貴金属証拠金取引(いわゆるロコ・ロンドン取引)で
苦情が殺到していた事業者に対し6ヶ月の業務停止命令
平成20年5月1日
生活文化スポーツ局
本日、東京都は、特定商取引に関する法律(以下、「特定商取引法」という。)第2条の訪問販売に関する業務について、高齢者に対し「必ず儲かる」「銀行よりも利率がいい」などの勧誘で、貴金属の証拠金取引契約を締結していた事業者に対し、法第8条に基づき6ヶ月間の業務の一部を停止する命令をしました。
事業者は、元本の保証がないこと、預託した証拠金の十数倍もの金額が取引されること、損失により、追加で証拠金が必要となる場合があること等を理解させずに、契約を締結していました。
平成19年7月に特定商取引法の規制対象(指定役務)に追加された、決済用資金を預かって行う海外商品取引等の仲介サービスにかかる行政処分は、全国初となります。
1 事業者の概要
事業者名:株式会社プラチナFPコンサルタンツ
代表者名:代表取締役 渡邊貞夫
本店住所:東京都新宿区新宿二丁目16番8号
設立:平成19年2月8日
業務内容:訪問販売(貴金属証拠金取引)
売上高:3億4,800万円
契約件数:210件
2 事業者について寄せられた相談の概要(平成20年4月末現在)
(1) 相談件数 平成19年度 41件
(2) 年齢 平均 69.9歳 最高 92歳
(3) 契約金額 平均 約232万円 最大 640万円
3 主な違反行為
(1) 高齢者等に対し、取引約款や取引ガイド等の書面を示さず、取引内容について、十分な理解をさせないまま、契約を行った。また、契約書類について、法定記載事項である契約金額等が書かれていなかった。
(2) 「今350万円を預ければ、今後1年間は月々6万円の利息が入る。」「銀行より利率がいい。」などと、合理的な根拠がないにも関わらず、不実のことを告げて勧誘を行った。
(3) 元本割れの可能性があること、追証が発生する可能性があること等のリスクについて告げずに勧誘を行った。
4 事業者の取引形態

事業者は、消費者から証拠金を預かり、その数十倍の貴金属取引の仲介をしていた。
金相場や為替相場等の変動もあり、多大な損失につながっている。
5 法第8条に基づく業務の一部を停止する命令の内容
平成20年5月2日(命令の翌日)から平成20年11月1日までの間(6ヶ月間)、法第2条に規定する訪問販売のうち次の行為を停止すること。
(1) 特定商取引法第2条第1項に規定する訪問販売の締結についてその勧誘をすること。
(2) 前記(1)にかかる契約の申込みを受けること。
(3) 前記(1)にかかる契約を締結すること。
6 今後の対応
業務の一部を停止する命令に違反した場合は、行為者に対して法第70条の規定に基づき2年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては法第74条の規定に基づき3億円以下の罰金を科する手続きを行う。
7 指摘した主な不適正取引行為
| 不適正な取引行為 | 根拠法令 |
|---|---|
| 【書面不備】 事業者は、消費者と契約を締結するに際し、特定商取引法第5条に規定された記載事項(契約金額、代表者名など)を明らかにせずに契約を行った。 |
特定商取引法第5条 |
| 【不実告知】 事業者は、勧誘に際し、「今350万円を預ければ、今後1年間は月々6万円の利息が入る」「銀行よりも利率がいい」「金の価格は必ず値下がりする」などと、合理的な根拠がないにも関わらず、不実のことを告げて契約の勧誘を行った。 |
特定商取引法第6条第1項 |
| 【重要事項不告知】 事業者は、勧誘に際し、元本割れの可能性や預託追加証拠金(追証)が発生するリスクなどを説明せずに勧誘を行った。 |
特定商取引法第6条第2項 |
| 【迷惑勧誘】 事業者は、消費者が帰って欲しいと何回も頼んだにも関わらず、帰ろうとはせずに勧誘を行った。 |
特定商取引法第7条第3号 省令第7条第1号 |
| 【適合性原則】 事業者は、老後のための貯蓄しか保有しておらず、確実に損をしないのでなければ契約できないという消費者に対し、勧誘を行った。 |
特定商取引法第7条第3号 省令第7条第3号 |
- (参考)いわゆるロコ・ロンドン取引とは
- 「ロコ」とは「…において」「…渡し」といった意味で、「ロコ・ロンドン取引」とは「ロンドンにおいて受け渡しする取引」という意味になります。通常、事業者間の相対で行われるロンドン渡しの金の現物取引の総称であり、大手の事業者を中核とする相対取引です。
一方、今回、処分の対象となった「ロコ・ロンドン取引」と称される取引は、上記と異なり、消費者が事業者に証拠金(保証金)を預け、事業者がその証拠金をもとに、証拠金の何十倍もの取引を行う「証拠金取引」であるため、金相場や為替相場の変動により大きな損失が発生し、損失が最初に支払った証拠金を上回るおそれがあるリスクの大きな取引です。
※別紙 具体的な事例の紹介
| 問い合わせ先 生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課 電話 03−5388−3074 |