報道発表資料 [2013年3月掲載]

「あなたは一生成功しない」と就活生の不安をあおり、
就活支援講座の受講契約を執拗に勧誘していた事業者に是正勧告

平成25年3月5日
生活文化局

 本日、東京都は、大学や就職合同セミナー会場近くの路上で、「就活(就職活動)生の意識調査」等と声をかけて連絡先を聞き出し、無料の説明会や就活セミナーに参加するように誘って事務所に来訪させた学生に対して、「あんたは一生成功しない」などと不安をあおり、就職活動支援や人材育成をかかげる有料講座の受講契約について、執拗な勧誘を行なっていた事業者に対し、東京都消費生活条例(以下「条例」という。)第48条に基づく勧告を行いました。

1 事業者の概要

 事業者名 株式会社もとい
 屋号 一生懸命塾
 代表者名 代表取締役 米盛みゆき
 本店 東京都千代田区飯田橋四丁目5番11号(パール飯田橋ビル4階及び8階)
 設立 平成22年2月10日
 資本金 888万円
 従業員数 29名
 業務内容 『就活対策講座』『人財育成講座』等と称する講座の運営
 売上高 約9千6百万円(平成23年2月〜平成24年1月)

2 勧誘行為等の特徴

  1. 大学や就職合同セミナーの会場付近で、学生に対して、就職活動や学生生活に関するアンケートを実施して連絡先を聞き出し、「明日、就活セミナーがあるので来ませんか」、「絶対にためになる説明会だから聞きに来てください」などと、有料の『就活対策講座』等の受講契約を勧誘する目的以外のことが主要な目的であるかのように告げて、事務所(一生懸命塾)への来訪を要請する。
  2. 来訪した学生に対し、教室があるフロアーの見学や、1時間程度の社会情勢等の講義を行い、個別ブースに案内する。ブース内では、厳しい就職活動や雇用状況などについて不安をあおるような説明を行った後、有料の『就活対策講座』等に関する勧誘を、引き続き又は複数回にわたり行う。
  3. 勧誘時に、学生が「一度帰って考えさせてください」などと告げて契約しない意思を示すと、営業員は態度を豹変させ、「今ここで決められないようなら、今後差し迫った状況になっても決断なんてできない」「あんたは一生成功しない」と強い口調で決めつけるなど威迫して困惑させたり、経済的に厳しいと断っている学生に対し、「日雇いのアルバイトをすればいい」などと告げて契約を迫るなど、執拗な勧誘を行っている。

3 勧告の内容

  1. サービスの販売の意図を明らかにせず、若しくはサービスの販売以外のことを主要な目的であるかのように告げて、又はそのような広告等で消費者を誘引することにより、契約の締結を勧誘しないこと、又は契約を締結させないこと。
  2. 消費者を威迫して困惑させ、又は消費者に迷惑を覚えさせるような方法で、契約の締結を勧誘しないこと、又は契約を締結させないこと。
  3. 法律及び条例の遵守について、内部教育等により従業員に徹底すること。

4 勧告の対象となる主な不適正な取引行為

不適正な取引行為 根拠条文
大学や就職セミナーの会場周辺で、「就活生の意識調査」「学生生活のアンケート」などと学生に声をかけて、連絡先を聞き出し、「就活セミナーがあるので来ませんか」「絶対にためになる説明会だから聞きに来てください」などと、『就活対策講座』と称する就職活動を支援する講座等の受講契約の締結以外のことを主要な目的であるかのように告げて、消費者を事務所に来訪させ、契約について勧誘している事実があった。 条例第25条第1項第3号
及び同条第2項、
条例施行規則第6条第1号
(販売目的不明示)
契約を締結しない意思を示した消費者に対し、「今ここで決められないようなら、今後差し迫った状況になっても決断なんてできない」「あんたは一生成功しない」と怒った強い口調で告げるなど、消費者を威迫して困惑するような言動で契約の締結を勧誘していた。
また、「金額が高いし、入るかどうかは考えたい」「4万円のお金は今ちょっと払えない」などと、消費者が経済的な理由で断りの意思を示しているにもかかわらず、さらに勧誘を継続するなどの迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘していた。
条例第25条第1項第4号
及び同条第2項、
条例施行規則第7条第1号
(威迫困惑・迷惑勧誘)

5 今後の対応

  1. 勧告内容に対する改善措置について、平成25年3月21日までに、都知事あてに報告させる。
  2. 勧告に従わない場合は、条例第50条に基づき、その旨を公表する。

(参考)東京都内における当該事業者に関する相談の概要(平成25年3月4日現在)

平均年齢 平均契約額 相談件数
22年度 23年度 24年度 合計
20.6歳
(最年少18歳)
約4万5千円
(最高18万9千円)
26件 24件 37件 87件

消費者へのアドバイス

 若者を取り巻く雇用情勢の厳しさに伴い、就活を支援する塾や、コミュニケーション能力向上等をかかげた、いわゆる自己啓発セミナーに関する相談が、都内消費生活センターに寄せられています。事業者が提供するサービスの内容は様々で、必ずしも自分の目的が実現されるかはわかりません。勧誘されてもその場で決めず、複数の塾等を調べてみるなど、慎重に検討しましょう。

 同様のトラブルでお困りの方は、下記にご相談ください。
 東京都消費生活総合センター 03-3235-1155(相談専用)

※参考 相談事例

問い合わせ先
生活文化局消費生活部取引指導課
 電話 03-5388-3074