東京都の新型インフルエンザ対策について
〜東京都新興感染症対策会議の報告〜
平成17年10月20日
総務局
福祉保健局
新型インフルエンザは、出現した場合、世界規模での大流行が不可避と言われており、都においてもあらかじめ対策を講じておく必要があります。
東京都では、東京都新興感染症対策会議(※)を設置し、新型インフルエンザ対策について検討を進めてまいりましたが、このたび報告を取りまとめましたのでお知らせします。
なお、この「報告」をもとに、平成17年11月を目途に「東京都新型インフルエンザ対策行動計画」(仮称)を策定する予定です。
○「報告」のポイント
1 都民の約30%が罹患するとして、都内流行期までの予測
○外来受診者数:約380万人
○入院患者数:約29万人
○死亡者数:約1万4千人
2 発生状況に応じて6段階に区分し、それぞれの段階別に応じた対応策
- 発生前期:新型インフルエンザが発生していない時期
- 海外発生期:海外で新型インフルエンザが確認された時期
- 国内発生期:国内で発生し、感染拡大が非常に限られている時期
- 都内流行期:都内で感染者の小集団が複数見られ、感染拡大が予想される時期
- 大規模流行期:流行予測を超えて都内で大流行する時期
- 流行終息期:都内全域で終息に向かっている時期
3 大規模流行期では「感染症緊急事態宣言」を発表し、社会活動・経済活動の抑制に言及した対応策
- 公共交通機関の運行縮小要請
- 企業等事業活動の自粛要請
まん延を防止できないとき、国と協議のうえ、公共交通機関の運行停止や企業等事業活動の停止を求める対策
- ※東京都新興感染症対策会議
- 平成16年12月3日に設置し、都庁内の17局、警視庁及び東京消防庁で構成
※東京都の新型インフルエンザ対策について(報告)(PDF形式:373KB)
| 問い合わせ先 総務局総合防災部情報統括担当 電話 03−5388−2565 福祉保健局健康安全室感染症危機管理担当 電話 03−5320−4481 |
〔資料〕
「東京都の新型インフルエンザ対策について(報告)」の概要
〜東京都新興感染症対策会議の報告〜
I 新型インフルエンザの流行予測
1 新型インフルエンザの発生と流行予測
新型インフルエンザの出現時期、感染力、病原性の予測は困難であるが、流行規模については、人口の集中する東京の特性を考慮し、都民の約30%が罹患すると予測
2 健康被害の予測
都内流行期までの予測は、
- 外来受診者数 約380万人
- 入院患者数 約29万人
- 死亡者数 約1万4千人
II 新型インフルエンザの発生段階
[発生段階の基準と危機管理体制]
発生状況に応じた対策を検討するため、以下の基準に基づき発生段階を設定
| 発生段階 | 基準 | 危機管理体制 |
|---|---|---|
| 1)発生前期 | 新型インフルエンザが認められない時期 | 危機管理対策会議 |
| 2)海外発生期 | 海外で発生した時期 | |
| 3)国内発生期 | 国内で発生が確認されるが、感染拡大が非常に限られている時期 | 感染症対策本部 (本部長:知事) |
| 4)都内流行期 | 都内で複数のクラスター(感染者の小集団)が見られ、感染拡大が予想される時期 | |
| 5)大規模流行期 | 流行予測を超えて大流行し、全医療機関で確保可能な病床数を超える規模で流行し、新たな対応が必要な時期 | 感染症緊急事態対策本部 (本部長:知事) |
| 6)流行終息期 | 新規外来受診者数が1医療機関当たり10人以下の状態が2週間続いた時期 |
III 発生段階別対策(基本方針と対応例)
1 発生前期
海外で発生した新型インフルエンザの情報をいち早く捉えることができる体制を整備するとともに、発生に備えた対応の確認と準備を強化する。
- 高病原性鳥インフルエンザの監視、防疫体制整備、ヒトへの感染防止
- 外来・入院医療機能、医療スタッフなど医療体制確保
- 抗インフルエンザウイルス薬等の医療物資の確保
2 海外発生期
「危機管理対策会議」等を開催し、海外からの流入防止の徹底を図るとともに、国内発生に備えた全庁的対策を構築する。
- 「東京・新型インフルエンザアラート」の発動による早期発見
- 健康不安者等からの電話相談体制の構築
- 健康安全研究センターにおける検査体制の整備
3 国内発生期
知事は「発生宣言」を発表するとともに「感染症対策本部」を設置する。感染拡大の防止を目的に、都民への広報・相談体制を確立するとともに、感染拡大に備え、入院・外来診療等の医療体制の確保などの対応策を強化する。
- 「東京・新型インフルエンザアラート」の活用・検査体制の強化
- 感染拡大に備えた医療体制の整備
4 都内流行期
知事は、「流行警戒宣言」を発表するとともに、社会不安の解消に努める。患者の急増に対応し、感染症指定医療機関に加え、都立病院等において入院医療を確保するとともに、外来医療については協力医療機関の拡充を図る。
- 流行の拡大に伴う医療体制の強化
- 公共交通機関、ライフラインの確保
- 社会活動等の自粛要請による感染の拡大防止
5 大規模流行期
知事は、「感染症緊急事態宣言」を発表するとともに、「感染症緊急事態対策本部」を設置する。大流行による社会機能の破たん回避のため、範囲と期間を限定した公共交通機関の運行縮小や企業等の営業活動の自粛を要請する。
なお、これらの措置でも感染のまん延を防止できないときは、国と協議し、公共交通機関の運行停止、企業活動の停止等の措置を検討する。
- 学校等の公共施設を臨時の医療施設として活用
- 火葬場の焼却能力を超えて遺体が発生する場合に備え、遺体安置所の設置
6 流行終息期
大規模流行期を経て、流行が終息したと判断したとき、知事は「終息宣言」を発表する。再燃(再流行)を予防する点から社会機能の回復は段階的に行う。
- 臨時の医療施設での医療を感染症指定医療機関等へ移行
- 新たな発生や流行の再燃への備え、体制の見直しと改善
IV その他
1 訓練の実施
新型インフルエンザの発生、大流行を想定した実働訓練や図上訓練の実施
2 国内、国際連携システムの構築
新たな感染症に対応するための「感染症健康危機管理情報ネットワークシステム」の構築とアジア11都市とのネットワークシステムの構築
3 国への提案要求
治療薬、ワクチンの開発促進と備蓄、検疫体制の充実強化、大規模発生に備え、国が主体となった総合的対策等の要望