども、できるだけ生活に密着したものとして、大体3か月ぐらいのタームで行おうというものでありますが、楽しく新鮮な投稿動画を掲載していきたいと思っております。
本日から、投稿、募集がオッケーでございまして、第1回目のテーマは、何か番組でこんなのあると思いますけど「ナニコレ東京」というテーマでございます。都内で見つけた不思議な光景とか、知る人ぞ知る珍しいスポットを撮影していただいて、「ナニコレ?」と思わせるような動画をご投稿いただきたいと存じます。投稿方法については、「東京動画」のWebサイトを直接ご覧いただければと存じます。
それから、投稿の募集テーマなど、「東京動画」の最新情報について、ツイッターでも発信をしていきますし、いろいろご意見も頂戴できればと思います。思わず共有したくなるような、魅力的な動画の投稿を通じまして、より多くの皆さんが「東京動画」のWebサイトをご利用いただければと期待するところでございます。
詳細は、生活文化局にお聞きください。
私の方からは以上でございます。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:193KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】7月幹事社の日刊工業新聞の大塚です。幹事社から質問が1点あります。
「東京動画」についてですが、投稿しやすくなったのはすごく良いことだと思います。投稿した方に何か、優秀作品賞とかいった賞を与えるような予定などはありますでしょうか。お考えをお聞かせください。

【知事】特に今のところ、何か一等賞とか、知事賞とかは考えておりませんけれども、アクセス数が1番の賞、やりがいにつながるのではないだろうかなと思います。いろいろなテーマで、ドシドシとお寄せいただいて、人気あるサイトに育てていただければと思います。

【記者】ありがとうございました。
幹事社からの質問は以上です。では、質問のある方はどうぞ。

【記者】日本テレビの藤島です。今週24日(火曜日)に、改めてですけども、東京オリンピック開会式の2年前ということで、2年を切ったという形になったと思いますけれども、改めて知事のお考えになる、現状、残り2年間の、都として抱える課題の部分ですとか、それを解決に向けてというところ、それと、残り2年の知事の意気込みといいますか、お聞かせください。

【知事】これまで2年、さまざまな準備を進めてまいりました。コストの見直しなどから始めて2年、新しく建設をするところなどは、アクアティクスセンターの屋根がだんだん上がるシーンなども、皆さん、ご確認いただいたかと思います。着実に前に進んでいるということを確認いたしております。それから、気運醸成でありますけれども、このところ一気に高まってきたような、そんな感覚もございます。マスコットの名前が決まったり、いよいよ、いろいろなそういうソフトの関係の準備も揃いつつあるかと。
ただ、やはり課題は、例えば、暑さが、急にここへ来まして尋常ではない、気象庁でさえ、「これは災害だ」と言っている中で、「大丈夫ですか」という声が上がっています。これまでも、遮熱性の舗装であるとか、ミストを多用すると申し上げてまいりましたけれども、それだけでなく、もう設定温度なども、少し引き上げて、そして、できることは一体何なのか、コストはどうなるのか、効果は一体どうなるのか、これらについては、やはり真剣に考えていかなければならないし、いろいろな知恵、工夫を出していきたいと思っております。「心」「技」「体」でやりますなどと言っていますけど、あんまり精神主義でやっていても、困りますし、やはりお一人でも、熱中症で観客の中で、そういう方が続出するようなことがあってはなりませんので、いろいろな工夫は重ねていきたいと思っております。
あと、交通については、先ほどまで、今日は東京商工会議所の皆さんの前で、この交通、TDMについて、ご協力を呼び掛けてまいりました。やはり経済活動と、それから大会の円滑な運営と、両方が同時に進むようにしていかなければいけないと考えております。そのためには、ご協力をお願いし、また、時差ビズしかり、テレワークしかりですけれども、やはり企業の皆さんが、大企業であれ、中小企業であれ、それぞれやはり会社が一体となって、それをお進めいただくことによって、社員の皆さんが、例えば、夏休みをちょっと長く取るとか、ボランティア休暇という形で、制度として企業が取り入れられるとか、労使ともに納得がいく、かつ、事業に影響が出ないという、それらの工夫を重ねていく、そのためにお願いしたわけですし、先ほどもTDMでお伝えしたような形で、国、組織委員会、そして東京都と連携しながら、さまざまな関係の方々、そして都民の方お一人お一人に呼び掛けをしていくということで課題を解決していきたいと思っております。

【記者】毎日新聞の芳賀です。先ほど行われました全国高校野球選手権大会の東東京大会で、都立の小山台高校が帝京高校に7対2で勝ちまして、69年ぶりの決勝進出を決めたそうでございます。結構、活躍だと思いますが、知事のご感想と、あと都立高校の活躍に対する、次は決勝になりますが、エールもあれば、お願いいたします。

【知事】都立高校がそうやって野球で勝ち抜いてきた。是非とも甲子園で、より良い活躍をしてくれることを期待いたしております。
都立高校というと、さまざまな職業、農業であったり、商業であったり、いろいろな学校もございます。一方で、都立高校、授業料の無償化ということを、私立の、事実上の。それによって、受験生が減ってしまったなどというようなことなども発生いたしておりますが、やはりそれぞれの都立高校が魅力を出して、そして、いろいろな工夫をして、学生さんに「都立高校で学びたい」という思いを抱いていただくことが必要かと思いますので、その意味では、既に小山台は「野球の」というのが頭にポンと付くと。そういった意味でも、学校としての魅力を増したことになろうかと思っています。心から応援したいと思います。

【記者】産経新聞の大泉です。税の配分の関係でお聞きしたいと思います。日頃、知事が仰っている「『東京対地方』という構図にしていると、いろんなものに置いていかれる」であるとか、「今の構造が残っている限りは、本当の地方自治が実現されないのではないか」とか、「地方創生に帰さないのではないか」、本当に正論だと思うんですね。ただ、昨日、今日の知事会の議論なんかを見ていると、なかなか、愛知県の大村知事なんかは賛意を示していたかとは思うんですけれども、なかなか東京の主張というのに乗ってくれる自治体が少ない現状は確かだと思います。
そこで、今まで正論を、正攻法でご主張されるという手法をとってきていると思うんですけれども、例えば、他の手、搦め手を踏まえて、何か、東京の主張を浸透させていくという、何か妙案みたいなのはないんでしょうかね。なかなか正論が伝わらない世の中なのかなとも思うんですが。

【知事】私が国政に関わった頃は、バス停を10メーター動かすのに、中央官庁に届け出を出して、そのために2、3度往復をしてということで、一体、地方の権限は何があるのかなどということで、随分かまびすしかったことを、何か思い出のように、私は蘇るところであります。
地方分権であるとか、最近は「地方創生」と言いますけれども、私はやっぱり日本全体の活性化のためには、それぞれの地域の特色を活かして、そして、そこで、地域こそが、それらを自由に、特区制度というのは、「これは特別だよ」ということで、「他ではやりません」と言っているのに等しいのであって、それでいくと、私は、それぞれの魅力を持ったところでさえ衰退してしまうのではないか、このように思います。過疎だ、人がいない、産業が出ていってしまう、本当に地方に行くと、危機的な状況であることはよく存じております。また、先日も、西日本の豪雨であったり、その前の災害のときも、普通にこれまで住んでいたところが、山崩れが起こってなくなってしまうとか、今、日本全体が、災害ということもあって、かなり厳しい状況に追われていることは事実だと思います。かといって、それを東京から必要な額だけを取って、それを同じように、ただまいてしまうと、これまでの累積で6兆円は、一体どれぐらい地方創生に役に立ったのか、そのエビデンスを示してもらわないといけないと思うのです。ただ、示さないでしょう。
要は、私は今回、全国知事会でも申し上げましたように、お互いに共存共栄するためには、そうやって、ただ何かをばらまくというのではなくて、知恵を出して、パイを大きくしていきましょう。そのためには、森林がこれだけ山が荒れていることが、ずっと流木になって、それでもって川が溢れてしまっているようなことを考えると、改めて治山をすると。治山治水って、私は、政治の最大の要諦だと思っているのですが、そういうことを、ただ、これまた税金を投じてやっていったら膨大なお金かかりますよね。であるならば、経済の好循環に乗せていく工夫こそが必要なのではないかということを、昨日の会議でも申し上げたわけであります。それで、森林の活用などというのは、もう何十年もやっています。それこそ、プラザ合意のうんと前から、もうやっています。だけど、どんどん競争力を失ってしまっているのが、ここへ来て、ちょっと状況が違っているということに、先日もさまざまなデータを見て、また教えてもらって気付いたわけで、だから正論は正論で言い続け、かつ、それに加えて、案を出していくということをしたいと思っています。
それから、やはり「地方対東京」でパイの取り合いをやっていると、日本自体がさらに縮小均衡の道に入ってしまうというのは、これはもう、火を見るよりも明らかでありますので、であるならば、東京はしっかり稼げる状況というのを常につくっておく。ヒト、モノ、カネ、情報、「東京一極集中」だと言うけれども、一極集中だと言うのであるならば、私はそれを最大限活かしていくことが、日本のけん引役になれると思ってますので、みんなで卵を産まなくなる鶏になるよりは、これからも、鶏はしっかりと羽ばたきながら経済という卵を産み続けるような環境を確保できるように、さまざまな方々にお訴えをしていきたいと思っております。正論を吐きながら対案を出すということだと思います。対案は、すなわち、いくらでどうしますとかということの交渉ではなく、霞が関では考えられないようなテーマをむしろ出すことがブレークスルーになるのではないか。これまでの政策で、積み上げだけでは、「ここに予算をちょっと付けましょう」だけでは、私は今の地方の現状を変えるというのは、なかなか難しいんだろうと思っております。
どう思われますか。

【記者】どうなんでしょうね。私の中でまとまってないのでお聞きしたわけなんですけど。

【知事】皆さんも各紙面で、いろいろ、2020年の今、特集をやっておられたり、それから、東京のさまざまな政策について、もちろんご批判をいただくことも多いわけでありますけれども、一方で、やはり東京がへたってしまうと、日本はへたりますよね。ものすごいスピードで今、世界が変わっているということで、先ほども申し上げたように、「東京対地方」の、この奪い合いをやっている間に、他にゲームの会場はいっぱいあると。それから、優秀な人をどうやって海外から連れてくるかということで、インターナショナルスクールであるとか、多言語で受けられる病院をつくるとか、いろいろやっておりますけれども、それって、やはり日本が魅力的だから、東京は魅力的だから来てもらうようにはしているけれども、今、世の中、魅力的な国々はいっぱい、いっぱい都市はあるわけですから、その中から選んでもらうということで、日本の国内だけを見ていると、私は片目をつぶっているとしか思えない。非常に危機感を感じながら、かつ、しっかり提案型も押さえながらやっていきたい、そう思っております。
それぞれ、皆さんのまたアイデアもお寄せいただければと思っております。何なら事業提案型、大学もオーケーだし、いろいろ受け付けて、都民の皆さんからもオーケーということにしておりますので、よろしくお願いします。

【記者】新宿新聞の喜田です。先ほどの一極集中の話なんですけれども、私は多極分散型の都市が良いのかなというふうに思っております。
これはちょっと、話は別なことになりますけれども、一つは、日本橋を首都地下化に、このたび。

【知事】首都高ね。首都は地下化してないですよ。サンダーバードではないのだから。

【記者】はい。首都高の地下化の計画が、このほど、何か最終的な議論がまとまったということなんです。それで、その中で首都高が2,400億を出して、都と中央区で400億を出して、民間で400億を出して、合計3,200億の予算で地下化を実現したいと。10年ぐらい先の話になるようですけれども、小池都知事は、この地下化にすること、「日本橋に青空を取り戻す」というキャッチフレーズがありますけれども、そういうことに関しての思いを聞かせていただければと思います。

【知事】ありがとうございます。日本橋の上にかかっている首都高も、その他の多くの首都高も、大体、川の上を走っています。1964年の第1回の東京大会のために、急いでこの高速道路を確保するということで、私権、権利の部分をより早く解決するということから、一番、そのときは早急にできる、間に合う、間に合わせるための方策であったと思います。その頃というのは、その後、高度成長とか、さらに高度成長につながるきっかけとなって、レガシーになっているわけでありますが、やはり、私はいつも言っている「無電柱化」というのも、戦後の復興からできるだけ早く立ち直るために、災害地ですぐ何するかといったら、電柱立てて、電力を通すわけです。それで、英語で「テンポラリーポールズ」と言っているのが、もうずっと「エターナルポールズ」に変わってしまったのです、日本の場合。ということは、もう景観などは無視をしているということであります。景観だけではありませんけれども、やはり都市の機能をより確実にするとか、そういった面から、今回、地元の方々がずっと訴えてこられた、この日本橋、あの地域の首都高の地下化ということがより具体的に進む。金額については、さまざまな工法、工夫が必要かと思います。「3,200億も使うんだったら、こっちに使ったほうが良い」と必ず出てきますからね。
一つ、私は以前からそういう運動を、小泉政権の頃からあったと思いますけれども、私は一つ、それをやってみる価値もあろうかな。昔、環境大臣のときに韓国に参りまして、当時、チョンゲチョン(清渓川)という、ちょうどソウル市の市長をやっていたのが、例の、現代建設の社長をやっていて、その後、盧武鉉じゃなくて。

【記者】李明博さん。

【知事】李明博さんが思い切って、それまで蓋をしていたというか、高速道路が通っていたところを止めて、そして水を、川を取り戻したというところにも行ってまいりました。それによって、その地域が大変な観光名所になり、そして地価が上がりということで、いろんな副次的投資効果があらわれて、そして、私はそこで一番心を打たれたのは、両岸がずっとタイル張りのようになっておりまして、そこに寄付をした人たちの名前がずっと、みんな書いてあって、「自分たちの川なんだ」ということをアピールしているというのは、私は良い形だなと強く思いました。もっとも、川はその後、昔、非常に臭くてどぶ川のようだったのは綺麗になっているけれども、今流れている川の水は水道水で、水道料金が高くつくんだというのを聞いたことも覚えております。
いずれにしましても、都市とはどうあるべきかという根本的なところにまで遡る話だと思いますが、一つ象徴とすれば、日本橋という、これまでの街道の起点を綺麗にしていくということも一つだと考えております。コストや工法については、工夫の余地はあると思っております。

【記者】TBSの加古です。すみません。TDM推進プロジェクトについて、規模感についてお伺いしたいんですけれども、例えばTDMの一環であります時差ビズなんかですと、現在800社以上の企業が参加しているわけですけれども、これ、参画企業、このTDM推進プロジェクトの参画企業としてはどれぐらいの数というか、規模感を目指していらっしゃるんでしょうか。

【知事】まだ何社という形ではじいているわけではございません。今日、例えば東京商工会議所の総会の方で、このTDMへのご協力をお願いしてまいりました。これから関連する組織であったり、それから業界団体であったり、一つひとつ、国と組織委員会と、そして都と連携しながらお願いをしてまいるという形で、まさしく「オールジャパン」というか、「オール東京」で進めていく必要があると思っております。都内への流入する車の数であるとか、それから通勤、通学。通学はこれから大学の先生方にお願いをする部分が多いかと思いますけれども、ちょうど前期の試験の最終の頃かなと、7月24日というのは。その辺りのご協力を募ったり、それから、企業の数だけでなくて、個々人の方々にもそういうマインドを持っていただくためには、ラジオ体操で7月24日から9月6日までというのをやっているのも、「この間は大会の期間中なんだよね」ということを皆様に体で覚えていただきたいと思っているからであります。できるだけ日々の生活に支障を来さないように、しかしながら、この大会を成功させるためには、お一人お一人のご協力が必要だという、その両方で、皆さんが楽しくなる、わくわく感を削がず、むしろ、今日は、本当は都心に行く日だったけれども、むしろうちで楽しむというようなことに切り替えることによって、むしろそのことが参加した意欲、参加した証しになるような工夫もしていく必要があるかと思っております。やはり、かつてロンドンの市長を務められたボリス・ジョンソンさんが言っておられた、「テレワークは、あれは最強だ」と仰っていました。これは、その後も育児、介護などなど、働き方を大きく変えるものであります。小笠原や東京の島で人口が増えているというのは、若い方々、子育てするのに良い環境であるということと、テレワークをやっていらっしゃる方はかなり多いと聞いておりますので、これは今後の東京大会のレガシーになれるぐらいのパワーを持って進めるために、ちなみに、今は6.8%ぐらいが、このテレワークを企業の中でやっているということですけれども、それを35%まで伸ばしていって、テレワークが当たり前の社会に、もうわずか2年ですけれども、進めていきたいと思います。
記者の皆さんは、毎日テレワークやっていらっしゃるじゃないですか。まさしくそのように、離れていても仕事ができるということを、いろいろな方々に体験をしていただきたい。まさしく「テレワーク・デイズ」というのをやっているところでございまして、その辺のところを工夫したいと思っております。
以上です。

 (テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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