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平成30年(2018年)2月2日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成30年2月2日)

知事記者会見
2018年2月2日(金曜)
14時00分~14時42分

知事冒頭発言

1 大学定員抑制に反対する緊急声明の発表とシンポジウムについて

【知事】私からまず3点、ご報告等がございます。
雪の方も何とかこの東京地方も警報等、注意報も解除されたということで、まずは一安心しておりますが、それでもまだ雪が残っておりますので、お気を付けいただきたいと思います。
3点のうち、最初は、例の、国の大学定員抑制に反対する緊急声明の発表、そしてシンポジウムを開催をいたしますので、そのお知らせでございます。
国は、東京一極集中の是正と称しまして、昨年来、東京23区内への若者の流入を制限するために、大学の定員を抑制しようとしているわけでございます。私は、この動きに大変強い危機感を覚えざるを得ない。そしてまた、これまで、まち・ひと・しごと創生担当大臣であるとか文科大臣への要望あるいは全国知事会議の場などの機会を捉えまして、反対をしてきたところでございます。
この間、特別区長会や教育関係団体からも、さまざまな本件に対する懸念が示されております。一方で、こうした国の動きとして、各方面からの懸念がありながらも、十分な説明責任が果たされてるとは思えません。そしてまた、時代の変化が激しい中で、大学は一体どうあるべきなのかという本質論に目を向けることなく、来週にも、法案の閣議決定が行われようとしているわけでございます。
そこで、本日でございますが、この件に対しての都の反対の立場を改めて明確にするために、緊急声明を発表いたします。この声明におきましては、地方創生の推進といって、「東京対地方」の構図を煽っていること、そして日本の大学の国際的地位をむしろさらに低下させることにつながりかねない。そしてまた、学問の自由や教育を受ける権利の制約となりかねないことなどを述べまして、本来、別問題である大学の定員増の抑制と地方創生を同一視した理不尽かつ不合理な規制を強行するのではなくて、真の地方創生と、国際社会に勝ち抜ける高等教育の実現に向けた真摯な議論を重ねるようにということを求めている内容でございます。
ちなみに、この声明には、特別区長会、東京都公立高等学校長協会、東京都専修学校各種学校協会からも、ご賛同をいただいているところでございます。
さらに、今、申し上げたような都の主張を後押ししていただくためにも、また都民の皆さんにご理解いただくためにも、来週シンポジウムを開きます。2月9日金曜日、この国の動きに反対するシンポジウムとなります。そして、参加いただくのが教育評論家の尾木直樹さん、「尾木ママ」ですね。それからタレントのパトリック・ハーランさん、「パックン」ですね。そして、昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授でいらっしゃいます八代尚宏さんがご出席くださることとなっております。そこで大学の定員抑制を行うことによります社会的な影響、そしてまた問題点について話し合うことといたします。
場所は、都議会議事堂1階にあります都民ホールで、事前の申し込み無しで、どなたでもご参加いただけますので、是非多くの皆様方にご参加いただいて、地方創生、そして大学のあり方について一緒に考えていただくチャンスにしたいと思っております。
教育は国の基、国家100年の計であります。私自身、今後もこの問題、先頭に立ってこの国の動きに対しては反対をしてまいりたいと考えております。
詳細は、政策企画局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:91KB)
(「東京23区の大学の定員増の抑制に係る緊急声明」は、こちらをご覧ください。)
(「東京23区の大学定員抑制に反対するシンポジウムを開催」は、こちらをご覧ください。)

2 住宅宿泊事業の実施運営に関するガイドラインについて

【知事】続きまして、二つ目でございますが、いわゆる「民泊」に関連しての話題でございます。東京都におけます「住宅宿泊事業の実施運営に関するガイドライン」の策定でございます。外国人旅行者が急増しているわけで、それによって民泊サービスの普及が急速に進んでおります。それらを背景として、「住宅宿泊事業法」が成立をいたしまして、今年の3月15日(木曜日)から届出の受付が開始されます。ちなみに、6月15日(金曜日)のスタートに対しての前もってのさまざまな活動の一環でございます。
東京都内におきましては、特別区と保健所設置市である八王子市と町田市の2市では、それぞれ区市が届出の受付を行って、その他の市町村区域におきましては、東京都が行うこととなっております。そこで、東京都が管轄をいたします区域での民泊のルールとして、ガイドラインを策定いたしました。「住宅宿泊事業の実施運営に関するガイドライン」という名称を、仮でございますけれども、このようになっております。
これは、国が示したガイドラインを踏まえて、手続きの明確化や制度の実効性を高めるといった観点から、都独自の取組を盛り込んだものでございます。それぞれルールづくりを行う特別区や保健所の設置市においても参考にしていただきたいということでございます。
ポイントは二つあります。1点目、これは事業者が円滑に事業を始められるように、届出などを、きめ細かくサポートすることであります。具体的には、事業を始める方に制度の理解を深めてもらう。そして、個別に事前の相談を受け付けて、必要な手続きの説明などを行う。そして、地域の理解が得られるように、周辺住民の方への適切な事前周知の方法など、必要な助言指導を行うということを定めたものでございます。
それから二つ目のポイントですが、この民泊の事業が適切に実施されるように関係機関と連携をして、指導監督を行うということであります。こちらも具体的に申し上げますと、定期的に都が現地調査を行って、事業の状況を把握して、必要な指導を行うということであります。
それから、民泊で今、問題になりがちな、ごみの出し方であるとか、騒音が激しいなど、こういった地域の生活環境への配慮。それから、旅行者の利便性の向上に関して必要な知識を学ぶ事業者向けの研修会などの実施を定めております。このガイドライン案に関しては、パブリックコメントを今日から15日(木曜日)まで実施をいたしますので、是非皆さんのご意見を頂戴したいと思います。
それから、制度の開始までに限られた時間ではありますが、今、申し上げたように、6月15日スタートということになりますけれども、皆さんのご意見を踏まえまして、速やかにガイドラインをまとめて、適正な運営確保と健全な民泊の普及に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
詳細は、産業労働局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:118KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 結婚に向けた気運醸成のための動画について

【知事】3点目でありますけれども、結婚に向けた気運醸成のための動画を作りました。ご紹介したいと思います。ちなみに、都におけます生涯未婚率というのは、男性が26.06%で、こちらは全国3位。女性は19.20%で全国1位、特に高くなっております。
一方で、全国の未婚者を対象にした国の調査におきましては、男女とも9割近い方は「いずれは結婚するつもり」と答えておられるわけでありまして、結婚するかしないかは、もちろん個人の自由でありますし、あくまで個人が自分の人生観に基づいて決めることですけれども、9割の方が、望んでいても、なかなかその一歩を踏み出すことができないという方々がおられて、是非そういった方の背中を押して、応援することも必要だと。待機児童対策を一生懸命やっておりますけれども、一方で、やっぱり待機児童になる。今、対応策をやっているわけですけれど、そもそもやっぱり人口が増えるというか、人口って一番、国の基本中の基本ですので、是非そういう「結婚をしたい」と思っているのになかなかできない方、そこの後押しを東京都として、応援団としてやっていきたいという考え方でございます。去年行いました結婚応援イベント「TOKYO縁結日」というので大変盛況でございました。そして、結婚に向けた気運の醸成ということをこれからもやっていきたいと考えておりまして、そして、その一環として動画を作成したので、何よりも見ていただきたいと思います。

(動画を上映)

 ということで、2020年の東京大会をきっかけ、それを盛り上げるというか、その流れとして、「誰と一緒に観ますか?」ということをキーワードにして、そしてプロポーズの一つの言葉として使ってもらってもいいかなと思います。「あなたは誰と観ますか?」ということで、視聴者に問いかける内容となっているわけですが、64年当時の映像を織り交ぜながら、家族の絆なども映し出して、結婚や家族、それからライフプランなどについて、考えるきっかけとしてほしいという意味でございます。この動画ですけれども、30秒ものと、もう一つ、60秒もの、長いバージョン、それから、うんと短い15秒バージョンなども同時に作っております。今日から「東京動画」のサイトの方でご覧いただけるようになりますし、また、明日からは東京メトロや都営地下鉄の車内ビジョンの方でもご覧いただいたり、映画館、街頭大型ビジョンなど、いろいろな場所で動画をご覧いただく。
また、各種イベントの機会を捉えまして、順次、広く発信をしていきたいと考えております。今月20日(火曜日)ですけれども、結婚をテーマに開催する「知事と語る東京フォーラム」においても、この動画を活用いたしまして、結婚を望む方々の明日への一歩を応援していきたいと考えております。フォーラムについては、再来週、13日(火曜日)まで申し込みを受け付けますので、こちらも多くの方にお越しいただきたいと考えております。ということでございます。
聞かれる前に言ってしまうと、私は出戻りでございます。
詳細は、政策企画局及び生活文化局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:455KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
(動画はこちらをご覧ください。)

 質疑応答

【記者】知事、ありがとうございました。今月、幹事社のMXテレビの白井です。
まず先ほどの動画なんですけども、最後のナレーションが知事の声のように聞こえたんですけども、知事の声ではないでしょうか。

【知事】ギャラを縮減するために、はい、私の声でございます。

【記者】その意図っていうのは、何かあるんでしょうか。

【知事】思いを直接伝えたかったということもあります。

【記者】ありがとうございます。
あと、冒頭のご発言の方でありました、大学の定員抑制についてなんですけども、7月の全国知事会議でも知事がご発言ありましたし、また、昨日の区長との意見交換会でも話が出ていたかと思います。このタイミングでの緊急声明というのは、来週にも閣議決定というタイミングで出したという認識でよろしいのかどうかということと、あと、来週、大臣などに、また要請に行くとか、そういったスケジュールがあるかどうか教えてください。

【知事】もう既に着々と閣議決定への準備がされるタイミングだと聞いております。これまでも事あるごとに、この点については「問題がごちゃ混ぜになっていやしませんか」ということなど、教育の問題と、それから東京と地方創生と、これとが混在しているわけで、これでまた10年間というような期限を、途中から切るようになったのですかね。そうやって、教育という百年の計が、10年ごととかで良いのかどうかということも問題だし、そもそもそのことが正しいとは思っていません。それを、閣議決定までしていくということについては、やはりこの機を捉えて主張をするべきではないかということで、このタイミングとなりました。これからも引き続き、この件については賛成とか、私がこの件を申し上げて、多くの方もこの点は「違うのではないのか」というご意見の方が、多いです。議員の中にも結構多いです。ですから、是非この点については、これからも発信を続けていきたいと思いますし、何よりも、少子化が進んでいる日本国内で学生になる子供たちのパイの取り合いをするよりは、世界という大きなパイを目掛けて、そしてそこで質を高めていくということが一番求められることなのではないか、こういうふうに主張していきたいと思っています。

【記者】ありがとうございます。
それと、入札制度改革について質問いたします。今週の月曜日までに、東京都が全ての業界団体の方に、この制度の見直しについて、入札制度改革についてヒアリングをして、そのうち、1社入札の中止についてヒアリングを行った五つの団体のうち、4団体が撤廃を求めて、残る一つの団体が制度の見直しを求めたと。五つの団体全てが撤廃や見直しを求めたということですけども、まず、この受け止めをお願いいたします。

【知事】制度を変えたわけでありますから、今、施行している中においてさまざまなご意見が出るということは、これは変えたことによる反応を受け止めるという意味で、今回の五つの団体からのご意見を頂戴できたことは良かったと思っております。
そして、この意見交換では、制度改革の取組ごとに課題を指摘する声に加えて、むしろ「継続してほしい」という声もございました。また、「ここをもう少し改善したらどうだ」という声もございました。さまざまなご意見をいただく機会になったのかと思っております。
入札契約制度改革については、今、第三者機関であります入札監視委員会の方で検証作業を行っていただいておりますので、現時点での、今どうするという方針の転換とか、それを決定する段階にはまだ至っておりません。今後も、現場の方々の声をしっかりと伺いながら、改革による効果、そして課題など、しっかりと分析をして、より良い制度構築に向けての検討を進めていきたいと考えております。

【記者】ありがとうございました。
幹事社からの質問は以上です。質問のある方は挙手をして、知事に当てられたら氏名と社名を答えてください。お願いします。

【記者】日本テレビの藤島です。すみません。今日いただいたお話とはちょっと離れてしまうんですけれども、今朝、知事、花の展覧会の方で秋篠宮さま、信子さま、絢子さま、エスコートをされていらっしゃいましたけれども、どんなお話をされたのかとか、知事の方で印象的だったことなど、ご感想をいただけたらと思います。

【知事】今朝ほど、関東地域の、花の展覧会を開催いたしました。持ち回りで、今年が東京都ということで、豊島区の会場で開催いたしました。秋篠宮殿下をはじめとして、皇室の皆様方がお越しいただき、特に秋篠宮殿下は非常にご造詣が深い分野でもあることから、熱心に種類や、今、イノベーションなど、こういったことについて大変熱心なやりとりがございました。そうやって熱心に見ていただくことだけでも、大変嬉しいことだと感じております。
それから、今日、たまたまこの花、そういう中で、「多摩の星空」という種類で、これは今回の「関東東海花の展覧会」に出席するご来賓の皆さんにお配りをしているということで頂戴してきたのですけど、こうやって東京でもいろいろと、江戸野菜などもそうでありますけれども、花卉の方も非常に生産が進んでいるということであります。本当に今日のご皇室の皆様方も、品種がどんどん改良されていることについてお話があったりいたしまして、私も、花の種類が本当にもうたくさん増えて、そして色があれほど綺麗に、いろいろな色が、まさしく色とりどりのことに驚いた次第でございます。花は、癒やしであると同時に、暮らしを豊かにしてくれますので、そういった意味で今日からの展覧会、どうぞ皆様方もお楽しみいただきたいと思います。
ただ、花を長く保つために会場の温度が下げてありますので、はっきり言って寒かったです。ご覧いただく方には、是非温かくして、いらしていただきたいと存じます。

【記者】テレビ東京の松山です。すみません。受動喫煙に関してお伺いします。先月末、厚労省案が出されて、今日は自民党内で会合が開かれるなど動きがあるようなんですが、この間、知事に、退庁時にお話を伺って、「国の法案と整合性を図る」というようなお話があったと思うんですが、一部の国会議員の中には、「条例であるならば、国と整合性をとる必要はないのでは」という意見もありますが、その点についてお聞かせください。

【知事】この件については、基本的に国民と、都民と、区民と、市民と、それぞれでばらんばらんのことでやっていると、混乱を生じるということが1点。それから、規制の対象がまだ、これまで3階建ての設計だったはずが、2階建てに変わって、基本的な設計自体が今回、国側は変わっておりますので、そこで混乱を生じさせないためにも、まず国が、どのような制度でやられるのかということについて見ていく必要がある。今はまだ、正式な案にはなっておらず、これから部会などで揉んでいくという話を聞いておりますので、それを注視していきたいと考えております。ただ、基本的にこれは、ホストシティとしてのIOC、WHOとの提携の下に、スモークフリーという、たばこのないメガイベントの中に位置付けられているわけでございますので、それにふさわしい内容にしていく必要があると思っております。
それから、今回の定例会では、見送らせていただきますけれども、しかし前回の都議会議員選挙のときも、全会派というか、ほとんどの党が、公約にこの件の条例を設定することとしておられますので、それについて条例案を設定するということについては変わりはございません。しかしながら、今、申し上げたように、東京だけあまりにも違うとかいうようなことになると、どうかなと思っておりますが、是非、国の案が東京都のそもそもの考え方に近くなるような動きもあるのではないかと期待をしているところでございます。

【記者】すみません。ちょっともう1点、関連してなんですが、東京都が今まで、これまで目指していた規制より緩くなってしまうんじゃないかという可能性もあるかと思うんですが、その点に関してはどうお考えでしょうか。

【知事】いえ、そういうことはないということを期待したいと思っております。

【記者】TBSの高島です。受動喫煙で、引き続きもう1点あります。都の条例案の方では、規制はちょっと厳しいかなというふうに考えていらっしゃったと思う加熱式たばこについて、厚労省の方での原案では規制の対象となると。この厚労省の原案の加熱式たばこの有害性についての今の議論というのをご覧になっていて、今後、都の条例案を考える上で加熱式たばこの規制というのはどういうふうにご覧になられるんでしょうか。

【知事】これも、国がどのように考えているのかなども参考にしていきたいと考えております。いずれにせよ、いまだこの加熱式たばこというのは、基本的にたばこであることには変わりがございません。それに対して、どのような害があるのかというのは、世界的な中において科学的実証という、そのまだ間にあるという認識を持っております。

【記者】新宿新聞の喜田です。23区の大学の定員増についてお伺いします。今回の大学の定員増の緊急声明に賛同されている団体を見ていますと、特別区長会、東京都公立高等学校協会、東京都専修学校各種学校協会ということで、地域的に東京という地域の中に限定されているように見受けられます。一方、例えば大学でも私立大学協議会であるとか、私立大学連盟という全国的な組織が、私立大学連盟では早稲田大学の鎌田総長が、この定員増について異議を述べておられて、そういう申し入れも文部省にされたというのも耳にしていますので、また一方で、私立大学協議会は、これは渋谷の文化学園の大沼理事長が会長をやっておられまして、全国的な大学の組織なので一概に反対とは言えないけど、定員増について、ただ、自分の個人的な意見としては、都会に人が集まるのは自然の流れなので、それを無理矢理、国の政策で止めるのはいかがなものかということを仰られて、そういうご意見がある方が全国的な組織の中でおられますので、そういうところと連携されるというようなお考えと、東京都だけが反対しているんじゃないんだよという意味で、お考えあるのか、ないのか、お聞かせください。

【知事】先ほども申し上げましたように、個人のベースにおいては、私が申し上げているようなことにご賛同いただける方は、かなりおられます。それが大学、今、名前の挙がった方々も含めてでございますが、さて、それが全国としての組織で声を上げられるかというと、この時点ではまとめ切れないということなのだと思います。ただ、やはり閣議決定という、それを前にしてのこの段階で、声を合わせて出して反対を唱えていただくというのが、今日、申し上げたような団体だということであります。
やはり私は、これ、教育というのは、本当に資源のない日本においては、唯一と言っても良いぐらい一番大きな、「資源」と言っても良いかもしれません。だからこそ、教育の場所の問題ではなく、その質を、どのように高めていくのかということが必要であると思います。私、よく例に出させていただいておりますけれども、日本の大学の中で、今、学生にも、それから企業にとっても、とても人気があるのは地方にある大学であるという事実がありますので、本当に地方で、それぞれの大学が頑張っていただくという、そしてフェアに競い合うということが、日本の教育そのものを伸ばすと、また取り戻すということについて、より切磋琢磨することが良いのではないかと思っております。

【記者】毎日新聞の芳賀です。東京都の生活文化局が数日前に発表した、オリンピック・パラリンピック開催、障害者スポーツに関する世論調査結果についてお伺いします。この調査結果によりますと、障害者スポーツに関心があるかという問いで、「関心がある」と答えたのが57%でして、これは前回の調査とほぼ同じという数字になっています。見方によっては、伸び悩んでいるんじゃないかというようなことも考えられますが、これに対する知事のご所見と、あと、この数字をもう少し上げていくために、都として、どのような方策がとれるかということについてお聞かせください。

【知事】はい。パラスポーツについては、例えば、パラスポーツを応援してくださる「TEAM BEYOND」も100万人を超えました。大変、ご協力いただいている皆様方には感謝したいと思います。時には企業などにお願いをすると、本当に万単位で入っていただいて、それぞれのところにパラスポーツのイベントのお知らせを出すということもできる。そしてまた、いろいろな特典なども、これからも考えていきたいと思っております。
やはり、何度も申し上げますが、私がいつも例に挙げるロンドン大会の成功は、パラスポーツ、パラリンピックゲームが大変賑わったということなので、是非、これからも引き続きパラリンピックの種目について、皆さんに知っていただくこと、周知。そしてまた、先日も青山学院大学の体育館をお借りいたしまして行いましたような、実際に楽しんでいただくというようなことを重ねていくことだと思っています。
びっくりするのは、「ボッチャ」が大変、群を抜いて認知度が高いということです。最初に東京都庁で、有志のチームをつくったところから、非常に広がりが大きくなりました。今、各企業でもボッチャ大会を、健常者の社員も、それから障害のある社員の方々も一緒になってやっているというようなことを聞きます。これがさらに広がるように、是非毎日新聞におかれましても、宣伝の方、よろしくお願いを申し上げます。

【記者】57%という数字についてはいかがですか。

【知事】そうですね。伸び悩みというか、私はだんだん、底を固めていく基礎になっていただいているのではないかなと思います。

【記者】NHKの本間です。2点ありまして、まず23区の大学の定員抑制についてですが、これまでと違う動きとして、来週、シンポジウムを行うと。この狙いについて、まずお答えください。
もう一点が、都の調査で、インターネットカフェなどで寝泊まりする人が4,000人に上ることが明らかになっています。この受け止めと今後の対応についてお聞かせください。

【知事】1点目のシンポジウムの開催ということでありますけれども、やはり今回、法律にまでして、23区の定員、大学生の増を抑制するという話、これから閣法として提出をされて、審議になるわけです。ですから、そういったことも、やはり声として届けていく必要があるのではないかということでもございます。それから、都民の皆様方にも、こういう動きを知ってもらうということであります。
かつ、これは都民だけの問題でなくて、むしろ地方で頑張っておられる大学の方々にも伝わるようにしていきたいと思っております。要は、「東京vs地方」ではなくて、「東京&地方」で、全体を盛り上げることが必要であるので、ここが、日本国内で学生になる子供たちのパイの取り合いをしているようでは駄目だと。取り合いも、そういう法律的な強制的なものではなくて、真の意味での競争ということにつなげていく必要があると訴えたいと思います。
二つ目に、ネットカフェについてのご質問でございますが、
ネットカフェ難民、都内に1日4,000。やはり安定した収入であるとか、安定した生活の基盤というのを持たないことによって、そのようなネットカフェでの寝泊まりにつながっている。今、有効求人倍率にしましても、東京の場合は、特に2をはるかに超えて、圧倒的に人手不足と言われている中において、それでもまたこういう不安定な労働につながっているということは、社会全体でしっかりと考える必要もあると思っております。

【記者】新宿新聞の喜田です。すみません。帰宅困難者問題で、今度、防災訓練もあるようなんですが、この前、大雪の日は、やはり電車が一時不通になりまして、私も帰宅困難者の1人になってしまいましたけれども、このような形で駅の近くに、万が一のときの避難施設というものを、今後、備えていく必要があるのではないかと思うんですが、その必要性についてちょっとお聞きしたいのが、まず1点。
それから、防災訓練の中に、帰宅困難者となる方々を想定されて避難訓練をやっておりますね。その避難訓練をするときに、一体、駅からどういうルートで、その避難場所に辿り着けるのかという、そういう避難場所にたどり着く地図を、是非加えていただきたいなと思っているんです。
その中に、ビルの、超高層ビルもあれば、いろいろなビルがあるんですが、その中に一時収容施設として出されている場所を織り込むと。どこへ行けば、このビルは避難場所として確定できるんだなということがわかるように地図の中にも入れていく、そういう訓練が必要なんじゃないかなというふうに思っているわけです。その辺りをお聞かせ願えればと。

【知事】帰宅困難者が発生するようなさまざまな災害、先日の大雪も一つの例だったかもしれません。むしろ、「帰宅困難になる前に早く帰ろう」という指示が会社などから出た結果として、逆に駅などで、皆さん、大変お困りになったというような事態が発生をいたしました。この帰宅困難者というか、そういった災害時にどうするべきなのかというのは、やはりそのときに必要な情報を必要な方法で流していくということが、必要なのだろうと思います。それから、そういった場合でも、しばらくの間、そこに安心して留まれるという場所は、できるだけ数が多い方が良いことは明確だと思います。また、そこがどこにあるのかを知らせるなども、今後、いろいろ工夫は既にしておりますけれども、一方で、それらを示すためにもITなども活用するということだと思います。
昨日、日比谷公園の方に、今、都立公園をどうするべきなのかということを含めて考え、グランドデザインを考えようとしているわけでありますけれども、そのときの一つのキーワードが「バリアフリー」でございます。そういった、それと同じような形で、それで、バリアフリーで、一緒に昨日同行してくださった『WheeLog!』の織田さんという、車椅子に乗っておられた女性がなさっておられるのは、どこの駅に行けば、バリアフリーの、使い勝手の良いトイレがあるのかとか、どこの駅ならば一気通貫で地上から地下の駅のプラットホームまで下りられるかといったような情報を、皆さんが投稿してくださることによって充実をさせて、知りたい情報をそのアプリにつなげれば、自分のいる場所から、行きたい場所からそれぞれ示すという、そういうアプリを、今、つくっておられるわけであります。
これは一つの例でありますけれども、いろいろなITなどの技術を使いつつ、そういった帰宅困難な事態に陥ったときの情報提供ということも考えられるのではないだろうかと思っています。要は、やはり情報をいかに伝えて、そして得るかということに尽きるのではないかなと思っております。これからも、皆さんのお考えなども参考にして、しっかりと対応できるようにしていきたいと考えております。
以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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