報道発表資料 [2007年11月掲載]

平成19年度上半期の労働相談状況及び街頭労働相談実施結果について

平成19年11月13日
産業労働局

 東京都では、都内6か所の労働相談情報センターで労働相談に応じていますが、平成19年度上半期の相談状況がまとまりましたのでお知らせします。
 また、10月に実施した街頭労働相談の結果についてお知らせします。

平成19年度上半期(4月〜9月)の状況

相談件数は、前年度同時期とほぼ同じ。

  • 相談件数は、前年度同期(25,086件)より0.8%増加し25,292件。
  • 相談内容では、「賃金不払」が最も多く10.1%、続いて「解雇」10.0%、「労働契約」8.7%の順。
    (あっせん事例1)

メンタルヘルス相談は、3.3倍の大幅増加。

  • メンタルヘルス相談は、2,665件で前年度同期(807件)から3.3倍の大幅増加。
  • 相談内容では、「人間関係」16.6%、「退職」10.3%、「雇用関連」8.0%の順。
    (あっせん事例2)

職場の嫌がらせ相談は、23.1%の増加。

  • 職場の嫌がらせ相談は、2,193件で前年度同期比(1,781件)23.1%の増加。
  • 相談内容では、「人間関係」30.8%、「退職強要」8.8%、「退職」8.4%の順。
    (あっせん事例3)

派遣労働相談は、3割近くの大幅増加。

  • 派遣労働相談は、1,717件で前年度同期比(1,358件)より26.4%の大幅増加。
  • 相談内容では、「賃金不払」18.7%、「労働契約」18.1%、「解雇」8.2%の順。
    (あっせん事例4)

10月を労働相談強調月間とし、街頭労働相談を実施

 駅前など7箇所で「街頭労働相談」を実施し、幅広く労働相談や資料提供を行いました。

  • 一部の会場で、帰宅時間に合わせて午後7時まで開催、イベント会場で土曜日にも開催
  • 「仕事と家庭の両立支援コーナー」を設け、専門のアドバイザーによる相談対応や資料配布・パネル展示等を実施

問い合わせ先
産業労働局雇用就業部労働環境課
 電話 03−5320−4650

〔別紙〕

あっせん事例

 東京都が労使間の問題解決の手助けをする「あっせん」の事例です。

事例1 解雇

 有期雇用の契約社員である相談者が、有給休暇の取得を申し出たことによって上司とトラブルになり、解雇を通告されたとして来所した。

 相談者によると、自分だけでなく、他の有期契約社員も有給休暇の取得が認められない、とのことであった。
 センターが会社から事情聴取をしたところ、人事労務担当は契約社員の有給休暇取得の実態について把握していないとのことであった。また、所属の上司は、相談者が業務において同僚らとうまくやっていけないので辞めさせたい、という意向があるということだった。
 有給休暇の法的性格を説明し、有給休暇の取得を申し出たことが発端で解雇することは、解雇権の濫用になる、ということを説明した。
 会社から、1)相談者は解雇しない、2)所属上司に有給休暇の取得について配慮するよう注意する、3)有給休暇の取得を申し出てトラブルになった場合は、人事労務担当に相談するよう社員に周知する、との回答があった。
 あっせんの結果、相談者の解雇は撤回され、有給休暇の取得が適正になされるようになり解決した。

事例2 メンタルヘルス不調による休職

 相談者は、社内では勤続年数が長く任される業務量が多かったため、うつ状態に陥り体調を崩してしまった。会社に相談したが対応をしてもらえず、体調はさらに悪化した。その後、友人に相談して内容証明郵便で通院費、慰謝料、未払いの残業代を請求したものの、会社からは十分な回答が得られず来所した。

 会社から事情聴取したところ、事務分担に不均衡があるならすぐに見直しを行う、残業代も2年間分遡及して支払うとの回答があった。しかし、会社は通院費と慰謝料の支払いに応じなかった。そのため相談者は、会社が責任を認めなかったものと受け取り、より精神的に追い詰められてしまった。
 センターが、会社と話し合いを続けた結果、「精神的に限界という社員をこのまま働かせることはできない。」として、1)残業代支払に加え見舞金を支払うこと、2)当分の間は休職とすること、3)復職後も一定期間は通院のための休暇を認めることを確認し、合意した。

事例3 いじめ・嫌がらせ

 相談者は、上司や同僚から侮辱、暴言を受けたので会社の人権相談窓口に相談したが対応に納得できず、嫌がらせを行った本人からの謝罪を求めて来所した。

 会社から事情を聴取したところ、1)相談者からの訴えを受けて上司から事情聴取を行った、2)上司の発言に一部行き過ぎがあったので注意した、3)嫌な思いをさせたことについて管理者として謝罪等を行い対応したとの説明であった。また、上司の発言は、あくまで相談者の反抗的態度に対する指導の一環で、意図的ないじめ・嫌がらせではないことを主張した。
 会社に対し、指導する側に嫌がらせの意図がなくても、人格を否定するような言動は適切な指導とはいえず、いわゆるパワーハラスメントになりうることを説明した。
 また、相談者には、問題を長期化させないためには、会社が指導の行き過ぎを認めて、謝罪をしたことを前向きに受け止めてはどうかと提案した。
 会社から、1)思いやりのある人間関係づくり、2)パワーハラスメントセミナーへの管理職の参加と、その内容を職場へ還元し活かしたいとの回答があった。
 相談者に会社の対応を説明し、了解が得られた。

事例4 派遣労働者の中途解約

 相談者は、派遣先の上司との間でトラブルとなった。派遣先からのクレームを受けて派遣元が派遣の打ち切りを相談者に通告したことから、残余期間の賃金保障について確認したところ、トライアル派遣であり、1ヶ月内での契約解消については保障がないと賃金の支払いを拒否されたため来所した。

 派遣元から事情聴取したところ、「トライアル期間だから」などと曖昧な回答であったが、有期雇用契約を中途解約した場合の残余期間についての賃金保障の必要性を説明したところ、派遣元の理解が得られ残余期間の賃金保障で解決した。


〔参考〕

I 上半期相談全体

1 労働相談件数

 東京都に寄せられた平成19年度上半期(平成19年4月1日から同年9月30日まで)の労働相談件数は、25,292件となり、前年度同期比(25,086件)で0.8%増加しました。

図1 労働相談件数の推移(上半期:4月〜9月)

グラフ

2 労働相談の内容

 相談内容では、「賃金不払」10.1%、「解雇」10.0%、「労働契約」8.7%、「退職」7.3%、「人間関係」7.0%の相談が多く寄せられています。

図2 労働相談内容の構成比(%)

グラフ

II メンタルヘルスに関する相談

1 メンタルヘルス労働相談件数

 上半期の相談件数は、2,665件となり、前年度同期比(807件)で3.3倍と大幅に増加しました。

図3 メンタルヘルス相談件数の推移(上半期:4月〜9月)

グラフ

2 メンタルヘルス相談の特徴

 メンタルヘルス労働相談では、「人間関係(16.6%)」、「退職(10.3%)」、「雇用関連(8.0%)」が多くなっています。
 相談全体と比較すると、メンタルヘルス労働相談では「人間関係」「退職」「雇用関連」の他に、「休日・休暇」「労働時間」「労災保険」「健保・年金」の割合が高くなっています。

図4 相談内容の構成比(%)

グラフ

III 職場の嫌がらせに関する相談

1 職場の嫌がらせ労働相談件数

 上半期の相談件数は、2,193件となり、前年度同期比(1,781件)で23.1%と大幅に増加しました。

図5 職場の嫌がらせ相談件数の推移(上半期:4月〜9月)

グラフ

2 職場の嫌がらせ相談の特徴

 職場の嫌がらせ相談では、「人間関係(30.8%)」、「退職強要(8.8%)」、「退職(8.4%)」、が多くなっています。
 相談内容を比較すると、「人間関係」に関する相談は、相談全体で7.0%、職場の嫌がらせ相談では30.8%と、4.4倍の差があります。同様に、「退職強要」は2.1倍の差となっています。

図6 相談内容の構成比(%)

グラフ

IV 派遣に関する相談

1 派遣労働に関する相談

 上半期の相談件数は、1,717件となり、前年度同期比(1,358件)で26.4%増加しました。

図7 派遣労働相談件数の推移(上半期:4月〜9月)

グラフ

2 派遣労働相談の特徴

 派遣相談では、「賃金不払(18.7%)」、「労働契約(18.1%)」、「解雇(8.2%)」の割合が高くなっています。
 相談全体と比較すると、派遣労働相談では、特に、「雇止め」、「労働契約」、「賃金不払」の割合が高くなっており、「雇止め」では、相談全体で1.3%、派遣労働相談では4.0%と、3.1倍の差があります。同様に、「労働契約」が2.1倍、「賃金不払」が1.9倍の差となっています。

図8 相談内容の構成比(%)

グラフ


〔資料〕

東京都労働相談情報センター
平成19年10月 街頭労働相談実施結果

■10月の「労働相談強調月間」における「街頭労働相談」を以下のとおり実施。幅広い相談に対応するとともに、資料配付等により労働相談情報センターのPRを行った。

■新宿駅西口では、午後7時まで開催したため、帰宅途中に立ち寄る会社員の姿が多く見られた。

■「仕事と家庭生活の調和」推進キャンペーンの一環として、仕事と家庭両立支援コーナーを設け、専門のアドバイザーによる相談対応や、資料配布・パネル展示等を行った。企業の人事労務担当者などから両立支援への取組み方や東京都中小企業両立支援推進助成金に関する問い合わせや、育児休業中の母親から職場復帰後の不安など、多くの相談が寄せられた。

日時、場所

実施日 時間 場所 担当所
10月2日(火) 12時00分〜16時00分 JR目黒駅中央改札口みどりの窓口前通路 大崎事務所
10月4日(木) 11時00分〜15時00分 渋谷駅東急百貨店東横店2階コンコース 労働相談情報センター
10月15日(月) 14時00分〜19時00分 新宿駅西口地下イベントコーナー 労働相談情報センター
10月19日(金) 11時30分〜15時30分 JR昭島駅北口駅前モリタウン前通路 国分寺事務所
10月19日(金)
10月20日(土)
10時00分〜17時00分 城東地域中小企業振興センター
(葛飾区産業フェア会場)
亀戸事務所
10月26日(金) 12時00分〜15時30分 JR赤羽駅北改札口構内 池袋事務所
12時00分〜15時30分 京王線仙川駅南側ロータリー 八王子事務所

写真   写真
渋谷駅 新宿駅西口

前年度との比較

  19年10月 18年10月 比較
相談件数 230 204 12.7%増
資料配付数 7,509 5,623 33.5%増

相談項目

 「就職がなかなか決まらない」「労働契約を一方的に変更され、条件を切り下げられた」「雇用保険法改正後の受給資格要件を知りたい」「賃金が支払われない」等の相談が多く寄せられた。

  1位 2位 3位 4位 5位
19年10月 雇用関連(就業相談等)
(12.6%)
労働契約
(9.9%)
雇用保険
(9.0%)
賃金不払い
(6.9%)
健保・年金
(6.6%)
18年10月 雇用関連(就業相談等)
(15.2%)
労働契約
(9.0%)
賃金不払い(8.4%)
労働時間(8.4%)
健保・年金
(5.5%)
( )内は構成比