報道発表資料 [2006年6月掲載]

アスベスト成形板対策検討会の設置について

平成18年6月21日
環境局

 都においては、飛散性のアスベスト含有建材(吹付け材や保温材等)については、従来からマニュアルを作成して、工事における飛散防止対策の徹底を図ってきました。
 本年度は、2月に公表した「持続可能な東京の実現をめざす新戦略プログラム」の一環として、非飛散性の建材であるアスベスト成形板についても、解体・改修工事の実態を踏まえた、きめの細かい対策マニュアルを新たに作成することとしております。
 そこで、このたび、専門家や関係業界と連携して、対策マニュアルの内容などを検討するため、「アスベスト成形板対策検討会」を設置しましたので、お知らせします。

【特徴】成形板の関係者が初めて一堂に会し、国に先駆け、対策を検討。

  • アスベスト成形板に関わるさまざまな業界団体は、これまで、それぞれ独自に主体的にアスベスト飛散防止対策を考案してきました。
  • 我が国で初めて、それらの業界団体や専門家が一堂に会し、それぞれの技術情報を持ち寄り、調整を図ることにより、国に先駆け、全国標準になりうる「アスベスト成形板対策マニュアル」の作成を目指します。

【対策の必要性】将来の解体工事の増加を見据え、先手を打つ。

  • 非飛散性のアスベスト成形板は、建築物の使用中はアスベスト飛散のおそれが極めて少ないですが、建築物の解体・改修中には注意が必要です。
  • 1960年代の高度経済成長期において、建築物の建設が急増しましたが、使用されたアスベスト含有建材のうち約9割以上が成形板です。
  • 今後、建築物の老朽化により、解体工事の件数の増加が予想されます。
  • 現在低濃度で推移している大気環境中のアスベスト濃度を今後とも維持していくため、アスベスト成形板についても、先手を打って、アスベストの飛散防止をより一層徹底することのできる対策を検討します。

 なお、以下のとおり、第1回の検討会を開催します。

1.日時

 平成18年6月27日(火)午後2時から4時まで

2.場所

 東京都庁第一本庁舎南塔33階特別会議室S6

3.議事

 成形板に係る解体・改修工事の現場調査方法の検討など

問い合わせ先
環境局環境改善部計画課
 電話 03−5388−3482

〔別紙〕

アスベスト成形板対策検討会 委員

氏名 所属・役職
高戸 章 (社)東京建設業協会 環境部会副部会長
高橋 仁 (社)東京建物解体協会 理事
外山 尚紀 NPO法人東京労働安全衛生センター 労働衛生コンサルタント
名古屋 俊士 早稲田大学理工学部 教授
柳 求 (社)住宅生産団体連合会 環境安全部長
(50音順・敬称略)

 このほか、過去にアスベスト成形板を製造していた、以下のメーカー団体からは、技術情報の提供などを求めるため、オブザーバとして、それぞれの分野の専門家に参加していただきます。

団体名 製造していたアスベスト成形板
(社)日本石綿協会 各種のアスベスト成形板
せんい強化セメント板協会 スレート波板、スレートボード、パーライト板、けい酸カルシウム板第一種など
押出成形セメント板協会 押出成形セメント板
日本窯業外装材協会 窯業系サイディング
ロックウール工業会 ロックウール吸音天井板
インテリアフロア工業会 ビニル床タイル、ビニル床シート

【参考】

●都内には、アスベスト含有製品を製造する工場が既に1件も存在しないことから、都のアスベスト飛散防止対策の中心は、建築物対策である。

表1 東京都のアスベスト対策の体系と実施状況
事項 実施状況
都民への対応 相談窓口の充実
(健康・環境・労働相談)
窓口対応マニュアル(Q&A)の作成 17年8月
各局窓口の充実(たらい回しを避ける) 継続実施中
「アスベストの基礎知識と指導マニュアル」の改訂 18年5月
広報・情報提供の充実 「アスベストQ&A」等のホームページ掲載 17年8月〜
都民向けパンフレットの作成 17年9月
ホームページ「アスベスト情報サイト」※の開設 17年9月〜
医療体制の整備 都立広尾病院におけるアスベスト専門外来 17年11月〜
建築物対策 解体・改修時及び廃棄時の対策強化 解体工事現場への立入検査と周辺環境調査 継続実施中
各法令・条例等に基づく手続きや処理の指導の徹底 継続実施中
飛散性アスベスト含有建材(吹付け材・保温材等)の解体・改修工事(届出を要する工事)向けの「アスベスト飛散防止対策マニュアル」の改訂 18年4月

今回の検討会設置の目的
非飛散性アスベスト含有建材(アスベスト成形板)の解体・改修工事(届出を要しない工事)向けの「アスベスト成形板対策マニュアル」の作成

18年6月〜18年度内
飛散性アスベスト廃棄物の都の処分場への受入れ 18年2月〜
民間建築物等への対応 アスベスト使用状況等の実態調査 17年7〜11月
特定建築物等の相談対応、指導・助言 継続実施中
「建築物アスベスト点検の手引」の作成と周知 17年9月〜
中小企業向けアスベスト対策支援融資 17年11月〜
都有施設等への対応 アスベスト使用状況の全庁フォロー調査 17年8月〜
フォロー調査等を踏まえた飛散防止対策工事 17年10月〜
区市町村との連携 公共施設調査・解体時飛散防止への技術支援 継続実施中
住民相談の対応への支援 継続実施中
アスベストの環境調査 一般大気環境中の濃度測定 17年10月〜

※「アスベスト情報サイト」のURL:
 http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kaizen/keikaku/asbestos/index.htm

●非飛散性のアスベスト成形板は、建築物の使用中はアスベスト飛散のおそれが極めて少ないが、建築物の解体・改修中には注意が必要である。

表2 アスベスト含有建材の種類と解体・改修時の取扱い
分類 主な種類 解体・改修時の取扱い(除去の場合)
届出 主な飛散防止対策
飛散性のアスベスト含有建材 吹付け材 ・吹付けアスベスト
・石綿含有吹付けロックウール
・石綿含有吹付けバーミキュライト(ひる石吹付け)
・石綿含有パーライト吹付け
など
工事開始の14日前までに、届出が必要。 ・作業場の隔離
・出入口における前室の設置
・HEPAフィルタ付きの集じん・排気装置の設置(作業場の負圧の確保)
・除去する建材への薬液等による湿潤化
・隔離を解く前の薬液等の散布及びアスベストの処理
保温材等 石綿含有保温材 ・石綿保温材
・けいそう土保温材
・けい酸カルシウム保温材 など
石綿含有耐火被覆材 ・石綿含有耐火被覆板
・石綿含有けい酸カルシウム板第二種
・石綿含有耐火被覆塗り材
石綿含有断熱材 ・屋根用折版裏断熱材
・煙突用断熱材
非飛散性のアスベスト含有建材 アスベスト成形板 ・石綿セメント円筒
・押出成形セメント板
・住宅屋根用化粧スレート
・繊維強化セメント板
・窯業系サイディング
・ロックウール吸音天井板
・ビニル床タイル
・パルプセメント板
・スレート・木毛セメント積層板
など
届出の対象ではないが、環境確保条例に基づく遵守事項において、石綿含有材料の使用状況の事前調査を義務付け。

・解体工事現場全体の覆い
・散水等による湿潤化
・極力、破砕しないで手ばらしによる撤去

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アスベスト成形板は、種類が多いことから、よりきめの細かい対策マニュアルが必要。

※繊維強化セメント板には、アスベスト成形板に分類されるものとして、スレート波板、スレートボード(フレキシブル板・軟質フレキシブル板・平板・軟質板)、パーライト板、けい酸カルシウム板第一種、スラグせっこう板がある。

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図−1 事務所ビルにおけるアスベスト成形板の使用例

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図−2 戸建住宅におけるアスベスト成形板の使用例

●1960年代の高度経済成長期において、アスベスト含有建材の使用が急増した。
●吹付けアスベストの使用がピークになった1972年においても、使用されたアスベスト含有建材のうち約9割以上が成形板である(日本石綿協会資料からの推計)。

グラフ

図−3 日本のアスベスト輸入量と全国の着工建築物の総床面積の推移
資料:財務省貿易統計、国土交通省建築着工統計調査

●今後とも、大気環境中のアスベスト濃度を低濃度で維持していくことが必要である。

グラフ

図−4 都内における一般環境中のアスベスト濃度の推移