報道発表資料 [2016年7月掲載]

東京都消費者被害救済委員会に付託
タブレット端末を利用した学習サービスの解約に関するトラブル

平成28年7月4日
生活文化局

 本日、東京都消費生活条例に基づき、東京都知事は、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)に、「タブレット端末を利用した学習サービスの解約に係る紛争」の処理を新たに付託しましたので、お知らせします。

付託案件の概要

契約内容等

契約者 利用者※契約時 利用期間 支払金額
申立人A 40歳代女性 子:6歳(未就学児) 9月から約2か月 約5万8千円
申立人B 40歳代男性 子:7歳(小学2年生) 12月から約1か月 約4万7千円

申立人らの主張による紛争の概要

 平成27年に、ショッピングモールの一角で、子がタブレット端末を利用した学習サービスの体験をした。その際、相手方から、タブレット端末による自習と有名大学の大学生による個別フォローをセットにした学習サービスを月額約3千円の基本料で利用できる、学校で進む速さよりも早く進む先取り学習をしたら利用料が加算される、との説明を受けた。子が希望したため、その場で申し込み、学習を始めた。
 初月に思ったよりも高額な料金を請求されたため、相手方へ問い合わせると、基本料1年分の一括払い(約3万2千円)と先取り学習による加算利用料の合算額とのことだった。
 しかし、申立人Aの子は、タブレットのテストで1回目に0点を取り、正解を丸暗記して2回目に100点を取ることを繰り返しているのに、掛け算が理解できているとされていた。申立人Bの子は、まだ1年生と2年生の問題を解いていた。申立人らは、このような状況で先取り学習とされ高額な利用料がかかることに納得できず、学習効果も見込めないため、解約を申し出た。
 申立人らは利用料等の返金を求めたが、相手方は、基本料1年分の返金はしない、利用料も規約どおりの課金のため返金しない、ただし今回はタブレット端末を下取りし、数千円を返金するという対応だった。

《参考》子供向け学習サービス・学習教材の解約に関する相談件数の推移
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主な問題点と付託理由

1 主な問題点

  1. 申立人らは、相手方の提供するサービスの内容や先取り学習の課金の仕組みについて、勧誘時の説明やパンフレットの記載内容等によって誤認していた可能性がある。消費者契約法で主張できることはないだろうか。
  2. 中途退会しても基本料1年間分を返金しないとする規約は、相手方のサービスの提供方法によっては、消費者契約法の平均的な損害を超える額を請求する条項や消費者の利益を一方的に害する条項に該当し、無効となる可能性があるのではないか。
  3. 本件のような、タブレット端末を使った自習と子供の学習状況に合わせた個別のフォローをセットにした学習サービスは、特定商取引法で規律する取引に該当する可能性はないだろうか。

2 主な付託理由

 子供向け学習サービスや学習教材の解約に関する相談件数が増加している。さらに情報化の進展によりタブレット端末を使った新しい学習サービスも普及しつつある。今後も本件と同様の相談が寄せられるおそれがあり、委員会で解決指針を示す必要があることから付託した。

東京都消費者被害救済委員会

設置の目的

 東京都は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関として東京都消費者被害救済委員会を設置しています。

紛争処理の仕組み

 消費者から、東京都消費生活総合センター等の相談機関に、事業者の事業活動によって消費生活上の被害を受けた旨の申出があり、その内容から都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争であると判断されたときは、知事は、委員会に解決のための処理を付託します。
 委員会は、付託を受けた案件について、あっせんや調停等により紛争の具体的な解決を図り、個別の消費者の被害を救済するとともに、解決にあたっての考え方や判断を示します。

結果の活用

 紛争を解決するにあたっての委員会の考え方や判断、処理内容等は、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせし、同種あるいは類似の紛争の解決や未然防止にご活用いただいております。

※困ったときにはまず相談を!!
 おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

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※別添 東京都消費者被害救済委員会委員名簿

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155