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平成29年(2017年)2月24日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成29年2月24日)

知事記者会見
2017年2月24日(金曜)
14時00分~14時48分

知事冒頭発言

1 メダル協力事業について

【知事】皆さんこんにちは。それでは、定例記者会見を始めさせていただきます。
まず、ご協力いただいております東京2020オリンピック・パラリンピックのメダルの材料となります都市鉱山です。8日間で、4600個を超えるご協力をいただいております。そして、お持ちいただいた方には、私からのお礼状というか、お礼カードをお渡しするということでございます。引き続きご協力のほど、お願いを申し上げます。

2 「快適通勤ムーブメント」の実施について

【知事】今日は、私の方から五つ、ご報告をさせていただきたいと存じます。
まず、満員電車の混雑の緩和に向けまして、「快適通勤ムーブメント」、これを実施することといたしました。この満員電車の混雑緩和というのは、社会の生産性向上のための重要な課題であります。そこで、多くの方々に快適な通勤を体験してもらう、効果を実感してもらうということを目的に、「快適通勤ムーブメント」、これを今年の夏から実施をすることといたします。このムーブメントへの参加について、広く呼び掛けを始めていきたいと思います。2020年の大会を見据えて継続的に実施をしていくことといたしております。
これは、具体的には、鉄道を利用する方々、民間企業の皆さんに、時差出勤、フレックスタイム、テレワークなどをお願いすると。それと、鉄道事業者の方々には、例えば協力してくださる方にはポイントを付与して、それで何か豪華景品が当たるとか、いろいろ工夫をされておられます。それから、混雑の見える化などに取り組んでいただくということを期待しております。
また、こうした取組に積極的に参加される鉄道事業者や民間企業の皆様に対しましては表彰制度を設けると、こういったことを考えております。
ゴールデンウィークの前後に「快適通勤プロモーション協議会」、これは関係者の方々にご参加いただいて、それをベースにしていろいろな知恵を出し、そして「快適通勤ムーブメント」への協力を呼び掛けてまいります。
それから、物理的に、輸送力の増強などのハードの整備も重要であります。例えば小田急線では、来年3月に都の連続立体交差事業、これと一体となりました複々線化が完成するということ。それから西武鉄道では、ベビーカーなどをお使いの方々がそのまま安心・安全に利用できる「パートナーゾーン」というそうなのですけれども、ベビーバギーを押しながら、そのまま入れるといったような新型の通勤車両が今年3月、もう来月ですけれども、導入されるということです。ハードとソフトと、利用者と事業者、それから企業や組織、例えばフレックスタイムを導入するであるとか、テレワークを導入するであるとか、主体となる方々が非常に多いのですけれども、そこをつなぐ協議会をつくるという、こういうご報告でございます。担当は、都市整備局でございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:375KB)

3 「総合教育会議」の開催について

【知事】2番目でありますけれども、教育に関してであります。3月9日(木曜日)に、今年度3回目の「東京都総合教育会議」を開催いたしますので、そのお知らせであります。テーマが、「教育管理職の確保について」ということであります。これは実は、結構深刻な問題となっておりまして、都内の公立学校、特に小・中です、副校長のなり手が不足をしているという事態であります。女性教員が今全体の5割強を占めるようにもなりました。一方で、管理職選考の受験者が少ないと。教師はするけれども、でも管理職にはなりたくないという方も多いという現実であります。
そこで、通常のメンバー、つまり私と、それから教育委員会のメンバーに加えまして、現場の方々からもお話を聞こうということで、5名の都内の公立小・中学校の校長、副校長、教員の方々にご参加いただくということで、教育現場についてお話を伺うこと、それをベースにして、解決策を、方向性を見いだしていきたいというものでございます。
ちなみに、この東京大改革の一環で、都庁の職員のご意見、ご提案を伺うという目安箱にも、これは都庁の職員としての先生なので、ほとんどが都立高校になりますけれども、そこからも、目安箱に寄せられる件数は極めて多いです。教育現場における様々な悩みというのが直接私のところに届いております。教育の現場、教育の中身もさることながら、やはり教職員の人たちが働く環境、これをしっかり整えていくことが必要かと思います。担当は、教育庁でございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:135KB)

4 「東京宝島推進委員会」の開催について

【知事】3番目でありますが、今度は島しょ、島の課題であります。東京には素晴らしい島々が「宝島」のようにあちこち位置しているわけでありますけれども、そこにもっと磨きをかけようということで、「東京宝島推進委員会」を開催いたします。素晴らしい景観であるとか、ホエールウオッチングができるとか、海洋資源にも恵まれておりますし、くさやとか特産品などもあります。そういった「宝物」にあふれている、その「宝島」をもっともっとブラッシュアップしていこうということで、ブランディング、マーケティングなどの専門家からなります「東京宝島推進委員会」を立ち上げることといたします。これによって、島しょの活性化を図るというものであります。1回目の委員会は3月9日(木曜日)、都庁で開催することといたしております。
島の方々は、素晴らしい自然であるとか、素晴らしいいろいろな文化というのを、毎日住んでいると意外と「こんなものだ」と思いがちですけれども、それは実は大変な「宝物」だと、いろいろな専門家から、そういった「宝物」を掘り出して、そしてそれを磨いて、マーケティングをして、ブランディングをしてということで、島しょ地域を活性化していきたいという考え方であります。
ちなみに、私は沖縄担当大臣をしておりまして、39かな、有人離島があるのですけれども、それぞれからやはり同じように名産品を掘り起こして、そこに磨きをかけてということは既に行ったところでございます。チーズとか、それからミミガーとかいろいろ、本当に沖縄のすばらしい物産により磨きをかけて、販路を確保するといったようなことを、これまで沖縄担当時代にやっておりました。それの東京の島版であります。担当は、総務局でございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:52KB)

5 日本初、市販の燃料電池バスでの都営バス運行開始について

【知事】それから、今度はがらりとテーマが異なりまして、日本で初めての市販車での燃料電池バスによる都営バスの運行開始についてお知らせをいたします。交通局でありますけれども、これまで燃料電池バスの技術開発に協力をいたしてまいりましたが、それがいよいよ実を結ぶということであります。市販化される燃料電池バスを2台導入したところでありますけれども、これを、運行開始に先立って、3月6日(月曜日)、バスの整備場、そして水素ステーションなども視察すると同時に、このバスに私も試乗しようと。皆さんもどうぞお乗りください。
営業運行日ですけれども、3月21日(火曜日)から、「東京駅」から「銀座」、「勝どき」などを経まして、「東京ビッグサイト」に至るルートとなります。
この燃料電池バスの導入の今後の見通しでありますけれども、2020年、つまり東京大会までに都営バスを含めまして、都内で100台以上の燃料電池バスの導入を目指しております。まさしくスマート シティの実現の一端を担ってくれるかと思います。都営バスについては、最大70台の導入を目指しております。担当は、交通局でございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:133KB)

6 首都大学東京の理事長交代について

【知事】5番目でございますが、公立大学法人首都大学東京の理事長の人事についてお知らせをいたします。これまで務めてこられました川淵三郎現理事長ですが、任期が今年の3月末をもって満了ということになっております。そこで、後任といたしまして、慶應義塾大学の名誉教授の島田晴雄先生を任命することといたしました。
島田先生は国際派のエコノミストとして幅広く活躍されておられ、そしてまた、千葉商科大学の学長のご経験もお持ちでいらっしゃいます。大学の経営についても優れた見識をお持ちであるということから、今回の就任への要請になりました。上野学長などと協力をしながら、国際都市東京としての強みを生かして、首都大学東京ならではの魅力を更に高めていくことを期待するところであります。
なお、川淵現理事長ですが、この4年間、大変ご尽力を賜りました。改めて感謝を申し上げたいと存じます。担当は総務局でございます。
以上、私の方からのご報告は以上の5点とさせていただきます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、朝日新聞の岡です。まず、冒頭発表がありました快適通勤ムーブメントなのですけれども、ここで挙げられている、例えば時差出勤とかというのは、これまでも呼び掛けられてきてはいるのですけれども、混雑緩和の実感が広がっているかといったら、必ずしもそうではないかなと思うのですが、そういう中で、都は一体、実効性を上げていくためには、これまで以上に何ができると、何をすべきだと具体的にお考えでしょうか。

【知事】まさしくそれが今回設けることになりました協議会のテーマになります。おっしゃるように、いろいろと制度があるけれども、実際にはそれが有効に活用されていないということだと思います。育児についてもいろいろな制度があるのですけれども、では、実際それを使える働き方になっているかというと、そうではないというのと似たような状況かと思います。
今日、ちょうどプレミアムフライデーですか。クールビズもそうなのですけれど、上から変わらないとこの国は変わらないのです。それから、これを一斉にしないと、この国は変わらないのです。「せーの」でやらないと。「うちだけ」というのでは、なかなか日本の企業や組織というのは動かないというのが、一つの日本の象徴のような気もいたします。
ですから、いろいろある制度、それからハードです。例えば、先ほどの複々線化もしかり、それから信号の時間をより短くするのが、どこまでできるのか、安全なのかといったような点、それからフレックスタイムを、若しくは早朝に出勤することを、例えば伊藤忠商事などはもう朝食を用意しているとかありますよね。だから、あらゆる施策の総動員ではないでしょうか。
みんなで同じ時間に乗って、みんなでぎゅうぎゅうして苦しむよりは、みんなで工夫して快適に仕事に励みましょうという環境づくりというのは、互いのまずコミュニケーションをよくして、そして結論を出すということだと、こう思っております。

【記者】2問目です。2020年オリンピック・パラリンピックの仮設の費用負担についてですけれども、施政方針演説で知事は「都も負担することを排除せず」と述べられたのですけれども、一方で、国も、あるいは都外の開催自治体も負担には後ろ向きという状況です。この負担の議論を進めるために、組織委員会の分を除いて2000億円とも言われていますけれども、そこの部分を都が丸抱えするというような覚悟もおありということでしょうか。

【知事】丸抱えという表現がどこまで指しておられるのか分かりませんけれども、例えば、今、事務方で詰めている数字というのは、例えば、輸送であるとか、警備などの大会運営にかかる事項まで、どのような数字が出てくるのかということを詰めてもらっているわけでございます。費用負担にかかる三者協議で、そこで最終的には決めていくわけでありますけれども、今、現実にどれぐらいかかるのかという数字をテーブルに出している状況であります。この作業が進むスピードと、それから実際にそれを前に進めていくということと両方をこうパラレルに進めていかなければならないと思っておりますが、その際に、「誰が負担するのだ」と言って、みんながすくみ合っているよりは、まず、東京都として主導的な役割を担う、その責任から、今回の「排除しない」という表現につながったものであります。
それぞれこれによって、本来は組織委員会が負担する仮設の部分でありますけれども、現時点では組織委員会のお財布の中身は5000億円と聞いています。プラスアルファについてはまだ具体的には聞いておりませんけれど、是非ここのところも伸ばしていただきたいと思います。仮設などについて、東京都の負担ということをしっかりとお伝えをしたところであります。
今後の協議というか、今後の負担についての分け方などは、まさしくこれから詰めていくということになります。でも、これによって、各県の皆様方もいろいろな記者会見などを通じておっしゃっているように、まずは一つ前へ進んだという、そういう感覚が共有できているというのは一つ効果があったのではないかと思っております。

【記者】3点目です。豊洲市場への移転問題についてなのですけれども、知事は先週の会見で、それに関する記録というのは基本的に知事就任後、見える化されているとおっしゃっていますけれども、ただ、やはり用地の買収の交渉であったりとか、あるいは大規模な土壌汚染が発覚した後、都庁内部でそれについてどのような検討があったのかといったようなこと、記録だけではなかなか分からない部分もなお多いかと思っております。そういった点について、都が主体的に関係者に例えばヒアリングをするとか、そういった形で主体的に調査をするというようなお考えはないでしょうか。

【知事】いろいろな場面でヒアリングも既にしているところでございます。それに加えて、今回、議会の方でお決めになりました特別委員会、百条委員会、それぞれむしろ議会の皆様方の方がお詳しい場合もあろうかと思いますので、直接聞き出していただくということを見守っていきたいと思っております。

【記者】知事は、これまで石原慎太郎元知事に質問状をお出しになったり、あるいは公開の場でヒアリングをということもお求めになったり、いろいろ働きかけをされてきたわけですけれども、そういうふうに石原さんの責任の追及というのには熱心なように見えるのですけれども、それ以外の部分についてはちょっとそうでもないように感じるわけですが、何か温度差を感じるところもあるのですけれど、いかがでしょうか。

【知事】私は感じておりません。そして、その担当だった方々には、既に様々な、これまでの調査の過程において、直接ヒアリングもし、そして、その当時担当だった者については、既にこの結論も出させていただいて、職を解くなどの措置を行ったところであります。

【記者】東京MXの三嶌です。市町村長との意見交換が、最後は小笠原村長との協議で終了しました。先ほど、宝島推進委員会の実施で、島しょ部の活性化という部分についても触れていましたが、小笠原村では空港の開設が懸案となっております。医療体制や観光推進といった点からも推してほしいという声もある一方で、環境への影響も心配されているところだと思いますが、知事としては、小笠原村の空港開設については、どのようなお考えを持っていますでしょうか。

【知事】その前に、市町村長との意見交換をずっと行わせていただきまして、延べ13時間にわたって、ご要望を伺ってまいりました。最終が小笠原の村長だったわけでございます。そして、まさしくこのヒアリングの時間にちょっと遅れられたのは、船が悪天候のために3時間ぐらい遅れたということでありました。それからまた、村長自身、お体を崩されたときなども、広尾病院に運ばれてということで。今、自然環境を守るという観点、これは大変重要なことだと思っております。一方で、島で暮らす方々の健康であるとか安心、これを確保するためにも、かねてよりご要望が出ております、空港の建設ということも、これも考えなければならない課題だと思っております。現実に小笠原の方にも足を運びました。私の場合は、硫黄島からヘリコプターで行ったわけですけれども、かつての海軍の空港跡、そこを活用したらどうかという一つの案だとは聞いております。国会の方でも、それを進める組織ができ上がったりもしておりますけれども、これからも島の魅力を守りつつ生かすというエコツアーの考え方、こういったことをベースにしながら、空港建設、航路の確保という、小笠原の方々のご要望にも応えるべく検討していきたいと思っております。

【記者】日本経済新聞の森川でございます。昨日行われました豊洲市場に関する市場問題プロジェクトチームに関連して伺えればと思います。昨日のテーマは築地市場の改修ということでしたが、築地市場の建物で耐震強度が不足している建物が複数あり、また改修が難しいという説明、討議もありましたが、知事は、この築地市場の現状の安全性とか建物の強度について、どのようにお考えになっているのか、改めて伺えればと思います。

【知事】昨日、市場問題プロジェクトチームの会議が行われたわけでございます。逆に、築地市場が安心・安全なのかという、そういった点からの検討が行われたと聞いております。これについては、しっかりと、その安心・安全の確保のために、例えば、昨日は、建築基準法違反というような仮設の建築物の問題がございました。この手続がしっかり行われていなかったことについては、厳しく反省をしなければなりませんし、早速、これらの手続上の問題について、きっちりと対応するように事務方の方にも指示をしたわけでございます。これによって、今現在、築地市場は動いているわけでございますので、そこの安心・安全というか、現在使われているところが、きちんと運営が続けられるように、現場で働いていらっしゃる業者の皆様、それから消費者の皆様にも、そのあたりはきっちりと伝えていかなければならない、こう思っております。

【記者】すみません。そこで営業しながらの改修というのが極めて難しいということから、強度不足がそのまま黙認されてきたという趣旨の議論が昨日ありましたけれども、仮に豊洲への移転がまだ見通せない中で、築地の改修について、業界の意見の取りまとめ等で、知事から働きかけたり呼び掛けたりするようなお考えがあるかどうか、伺えればと思います。

【知事】当初は、全面的な耐震工事を行う予定だったわけでありますけれども、今おっしゃりましたように、営業しながらの改修工事は難しいなどなど、業界の皆様方の合意も得られなかったと聞いております。そして、これについては、市場の施設の安全確保が第一なわけでありますから、現時点では、日々の点検を強化するということと、適切な補修を実施するということによって、今の築地市場を生かしていくということだと思っています。理由は簡単です。今、営業中だからです。

【記者】日本テレビの久野村です。東京五輪のレガシーについてお伺いしたいのですけれども、リオ大会から半年が過ぎまして、実際、開閉会式の会場となったマラカナンスタジアムが閉鎖されたりですとか、知事も素晴らしいとおっしゃっていた、資材で学校を作るというプロジェクトも、解体業者等が決まらず頓挫してしまっていたり、なかなかリオ大会ではレガシーというものが、今、見えていなくて、市民からも反発が起きているのですけれども、東京大会では常にレガシーというものを考えながら進められているとは思うのですが、会場計画の見直しとかいう点では、もう、ちょっと終わって、次のステップで具体的に、無駄にならずレガシーとして残していくためには、どのようなことができるかという知事のお考えをお願いします。

【知事】先日、私は友人からメールを受け取りまして、そこにはイギリスの「ザ・ガーディアン」の動画が張り付けられていました。それを見ますと、私は9月に訪問したときの、あのにぎやかだった会場が非常に厳しい状況にあるという、その様を映していて、こうしてはならないという思いを新たにしたところであります。
私はいつも申し上げていますけれども、2020年の大会を、それをゴールにするのではなくて、その後の、例えば、建物のライフサイクルコスト一つをとってみても、それから、その後、どう活用されるかということで、例えば、有明アリーナなど、民間の参加を得て、より有効に活用するという、そのような案を練っているところでございます。
大会前に、その施設の運営者、そして具体的な活用方法を決めて、むしろレガシーは、プラスのポジティブな意味でのレガシーにつながっていくように万全を期してまいりたいと考えております。
それから、いろいろな、3Rというか、やはり使われたものを再利用するという先も、できるだけ前広に考えておく必要があるのだなと、このように思っております。

【記者】すみません。もう一点だけ。それに関して、リオ大会のちょっと失敗の要因というか、政府の……。

【知事】失敗って決められないでしょう。

【記者】失敗ではない。すみません。

【知事】失敗って決めたらかわいそうね。

【記者】すみません。今、こういう状況になっているところから、原因というのを政府関係者に聞いて、小池知事にアドバイスはありますかということを日本テレビが取材で聞いたのですけれども。

【知事】ありがとうございます。

【記者】大会が近づくほどに、IOCですとか関係者から、細かい注文とかオプションが多く寄せられるようになると、その時点で交渉するとか、相手と折り合いをつけていくという知事のリーダーシップに期待したいとおっしゃっていたのですけれども、その点、そういう状況になったとき、知事はどういう姿勢で取り組むかについて、お伺いします。

【知事】ご助言には感謝をしたいと思います。一言で言えば、都民ファーストになろうかと思います。都民の財産としての様々な会場をどういうところに活用していくのか、それから追加の注文なども来ることでしょうけれども、それはしっかりと、その後も有効に活用でき、そして必須の条件なのかどうかということも、見極めながらやっていきたいと思っております。最後になって、宴会の後でもう一杯、飲み放題に変えてほしいとかいろいろあるとは思いますけれども、そこはやはりコストとの関係があります。
それから、IOCについても、今回もブタペストが、今度、手を下ろしたという情報も聞いております。やはり、結局、費用がかさむことが、オリンピックの持続可能性を下げていることにつながるのは、これはよろしくないと、IOCの皆様方の共通の考え方であり、我々もその考え方をシェアしているということでございます。より効率的に、コストもかけず、だけど、わくわく感を高めるという、その方法をいつも模索したいと思っております。

【記者】ありがとうございます。

【記者】東京新聞の木原です。女性の活躍推進についてお聞きしたいと思います。ちょっと前になるのですけれども、1月に、東京都の女性活躍推進大賞に海老原宏美さんという重度障害者の女性が選ばれました。そのときに、知事宛てに手紙を渡したということなのですけれども、受け取っていらっしゃいますでしょうか。

【知事】はい、お受け取りしました。そして、彼女のおっしゃることなども今回の予算案にもしっかりと。障害のある方も一人の都民として快適にお暮らしいただけるような、そんな措置を、彼女が代弁されたと思います。これを予算案にも生かして、そのことについても返信をしております。

【記者】知事は、実行プランでも、誰もが活躍できる社会を目指すとおっしゃられています。パラリンピックの選手だけではなくて、人工呼吸器が欠かせない人とか、意識さえはっきりしない重度障害者の方も障害者の中にはいらっしゃっていて、そういう方も、みんなが活躍を目指すという、その「活躍」というのは一体どういったことを指すのかということを、知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。
あと、関連して、相模原市で、障害者施設での殺傷事件も起きています。重度障害者の存在価値について、社会はどう育んでいけばいいのか、知事の考えをお聞かせください。

【知事】障害にもいろいろなレベルがあり、また、いろいろな困難な度合いも異なってくるかと思います。今回、私はダイバーシティという、誰もがいきいきと輝ける東京を目指してという予算案を組み、その中でも、ソーシャルファームなどの新しい考え方も組み込ませていただいたところであります。また、特に障害を持って生まれる子供の数が、今、増えているということで、その方々が大人にその後なっていくわけでありまして、障害を持った子供さんが増えている中において、その対策などもやらせていただきました。誰もが活躍をするということは、いろいろな社会との関わりを持っているというつながりです。よく使われた言葉で言うと、「きずな」ということを感じていただけるように、それぞれの方が主体となっているのだということを感じていただけるような、きめの細かい対応をしていきたいと、こう思っております。
誰もが活躍できると思うのです。人工呼吸を活用しておられる彼女もいろいろな分野に大変な才能を発揮しておられて、だからこそ一つの希望として、同じような障害を持たれた、もしくはそれ以上の障害を持たれた方にも希望となるように。パラリンピックの選手はむしろ、もう本当に例外的に素晴らしい方々、だからこそパラリンピックにも出られるけれども、あとの圧倒的な多くの方々は、日々、いろいろと苦労されているという中で、海老原さんはそのいいモデルを示してくださった。だからこそ、表彰をして、更に頑張っていただきたいとエールを送らせていただいた次第でございます。

【記者】ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。百条委員会の設置が注目を集めている一方で、数時間にわたるであろう百条委員会の模様を、例えば地上波が全て放送できる可能性は少ない、現実的に難しいのと、ネットメディアは現状では都議会関連の中継はできません。都議会のサイトではネット中継をしていますが、舛添前知事のスキャンダル時の委員会では、アクセスが集中し、閲覧できなくなるということがありました。その後はそのようなこともなく、きちんと担当課が対応されているわけですが、それでも今回は、都民対応のスペックを超える国民全体の関心事でありまして、リスクは残ると思います。ファクトを知りたい都民、国民が待ち望んだせっかくの百条委員会の模様を、都民自身の目で全てチェックできる保証はない状況について、ご所見をお願いします。

【知事】広報の方で対応できるように、何ができるのかチェックをしておきたいと思います。ただ、皆さんにはしっかりと見守っていただきたいと、こう思っております。

【記者】フリーの環境ジャーナリストで、村田佳壽子と申します。豊洲の件に関してなのですが、土壌、水質、そして空気、大気、これらに関して、一般の方たちが、専門知識がない方々たちが分かりづらいのは、基準値を79倍とか、あるいは水銀やヒ素など、人体に、生命に直結するような有害な物質が基準値を大きくオーバーしていても、それでも何ら罰則がないということが、とても安心と安全ということを考えたときに、幾ら専門家が安全だと言われても安心できないという部分になっていると思うのです。
例えば、飲酒運転であれば、その規制値をオーバーすれば逮捕されます。たとえ、そのお菓子の中に入っていたアルコールであっても、アルコールの基準値を上回れば逮捕されるというのがあるのに、なぜ豊洲の問題はそういうことがないのかと。それは基準値と規制値の違いなのです。アルコールの場合は規制値があって、違反すれば罰則が待っているという法律があります。でも、豊洲のように、あるいは普通に東京都民が吸っている空気のように、環境基準値はあるけれども、これは努力目標で規制値ではない、だから罰則もないということになると、どんなにオーバーしていても、それ以上どうすることもできない。
そこで、これを解消しないことには安心は確保できないと思いますし、また、行く行くは都民の安全も、あるいは国民の安全も確保できないと思います。そこで東京都は自治体として条例を作って、水と土壌と空気に関して、規制値を決めて法律的に対処するという方法をお考えにはならないでしょうか。

【知事】ご提案として受け止めさせていただきます。私のときではありませんでしたけれども、いわゆる土壌汚染対策法という土対法が、まず最初に成立したのが何年でしたかね、調べてください(土壌汚染対策法は平成14年5月に成立・交付)。私の前任者のときに、成立しております。そこで、附則のところで、今回の豊洲については除外の対象になっていると記憶をしているわけであります。法律を作る際に、いろいろな業界のお話、要望などを聞くことが多いわけです。国の法律の際に。そこで大体、最初、厳しい法律を作ろうとしていても、少し緩くなってしまうということで、そのあたりが往々にして緩んでしまうことになって、業界もそれぞれ現実を抱えているということから、大変反対をされたり、説得して回ったりという、そういう活動もされるわけであります。
そういう中でも、いろいろと裁判なども経て、裁判というか、いろいろな、実際に被害者が出たりというようなことになると、そこで厳しくしようという動きになる。環境こそ予防的に進める必要があるわけでございまして、今のご提案というのは厳しく受け止めたいと思います。
そういう法律が作られる中で、これまでどういうところが緩んできたのか、もともとの原案からどうしてこうなったのかなどというのは、私はジャーナリストの皆さんとすれば、チェックをする一番いい対象なのではないかなと思うのです。
そういったことからですね、「あまりにも厳しくすると…」と言うのだけれど、例えば、全然話は違いますけれども、カリフォルニアの車の排気基準などでマスキー法(1970年に米国で制定された厳しい自動車排気ガス規制法)というので、「これは無理だろう」と言っていたところを、ホンダがその技術を超えて、省エネの車かつエコ、大気汚染の防止ということにつながったということなどを考えれば、こういった環境については、私はむしろ厳しくやることをセットすること、それが規則であれ基準であれというのは、私は結果としていい方向に行くのではないか、こう思っております。水俣についても同じことが言えると思っております。ご提案として受け止めさせていただきます。

【記者】テレビ東京の渋谷と申します。東京オリンピック・パラリンピックでの農産物などの食の調達基準について伺いたいと思うのですけれども、東京大会の選手村で使用する農産物に、認証制度であるGAPの取得が義務付けられた場合ということを考えると、日本の農家の多くがまだGAPを取得していないという現状がありますけれども、これについて都知事がどのように考えていらっしゃるかということと、あとまた、都として農家にGAPを取得するように促す考えがあるかどうか、伺えますでしょうか。

【知事】今、具体的にお答えできるかどうか分かりませんけれども、例えば、木材についても、合法伐採されたものかどうかということの認証を受けると、それらの合法な木材を活用しているのかどうか。それから、遠くから運ばれるのではなくて、地産地消の観点からも、そういった多摩産材などを使うという話。これらについても、なかなかそうはできない部分についてはサポートする、そういう制度を考えているところであります。
農産物についても同じことではないかと思っております。認証を受けやすくしてあげるということは、東京大会の成功に、またオリンピック憲章や様々なオリンピックの決まり事にきっちりと応えていくということにとっては必要な対策は講じていきたいと思います。

【記者】日本経済新聞の岩村です。都外の仮設施設について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、先日、都外の仮設施設についても東京都が負担することは排除しないということでしたけれども、都民の税金を都外の施設に使うということについて、都民にどう説明されるのか。都民が日常的に使わない施設について、都税を支出することをどう都民の方に理解していただくのかというところについて、知事のご所見をお願いします。

【知事】これについては、まず、地方財政法上、都民の皆様方からお預かりしている税金を、他の道府県で使うということについては、いろいろな縛りはございます。
一方で、開催都市としての責任ということも踏まえると、今回、この大会経費とともに、都民の皆さんに、本件に関してもしっかりと説明をして納得をしていただけるように工夫をしていきたいと思っております。
東京大会ということで始めているわけですから、都民の皆様方には、その点は、大会の成功のためということについての都税の使い方、そして、これはまた整理いたしますけれども、ある意味例外です、今回の東京大会を目指すということで。どの形でどうしていくのかなどなど、法令や条例的にも整理が必要だと考えております。仮設なのか、先ほどもお話があった運営費についてはどうなのかとか、そういった整理をして、そして、都民の皆様方のご納得がいただけるような、そういう流れをしっかりと確保していきたいと思っております。
まずは、本来は組織委員会の皆様方にご負担というか、原則として組織委員会が行うということになっておりますので、そこの部分でご努力をいただけるように、都としてもまたバックアップをしていきたいと、こう思っております。
では、最後の方になります。

【記者】フリーライターの加藤と申します。私から二つあります。一つは、「知事の部屋」というホームページ上のページがあると思うのですけれども、これまでの歴代の知事の「知事の部屋」が残されています。その中で、この「知事の部屋」に定例会見の動画を残すという形を。中継そのものを始めたのが石原知事時代ですけれども、中継の当初の画像データが、今のままではサーバーの容量がいっぱいになってしまうと消されてしまうというリスクがあるということを担当部局から聞いています。
大変、当時の石原元知事の発言がとても注目を浴びている現在、このデータが消されてしまうと、永遠に都民から見ることができなくなってしまうという現実があります。これを、知事としてはどのようにしていかれるのかということを、一つ伺いたいです。

【知事】ちょっと、時間の関係で1点でよろしいでしょうか。

【記者】はい、分かりました。

【知事】私自身は、前の方々のまではよく確認はしておりません。そのあたり、容量的にどうなのか、先ほどのニコニコ動画さんの話と共通するかと思います。サーバーの容量等も含めて確認をしておきたいと存じます。
それでは、時間になりましたので、これで失礼させていただきます。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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