全国最大規模の行政処分!
不適正な勧誘を繰り返す連鎖販売取引事業者だけでなく
その勧誘者など12名を一斉に処分
平成19年5月22日
生活文化スポーツ局
昨年3月に都が業務停止命令をした(株)ウィーズインターナショナル(以下「ウィーズ」。)の勧誘員たちが同様の連鎖販売会社を立ち上げ、利益があることを過度に煽り、未成年者に学生ローンなどを使用させては高額な化粧品を販売するなど、ウィーズと同様の不適正行為を繰り返していたとして、本日、東京都は、その連鎖販売事業者2社に対し、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第39条に基づき取引の一部を停止すべきことを命ずる(1年)とともに、当時から在籍していた統括者(5名)や勧誘員(7名)に対しても改善を指示しました。
業務停止期間(1年)は、都道府県によるこれまでの処分の中で最も厳しいものです。
1 行政処分の相手方
(1)業務停止命令(1年)
- 名称:(株)LOG
代表者:山口和廣
設立年月日:平成18年3月31日 ※ウィーズ業務停止命令の後4日後に設立。
本店住所:港区赤坂3−9−1紀陽ビル5階
業務内容:化粧品の連鎖販売取引
売上高:2億円(推定)
会員数:2,060人(推定) - 名称:(株)ブライトライフ
代表者:太田翼
住所等:1に同じ
※上記2社は、事務所や従業員などを同じくする同一法人である。消費者に対しては1の名称で勧誘・契約。
2は書類上は化粧品の仕入れとLOGへ卸を行い、利益を計上していた法人。
(2)連鎖販売組織の統括者に対する指示(特定商取引法38条第1項)
太田翼(世田谷区在住)、宗像加一郎(府中市在住)
山口和廣(台東区在住)、長壁雄太(世田谷区在住)
関口知秀(国分寺市在住)
(3)連鎖販売組織の勧誘者に対する指示(特定商取引法38条第2項)
狩行春奈(さいたま市在住)、松岡大輔(川崎市在住)、安田龍太(江東区在住)
渡瀬宏二朗(大田区在住)、神路祇宗子(鷲宮町在住)、宍戸孝行(世田谷区在住)
鈴木駿(さいたま市在住)
※統括者・勧誘者ともに全てウィーズの上位勧誘者。
2 東京都における事業者に関する相談の概要
- 相談件数 平成18年度以降 153件
- 契約者の平均年齢 19.0歳(8割以上が未成年者契約)
- 平均契約額 9.6万円 最大契約額 24万円
3 ウィーズに対する措置等
平成16年3月 特定商取引法による指示及び東京都消費生活条例による勧告
平成18年3月 不適正行為が改善されず、特定商取引法により業務停止命令(6ヶ月)
平成18年4月 以降連絡不通
※ウィーズ処分の詳細については、都のホームページに過去の報道発表の記載があります。
4 勧誘の手口
(1)勧誘者等が会員に対し、「好きな時に出来る良い仕事がある。説明会に来ないか。」と知人を誘わせる。その際に、「儲かるとだけ伝え、具体的な内容や、9万円を超える特定負担(会員になるために必要な商品購入)があることは言わないこと。」等を指示。
(2)説明会でマルチ商法だとは言わず、「最高で1週間に85万円を稼ぐことが可能。」など、簡単に収入になると消費者に誤認を与えるが、特定負担が必要なことは伝えない。
(3)説明会後、統括者や勧誘者が、「登録しないと詳細を説明できない。」などと十分な説明もなく執拗に勧誘。消費者が入会だけならと思い始めたところで、初めて特定負担が9万円になることを説明。
消費者の大半は未成年であり払えないと断るが、「皆最初は借りるけど、収入で直ぐに返済できるから。」と学生ローンを勧める。
入会時には、「会社的に未成年じゃまずいから」と、契約書に20歳と記入するよう仕向ける。
家族と同居の消費者に対して、「実家に化粧品が送られてきたら、親がびっくりするじゃん。」と、消費者が全く知らない住所を商品の送付先として記載させる。
(4)会員が脱退を申し出た場合、数名の勧誘者が呼び出し、数時間に及ぶ説得を行う。
納品先が不明なのにも関わらず「商品の返品がないと返金できない。」等と引き伸ばし行為を行う。
5 行政処分の内容
(1)(株)LOG、(株)ブライトライフに対する業務停止命令
平成19年5月24日(命令の翌々日)から平成20年5月23日までの間(1年間)、特定商取引法第33条第1項に規定する連鎖販売取引のうち、次の行為を停止すること。
ア 連鎖販売取引についてその勧誘を行い、又は勧誘者に勧誘を行わせること。
イ 連鎖販売取引にかかる契約の申込みを受けること。
ウ 連鎖販売取引にかかる契約を締結すること。
(2)統括者、勧誘者に対する指示の内容
ア 連鎖販売の勧誘に先立ち、相手方に事業者の氏名及び名称、特定負担に伴う取引の勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにすること。(特定商取引法第33条の2)
イ 勧誘又は契約の解除の際に、重要事項について故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしないこと。または、それを唆さないこと。(特定商取引法第34条第1項、第38条第1項第4号省令第31条第3号)
ウ 勧誘目的を告げず、公衆の出入りしない場所での勧誘をしないこと。(特定商取引法第34条第4項)
エ 契約の締結までに概要書面を交付し、契約時には契約書面を遅滞なく交付すること。または交付しないことを唆さないこと。(特定商取引法第37条第1項、第2項、第38条第1項第4号省令第31条第5号)
オ 連鎖販売契約の解除によって生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させないこと。(特定商取引法第38条第1項第1号)
カ 利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供して勧誘をしないこと。(特定商取引法第38条第1項第2号)
キ 迷惑を覚えさせるような仕方での勧誘や解除を妨げないこと。(特定商取引法第38条第1項第4号省令第31条第1号及び第3号)
ク 未成年者その他の者の判断力の不足に乗じ、連鎖販売契約を締結しないこと。(特定商取引法第38条第1項第4号省令第31条第6号)
ケ 当該契約に係る書面に年齢、職業その他の事項について虚偽の記載をさせないこと。(特定商取引法第38条第1項第4号省令第31条第8号)
| 問い合わせ先 生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課 電話 03−5388−3073 |
〔参考〕
【代表的な事例】
消費者は、知人から儲かる仕事があるとだけ告げられて、説明会に参加する。
説明会は都内の公共施設等で行われ、アドバイザーと呼ばれる勧誘者によって行われる。
前半は化粧品を扱う会社であることが告げられる。過去に携帯電話をNTTに売り込んだ学生が1ヶ月で35億円儲けたという話を例に、ビジネスチャンスを掴むことが大切であること、頑張れば月に40万円は簡単に稼げる等の消費者を煽る発言が為される。
後半はビジネスの仕組みについてであるが、早口で一気に説明がされるため、消費者は、「最高で1週間に85万円を稼ぐことが可能ということ」と、「知人を紹介することによりポイントを貯めると収入になること」が理解できる程度。また、この段階でも連鎖販売取引であることや、特定負担が発生することは一切説明されない。
説明会の後、深夜まで会場近くの喫茶店等でアフター会が行われる。新規会員と勧誘者数人で、入れ代わり立ち代り執拗に勧誘が行われ、「今日登録しないと順位が下になりボーナスが少なくなる」等の言動で消費者が契約する気になったところで初めて9万円を超える特定負担が発生することを告げられる。
消費者が支払えないと言うと、学生ローンでの借入を勧める。また、勧誘者から「20日間はクーリングオフできるだから、9万円と言ってもただと同じじゃん。」という説明がされる。消費者の大部分は未成年の学生であるため、勧誘者は「会社的には未成年じゃまずいことになっているから」と言い、契約書には20歳と記入させる。また、家族と同居している消費者に対しては、「実家にいきなり化粧品が送られてきたら、親がびっくりするじゃん」と、消費者が会ったこともない勧誘者の住所を商品の送付先として記載させる。
アフター会には統括者も出席している。
契約書及び概要書面については交付されない場合も多く見られる。
後日、消費者は会員に学生ローンへ連れて行かれる。借入の際に、借入理由を「バイクを買う」「旅行に行く」等と記載して、ネットワークビジネスとは書かないようにと会員から指示される。
消費者が会員になったところで、会員向けの説明会に出席するよう指示される。そこで、友人を説明会へ連れてくる際には、「儲かる仕事があるとだけ伝えて具体的な仕事内容については言わないこと。」「会員になるには9万円を超える特定負担が必要であることは言わないこと。」等を勧誘者から指示される。
会員が脱退の意思を表明した際には、数名の勧誘者から呼び出しを受け、数時間に及び脱退の理由の説明や思いとどまるようにとの説得が行われる。
また、未成年者取消の通知を出した会員に対しては、勧誘者による「消費者センターがうるさいから中途解約に変更してくれ」「中途解約でないと返金が遅くなる」等の発言が見られる。返金にあたっても、住民票登録等で未成年であることを確認しないと返金できない、会ったこともなく連絡先もわからない勧誘者の住所に商品の送付先を指定されたにも関わらず商品の返品がないと返金できない等の行為が見られる。