報道発表資料 [2007年11月掲載]

大気汚染医療費助成の制度拡大に関する中間のまとめ
−東京都大気汚染医療費助成検討委員会報告−

平成19年11月15日
福祉保健局

 都では、本年8月8日の東京大気汚染訴訟における和解を受け、全年齢を対象とした気管支ぜん息の医療費助成制度の実施に向け、現行の18歳未満の患者を対象とする医療費助成と一貫した制度とするため、疾病の認定基準等について、学識経験者等で構成する委員会において検討を進めているところです。
 今般、委員会は中間のまとめとして、対象要件を確認するために必要となる患者の基本的項目や疾病の審査項目などについての検討結果、申請する際の様式例についての提案等を取りまとめましたので、お知らせします。
 今後、平成20年度早期を目途に最終報告を行う予定です。

1 中間のまとめの主な内容

  • 申請に必要な項目の検証
  • 主治医診療報告書で報告する検査等の項目
    (症状、治療内容、重症度、胸部エックス線検査結果、血液検査結果等)
  • 非喫煙者の確認について
    (誓約書、主治医の問診項目)
  • 様式例の提案
  • 集中緩和策の提案
  • 保健対策

2 参考

(1)中間のまとめ<概要>
(2)東京都大気汚染医療費助成検討委員会委員

※別添 様式例(PDF形式:143KB)

問い合わせ先
福祉保健局健康安全室環境保健課
 電話 03−5320−4491

〔別紙〕

平成19年11月15日

大気汚染医療費助成の制度拡大に関する中間のまとめ(概要)

東京都大気汚染医療費助成検討委員会

 本年8月の東京大気汚染訴訟の和解を受け、気管支ぜん息について全年齢を対象とした医療費助成を実施するに際し、小児から成人までの一貫した医療費助成制度とすることが必要との観点から、認定基準等について専門的見地から検討した。本中間のまとめは、認定審査を適切に行うために必要な書類と導入期の課題、気管支ぜん息の保健対策等について検討した結果をまとめたものである。

【認定基準の検討に当たって】

  • 成人を対象とした認定基準は、現行の小児を対象とした医療費助成制度(以下「現行制度」という。)における気管支ぜん息患者に対する認定基準と整合を図る。
  • 現行制度の様式の項目を踏まえ、小児・成人の共通点及び相違点を検証する。
  • 数万人規模の申請を書類で判断すること、公正・公平かつ効率的な審査を行うこと等が必要となることから、現在の治療ガイドライン及び治療の現状を考慮する。
  • 主治医からの診療報告書について、項目の精査を行うとともに、チェック式項目を増やすなど記入に当たっての簡便さ等を考慮して様式の改善を図る。
  • 気管支ぜん息患者の保健対策等についても検討する。

I 申請要件

1 対象疾病

 現行制度においても、15歳以上の患者の重症度分類(症状と治療の分類)は、ガイドラインにおける成人の喘息重症度分類を標準としており、対象年齢を拡大するに際し、判断基準等を変更する必要はない。続発症については、気管支ぜん息を原疾患とした急性続発症として、気胸、皮下気腫、縦隔気腫及び急性呼吸不全等が考えられ、成人の助成範囲についても現行制度と同様の考え方とすることが妥当である。

2 対象者

 「非喫煙者」の確認は、検査結果により確認する方法では受動喫煙等による影響を完全には排除できないこと、申請者の費用負担が大きいことを考慮し、本人からの誓約と主治医による喫煙状況報告の2点により判断することが妥当である。

3 認定期間

 医療費助成を行うに当たっては、住所、医療保険の加入状況及び喫煙状況等、対象者の要件を定期的に確認する必要があるため、認定期間は現行制度と同じく2年間とすることが妥当である。

II 提出書類

1 主治医診療報告書

 必要項目等は次のとおり。

(1)現在の症状等を把握する必須項目:受診歴、症状等、治療等、重症度、喫煙項目
(2)科学的判断材料としての検査項目:血液検査(IgE、白血球数、好酸球数(Eo))、アレルゲン検査、胸部エックス線検査、任意検査(呼吸機能検査)
(3)有効期間:

  • 現行制度では、主治医診療報告書について申請日前1か月以内に作成されたものを求めているが、患者の受診動向等も考慮し、申請日前3か月以内に作成されたものとしても差し支えない。
  • 血液検査結果及びアレルゲン検査結果は、診療実態に合わせ、気管支ぜん息と診断した時点での結果でも認めるものとする。
  • 胸部エックス線検査結果は、現在、診療報告書発行日前3か月以内としているが、6か月以内としても差し支えない。

2 健康状態に関する申告書及び生活環境等に関する質問票

 現行制度では、患者本人の健康状態に関する申告書は、認定審査における判断材料としていることから、申請時に提出を義務付けている。しかし、客観的評価の要素として適切かどうか疑問のある項目もある。主治医診療報告書の記載内容で気管支ぜん息患者かどうかの審査が基本的に可能となるよう、主治医診療報告書の記載項目を見直すとともに、健康状態に関する申告書は認定審査の資料から外すことが適当である。
 なお、健康状態に関する申告書は、生活環境等に関する質問票とともに、患者の実態把握を行うための貴重な資料であることから、現行の項目を見直すとともに両者を統合し、保健対策に活用するためのアンケートに位置付けを変更すべきである。

III 認定審査

 公正・公平で効率的な審査を行っていくため、今後、審査会での審査方法の詳細な検討が必要である。
 窓口審査を円滑に行うことができるよう、シンプルで分かりやすい事前の案内(リーフレット)等の作成配布も検討すべきである。

IV 助成範囲・方法

 助成の範囲及び方法は基本的に現行制度と同様で問題ないと考えられ、都外医療機関で受診した場合の医療費助成についても、旅行中の発作による緊急受診等患者の利便性を考慮すると、引き続き可能とすることが適当である。

V 導入期の課題

 制度創設期は、申請が集中することが想定されるため、施行直後の窓口混雑による混乱を回避する工夫が必要である。
 また、申請・審査に要する時間を確保して可能な限り施行日前に医療券を交付し、施行日後の医療費助成について、認定患者がいったん窓口で支払い、後日還付請求を行うなどの煩雑な手続をとることなく速やかに行われるようにするべきである。そのため、施行前に3か月程度の事前申請期間を設けることが妥当である。
 なお、制度開始の2年後にも更新申請が集中することが想定されることから、初回の認定期間を2年経過後の直近の誕生月の末日までとし、更新時期の分散を図ることが適当である。

VI 調査研究

 患者データ及び患者アンケート結果を蓄積して分析を行い、患者の現状把握、発症増悪に影響している原因分析に努めるとともに、保健対策にも積極的に活用すべきである。
 なお、分析結果は適宜公表し、区市町村、医療現場に還元していくことが重要である。

VII 保健対策

 成人の気管支ぜん息患者に対する保健対策の充実も重要であり、申請の機会をとらえ、リーフレット等を配布し、治療や日常的な自己管理について啓発していくべきである。あわせて、ぜん息カードの普及にも取り組み、都内の気管支ぜん息患者への保健対策を更に進めていくことを期待する。

VIII その他

 小児を対象とした気管支ぜん息以外の疾患の申請様式等についても、健康状態に関する申告書をアンケートに変更する場合には主治医診療報告書に症状を記入する欄を設けるなど、気管支ぜん息との整合を図るよう十分に考慮していくべきである。


東京都大気汚染医療費助成検討委員会 委員名簿

平成19年11月15日現在
  氏名 役職名
外部委員 青木 茂行 公立昭和病院呼吸器科主任医長
岩田 力 東京家政大学教授(児童学科小児医学研究室)
王 康雅 東海大学医学部准教授 附属病院小児科医長
◎大田 健 帝京大学医学部教授
桑原 辰嘉 東京都薬剤師会副会長
三好 温子 大田区保健所長(大田区保健福祉部地域保健担当部長)
○目澤 朗憲 東京都医師会理事
弓倉 整 東京都医師会理事
内部委員 赤穂 保 多摩立川保健所長
桜山 豊夫 福祉保健局健康安全室長
住友 真佐美 福祉保健局保健政策部 地域保健担当参事
◎会長 ○副会長
(※名簿は五十音順)