報道発表資料 [2016年7月掲載]

東京都消費者被害救済委員会に付託
家庭用医療布団等のマルチ商法に関するトラブル

平成28年7月19日
生活文化局

 本日、東京都消費生活条例に基づき、東京都知事は、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)に、「家庭用医療布団等の連鎖販売取引に係る紛争」の処理を新たに付託しましたので、お知らせします。

付託案件の概要

申立人

 20歳代女性

契約内容

 家庭用医療布団・化粧品等購入契約(108万円)及びビジネス会員契約

申立人の主張による紛争の概要

 職場の同僚に「男の子と飲み会をしよう。」と誘われ、喫茶店で20歳代前半の男性3人と会った。趣味の話などで盛り上がり親しくなったところで、家庭用医療布団の紹介販売の話になり、「肩こりが治るから。」と布団を買うよう勧められた。躊躇していると、「100万円分買えば紹介販売のビジネス会員になることができて儲かる。布団と合わせて100万円になるよう化粧品等を見繕っておく。」と言われた。他の人を紹介することはできないと言って断ったが、「ビジネスは僕たちが手伝うから大丈夫。一緒にやろうよ。」と言われ、その場の雰囲気から断りきれずに契約した。契約書には、化粧品等の具体的な商品名が書かれていなかった。その足ですぐ、消費者金融に連れて行かれ、彼らにお金を渡した。
 「肩こりが治る。」と勧められて購入した布団は、効果が感じられず使っていない。また、化粧品等は髪や肌に合わず、自分を勧誘した男性に返品したいと申し入れたが、対応されないまま放っておかれ、見るのも嫌になり処分してしまった。もともと紹介販売ビジネスをやる気は無く、自分からは他の人を誰も誘っていない。
 連鎖販売業者に契約解除と返金を求めたが、何の対応もなかった。

《参考》マルチ・マルチまがいに係る相談件数の推移(平成28年6月30日時点)
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主な問題点と付託理由

1 主な問題点

  1. 申立人が受け取った契約書は特定商取引法で規定する記載事項を満たしていないことから、クーリング・オフの主張が認められるのではないだろうか。
  2. 勧誘者から「肩こりが治る。」、「ビジネス会員になるためには100万円の契約が必要。」と言われて契約しているが、これらの説明は事実ではない可能性がある。特定商取引法に基づき不実告知による取消しの主張ができるのではないだろうか。
  3. 申立人は化粧品等を処分してしまったが、クーリング・オフや取消しが認められた場合、清算をどのように行うべきだろうか。

2 主な付託理由

 東京都内の消費生活センターには、10歳代から20歳代の若者からマルチ商法に関する相談が多数寄せられている。社会経験の未熟さを利用して、簡単に儲かると誤解させて契約させた場合の契約解除の考え方を明らかにする必要があることから付託した。

マルチ商法とは

 マルチ商法は「連鎖販売取引」として、特定商取引法により取引の方法が定められています。この商法は、商品を購入するなどしてビジネス組織に加入し、友人や知人などを組織に紹介することで利益が得られる仕組みです。
 しかし大半は思ったような収入は得られません。その上、友人や知人に対し無理な勧誘をし、人間関係が壊れてしまうこともあります。

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東京都消費者被害救済委員会

設置の目的

 東京都は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関として東京都消費者被害救済委員会を設置しています。

紛争処理の仕組み

 消費者から、東京都消費生活総合センター等の相談機関に、事業者の事業活動によって消費生活上の被害を受けた旨の申出があり、その内容から都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争であると判断されたときは、知事は、委員会に解決のための処理を付託します。
 委員会は、付託を受けた案件について、あっせんや調停等により紛争の具体的な解決を図り、個別の消費者の被害を救済するとともに、解決にあたっての考え方や判断を示します。

結果の活用

 紛争を解決するにあたっての委員会の考え方や判断、処理内容等は、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせし、同種あるいは類似の紛争の解決や未然防止にご活用いただいております。

※別添 東京都消費者被害救済委員会委員名簿

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155