報道発表資料 [2007年12月掲載]

「江戸手描提灯(えどてがきちょうちん)」を41番目の
東京都伝統工芸品として新たに指定しました

平成19年12月25日
産業労働局

 東京の伝統工芸品は、長い年月を経て東京の風土と歴史の中で育まれ、時代を越えて受け継がれた伝統的な技術・技法により作られています。伝統工芸品は、大量生産による商品にはない、手作りの素朴な味わい、親しみやすさがあり、私たちの生活に豊かさと潤いを与えてくれます。
 伝統工芸品は地域に根ざした地場産業として地域経済の発展に寄与するとともに、地域の文化を担う大きな役割を果たしています。
 今般、現在の指定40品目に、江戸時代から伝わった、力強く、粋な職人芸、工夫が込められた「江戸手描提灯」を新たに加え、東京都指定の伝統工芸品は41品目となりました。

江戸手描提灯の写真

伝統工芸品名 産地組合名 所在地 指定年月日
江戸手描提灯(えどてがきちょうちん) 東京中部提灯業組合
電話 03−3841−2691
111-0043
台東区駒形2−6−6
平成19年12月19日
墨東旗提灯睦会(ぼくとうはたちょうちんむつみかい)
電話 03−3612−4980
131-0032
墨田区東向島5−24−9

問い合わせ先
産業労働局商工部経営支援課
 電話 03−5320−4783

〔別紙〕

「江戸手描提灯(えどてがきちょうちん)」の指定の内容

伝統工芸品の名称 江戸手描提灯(えどてがきちょうちん)
伝統的な技術・技法 ○文字の素描き(すがき)・・・あたり(下書き)を参考に、面相筆で文字の輪郭を素描きする。(1750年代に確立した技法。)
○家紋の素描き・・・あたりを参考に、面相筆で家紋の輪郭を素描きする。(1750年代に確立した技法。)
○塗り込み・・・素描きの中を塗りこむ。薄墨を使う場合はどうさ液でにじみ止めを行う。(1750年代に確立した技法。)
伝統的に使用されてきた原材料 ○火袋(ひぶくろ)・・・高張提灯(たかはりちょうちん)等を使用。(1700年代から使用されている原材料。)
18年度末現在産地の概要 主な集積地域 台東区、荒川区、墨田区、品川区
企業数 40企業
従業者数 50人
生産額 34,600千円(平成18年度)
工芸品製造者団体 東京中部提灯業組合 墨東旗提灯睦会(ぼくとうはたちょうちんむつみかい)
工芸品の歴史及び特徴

【歴史】
 16世紀の初め、室町時代文亀(ぶんき)年間(1501〜1504)に初期の提灯と認められる、籠提灯(かごちょうちん)が使われていたと言われている。室町時代の末期の天文(てんぶん)年間(1532〜1555)、今日の折りたたむ提灯の原型のものができたと考えられている。その後、安土桃山時代(1573〜1596)には、細い割り竹を丸く輪にして骨を作り、紙を貼り覆いし、上下に自由に伸縮できる様にし、底にろうそくを立てるようになった。提灯が一般に普及したのは江戸時代(1596〜1868)である。

【特徴】
 江戸時代半ば頃から浅草近辺には多くの描き職人が仕事をしていた。明治時代の頃より、問屋制が発達し提灯製造業と提灯文字描き専門業の分業が進み、現在も東京の提灯屋は貼りあがった火袋に、家紋文字等を描き入れる事を仕事としている。提灯に描き入れる文字は一般的に江戸文字といわれ、神社仏閣に貼る千社札の原稿を提灯屋が描いていた。千社札は枠の中に文字を入れるが、提灯は枠の線が無いので少しのびのびとした文字になる。また、家紋は着物の紋付の入れ方と違い、白地に黒で家紋を描く。遠くからも見えやすく、線の入れ方を工夫しバランスを取り、描くのが特徴である。