報道発表資料 [2006年8月掲載]

原野商法二次被害等に関して緊急調査を実施
報告要求拒否した事業者名等を公表!!

平成18年8月3日
生活文化局

 東京都ではこれまで、不適正な取引行為が行われている疑いのある事業者に対し、特定商取引に関する法律(以下「法」という。)第66条及び東京都消費生活条例(以下「条例」という。)第46条により報告を求め、必要であれば指導を実施しています。
  今回、原野商法の二次被害が拡大していることを受け、関連事業者15社を緊急に調査しました。
  こうした経緯の中、報告要求に従わない事業者については条例第50条に基づき事業者名等を公表します。また、勧誘に際し明らかに虚偽説明を行っている実態が明らかになったため、今後そうした事業者に対して、徹底的な調査を進めていきます。

1 調査拒否による事業者名の公表

 事業者名:ワールドリゾート株式会社

 所在地:東京都大田区大森北1丁目33番地11号

 代表者:北村一富

 業務内容:土地の測量

《事業者に関する苦情相談の概要》

  • 東京都における相談件数は平成14年度以降16件
  • 相談における契約者の平均年齢は73.2歳、平均契約金額は77万7千円(最大243万円)
  • 主に原野商法の被害者に対して、「近隣から測量依頼があり境界線について承諾が必要。」と連絡を要請するはがきを送付。応じた消費者に土地の売却を勧め、売却するには測量や造成が必要と説明し契約を迫る。代金を払ったのに売却してもらえないという相談が多いほか、はがきに応じて連絡しただけなのに、期限までに返送するようにと測量の申込書が送られてきた、などの事例も見られる。

 

2 緊急調査の結果(概要)

  1. 測量会社から、「近隣地で測量の依頼を受け、境界確定のため立会いや承諾が必要です。」というダイレクトメール(以下「DM」)を受け取り、業者に連絡をして来訪を承諾すると、実は測量や整地の勧誘だったという相談が増加しています。
    こうしたDMを送付している測量会社で、その文面通り実際に隣地から測量依頼を以て、承諾を取る為に消費者に連絡している事業者は全くありませんでした。
  2. 過去に損害を被った土地が(開発や鉄道の敷設などで)売れるようになった、そのために必要だと測量や広告の契約が必要だと迫られて契約したと言う相談も増加しています。
    こうした事業者は実際に広告を掲出するものの、土地売買まで成立したのは1千件中2件のみと、殆どが成約まで至っていないことが分かりました。
  3. また、消費者のほとんどが高く売れると思い込み契約をしているのに対し、全ての事業者が「希望より高く売れる事はあり得ないし、トラブルになるので言わない。」とのことでした。
    過去に投資目的で購入した別荘地等の土地の転売に関して、消費者は十数年前の損害を回復しようとしても、逆に損害を増やすだけであり、現段階では損切りを覚悟した上での販売さえも難しいことが分かりました。

3 今後の対応

 調査過程により、不実告知を行っていることが明らかな事業者に対しては、今後更なる調査を進め行政処分等の対応を行うなど、被害拡大防止のための措置を行っていきます。

問い合わせ先
生活文化局消費生活部取引指導課
 電話 03−5388−3074

〔別紙〕

I 調査拒否による事業者名の公表

事業者名:ワールドリゾート株式会社

1 公表までの経緯

  平成18年6月26日 同社に対し立入調査を実施。契約書に記載された測量登録番号が他社の番号を記載、宅建取扱主任の肩書きも免許の更新をしていないにもかかわらず名刺に記載している。調査に際し契約書も全て破棄し、測量の成果物の控えも保管していないとのこと。
改めて、近隣測量のはがきを出しているのであれば、それを説明出来るよう、契約書を提出するよう求めたが、「役所だって文書保存期限があるだろう。」と応じない。
少なくとも未だ測量業務が完了していない契約書は必要と説得したが「調査拒否するから帰ってくれ、公表でも業務停止でも何でもしてくれ。」と強く主張したため、改めて公式に調査報告要請文書を出すことを伝え、調査途中で退出。
7月12日 同社に対し条例第46条第2項に基づき知事名による報告を要求する文書を送付。
7月21日 報告期限。回答なし。
7月24日 同社に電話。条例第50条に基づき公表する旨を伝達。

2 不適正取引の疑いのある取引の概要

 都内消費生活センターに寄せられたこれらの事業者に対する相談は、以下のとおりです。

事例1
 半年前、所有する土地の売買及び境界線の承諾について確認したいことがあるというはがきが届き、電話した。売却のためには測量が必要だと説明を受け、処分に困っていたので依頼した。代金の半額を支払い残金は売却が成立した時に支払う約束になっている。しかし、未だに測量結果の報告さえない。

事例2
 30年前に購入した原野について測量を勧めるDMが来たので、「説明希望」に記入し返信した。その後業者から土地の売却を勧められたが断り、測量の見積りを依頼したが高額すぎると断った。その後業者から署名欄が空欄になった申込み依頼書が届いた。

3 今後の対応

 引き続き当該事業者の監視を行い、法令等に違反する事実が確認された場合は、所要の手続きを経たうえ、行政処分等を行います。

4 参考

 こうした原野商法二次被害にかかる事例で、調査拒否により事業者名を公表したものは、「売却のために広告を出す」と広告掲載の勧誘を行っていた関東広告出版株式会社に続くものとなります。
 平成17年10月11日に報道発表したもので、詳細は東京都のホームページに記載されていますので参照ください。
 また、今回の公表内容は明日(8月4日)付けの東京都公報にも登載されます。


II 原野商法に二次被害等に関する緊急調査について

1 原野商法の二次被害とは

 20〜30年前に別荘地や山林を高値で買わされた被害者に、売却してあげる等と言い整地や測量・広告の契約を迫り、場合によっては新たな土地を購入させるもので高齢者を中心に被害が増加しています。

2 調査の目的等

(1)相談内容の分析

1)相談情報の分析
 都内相談件数は15年度-58件、16年度-150件、17年度-195件と増加傾向が見られる。
 ※全国的な相談件数の推移等は、平成18年7月6日付けで国民生活センターが報道発表しています。

2)二次被害の特徴

商品・役務 主な内容
1)測量 ○別荘地等の隣地の持ち主が測量するとDMを発送。消費者が連絡すると、一緒に測量すれば売却出来ると持ちかけ契約を迫る。(相談と事業者の最も多いケース)
2)整地・草刈り ○以前購入した土地が最近では高く売れるようになったから、草刈りしないと隣地に迷惑が掛かっている、等と勧誘する。
3)広告・宣伝 ○広告を出せば所有している土地を半年で売ってあげると言って契約をさせる。
4)下取り・転売 ○事業者が土地を購入すると言って消費者と現地に出向く。しかし「この土地では条件に合わないので買えない。その代わり、半年後には確実に売れる別の土地を購入すれば、破格の値段で下取りする。」等と新たな土地を契約させる。
5)その他 ○区画整理をし、売れたら整地代金を払う約束をしたが、整地代金の請求が来た。
○不動産会社から買いたい人がいると言われ、関連会社に測量を頼んだ。

(2)調査の主旨

 相談内容の多い事例は、
 1)測量会社から、「近隣地で測量の依頼を受け、境界確定のため立会いや承諾が必要です。」というDMを受け取り、業者に連絡をして来訪を承諾すると、実は測量や整地の勧誘だったというもの。
 2)過去に損害を被った土地が(開発や鉄道の敷設などで)売れるようになった、そのために必要だと測量や広告の契約が必要だと迫られたもの。など。
 そこで、こうした販売をしている事業者に対し、相談事例を基に不適切な勧誘トークなどを改めるなどの指導を行うほか、上記1)の事例にあるようなDMを実際に隣地からの依頼を以って送付しているのか、2)の事例にあるように実際に高く売れていることがあるのかなどを併せて調査した。

3 調査期間・対象

 平成18年6月の1月間
 都内において原野商法二次被害に関し、相談の多い事業者15社に対して調査と指導を実施。

4 調査・指導の根拠

 東京都消費生活条例
 第26条(不適正な取引行為に関する調査)
 第46条第1項(立入調査等)第2項(書面による報告要求)
 特定商取引法 第66条(報告及び立入調査)

5 消費者の方へ

○昔購入した別荘地や山林に関して、「隣地の測量の立会・承諾依頼」のダイレクトメールが届いても、それは虚偽であり勧誘目的のものである可能性があります。
 直ぐに応じないでください。

○昔購入した別荘地や山林を転売するなどという「うまい話」を鵜呑みにして、逆に損害を増やす契約をしてしまう可能性があります。
 直ぐ契約しないようにしてください。

○事業者が約束した売値が正当な価格かどうか、現地の不動産屋に確認したり親族や身近な友人などに相談してから、時間を掛けて検討してください。

○契約しても、訪問販売による測量や整地の契約は8日以内ならクーリング・オフが可能です。また、期間を過ぎたとしても諦めず地元の消費生活センターに相談してください。