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平成28年(2016年)11月11日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成28年11月11日)

知事記者会見
2016年11月11日(金曜)
14時00分~14時55分

知事冒頭発言

1 「国際金融都市・東京」の実現に向けた今後の検討体制について

【知事】皆様、こんにちは。それでは、定例の知事記者会見を行います。
今日は、東京都の方から、まず3点にわたってご報告をさせていただきます。
まず、「国際金融都市・東京」の実現に向けました検討体制を作ることといたしました。これは、東京がアジア・ナンバーワンの国際金融都市の地位を取り戻すということで、「スマート シティ」の柱の一つに置いた、環境と金融ということで二つ置いてありますけれども、主な部分として、そのうちの一つでございます。
金融産業の振興というのは、ロンドン・ニューヨークを見ましても、都市の魅力、そしてまた競争力を維持する上でも大変重要な機能でございます。また、安倍政権の成長戦略の中では、「GDP600兆円を2020年頃に達成する」という項目がございますが、それを引っ張っていくのは首都東京ではないかと、このように思います。
ちなみに、日本の金融業の対GDP比でありますけれども、僅か5%程度にとどまっております。これを、ブレグジットとか、いろいろありますけれども、英国並みに倍増することができましたら、英国は大体GDPの12%が金融業による収入ということ、GDPでありますけれども、つまり今の5%を倍の10%にした場合には、これは計算上、GDPの約30兆円押し上げという効果が生まれてくるというものでございます。物を売ったりするのと違って目に見えないものでありますけれども、これは首都東京といたしまして、また日本の経済のエンジンとしての役割とすれば、この部分はとても大きい。
ただし、これまで「国際金融都市・東京」ということはいろいろとうたわれるものの、なかなか進んでいないのが実態でございました。そこで、特区などを活用して、これからインターナショナルスクールを作るであるとか、コンシェルジュ制度を作るとか、いろいろその周辺の部分は整備しておりますけれども、ハードの部分だけでなくて、肝心な部分はソフトの部分になろうかと思います。東京市場には「見えない参入障壁」、例えば一番分かりやすいのは日本語でございますけれども、これが立ちはだかっているということ、それ以上に、世界標準とはかけ離れた、言ってみれば「ガラパゴス化」したような業界の慣行であったり規制、そして税制があるということが、結局、世界の金融機関を、より仕事のしやすいシンガポールであるとか香港、上海等に追いやってしまったということだと思います。
そこで、都民ファーストの判断で、既成事実とか既得権益にとらわれずに国際金融都市をしっかりと作っていくというために、幾つかの課題を整理して、そして議論をし、更には実行していくという装置を作りたいと思っております。利益相反の防止であるとかコーポレートガバナンスの改善などによって、そして投資家本位の市場を実現したいと思っております。
ただ、これらのことは、国の法制度とも密接に関係することは言うまでもありません。そういう意味で、政府ともしっかり話し合っていきたいと、このように思います。そして、2020年に向けました成長戦略の中核として、今回はラストチャンスという、それぐらいのスピード感、危機感を持って、構造的・本質的な課題にまで踏み込んでまいりたいと考えております。
そこで、二つの会議体を作りたいと考えております。
まず一つが、「国際金融都市・東京のあり方懇談会」でございます。こちらでは、金融の活性化、海外の金融系企業の日本進出に当たりまして障害となる課題を洗い出すということで、その解決に向けた税制、インセンティブ、市場活性化などの抜本的な対策について、私も入りまして、金融の専門家、そして企業経営者の皆さんらの間で忌憚のない議論を行ってまいります。同時に、これは、海外の関係者の目というのも必要でございますので、日本人だけでなく海外の方からもご意見を伺い、さらにこれは公開で実施をしてまいります。そして、11月25日(金曜日)に第1回の会議を開催いたしまして、これは定期的に行い、約1年ほどで答えを出して、構想を取りまとめていく方針であります。
二つ目は、「海外金融系企業の誘致促進等に関する検討会」と名前を付けております。こちらでは、海外の資産運用業、フィンテックなどの企業誘致、それから手続ワンストップ支援、特区を活用しました生活環境支援などを議論いたしまして、都と金融庁、それから民間事業者などの実務担当者の間で、来年度から着手が可能な当面の対応を検討してまいります。こちらの方は、11月16日(水曜日)に第1回を催します。そして、第2回は12月19日(月曜日)、年内に当面の対応を取りまとめる方針でございます。実務者レベルで施策の立案に向けました忌憚のない意見交換を行いますため、こちらの方は非公開とさせていただきますけれども、年内に「当面の対策」を取りまとめまして、皆様方に公開してまいりたい、議事概要、資料を提供させていただきます。
懇談会の方のメンバーでありますけれども、私を加えまして15名から成るものでございます。
それから、検討会の方は、都、金融庁の事務レベルに加えまして、資産運用、フィンテックなどの業界団体の実務担当者ということになります。
検討会では短期的対策、懇談会では構造的課題に切り込む抜本的な対策と、それぞれ議論をしてまいる予定でございます。
ちなみに、トランプ政権におきましては、まだ経済政策、金融政策、明らかにはなっておりませんけれども、これまでのキャンペーンの間に、いろいろな政策の影、何ていうのですかね、一端がのぞき見られるわけでありますけれども、これから経済、そしてビジネスマンのトランプ大統領ということになりますと、「アメリカファースト」、何か聞いたことありますけれど、私は「都民ファースト」。アメリカファーストの考えでいきますと、法人税のかなりの見直しをやるのではないか、相続税を廃止するのではないかとか、いろいろと今は噂の段階でございますし、また、財務長官には、ウォールストリートに関係する方々、これはよくありますけれども、そういった方々が入る。そういう中で、「国際金融都市・東京」ということを確保していくだけでもまず重要でありますが、それだけでは不十分でありまして、様々、今、申し上げましたような規制の緩和であるとか、それから、より高度人材が働きやすいような環境、国際スクールをどう確保するかといったような点、これらは、もうまさしく国際競争であります。そしてまた、シンガポールや香港、上海といったところは、それを、またアメリカで変化が起こりますと、更にそれに対応してくるわけです。ですから、このあたりは、生き馬の目を抜く業界でございますので、乗り遅れない、そしてまた、むしろ世界を引っ張っていくためにはどうしたらいいのかということについて検討をしっかりしていきたいと思っております。
こうやって二つの検討会、懇談会を、まずは準備しておいてよかったなと思いますけれども、しっかりと中身のある、そして、先ほど申し上げました「スマート シティ」の大きな柱でありますこの金融の部分を確実なものにしていきたいと、こう考えております。詳細は政策企画局に聞いていただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 「2020年に向けた実行プラン(仮称)」の意見募集について

【知事】二つ目のポイントでございますけれども、今日は、「2020年に向けた実行プラン(仮称)」の策定に向けましてのパブリックコメントの開始についてお知らせいたします。
まず、4年後には東京2020大会がやってくるわけでございますけれども、この成功を梃子として、更にその先に、新しい東京、そして明るい未来に向けて、都民の皆さんとともに歩んでいく、その具体的な道筋を示すというのが、この「2020年に向けた実行プラン(仮称)」でございます。そして、このプランをベースといたしまして、全庁を挙げて検討を進めて、そして実行していくということでございます。
それで、この策定に当たりまして、まさしく都民ファーストの視点から、このプランのポイントとなります事項を、「コンセプトと主要政策の方向性」といたしまして、できる限り分かりやすい表現で都民の皆様方にお示しをして、ご意見やアイデアを募るということでございます。
まず、実行プランの策定の意義でありますけれども、私がかねてより申し上げております「セーフ シティ」、「ダイバーシティ」、そして「スマート シティ」、この「『3つのシティ』を実現して、『新しい東京』を創り上げる」、これが大きな大義でございます。
プランの目指す「新しい東京」でございますけれども、(1)誰もが安心して暮らし、そして、希望と活力を持てる東京、(2)成長を生み続けられるサステイナブル、持続可能な東京、(3)日本の成長エンジンとして世界の中で輝く東京、この三つのビジョンを示しているところでございまして、これこそがまさに「セーフ シティ」、「ダイバーシティ」、「スマート シティ」、何度も繰り返しますけれども、この三つになります。
この「セーフ シティ」の中に、幾つか項目を挙げさせていただいております。主要政策を挙げているわけでございますけれども、その主要政策の方向性については、例えば、耐震化・不燃化・無電柱化、つまり、地震に強いまちづくりをする。これはハード。それから、ソフトとして、消防団など地域の防災力の向上、地域コミュニティの活性化、それから、多摩や島しょ地域のまちづくりなど、今後取り組むべき政策の方向性をお示ししているところでございます。つまり、「地震が起こっても、倒れない・燃えない」「災害の時でも、困らない・独りではない」といったように、政策の目的が分かりやすく伝えられるようなメッセージにしてまいります。
次に「ダイバーシティ」でございますけれども、主要政策を挙げさせていただきました。幾つもの項目がございます。その方向性でありますが、待機児童の解消など、安心して子供を産み育てられるまちを実現する、障害者がいきいきと暮らせるといった項目を、政策の方向性として打ち出させていただきます。未来のために、自らの意思で学べる、都民一人ひとりがスポーツに親しめる、何々ができるというようなことで、こういった可能性、実現性、これらのことを盛り込んでおります。
3番目に「スマート シティ」でありますけれども、「世界のメガシティとして、日本の首都・経済のエンジンとして、大都市が抱える課題を解決し、そして、国際的な都市間競争に勝ち抜く成長を生み続け、活力にあふれ、サステイナブルな東京をつくる」、これが大きなビジョンであり、それを達成するための主要政策を掲げております。
より具体的には、LED照明やエコハウスの普及など、世界をリードするスマートエネルギー都市の実現、食品ロスの削減、特区制度の徹底活用で、先ほど申し上げた国際金融・経済都市の実現、世界中の人々を引きつける観光都市の実現など、今後取り組むべき課題を挙げたところでございます。
そしてまた、「東京2020大会の成功に向けた取組」と、それから「多摩・島しょの振興」については、分野横断的な政策の展開を示しているところでございます。島しょについて、東京の島につきましては、明日、三宅島と、それから御蔵島の方に飛ぶことになっておりまして、オリンピック・パラリンピックの2本の旗を、フラッグツアーとして、まさしく旗振りをやっていきたいと思っております。
さらに、「Beyond2020」、これが東京の未来に向けて、つまり、オリンピック・パラリンピックの年の2020年の更にその先に目を向けまして、例えば、科学技術の進歩、個人の意識の変化などを通して、明るい東京の未来についても描いていきたいと考えております。
そこで都民の皆様方に考えていただく「東京の理想の姿」「未来の生活像」などについてもアイデアを頂きたいというものでございます。このご意見、アイデアですけれども、今日から11月25日(金曜日)までの2週間、募集をさせていただきます。是非都民の皆様方から多くのご提案を頂きたいと思っておりますけれども、その提案の仕方につきましては、東京都のホームページをご覧いただきたいと思います。
頂いたご意見やアイデアを参考にしながら、各政策におけます目標、それから、4か年の政策展開、年次計画などを具体化いたしまして、年内をめどにプランを発表する予定となっております。都民ファーストをうたっております。是非都民の皆様方から、「こんな東京にしたいのだ」「こうすれば、もっとよくなる」といった具体的なアイデアをどしどしお寄せいただければ、それを都政に反映させていきたいと、このように思っております。是非若い方でも学生さんでも、女性、男性問いません、障害を持った方、もちろんウエルカムでございます。こういう形で、みんなで明るい東京の未来を創っていく、そのための大きなプランとしていきたいと思っております。プラン作りから、皆さんとともに進んでいきたいと思っております。
手話でやりますと(手話を実演しながら)、「みんなで東京の未来を創りましょう」というのですけれども、是非みんなで東京の未来を創っていきましょう。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 障害者スポーツのファンサイト「TEAM BEYOND」について

【知事】障害者のスポーツなのですが、もっと盛り上げていこうということで、新しいサイトをつくりました。「TEAM BEYOND」というものでありまして、このオープンについてのお知らせでございます。
このネーミングについても、都民の皆様方にお聞きをいたしまして、そして、このサイトの名称が決まりました。「BEYOND」、これは超えてという意味です。スポーツを通じまして障害の有無をはじめとする、あらゆる違いや壁を乗り越えて、一人ひとりの個性が輝く多様性豊かな社会、「ダイバーシティ」に向かっていこうという思いを込めて、この「BEYOND」という形にしました。
このサイトを通じまして、「パラスポーツ」の新たな魅力を発信いたします。そして、「チーム」メンバーを募集いたしまして、そのメンバーを対象としたイベントも数々展開をしていくこととなります。
サイト内では、パラリンピック競技に限りません。広く障害者スポーツを表す言葉として「パラスポーツ」という言葉を使ってまいります。是非皆さんにもご参加いただきたいし、本日もテレビを通じてご紹介いただいていると思います。どうぞ皆さん、ご参加いただきたいと思います。
それから、スポーツ界、芸能界の多くの方々にもご賛同いただきまして、応援映像を作ってみました。
チームメンバーを募集しておりますので、どしどしご応募いただきたいと存じます。ちなみに、私もナンバーをつけてもらいました。東京大会にちなみまして背番号2020。これは番号が重なってもいいです。「私は1番がいいわ」「私は7番がいいわ」「いや、私は1900何番がいいわ」というように、ご応募いただく際にその番号をつけていただければいいということでありますので、是非是非奮ってご参加いただきたいと思います。4チャンネルは0004でしょうか。是非ご参加いただきたいと思います。詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお尋ねください。
ということで、私の方からは以上3点について、今日はご報告、そして、お知らせをいたしました。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】ありがとうございました。幹事社、時事通信の吉本です。幹事社から何点かお伺いします。冒頭発表いただいた国際金融の検討体制の件なのですが、ガラパゴス化している慣習を見直したいという姿勢を示されましたけれども、資料にも税制について言及されているのですけれども、法人実効税率の引き下げ等、何かアクションを起こされるお考えはあるのか。もしくは、都の方で法人実効税率は超過課税をされていると思うのですが、そちらは都の方で自主的に見直すことは一応可能だと思うのですが、その辺も含めて知事のお考えをお伺いしたいのですが。

【知事】今回のトランプ大統領の様々な発言などをまとめましても、連邦の法人税を、アメリカはもともと高いのです。全部ひっくるめると40.75パーセントということで、日本の場合の29.97パーセントと比べましても高いけれども、それだけ国全体のある種の魅力でもって集まっているわけです。そこを、連邦法人税というのは現在35%なのですが、それを半分以下に下げるというような発言などもあります。もちろんこれは何も決まっていない。これまでのいろいろなキャンペーンの中から拾い出すと、それだけ法人税に対しての注目というか、そこをターゲットにしているということが読み取れるわけであります。逆に言えば、イギリスが20パーセント、香港、シンガポール17パーセントというのを比べますと、日本だけ突出して高いということであります。ただ、このあたりは、非常に議論のあるところですし、ましてや法人2税についてはこれまでも国とのいろいろなやりとりなどもございました。そして、東京の税収ということでは、この法人税というのは非常に重要な要素を占めているわけで、そう簡単な話ではありません。
しかし、世界の潮流を見ていくとこの法人税についてのあり方というのは、議論の的からは外せないということなのではないかと思いますので、どういう形で何をなすべきなのかということも俎上にあげて、しっかりその点は議論をしていきたいと思っております。いずれにしましても、今回、アメリカが、非常にアメリカファーストで、内向きという表現もありますけれども、これからどのような形にしていくのか、非常に注視しなくてはいけないと思っております。
それから、同じくトランプ氏のこれまでの選挙戦の中で、例えば金融関係で、グラス・スティーガル法という、たしかこれはルーズベルト大統領のころから定められている銀行と証券の利益相反問題というのをずっと取り上げてはいるのですけれども、このグラス・スティーガル法を復活するということについて賛成と言っているのです。ということは、これからこの議論いたします検討会、懇談会の中でも利益相反という課題というのは、これまた取り上げていきたいと考えておりますので、そういったアメリカの大きな流れに置いてけぼりにならないような、日本は日本でいいのですけれども、しかしながら、これは都市間競争、国際間競争というのはもう非常に激しいものがありますので、そこについては乗り遅れないようにしなければというふうに考えております。

【記者】次に、福島での東京五輪の野球、ソフトボールの開催が決まったということなのですが、会場見直しで長沼案も一応選択肢には残っていますけれども、改めて復興五輪について、お考えを伺いたいと思います。

【知事】バッハ会長も総理との面談の際に、復興について言及していただいております。これからこの後も、また実務的にもいろいろと進んでいる中において、バッハ会長が復興ということにかけてくださっているということには感謝をしたいし、今回、福島での野球の大会、予選か、本選になればいいと私は思っているのですけれども、そういう中で一つずつ復興の方に目が向くということはよい傾向ではないかと思っております。

【記者】それから今週、大きなニュースになったJR博多駅前で大きな陥没事故があって、結構ショッキングな映像が流れたのですけれども、地下利用に関しては東京都も相当なものがあると思うのですが、担当部局にあの事故を受けて対策とか、点検等、指示されたことなどがありましたら、教えてください。

【知事】まさしく驚くような事態となり、これを他山の石として、東京の場合はどうなのかということで、改めて点検するように指示を、その日のうちにいたしました。そういう中で、都道内で占用工事を行っている全事業者に対して担当局の方から安全対策の徹底についても通知をしたところでございます。既にいろいろと報道されているように、幾つかの工法がございますけれども、東京都におきましては、福岡で活用しているような工法はとっていないということであります。
一方で、これは道路の一番大きな課題になっておりますメンテナンス、つまり、老朽化に伴いまして、いろいろとメンテナンス、維持をしていかなければいけないと、交換などしていかなければならないということでもございますので、そういった点で、全体のチェックというのも進める。
それから、これは日常的に目視による巡回が行われておりまして、路面の異常を発見した場合には壊れている破損箇所の復旧を行うということは、これは日常的に行っている。それから、目視でできない場合の路面の下の空間について、空洞について、久しぶりにこの言葉を使いますけれども、大型の埋設物がある路線などを対象として、これは、今度は地中レーダーというものを使いまして、このレーダーによって空洞が発見された場合には、そこを充填し、その空洞を塞ぐという形で、道路が陥没しないように未然の防止に努めているということでございます。
そして、道路の巡回点検の頻度でありますけれども、管内の道路は大体3日で一巡しているということであります。それから、路面の下の空洞調査でございますけれども、これは大体区部を中心として毎年150キロメートル程度実施するようにいたしておりまして、年間にすれば約230件、空洞が見つかるということでございます。かなりこの地下のインフラということも老朽化しているということから、今後も、そういった事態を未然に防ぐという、そのような方針で行きたいと考えております。

【記者】ありがとうございました。

【記者】フジテレビの小川です。今、知事はトランプさんについて、金融面でいろいろお触れになりましたが、トランプさんは、オバマさんと会談したときには態度が一変して穏やかであったとか、そういった状況に、今、株価とか為替もすごく振り回されている状況ではあるのですけれど、改めまして、トランプさんの勝利について、知事のお考えをお聞かせください。

【知事】いろいろな分析が行われておりますが、私は以前から大義と共感ということをよく述べさせていただいております。ヒラリーさんという女性初の大統領候補、残念ながら、当選はしなかった、できなかったわけでありますけれど、この初の女性大統領を生み出すという、ある種の大義ということが、残念ながら生かされなかった。むしろ、いろいろとネガティブ情報などが出て、反感にもつながって、残念ながら女性の間でも共感を生まなかったとか、女性の投票に行った人が少なかったとか、いろいろ分析がされております。
片や、トランプ氏の方は、ラストベルトという、いわゆるかつての工業地帯の方々が、産業構造が変わった結果、仕事がない、失業、そして家がないといったような状況で、アメリカファーストというプライドをかき立てる、その演説など、中には暴言、失言など多々あったとは私も思いますけれども、それでもみんなの関心を引きつけながら、そういったいわゆるWASPと言われるような方々、置いていかれた中間層の共感を呼んだのではないかと思います。
そういう意味で、まずはトランプ氏が、結局、大統領に選ばれたということには、何よりもまず、おめでとうございますということを申し上げ、民意が選んだということでございますので、その意味で私も同じかと思いますけれど、まずはおめでとうございますということを申し上げると同時に、アメリカというのはUSA、United States of Americaとなっておりますが、これがunitedであり続けてほしい。unitedではなくて、divided、分かれる、Divided States of Americaにならないようにかじ取りをしていただきたいと、こう思っています。
イアン・ブレマーさんという方が、ゼロの世界という形で、世界中に、主な国がなくなってゼロになってしまうのではないか。東西冷戦中の米ソで二極だったのが、それが大きく変わってゼロになるということを、かなり前に指摘しておられるわけですけれども、ゼロになって無秩序な世界になるということについては非常に懸念をすると同時に、新しいアメリカづくりということにトランプ氏に期待をするところであります。

【記者】東京MXの三嶌です。今週、都の当初予算案について、各局からの予算要求の状況が発表されました。先ほども「2020年に向けた実行プラン(仮称)」の策定に向けてという資料で、知事がこの先どういう方向を目指していくのかというのが分かりましたが、初めて手がける当初予算案も小池知事のカラーを大きく出すことになるのかなと思います。知事としては、どういった部分に強いイメージを置いて、また配分を置いて、当初予算案をまとめていくお考えでしょうか。

【知事】初めての予算となります。それだけに、都民の皆さんからもアイデアを寄せていただくということで、今日も皆様方のパブリックコメントをお願いしたところであります。
私のもとよりの政策については、先ほど3本の柱について、何度も繰り返してございますが、申し上げているところでございます。これを、例えば無電柱化などは、私はこだわっているのですけれども、ただ、この方向を持ちながらも、まだコストが高いのです。そうすると、十分な予算を組み込むには、今の高いコストの中で高い予算をかけても、確保できるキロメートルというのはそう長くないわけです。ですから、それは、この間にコスト削減のための技術革新を後押しするような、そしてまた、大体、「うちの前に電柱がなくなるのはありがたいけれども、でも、うちの店の前に大きな配電盤、分電盤を置かないでね」という、総論賛成、各論反対になりがちなのです。それと、大変時間がかかるということでも、結構、気宇壮大なテーマになっています。ですから、そういったことをずうっと準備をして、そして、また次の、次の予算などに盛り込むというような、どこで力を入れるかというようなことも考えながら、今回の予算に取り組ませていただきました。
これからもいろいろと、様々な修正などもいたしますけれども、また、いろいろな分野の方々からは直接、私自身がご要望を伺って、それを予算に反映していきたいと考えております。

【記者】テレビ朝日「TVタックル」の古谷と申します。ボート会場などの予定地、海の森です。あれがある中央防波堤埋立地はどこに帰属するのかということを江東区と大田区がずっと今も争っているのですけれども、オリンピック・パラリンピックが開催されるときに住所が決まっていないということになると、ちょっとどうかなというのもありますし、しかも、今後、やはり経済面においても重要な場所と考えられるのですけれども、都は何かその解決に向けて行動される予定とかはあるのでしょうか。また、どうなることが望ましいと考えられますでしょうか。

【知事】富士山も、県境が決まっていないというようなこともありますが、そういった点については担当部局とも話して、どのような方向が進むべきなのか検討したいと思っております。

【記者】新都心新聞の喜田と申します。この前、組織委員会が57億円の東京都の出資金を返還するというようなことが報道されました。一方で、東京都は、組織委員会の五輪予算で、組織委員会が足らない不足のお金については補填をするというお約束をされています。まず、57億円の出資金の返還についての受け止めと、そして、その大きな梃子になっている出資金が返還された後、組織委員会に、小池都知事が普段おっしゃっている賢い支出を促すための何か方策について、お考えがあればお聞かせください。

【知事】お尋ねの件は、組織委員会から、東京都が出損した57億円が返還されるということが決まったと、その点についてでありますけれども、組織委員会の理事会では、設立当初の資金不足への財政補償のためということで、東京都から出損したという事実が確認されました。その上で、その目的を既に達したということから都に返還すると、このように理事会で決定されたと聞いております。
まさしくその目的を果たしたということでございますけれども、一方で、人材は東京都が出し続けていることでございます。それで、都なのか、組織委員会なのかということでございますけれども、基本的には、大会の成功に向けて連携していくのは当然のことだと、このように思っております。そして、この出損金については、どのような形で今度また戻す、その戻し場所とか、いろいろと、もう一度確認をしなければなりませんけれども、いずれにしましても57億円はその役目を果たして戻ってくるということで、それは理事会でお決めになったことと受けとめております。

【記者】何かほかに、その梃子になる、今後、組織委員会に対して東京都がコントロールしていく梃子になるのは、小池都知事のお考えでは何でしょうか。

【知事】コントロールということではなくて、十分、東京都として組織委員会と連携をしながら、そしてまた、基本的に組織委員会に今、お願いしているのは、もっと情報公開をお願いしたいという点でございますけれども、こういったことについては、コントロールというのではなく、連携をして進めていく話だと思っております。以上です。
いつも当たっていない人。

【記者】この3か月の定例会見で、毎週金曜日の、当たったのはようやく2回目です。

【知事】そうなのですか。では、2回目どうぞ。

【記者】「ゴゴスマ」の奥平と申します。明日、実施されます政治塾の件で伺いたいのですけれども、元都知事の猪瀬さんが講師として呼ばれるということなのですが、なぜ猪瀬さんを選ばれたのか、経緯も含めてお伺いできればと思います。

【知事】私は、自分自身が都知事になるまでの経緯というのは、当然、その当事者として知り得ないわけでございます。猪瀬さんは、長年、副知事を務められ、そして自らが知事となられて、いろいろと、それこそ豊洲の問題も含めてでありますけれども、オリンピック・パラリンピックを招致したときの知事でもいらっしゃいます。ですから、当事者としてリアルなお話を伺えるのではないか、当事者でしか語れないようなところもお聞きできるのではないかということで、元都知事はいろいろといらっしゃいますけれども、この猪瀬さんは、自由にお話をいただけるものと、このように考えてお願いをしたところでございます。

【記者】ありがとうございます。

【記者】テレビ朝日の武内と申します。よろしくお願いいたします。豊洲の盛土問題で責任を問われたうちの一人、宮良さんが再検証を求める反論書を提出しました。反論されたことへの受け止め、また、処分はどうするおつもりでしょうか。
また、宮良さんは弁明の機会を拒否しているようですけれども、話を聞く機会を設けるおつもりでしょうか。

【知事】これまで関わってこられた方々には、今回、第2回の報告書をまとめるに当たって、行政監察の手法でもってヒアリングをしたわけでございます。ご主張については、ご本人がおっしゃっている、そのことについて、盛り込んであるわけでございまして、基本的には、宮良さんの件につきましても、現在進めております監察手続の中で確認をしていくということになろうかと思います。

【記者】処分は、今のところは、変更はないですか。

【知事】処分については、これは全体的な話でございますので、それについてはただ今検討中でございます。

【記者】また、石原知事への再聴取へのその後の進展というのはおありになりますか。

【知事】石原知事は、これまで何度も「のり弁」を明らかにすればいいのだということをおっしゃっております。それについて、ちょうどそのころの時代の「のり弁」があるのか、「のり弁」ではないですね、議事録等があるのかどうかということを精査しているところでございますけれども、今確認中ではありますけれども、古いものはですね、破棄されてしまうということで、存在しないというようなことを聞いているものもあります。ただ、存在しなかったのがまた出てきたりもしますので、もう一度よく確認をしながら、それをチェックしていきたいと、このように思っております。

【記者】ご本人に直接会って、やはり話を聞きたいですとか、そういったところは。

【知事】ですから、それについては公開でお願いしますということを申し上げると、高齢のためとおっしゃる。それについては、是非もう一度聞いてほしいというお話がありましたら、いつでも私はお願いをしたいと思っております。そしてまた、その責任を果たしていただきたいと思っております。責任はないというお考えだとは思いますけれども。

【記者】インターネットニュースメディア「THE PAGE」の具志堅です。実行プランの中に多摩・島しょの振興ということを盛り込んでいただいているということなのですけれども、選挙期間中、知事は、多摩格差ゼロというのをいろいろ掲げて遊説なさったと記憶しております。その期間中には、多摩の方もいろいろ回られたと思うのですけれども、改めて、多摩格差とはどういったものとお考えなのか。また、回っている当時にどのようなことを感じられたのかというのも含めて、改めて認識をお教えいただけませんでしょうか。

【知事】多摩格差という言葉は、かなり以前から使われていたと聞いております。当時の格差の部分は、かなり解消された部分もあろうかと思います。一方で、緑の多さであるとか、そういった別の意味での格差は、都内と比べますと、むしろ恵まれている部分もあろうかと思います。ただ、医療の面などでも、大学が点在している、もしくは集積しているということなどを考えまして、そういった医療の面であるとか、それから産業の研究開発であるとか、多摩がゆえに、これからもっとハード面、ソフト面、両方を考えても、多摩の魅力を引き出すということについては、かねてより対応されてきたと思いますけれども、私は特にこの多摩の問題というか、多摩の格差、まだまだある部分については、地域の皆様方の声も聞きながら、その解消に向けて進んでいきたいと思っております。
例えば耐震化などのスピードなども、そういった都全体で進めている部分が遅れがちになっている、対処が遅れるような形になっているものがまだあるのかどうか、これなどについても検証していきたいと思っています。23区の特別区と、それから市町村と、これまでの財政的な部分であるとか、歴史的な部分での仕組みが違うということもございますけれども、そういった多摩格差などということが、言葉がもう語られなくなるような、そういう対策を練っていきたいと思っております。
すみません、あとお一人にさせていただきたいと思います。

【記者】朝日新聞の伊藤です。政治塾の点で、ちょっと追加で。政治塾なのですけれども、講師として橋下さんだとか河村たかし市長という名前も伝わっているというのを聞くのですけれども、講師は、誰がどう選んでいらっしゃるのかというのを教えてください。
あと、今後、維新とか減税日本とかとの連携というのは、どこまでお考えになっているのかを教えてください。

【知事】まず講師の選定でありますけれども、やはり地方自治と申しますか、小池百合子が塾長の希望の塾でありますので、私は東京都知事として、この地方自治の、そしてまた、地方自治を進めるに当たるコンセプト作りといったようなところで参考になる、そのような方々にお願いをしたいと思っております。そして、実際に東京大改革を進めるに当たって、様々な改革を進めてこられた、そういった方々、経験者の方々からお話を伺う。そういう意味では、猪瀬さんも東京都知事でいらっしゃいましたし、ほかにも候補の知事の方等もいらっしゃいます。やはり経験のある方々から直接お話を聞いていただくということは、私は実り多いのではないかということで、橋下知事の方にもお声がけをしているというわけです。最近、私が講師をしたいという人が、結構名乗りを上げていただいておりまして、中には外国人の方までいらしたりして、どうしようかと思っているぐらいなのですけれども、地方自治も、先ほどの国際金融の話ではありませんけれども、世界を知らないと、いまや、一つのローカルなガバメントでもやっていけない時代でございますので、自薦他薦を問わず、これからも、本当に塾生にとってプラスになる講師をお願いしたいと思っております。
それから、連携については、いろいろ政策の経験などについての学びといいましょうか、そういったことについてはありだと思っておりますが、その後、どうしますかということについては、今は全く考えておりません。

【記者】NHKの西浦と申します。先ほど知事のお話の中にもあったのですが、地下空間の安全対策ということで、追加でお聞きしたいのですけれども、下水道の老朽化によって、道路の陥没のリスクというのも当然懸念されると思うのですけれども、そのあたり、必要な対策であったりとか、知事のお考えについて改めて教えてください。

【知事】前も申し上げたと思いますけれども、これは国の方ですけれども、霞が関道路局の3つのMというので、最初のMがメンテナンス、二つの目のMが道の駅、三つ目のMが無電柱化ということで3Mになっておりますが、東京都とすれば、2Mということで、道の駅もないことはないと思いますけれども、やはりメンテナンスと無電柱化では両方を両輪のように進めていきたい。つまり、地下のインフラについては、先ほどのように、レーダーで中がどうなっているのかということを非破壊検査ができるわけでありますけれども、やはりそれぞれ、例えばこの道路の下に何が埋まっているのかというのは、それぞれの事業者でしか分からなかったりするのです。ばらばらなのです。水道と下水道と電気とガスと、また通信と分かれていて、今、私の置き土産であります無電柱化促進法案という議員立法がこれから提出され、そのために超党派の議員連盟が先日立ち上がったばかりです。これから国会が延長されるということになりましたならば、議員立法の成立の可能性も高いと思います。
そこで、その無電柱化というのは、単に電柱の話だけでなくて、地下空間をどのようにこれから有効に、かつ安全に使っていくのか、そして無駄な掘り返しがないためにはどうしたらいいのかということなどを含めて、進んでいく。つまり、無電柱化を進めるということは、その地中がどうなっているのかということに直接当たっていきます。掘り返したら、ほかのものに当たって、さあ、大変みたいなこともしばしば起きておりますので、そういった意味で、結局、無電柱化を進めるということは、そういった地下のインフラとの関連も出てくるし、同時に、古いメンテナンスもできれば、その意味で安全なまちづくりにつながっていくのではないかと思っています。それでも工事は高いですね。道路の工事は高いし、時間がかかるし、それからその間、時間がかかることは、その間の道路の利用が抑えられて、交通渋滞が起きてということなのですが、これからそういう大きな課題を進めるに当たって、そういう工法の問題も考えるべきではないかなと私は思っておりますので、そういったことを含めて担当部局と話をし、指示をしていきたいと思っております。
ということで、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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