平成19年度東京都税制調査会中間報告について
平成19年11月29日
主税局
本日、平成19年度第3回東京都税制調査会を開催し、中間報告を取りまとめましたので、お知らせします。
(配付資料)
- 平成19年度東京都税制調査会中間報告のポイント
- 平成19年度東京都税制調査会中間報告の概要
- 平成19年度東京都税制調査会中間報告(中間報告本文)(PDF形式:1.4MB)
※なお、本中間報告は、本年度の東京都税制調査会の検討状況を集約したものです。
本調査会では、今後、更に議論を深め、来年度を目途に答申を取りまとめる予定です。
| 問い合わせ先 主税局税制部税制調査課 電話 03−5388−2909 |
〔別紙〕
平成19年度東京都税制調査会中間報告のポイント
【地方税財政制度改革】
- 法人二税の配分見直し案は、実質的な国税化案。分権改革に逆行するもの
- 地方に権限と財源を付与し、地方の創意工夫に任せるべき
- 仮に税収が総体として足りないのであれば、税収のパイ拡大が必要。
また、国、地方の歳出削減に向けた努力の徹底が必要 - 次のステップは、地方消費税への税源移譲
- 地方税の充実を図りつつ、地方交付税原資を含む国と地方の税源配分の見直しも検討課題
【東京の環境税制】
- 独自の省エネ促進税制について、化石燃料の消費を対象とする案、電気やガスの使用に着目した案、自動車のCO2排出量に着目した案、緑や森林による受益に着目した案について検討
- 道路特定財源との整合性、課税の公平性等の課題があり引き続き検討
平成19年度東京都税制調査会中間報告の概要
1 地方税財政制度改革
(1)改革を巡る今日の状況
1)分権改革の目的
- 旧来のシステムを見直し、地方が自主的・自立的な行政運営を行うことができる行財政システムを構築し、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現
2)三位一体の改革の検証
- 国庫補助負担金の見直しの主な内容は、国庫負担率の引下げであり、地方の自主性・裁量の拡大につながらない極めて不十分なもの
- 地方交付税改革は、国の財政再建を優先した地方への負担の付回し
- 税源移譲は、住民税のフラット化により、負担分任の性格が明確化し、税源偏在の是正に効果。しかし、移譲額3兆円は不十分
3)格差是正論議
<地域格差と税収格差>
- 税収格差のみを捉えて、その是正を図るという議論。しかし、企業活動や消費活動が活発な大都市に税収が集中することはやむを得ない面
- 地域格差の背景には、公共投資の縮小による地域経済への影響、人口減少による地域活力低下への懸念、三位一体の改革による地方交付税の削減等
- 真の自立化につながる地域活性化という根本的な課題解決が必要。当面の措置としては地方交付税の総額を復元し、一般財源を増やすこと
<財政力格差と財政調整>
- 財政力には税収と財政需要の二つの側面。東京には大都市として膨大な需要
- 財政調整は税収と財政需要の両面をみて調整すべき。現在は地方交付税制度が機能。一人当たり一般財源をみると、東京は全国で第23位
<法人二税の配分見直し>
- 税収格差を是正するとして、法人二税を地方の「共同税」とし、人口や面積、従業者数、事業所数などの基準で配分する案や、国が一括徴収・配分する案
- これらの案は、法人二税を実質的に国税化するもの。受益と負担の関係を断ち切り、地域と企業の結びつきを弱めるなど、分権改革に逆行
(2)今後の改革のあり方
- 国と地方の役割分担を明確にし、役割に見合った権限と財源の移譲が不可欠
- 地方税財源の充実に向け、仮に税収が総体として足りないのであれば、全体のパイの拡大が必要。国、地方それぞれが国民の理解を得るよう努力すべき。
また、国、地方の歳出削減に向けた努力の徹底が必要 - 地方税は、税源が全国に普遍的に存在し、税収規模の大きい基幹税を国税と分け合うことが必要。「偏在性が少ないこと」「安定性」「応益性」も重要
- 次のステップは地方消費税への税源移譲
- 安定性の確保及び偏在性の是正の観点から、地方税の充実を図りつつ、地方交付税への繰入財源を含め、国と地方の税源配分の見直しも検討課題
(3)大都市東京の財政需要
1)首都機能や諸機能の集中に伴う需要
- 東京は首都としての機能の他、行政、企業など様々な機能が集中。1,300万都民が暮らすとともに300万人超もの昼間流入人口
- 交通渋滞解消のためのインフラ整備、社会資本の更新、災害対策、ヒートアイランド対策など膨大な財政需要
2)大都市に顕著な需要
- 大都市ゆえに先行的に現れる現象や顕著に現れる課題(所得格差拡大、治安の悪化、高齢者単身世帯の増等)に伴う財政需要
3)世界都市東京の需要
- 東京は世界都市として日本を牽引する役割。空港・港湾などインフラ整備、外国人旅行者や留学生受入れのための環境整備等の財政需要
2 基幹税の当面の課題
(1)個人所得課税
- 所得税については、消費税及び地方消費税の税率引上げがいずれは不可避であり、国民の所得格差への対応も必要な中で、再分配機能の回復が重要課題
- 金融資産所得への課税のあり方や給与所得控除への上限設定、高額所得者に対する公的年金等控除のあり方も検討課題
- 少子化対策として扶養控除に代え、税額控除を行うとの議論があるが、住民税への導入は、還付を伴う場合歳出増などの課題もあり、検討が必要
(2)法人所得課税
- 法人二税は地方の基幹税の一つであり、歴史的経緯をみても、地方の提供する行政サービスへの対価として重要な役割。安易な引下げや見直しは避けるべき
- 法人事業税への外形標準課税の導入により、偏在は縮小。中小企業の負担に配慮しつつ、偏在是正に効果のある付加価値割の割合を拡大すべき
3 東京の環境税制
- 「10年後の東京」「東京都気候変動対策方針」等、都における環境施策の新たな展開を踏まえ、都独自の省エネ促進税制のあり方について、幅広く検討
- 環境問題は自治体のエリアを越えた広域的な問題であるが、大量のエネルギーを消費する東京が、税を含め国に先駆けた取組を進めることは大きな意義
- 化石燃料の消費を対象とする案、電気やガスの使用に着目した案、自動車のCO2排出量に着目した案、緑や森林による受益に着目した案について検討したが、道路特定財源との整合性、課税の公平性等の課題
- 財源確保のための課税には施策のグランドデザインが重要。施策の具体化の状況を踏まえつつ、税収の使途などを含め、引き続き検討が必要