大学生に高額な英会話レッスンやリクルート講座を販売していた事業者に
業務停止命令(6ヶ月)及び条例による勧告 消費者庁と同時行政処分
平成22年2月18日
生活文化スポーツ局
本日、東京都は、大学生を対象に、「レッスンが自由なときに受けられる」などと事実と異なることを告げ、特定継続的役務提供にあたる英会話レッスンを販売していた事業者に対し、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第47条に基づき6ヶ月間業務の一部を停止すべきことを命じました。
また、「リクルート講座を受ければ、絶対に内定を取ることができる」などと将来における不確実な事実を断定的に告げていたことから、特定商取引法の規制が及ばない勧誘行為について、東京都消費生活条例(以下「条例」という。)に基づく、改善勧告を行いました。
当該事業者は、本店所在地が東京都にあることから、都民の消費者トラブルが都内のセンターに多数寄せられていました。また、他県の営業所でも同様のトラブルが発生しており、広域的な消費者被害の防止のため、消費者庁と合同で立入調査等を行い、同時に処分を行いました。
1 事業者の概要
事業者名 株式会社FORTRESS,JAPAN(フォートレス,ジャパン)
代表者名 代表取締役 山渡雄二郎
本店住所
東京都新宿区西新宿一丁目4番11号(登記簿上)
東京都新宿区西新宿一丁目3番14号(事実上)
屋号
ハーツ(HER−s)
グローバルトリニティー(Global TRINITY)
設立 平成15年4月1日
業務内容 語学教室・就職支援講座の販売(特定継続的役務提供等)
売上高 約7億8,800万円(平成20年度)
資本金 1000万円
従業員数 76名
2 東京都における事業者に関する相談の概要(平成22年1月末現在)
| 平均年齢 | 平均契約額 | 相談件数 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 合計 | ||
| 21.1歳 (最少18歳) |
650,000円 (最大867,000円) |
25 | 32 | 59 | 68 | 184 |
3 勧誘行為等の特徴
(1) 大学や就職セミナーの会場周辺で、就職や大学生活に関するアンケートなどと告げて、連絡先を聞き出す。後日、電話で、「就職活動に役立つセミナーを無料でやっている」などと告げて、営業所に来訪させる。
(2) 営業所では、厳しい就職環境や経済状況などの説明を行った後、英会話レッスンやリクルート講座に関しての勧誘を数日に渡り行う。「レッスンが自由なときに受けられる」などの実際と異なる説明や、リクルート講座を受ければ「絶対に内定を取ることができる」などと勧誘する。
(3) 消費者が、支払うのが困難であるなどと、断っているにも関わらず、これに応じずさらに勧誘を継続するなど、迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘している。
4 業務の一部停止命令の内容
平成22年2月19日(命令の翌日)から平成22年8月18日までの間(6ヶ月)、特定商取引法第41条第1項に規定する特定継続的役務提供のうち、次の行為を停止すること。
(1) 契約の締結についてその勧誘をすること。
(2) 契約の申込みを受けること。
(3) 契約を締結すること。
5 条例による勧告の内容
(1) 商品若しくはサ−ビスの販売の意図を明らかにせず、若しくは商品若しくはサ−ビスの販売以外のことを主要な目的であるかのように告げて、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させないこと。
(2) 商品又はサ−ビスの販売に際し、消費者が契約締結の意思を決定する上で重要な事項について、事実と異なること若しくは誤信させるような事実を告げて、又は将来における不確実な事項について断定的判断を提供して、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させないこと。
6 業務の一部停止命令等の対象となる主な不適正な取引行為
| 不適正な取引行為 | 法令の条項 |
|---|---|
| 時間帯やレベルによるレッスン設定や予約状況により、消費者は予約が取れず、希望に応じて受講することが困難であったにもかかわらず、消費者に対して、「レッスンが自由なときに受けられる」、「何回でも予約できて習い放題です。」などと、不実のことを告げていた。 | 特定商取引法第44条第1項 【不実告知】 |
| 「一度家に帰ってから親と相談したい」、「支払うのは大変なので、無理です」などと、消費者が帰宅したい意思や勧誘の断りの意思を表明しているのにこれに応じずさらに勧誘を継続するなど、迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘していた。 | 特定商取引法第46条第3号 省令第39条第1号 【迷惑勧誘】 |
| 「就職活動に役立つセミナーを無料でやっている」、「就職に関するセミナーを聞きに来ないか」などと告げ、本件語学・就職知識の役務提供の販売以外のことを主要な目的であるかのように告げて、営業所に来訪させ、契約について勧誘していた。 | 条例第25条第1項第3号(施行規則第6条第1号) 【販売目的隠匿等】 |
| 「リクルート講座を受ければ、絶対に内定を取ることができる」などと告げ、将来における不確実な事実について、確実であるかのような断定的な説明により本件語学・就職知識の役務提供を勧誘していた。 | 条例第25条第1項第3号(施行規則第6条第3号) 【断定的判断の提供】 |
7 今後の対応
(1) 業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して特定商取引法第70条の2の規定に基づき2年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては特定商取引法第74条の規定に基づき3億円以下の罰金を科する手続きを行う。
(2) 勧告の内容に対する改善措置について、平成22年3月4日までに都知事あて報告させる。今後の是正状況等を監視し、勧告に従わない事実が確認された場合は、所要の手続きを経た上で、改めて命令等を行う。
※参考資料 相談事例
※参考 消費者庁ホームページ(同時行政処分の内容)
| 問い合わせ先 生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課 電話 03−5388−3080、3074 |