報道発表資料 [2010年7月掲載]
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「布団を無料点検します」などと告げて、高齢者に布団のリフォームサービスや布団類の販売を行っていた事業者に業務改善指示

平成22年7月12日
生活文化スポーツ局

 本日、東京都は、高齢者等に対し、「布団の殺菌、お手入れです」、「布団の無料点検をします」などと、販売目的を告げずに訪問し、布団のリフォーム(いわゆる打ち直し)サービスと布団類を販売していた事業者に対し、特定商取引に関する法律(以下、「法」という。)第7条の規定に基づき、訪問販売における販売目的の明示及び書面の交付について、必要な措置をとるべきことを指示しました。
 当該事業者の代表者は、平成20年に都が業務停止命令を行った株式会社エステックの代表者であり、被害の未然防止を図るため、業務改善を指示したものです。

1 事業者の概要

  • 事業者名 株式会社アンジュ
  • 代表者名 代表取締役篠田正男
  • 本店住所 埼玉県川口市戸塚六丁目16番11号
  • 設立 平成20年10月16日
  • 資本金 100万円
  • 従業員数 12名(役員を含む)
  • 業務内容 寝装寝具及び寝具関連サービスの販売(訪問販売)
  • 売上高 約3,800万円(平成21年度)

2 東京都における事業者に関する相談の概要(平成22年6月末現在)

平均年齢 平均契約 相談件数
20年度 21年度 合計
76歳
(最高91歳)
156,000円
(最大50万円)
21 26

3 勧誘行為等の特徴

(1) 布団の無料点検等と電話で持ちかけ訪問の承諾を取り、点検名目で訪問して、リフォームの勧誘をする。
(2) リフォーム後に再訪問して、新たなサービス提供や商品の勧誘を行うことがある。

4 業務改善指示の内容

(1) 法第2条第1項に規定する訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立って、その相手方に対し、勧誘目的、勧誘に係る商品の種類を明らかにすること。
(2) 前記(1)の訪問販売に係る売買契約の締結をした際は、法第5条に定められた契約書面を交付すること。

5 業務改善指示の対象となる主な不適正な取引行為

不適正な取引行為 根拠法令
※「布団の殺菌、お手入れです」「布団の無料点検をします」などと言って、消費者宅に電話をかけており、勧誘に先立って、布団及びリフォームサービスの販売が目的であることを告げなかった。 法第3条
(販売目的隠匿)
※売買契約を締結した際、商品・役務区分、製造者名、商品ごとの販売価格、代金の一部領収金の記載がない書面を交付していた。 法第5条
(不備書面交付)

6 今後の対応

 指示の内容に対する改善措置について、平成22年7月26日(月)までに都知事あて報告させる。
 指示に従わない事実が確認された場合は、所要の手続きを経た上で、業務停止命令を行う。

問い合わせ先
生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課
 電話 03−5388−3074

〔参考〕

【事例1】

 平成21年12月中旬頃、A(70代後半女性)宅に男の人から電話がかかってきて、「以前羽毛布団を買われましたね。書類がうちの会社に回って来まして、年数も随分たっているので、布団の掃除と乾燥させて湿気を取ります。料金は無料です。」と言った。Aは、22〜3年前に購入した「P社」の羽毛布団を使用していたので、「P社」と何らかの関係がある業者だと思ったので、布団を見せて無料で掃除をしてもらうだけなら良いと思って承諾した。
 約束日に業者の男の人一人が訪問して来たので、家の中に入ってもらうことにした。名刺をもらったのでH氏だと分かったが、業者名までは確認しなかった。Aは、掃除してもらうため冬用の羽毛掛け布団を出して置いたのに、H氏は、持って来た掃除機様の機械は玄関に置いたまま、何一つやってくれなかった。Aは、H氏がするのを見ていると、布団を広げ透かして見て、何か黒いものがあるのを見せてくれたので、Aは、虫がわいているのなら大変だ、とにかく直してもらう以外ないと、思い込んでしまった。直すのにいくらかかるか、尋ねたところ、「9万円プラス消費税4,500円の9万4,500円です。頭金1万円いただければ、残金は来年1月末までに振り込んでくだされば結構です。」と言った。お買上票に記載し、頭金1万円を払い申し込んだ。納品予定日は、平成22年1月初旬ということで、布団を持って帰った。H氏が帰った後、お買上票の控を見ると、業者は、株式会社アンジュという会社だと初めて知った。
 平成22年1月初旬に作り直してもらった羽毛布団が、宅急便で送られて来た。しばらくして、H氏が訪問して来て、「古い布団の羽毛が1.9キロあって、リフォームした布団には1.5キロしか入れられない規定になっているので、400グラム余りました。これで何か作りませんか。」と言い、別の商品を勧めて来た。Aは、何が出来るのかと聞いたところ、H氏は「炬燵の布団とかシーツとか。」と言った。Aは、そんな大きなものが作れるのか疑問に思っていたところ、H氏は「見本のパット(シーツ)を持って来た。」と言って、「これは置いていきますよ。」と言うので、Aは、これは私の羽毛が入っていない、と言うと、パットのカタログを見せて、「これは大変いいものなんですよ。」と言った。値段は16万円と書いてあったので、また、高いものを買わされるのではないか、と心配になった。H氏は、すかさず「置いていく汗取りパットは、シングルですが、ダブルと2枚で17万円のところ、15万円で良いですよ。」と強調して言った。Aは、前回の残金8万4,500円の振込み準備をしているのに、また15万円を準備しなくてはならない実情を話したところ、H氏は「そのお金を頭金にして、後は2回の分割でどうですか。」と勧めて来た。Aは、主人がだめだとも言わないので、シングルは自分用に、ダブルは主人用にすることにして、仕方なく申し込むことにし、お買上票に記入した。H氏は、ダブルの汗取りパットの納品予定は、1月中旬と言って帰った。H氏が帰った後、巡回してきた介護の人に、今までの経緯について話したところ、消費者センターに相談した方が良い、と言ってくれたので相談することにした。
 消費者センターに出向き、相談員に業者からもらった資料を見せると、頭金の8万4,500円の記載がないことと、領収書ももらっていないことなどの不可解な事実が分かった。その後、クーリングオフ通知書を出し、無条件の解約となった。

【事例2】

 平成22年1月下旬頃、B(70代後半女性)宅に女性から「以前羽毛布団をリフォームなさっていますので、登録されています。いい布団ですので、時期的に点検した方がいいですよ。勿論無料ですから。丁度そちらの方に回っていますので。」と電話があった。Bは、その時「アンジュ」という業者名を名乗ったと記憶している。しかし、その業者は知らなかったが、前にリフォームした布団が、登録されているとの説明だったので、なんらかの関係があると思い、ただ布団を見せて無料で点検してもらうだけなら良いと思って、訪問を承諾した。
 約束日に業者の男の人一人が訪問して来た。その人は、M社のT氏だった。そのT氏から2年前にリフォームを勧められ、勧められるままにリフォームをしたので、顔は知っていた。Bは、「前に来たじゃない。」と言うと、T氏は、名刺を渡し「前に伺いました。その時のM社は、古い布団の羽毛を混ぜたことが問題となり、行政処分を受けたので、今は営業していません。アンジュという会社に替わって私もその会社に替わりました。」と答えたので、Bが、羽毛を混ぜたことについて問い質すと、T氏は「私は、販売なので何も知りませんでした。工場の方で混ぜてしまったようです。」と、弁解がましく前の会社が悪いと言わんばかりだった。Bは、T氏もその会社の一員だったのに、変なことを言う人だと思った。
 とにかく、家の中に入ってもらい布団を見せると、T氏は、布団を押して厚みをチェックし、「通常5〜6センチあるはずなのに、これは薄いですね。古い羽毛が混じっていて粗悪品です。この布団に羽毛を足して中味をよくし、側生地を変えて2枚にすれば、十分使えますよ。」と言ったが、布団の中味まで確認することが出来ないことから、何だかいいように言いくるめられている感じだった。
 前にリフォームした時、T氏から「羽毛布団は天日に干してはいけないけれど、今度の布団は、使う時としまう時、年に2回ほど天日に干しても大丈夫で、とてもいいものですよ。」との説明を受けていたので、何を今更という気持ちで納得がいかずにいた。するとT氏は「枕もサービスでつけますよ。値段も安くしますからどうですか。」と、しきりに勧めてきたので、Bは、仕方なく「枕はいらない。」と言って断り、申し込むことにした。
 「お買上票」に記入し、T氏から「2枚で12万円プラス消費税6,000円の12万6,000円です。頭金をいただければ、残金は2月末までに振り込んでくだされば結構です。」と言ったので、Bは、頭金26,000円を支払った。
 納品予定日は、平成22年2月上旬で、その時布団を引き取ると言って帰った。
 T氏が帰って、よくよく冷静になって考えてみたところ、15万円も支払ってリフォームした布団なのに、羽毛が混じって粗悪品だとか、余りにも話が出来すぎていて、また、持っている布団を2枚にすると言って、買わされたのに、「お買上票」にリフォームではなく「新品」となっているのがおかしい、騙されたんじゃないかと思うようになった。
 その後Bは、クーリングオフしようと、地元の消費者センターに相談し、クーリングオフ通知葉書を出して解約となり、頭金も返してもらった。