報道発表資料 [2015年6月掲載]

I事件命令書交付について

平成27年6月25日
労働委員会事務局

 当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

1 当事者

  •  申立人
     X1組合(東京都葛飾区、以下「組合」という。)
     X2支部(東京都葛飾区、以下「支部」という。)
  •  被申立人
     株式会社Y(東京都文京区、以下「会社」という。)

2 事件の概要

  1.  平成24年12月13日、会社が設置するZ学院の講師らは、賃金減額の撤回及び労働環境の改善等を求め、支部を結成し、執行委員長にA1が、書記長にA3が就任し、25年2月8日、A2の組合加入を通知した。
  2.  支部と組合は、新聞社や雑誌社等に対して会社の労働条件や労使関係等についての情報提供を行った。また、A3は、柏労働基準監督署長に対し労働基準法違反の申告を行うなどした。さらに、支部は、ストライキや数度にわたる情宣活動を行った。
  3.  会社は、A1に対して、25年度の夏期講習及び通常の担当授業数を削減するとともに賃金も減額した。また、A2に対して、26年2月28日で同人との間の雇用契約を終了させ、再雇用しなかった(以下「本件再雇用拒否」という。)。さらに、会社は、A3に対して、26年2月28日で同人との雇用契約を期間満了により更新しなかった(以下「本件雇止め」という。)。
  4.  本件は、1)A1に対する担当授業数削減及び賃金減額、2)A2に対する本件再雇用拒否及び3)A3に対する本件雇止めが、それぞれ同人らが組合員であることを理由とする不利益取扱い及び組合の運営に対する支配介入に、それぞれ当たるか否かが争われた事案である。

3 命令の概要(全部救済)

<主文要旨>

  1.  会社は、A1に対し、25年3月1日から26年2月末日までの間に追加コマが割り当てられたものとして取り扱い、追加コマが割り当てられなかったことに伴い得られなかった賃金相当額を同人に支払うこと。
  2.  会社は、A2を26年3月1日付けで嘱託教務社員として再雇用したものとして取り扱い、同日から同社員として職場に復帰するまでの間の賃金相当額を同人に支払うこと。
  3.  会社は、A3との雇用契約を26年3月1日付けで更新したものとして取り扱い、同人を原職に復帰させるとともに、同日から原職復帰するまでの間の賃金相当額を同人に支払うこと。
  4.  文書交付及び掲示とその履行報告

4 判断のポイント

  1.  A1の支部執行委員長としての積極的な活動や労使関係の緊迫化に照らせば、会社が同人に対して追加コマを割り当てないとの取扱いをしたことは、同人が支部執行委員長であることを理由とした不利益取扱いに当たるとともに、支部の影響力の減殺を図ろうとした支配介入にも該当する。
  2.  A2に対する会社の一連の発言は、組合を脱退すれば嘱託教務社員として再雇用される可能性があることを示唆したものであり、本件再雇用拒否は、同人が支部組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるとともに、同人を職場から排除することにより支部の弱体化を図ろうとした支配介入にも該当する。
  3.  A3は会社に対し対立的な行動をとっており、本件雇止めは、同人が支部書記長であることを理由とした不利益取扱いに当たるとともに、同人を職場から排除することにより、支部の弱体化を図ろうとした支配介入にも該当する。

※別紙 命令書の概要

問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
 電話 03-5320-6992