報道発表資料 [2006年12月掲載]
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有限会社日本住宅サービス

1 事業者の営業実態

 同社は平成17年8月22日に設立された会社で、本店所在地は代表取締役の自宅であり、他に事務所はない。従業員数は3名(平成18年11月現在)。
 取扱商品は浄水器で、同社からの報告によれば、会社設立以降本年9月までの契約件数は318件(解約になったものを除く)、売上高は6,898万9,000円である。
 同社の営業員は、営業活動に際し本名を名乗らず、偽名を騙って営業活動を行っていたことが明らかになった。

2 主な勧誘の手口

  • 夜8時から10時過ぎに、偽名を騙り、一人暮らしの若者宅を「水質検査です。お宅が最後です。」等と訪問する。
  • 水道水に試薬を入れ、変色するところを見せ、「塩素が濃い。体に悪い。」等と不安をあおる。
  • 「このマンション皆さん契約されています。」等と不実を告げる。
  • 浄水器の販売という説明をせず、レンタルのような説明をする。
  • 解約を申し出ると、「何故だ。」「訴えますよ。」等と脅し、「自分で外して送れ。」「送料はそっちで負担しろ。」等と解約を妨害する。

3 「特定商取引法第7条に基づく指示」及び「条例第48条に基づく勧告」の内容

指示
 ア 契約の勧誘に先立って、相手方に対して売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにすること。
 イ 契約の締結について勧誘をするに際し、又は契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるために、購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げる行為をしないこと。
 ウ 契約の締結について勧誘をするに際し、購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、正確且つ十分な説明を行うこと。
 エ 契約を締結させ、又は契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させないこと。
 オ 契約の解除によって生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否しないこと。
 カ 契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘し、又は契約の申込みの撤回若しくは解除について迷惑を覚えさせるような仕方で妨げないこと。

勧告
 ア 消費者の生活上の不安をことさらにあおる等消費者を心理的に不安な状態に陥らせる言動等を用いて、契約の締結を勧誘しないこと。
 イ 消費者の意に反して、深夜に訪問して、契約の締結を勧誘しないこと。
 ウ 消費者のクーリング・オフの権利の行使に際して、送料等法令上根拠のない要求をして、当該権利の行使を妨げ、契約の成立又は存続を強要しないこと。
 エ 法令及び条例の遵守について、内部教育等により従業員に徹底すること。

4 指示及び勧告の対象となる不適正取引行為の主な例(概要)

不適正な取引行為 根拠法令
※「水質検査に来ました。」などと、販売目的を告げずに消費者宅を訪問する。【事例1、2】 法3条
【販売目的隠匿】
※そのような事実がないのに、「この辺の人から飲み水がまずいといった苦情が入っている。」「このマンション皆さん契約されています。」などと、事実と異なることを言う。【事例2】 法6条1項
【不実告知】
※あたかもレンタル契約のように説明し、クレジットであることを説明しない。【事例1、2】 法6条2項
【重要事項不告知】
※クーリング・オフの申し出に対し、「何故なんだ。そんな都合のいい話があるか。探偵を使ってでも調べるぞ。訴えますよ。」などと脅す。【事例2】 法6条3項
【威迫困惑】
※クーリング・オフの申し出に対し、「自分で外して送れ。」と言い、原状回復を行わない。【事例2】 法7条1号
【債務履行拒否】
※販売商品と説明せずに浄水器を取り付け、断れない状況を作る。【事例1、2】 法7条3号
(施行規則7条1号)
【迷惑勧誘】
※「塩素が沢山入っている。体に悪い。」等と不安をあおる。【事例2】 条例25条1項2号
(施行規則7条8号)
【不安のあおり】
※午後10時に消費者宅を訪問し、午後11時過ぎまで勧誘を行う。【事例1】 条例25条1項2号
(施行規則7条11号)
【深夜勧誘】
※クーリング・オフの申し出に対し、「送料はそっちで負担しろ。」と、法令上根拠のない要求を行う。【事例2】 条例25条1項6号
(施行規則11条1項3号)
【根拠のない要求】

事例1 <午後10時に訪問し、浄水器の契約をさせたケース>

○平成18年2月下旬の午後10時頃、都内アパートに単身居住の甲(28歳・女性)宅に、日本住宅サービスのMを名乗る男性Aが訪ねてきた。
 Aは「水道の検査に来ました。このアパートの他の部屋の人から水がくさいという苦情が入ったので検査しています。先週伺ったのですがお留守だったので。」等と言った。
 Aからは、同社が浄水器を販売している会社で、これから浄水器の購入の勧誘を行う等といった話は全くなく、甲は時間が遅いので嫌だと思ったが、「検査ならば仕方がない。」と思い、Aを部屋に入れた。

○Aは甲宅の水道水をコップに汲み、そこに試薬を入れると、水道水が黄色に変色した。Aは甲に、「塩素が基準より多いです。切り替えをしますがよろしいですか。」と言った。甲は必要な作業なのかと思い、「お願いします。」と答えた。
 Aは一旦部屋を出て浄水器を持ってきて、販売商品である説明を全くせずに、甲宅の水道に浄水器を取り付けた。Aが浄水器を通した水をコップに汲み、そこに試薬を入れると、変色しなかった。

○Aは、「月々4,500円、5年間の支払いです。5年経ったら商品は差し上げます。」等と説明した。Aはクレジットによる購入契約であることを説明せず、甲は家賃や管理費と同様に、部屋に住む以上払う必要があるものだと思った。
 Aは契約書を出し、甲に「ここに記入してください。」と言った。甲は契約書を見て「おかしいな。」と思ったが、そのことを指摘できる雰囲気ではなく、浄水器は既に取り付けられてしまっており、今更断れないと思い、言われるままに契約書に記入した。
 Aが帰ったのは午後11時を過ぎていた。

○翌日、甲は契約書を改めて確認し、クレジットで浄水器を購入する契約であったことが分かり、不信感を持った。すぐに消費生活センターに相談し、契約はクーリング・オフすることができた。

事例2 <クーリング・オフの申し出に対し、威迫し、困惑させたケース>

○平成18年8月上旬の午後8時頃、都内マンションに単身居住の乙(28歳・男性)宅に、日本住宅サービスのMを名乗る男性Bが訪ねてきた。
 Bは「水質検査に来ました。マンション全部に回っています。あなたが最後です。何度か来たのですが、ずっとお留守だったので。」等と言った。
 Bからは、同社が浄水器を販売している会社で、これから浄水器の購入の勧誘を行う等といった話は全くなく、乙は「検査ならば仕方がない。」と思い、Bを部屋に入れた。

○Bは乙宅の水道水をコップに汲み、そこに試薬を入れると、水道水が黄色に変色した。Bは乙に、「塩素が沢山入っている。体に悪い。この辺の人から飲み水がまずいと言った苦情が入っている。」等と説明した。
 Bは乙に、製品を取り付けるという話をし、一旦部屋を出て浄水器を持ってきて、販売商品である説明を全くせずに、乙宅の水道に浄水器を取り付けた。Bが浄水器を通した水をコップに汲み、そこに試薬を入れると、変色しなかった。

○Bは、「1日たった150円です。Z社(有名メーカー)のレンタルみたいな感じです。5年経てばあなたの物になります。このマンション皆さん契約されています。」等と説明した。乙はBに「今日じゃなきゃ駄目ですか。」と聞くと、Bは「今日決めなければ駄目です。」と答えた。浄水器は既に取り付けられてしまっており、乙は今更断れないと思い、契約することを了承した。
 契約はクレジットで浄水器を購入する契約であったが、Bは「月々4,500円をずっと払うコースもありますが、月々4,500円以外にボーナス月に8,800円払うコースがあり、これだと5年経つと浄水器はお客さんのものになります。皆さんこちらのコースを選んでいます。」等と、あたかもレンタル契約であるかのような説明をし、クレジットであることを説明しなかった。

○翌日乙は契約書をよく確認してみると、商品価格が25万8,000円で、クレジットの手数料が10万円もかかり、総額35万円超で浄水器を購入する契約であったことが分かった。乙は不信感を持ち、クーリング・オフしようと考え、2日後に日本住宅サービスに電話した。
 電話に出た同社男性社員に対し、乙がクーリング・オフしたい旨告げると、男性は乙に「何故なんだ。」と強い口調で聞いてきた。乙が「実家から送ってもらうことになったのでいらなくなった。」と言うと、男性は「そんな都合のいい話があるか。探偵を使ってでも調べるぞ。訴えますよ。」と乙を脅した。乙が繰り返しクーリング・オフする旨を伝えると、男性は「自分で外して送れ。送料はそっちで負担しろ。」と言った。
 乙は逆らうと何かされるのではないかと思い、仕方なく自分で送料を支払い、浄水器を同社に送り返した。