報道発表資料 [2010年1月掲載]
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〔別紙2〕

「第28期東京都青少年問題協議会答申素案及び都民意見の募集について」の結果概要

 平成21年11月26日から12月10日まで募集いたしました、第28期東京都青少年問題協議会答申素案に対する都民意見の概要について、下記のとおりお知らせします。

1 寄せられた意見数

  都民 その他
(他県) (不明)  
メール 495 (705) (310) 1015 1510
手紙 12 (17) (0) 17 29
ファクス 28 (12) (2) 14 42
535 (734) (312) 1046 1581

2 意見が多く寄せられた事項及び協議会としての見解

対象 意見 反対意見に関する協議会としての見解
携帯電話の推奨制度 (賛成)iモードやメールを送受できる機種は小中学生に持たせるべきでない。「利便性」が成長期の子どもには足かせになる。  
(反対)年齢や家庭環境、就労状況等によって携帯電話の利用状況や必要性が様々であること、どのような携帯電話を与えるかは原則として保護者の責任であることなどから、行政が特定の携帯電話を推奨することは、表現の自由、経済的自由、携帯電話事業者の営業の自由に対する介入・制約に当たる。 ○携帯電話等の推奨制度については、既に携帯電話等事業者各社が販売している子ども向け携帯電話等の普及を図るとともに、利用者に選択の判断材料を提供するためのもの。推奨携帯以外の携帯電話の利用を禁止する趣旨ではなく、いずれの自由に対しても介入・制約には当たらない。
 なお、現行でも、健全育成条例の規定により、事業者の申請に基づいて、青少年を健全に育成する上で有益であると認める映画等を知事が推奨する制度がある。
青少年の不健全な行為に対する青少年・保護者への指導勧告 (賛成)保護者への指導・勧告には賛成。しかし、最も責任を自覚すべきは「不適切な行為」を意図的に行った青少年であり、青少年にも悪いことは悪いとしっかり教えるべき。  
(反対)指導勧告の主体や対象となる行為が不明確であるが、刑法等上の犯罪、名誉毀損、児童買春・児童ポルノ法、出会い系サイト規制法への違反行為を対象とする場合には、法律の規制に加えてさらに行政が実質的な不利益処分を行うことになり問題。また、告知聴聞の機会などの手続き保障が十分に与えられるか疑問。 ○あくまで指導勧告に留まるものであり、不利益処分に当たらない。

○青少年に対しては、保護者を通じて指導勧告とすることを検討するとの趣旨である。
フィルタリングの解除手続きの厳格化 (賛成)中学卒業未満の人間の所持する携帯電話にかかったフィルタリングを親が外しにくくするのは賛成。ただし、フィルタリングよりはブラウザそのものを禁止にする方が良い。  
(反対)フィルタリングの解除制限は、青少年の表現の自由、知る権利、自己決定権、青少年の成長発達権、保護者の監督権に反する。

(反対)総務省「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会中間とりまとめ」では、一律にフィルタリングの義務付けを目指すものではなく、親権者の意思確認(選択)という基本的な枠組みを維持するものと説明されており、国レベルによる取組に反する。

○危機意識と知識を欠き、子どものネット・ケータイ利用状況に関心を払わない保護者により安易にフィルタリングが解除されることを防ぐための提言であり、十分に利用状況の監督やカスタマイズ等を行った上で保護者として責任を持って解除することを制限する趣旨ではない。

○法で原則的にフィルタリングの提供が事業者に義務付けられていること、青少年は保護者の保護監督下にあるものであることから、提供されたフィルタリングについて保護者が解除しないという判断を下した場合には、行政による青少年の権利侵害には当たらない。
青少年が被害に遭わないためのフィルタリングの水準に関する規定の創設等 (賛成)第三者機関も都民の目において十分に監視されるべきである。常に時代と現状に即したフィルタリング基準の改定が議論されるべきである。  
(反対)行政が、自主規制機関のフィルタリングの基準に介入することは、青少年の表現の自由、知る権利、自己決定権、成長発達権を不当に侵害し、また憲法上保障されているサイトの表現の自由、営業の自由に対する不当な制約である。

(反対)総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」中間とりまとめや、環境整備法の参議院付帯決議において「事業者が行う有害情報の判断、フィルタリングの基準設定に行政が立ち入らないこと」とされていることに反する。
○フィルタリングが目指すべき水準を示すための理念的な規定を想定しており、個別具体的な有害情報の判断やフィルタリングの基準設定を行おうとするものではない。
児童を性的対象とするメディア総論 (賛成)売春防止法を筆頭に、今までの性産業関連の取締の観点は供給をいかに取り締まるかと言うことを重点に置かれているが、これでは需要は減らない。この問題は、需要があって供給があるという関係で、逆ではない。  
(反対)青少年健全育成条例に基づく不健全図書指定も表現の自由の侵害であるが、1)表現行為そのものでなく表現の流通方法に関する規制に留まること2)18歳以上の者に対するアクセスを禁止するものではないという理由で合憲であると示されており、青少年に対してはともかく、「大人でも見てはいけない」という価値観を盛り込むことは、表現の自由に対する重大な侵害である。 ○健全育成条例は青少年の環境の整備と健全な育成を阻害する行為の防止による青少年の健全な育成を目的としており、この目的に必要な範囲での規制を行うもの。児童ポルノはもちろんのこと、大人が児童を性的搾取・性的虐待の対象にする漫画等についても、それが自由に閲覧され、社会的にも当然であるとの環境は、青少年の健全な育成を阻害するものである。

○答申素案に言う「追放」とは、青少年については不健全図書指定及び自主規制の対象とすることによりその閲覧の機会を無くすことであるが、大人に対しては、流通・販売を行政の規制により物理的に閲覧不可能とする趣旨ではなく、「児童を性的対象とする図書類」が青少年の健全育成に与える影響についての都民・事業者の意識を醸成し、これらを青少年に容易に閲覧させないための自主的な取組を期待するもの。
(反対)児童ポルノ、児童ポルノ漫画と性犯罪等の関係を示すデータが示されていない。 ○協議会及び条例は青少年を健全に育成することが目的であり、性犯罪の減少はそのために必要な事項の一つではあるが、それが目的のすべてではない。

○岐阜県青少年保護育成条例に係る最高裁判決において、「有害図書が青少年の非行を誘発したり、その他の害悪を生ずることの厳密な科学的証明を欠くからと言って、その制約が直ちに知る自由への制限として違憲なものとすることは相当でない」との補足意見が示されている。
 なお、児童ポルノ漫画・アニメに影響されて子どもに対する犯罪を起こしたと裁判所に認定された例がある。
児童ポルノ関係 (賛成)ポルノが溢れる日本では、その深刻な性暴力被害に感づきながらも「表現の自由」を叫ぶ反対派の前に思考停止をしてきた。しかし、これだけの被害が生じている以上、見過ごせない。単純所持の処罰化を強く求め、早急な対応をお願いする。

(賛成)児童ポルノの被害者は自分の画像が世界のどこかで誰かに見られているという恐怖に一生苦しめられている。その恐怖を断ち切るためには単純所持の禁止は不可欠であり、答申素案の中にある「国に対し、単純所持の処罰化を強く要望すべきである」は是非実施して欲しい。
 
(反対)えん罪や、国家権力が個人・メディア統制の手段として悪用する危険性。

(反対)過去に合法に流通してきた写真集等も規制の対象となり、過去の文化的な蓄積の多くが廃棄されるおそれがある。

(反対)日本の性犯罪は諸外国に比して少なく、新たな規制は不要。

(反対)児童ポルノの定義や個別の国の刑事司法システムを問題としないまま単純所持の是非を論じることは無意味。

○処罰の対象となる行為や対象物、えん罪や濫用の危険性の防止方法を含めて国会で議論を尽くした上での犯罪化を国に求めるもの。
(反対)プロバイダへの削除要請は、表現の自由に対する過度の制約である。

(反対)「ネットからの削除要請」は一般人も対象になっており、内容・運用によっては「検閲」になるおそれがあるため慎重な対応、定義の明確化・対象の限定化が必要。
○一般的な要請に留まるものであり、過度の制約とは言えない。
ジュニアアイドル誌関係 (賛成)指導・勧告では甘すぎる。法的な制裁も検討すべき。  
(反対)行政が特定の表現行為について追放・根絶を呼びかけることは表現の自由を著しく侵害する危険性があり、許されるのは必要最小限度の規制。「ジュニアアイドル誌」という抽象的な区分ではなく、被写体とされている児童の性的自己決定権が侵害されているものなどのみが対象となるよう工夫すべき。 ○答申素案においては「ジュニアアイドル誌」は「半裸又は水着の幼児又は小学生の煽情的な姿態の写真集」を指しており、これらの者については性的判断能力の未熟な者として保護する必要が高いものと考える。
(反対)大物俳優や名脇役なども子どものころはアイドルだった場合があり、子どものアイドルになりたいという思いを規制すべきではない。 ○ジュニアアイドル誌の定義は上記のとおりであり、単なる子供のアイドルのことではない。
(反対)悪質な内容のジュニアアイドル誌については、保護者ではなく出版社の責任を問うべきではないか。 ○現行児童福祉法では、保護者の同意があった場合には出版社の責任を問うことができない。
漫画等関係 (賛成)子どもを性の対象として取り上げるような漫画やゲームソフトが「表現の自由」として野放しにされていることは許し難い問題と考える。

(賛成)実在しない子どもポルノには、強姦、輪姦はもちろん実写では不可能な四肢解体などの残酷なものも多く、もし子どもたちの目に触れたら、子どもたちへのショックは大きく、また深刻な影響を与えるだろうと思う。
 
(反対)児童ポルノと異なり、児童ポルノ漫画等には被害者がいないため人権侵害が無く、規制は違憲(憲法21条)である。 ○条例の目的は青少年の健全育成であり、児童ポルノ法とは目的を異にする。現行条例でも、その内容が不健全図書指定基準に該当する図書類については創作物であるか否かにかかわらず指定の対象となっている。

○既に関係業界においても年少者への暴力的性行為や近親相姦等の表現への配慮については自主的な取組みを行っているところもある。
(反対)「子どもを強姦するなど著しく悪質なもの」の規制は現行の条例で対応可能。 ○現行条例の不健全図書指定基準は、青少年に対し「著しく性的感情を刺激する」等である。子供を強姦するなどの反倫理的内容でも、青少年の性的感情を著しく刺激すると言えないものには、対応できない。
(反対)日本のコンテンツ産業は世界的に評価されており、大学・専門学校等でも漫画やアニメ学科等を置くところも多く、漫画・アニメを規制することは日本の漫画・アニメ産業に大きな打撃を与え、その衰退を招く。

(反対)子どもの裸が出てくる漫画・アニメは全て規制の対象になってしまう。

(反対)漫画等を規制すると、これまで漫画等により抑制されていた人の対象(はけ口)が実在の児童に移ってしまうのではないか。
○青少年の閲覧を制限するために具体的な規制の対象とすることを想定しているのは、単に子供の裸ではなく、児童を相手とする強姦、近親相姦等を積極的に肯定するような著しく悪質なものである。
 また、大人に対しては、このような著しく悪質なものについて青少年が容易に閲覧できないようにするため、自主的な取り組みを要請することを想定しており、広く漫画・アニメ一般にわたる具体的な規制を想定しているものではない。
 このような著しく悪質な内容のものが日本の漫画・アニメの大部分を占めるとは考えられず、その青少年への販売等を規制することで、日本の漫画・アニメ産業が打撃を受けるおそれはない。
(反対)「青少年への悪影響」が理由であるなら、まずはゾーニング、レーティングの強化・徹底を行うべき。 ○現在、「児童を性的対象とする」という切り口でのゾーニングやレーティングは行われておらず、答申素案の趣旨はまさにゾーニング・レーティングの強化を図るべきというもの。
年齢確認の徹底や決済手段の限定 (反対)アダルトカテゴリーの区分販売の仕組み及びその支払方法の在り方については、条例により義務化することなく、事業者の自主的な取組を尊重すべき。

(反対)通常、書店では現金で販売しているため、クレジットカード決済への限定には十分考慮すべき。
○自主的な取組の要請を求めるものであり、条例による義務化や限定等を想定するものではない。