報道発表資料 [2007年3月掲載]

「東京都耐震改修促進計画」の策定について

平成19年3月27日
都市整備局

 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号。以下「法」という。)が一部改正(平成18年1月26日施行)され、同法第5条第1項の規定に基づき、東京都は耐震改修促進計画の策定作業を進めてまいりました。
 平成19年1月30日から同年2月13日までの間、「東京都耐震改修促進計画(素案)」を公表し、広く都民の皆様にご意見を伺いました。(主な意見等の概要は別紙をご参照ください。)
 このたび、皆様からいただいたご意見を参考に内容を検討し、「東京都耐震改修促進計画」(計画期間:平成18年度から平成27年度まで)を策定しましたので、お知らせします。

《計画のポイント》

1 目的と位置付け

  • 平成27年度までに、地震により想定される被害の半減を目指して、都内の旧耐震基準(昭和56年以前の建築)の住宅や建築物の耐震化を促進し、災害に強い東京を実現
  • 区市町村が策定する耐震改修促進計画の指針

2 基本方針

  • 耐震化の現状と目標
    • 住宅:約76%→90%
    • 民間特定建築物(不特定多数の者が利用する建築物等)全体:約77%→90%
      (大規模な百貨店、ホテル、劇場等は100%の耐震化を目標)
    • 防災上重要な公共建築物(消防署、警察署、学校、病院等):約78%→100%

3 耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策

  • 木造住宅密集地域の耐震化
    • 整備地域を対象に木造住宅密集地域整備事業を推進し、耐震診断及び耐震改修の支援を実施
  • 重点的に耐震化を図るべき建築物
    • 防災上重要な公共建築物については、早期に耐震化を促進
    • 民間特定建築物のうち、百貨店、ホテル等については、重点的に耐震化を促進
  • 幹線道路沿いの耐震化
    • 地震発生時に閉塞を防ぐべき道路を指定し、沿道の対象建築物を重点的に耐震化
    • 特に重要な道路の沿道の対象建築物については、公共的観点から支援を実施
  • 法に基づく指導・助言の実施
  • 耐震化を促進するための普及啓発及び環境整備
  • 関連施策の推進

【都民の皆様へ】

 都は、情報提供など必要な支援を行っていきますが、耐震化には、都民の皆様自らの取り組みが不可欠です。
 今後は、旧耐震基準の建物については、早急に耐震診断を実施するなど耐震化を進めて頂き、地震発生時の被害を最小限にとどめるようご協力をお願いします。

※東京都耐震改修促進計画


問い合わせ先
都市整備局市街地建築部建築企画課
 電話 03−5388−3348

〔別紙〕

東京都耐震改修促進計画(素案)に対する意見の概要

 平成19年1月29日に「東京都耐震改修促進計画(素案)」を公表すると同時に、都市整備局ホームページにより意見募集を行いました。短い期間にもかかわらず貴重なご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
 ここでは、お寄せいただいた主なご意見の概要と、ご意見に対する考え方を紹介させていただきます。

1 意見募集の結果

  • 募集期間 平成19年1月30日から同年2月13日まで
  • 意見総数 6通

2 主な意見の概要と意見に対する考え方について

○対象建築物について

・平成12年の改正建築基準法で新たに規定された基準を満たしていない建築物が多いため、昭和56年6月以降に建てられた木造住宅も耐震診断の対象とすべき。

  • まずは昭和56年の建築基準法の改正による基準を満たしていくことが優先と考えています。

○木造住宅密集地域の耐震化について

・木造住宅密集地域に住んでいるため耐震診断や耐震補強に意欲があっても、銀行が融資してくれない事例が考えられる。相談窓口の整備や、融資に対応してくれる銀行の情報提供、「新銀行東京」を利用した低利融資の実現などについて、計画に盛り込むことはできないか。

  • 現在、耐震改修に関する融資制度としては、住宅金融公庫(平成19年4月から独立行政法人住宅金融支援機構)のリフォーム融資がありますが、建物所有者等が必要とする情報が得られるよう、相談窓口の整備を図っていきます。

○窓口の一本化について

・延面積が1万平方メートルを超える建築物の認定申請窓口は東京都、耐震改修助成金交付窓口は特別区となっているため、耐震改修窓口の一元化による事務の合理化を図ってほしい。

  • 耐震改修促進法に基づく耐震改修計画の認定と耐震改修助成の交付に係る手続については、区市町村と連携を図り、事務処理の円滑化に努めていきます。

○地震発生時に閉塞を防ぐべき道路沿道の建築物の耐震化について

・緊急輸送道路沿道建築物による道路閉塞や出火により、都民の生命・財産の保護及び地域住民の安全性確保に支障が生じないように沿道建築物の耐震化を図ることが急務であるため、モデル3路線以外の緊急輸送道路を早期に指定してほしい。
・避難路や避難場所沿道建築物に対する耐震改修助成制度の導入を要望するので、国に働きかけをしてほしい。


  • 東京都地域防災計画の見直しやモデル3路線における取組状況を踏まえながら、指定路線の拡大を行っていきたいと考えています。
  • 避難路及び避難場所沿道における耐震改修助成については、現在、国で検討中と聞いております。

○耐震化を促進するための環境整備について

・都内全域において、生命を守ることを重視した簡易な耐震補強工事助成の予算を増大させてほしい。
・「使える助成制度」にするためには、診断評点が1.0以下になる補強工事に対しても、助成が受けられるようにしてほしい。
・助成申請手続(設計、見積り)を簡素化し、審査の迅速化を図るため、過度な提出書類や検査を行わないようにしてほしい。
・耐震診断技術者の養成についての提案(実務者講習会の開催、民間(技術者)講師の活用、実務研修費用の助成、耐震技術者の公表と耐震改修助成制度等に係る一定権限の付与)
・耐震改修を中心に、バリアフリー、省エネなど、トータルな助成支援制度により、個別工事による不経済性を排し、予算の有効活用による総合リフォームをアドバイスしていくべき。
・耐震補強は一般リフォーム工事と違い、消費者の気持ちが前に進まないため、行政の施策による後押しが欠かせない。耐震化を促進するため、業者の技術力アップと、ビジネスとして利潤を上げられる環境づくりをお願いしたい。


  • 都の助成制度は、震災対策上、建築物の倒壊による道路閉塞を防ぐなど、公共性が高い地域の住宅を対象にしています。耐震改修助成を行う際は、現行の耐震基準と同等の水準である上部構造の総合評点が1.0以上となることを条件としており、大地震時において建築物が倒壊することを防ぎ、都民の生命と財産の安全性の確保を図っています。
  • 助成制度については、厳正な審査が必要ですが、審査に要する書類をできる限り簡素化するよう区市町村と調整していきます。
  • 耐震診断技術者の育成取組みの一環として、信頼できる設計技術者が所属する建築士事務所の登録・公表制度を開始しました。また、信頼できる施工技術者については、リストを区市町村窓口に提供しています。今後も信頼できる技術者の育成に努めていきます。
  • リフォームにあわせた耐震改修の推進については、耐震改修促進計画の41頁に記載しています。また、安価で信頼できる耐震工法を紹介する中で、リフォームに合わせた耐震改修についても扱っています。

○普及啓発等について

・都、区行政は、住民に対し自らの生命を守り、かつ、近隣住民の避難路確保、相互に生命を守りあう耐震補強工事の必要性を啓蒙するべき。
・内閣府の世論調査(「住宅の耐震化に関する特別世論調査」2004年)では、住宅・建築物所有者の半数は耐震改修の必要性を認めていないという結果になっている。都は、基礎自治体と協力して、木造密集市街地の地域できめ細かい周知活動や会合を持つなど、キャンペーンをしていくべき。


  • 耐震診断及び耐震改修を促進していくためには、住民が自らの地域の地震に対する危険性を十分に認識することが重要です。都は、おおむね5年ごとに地震に関する地域危険度測定調査を公表していますが、更に町丁目単位で地盤の揺れやすさや危険度等がわかるよう、区市町村が地震防災マップを作成し、周知することとしています。
    また、耐震診断及び耐震改修に対するニーズに適切に応えられるよう、わかりやすく相談のしやすい窓口整備に努めていきます。

○区市町村・関係団体との連携について

・区役所が中心になって、建設業協会、建築士事務所協会、建設労組、町会、自治会など、町ぐるみの取組体制をつくるべき。
・耐震改修工事が地元中小企業の仕事確保や地域経済活性化につながるように、区役所が具体的施策を実行するべき。
・防災まちづくりに取り組むNPOの活動に、基礎自治体と連携して支援措置を講ずるべき。


  • 原則として、すべての区市町村において、地域ごとの特性や状況を考慮した区市町村耐震改修促進計画を策定することとしています。
    区市町村は、住民に身近な自治体として地域の実情を踏まえた支援を行い、都は、広域的な都市防災の観点から支援を行うという役割分担の下で、耐震化の促進に努めていきます。
  • これまでと同様に、NPOの活動に情報提供などの支援を行っていきます。

○今後の取組について

・東京都建築物耐震化促進検討会、東京都耐震改修行政連絡協議会、東京都耐震改修促進連絡会などの組織を通じて連携体制を一層充実させ、計画の確実な実現を図るべき。
・住宅と民間特定建築物90%、防災上重要な公共建築物100%という耐震化目標の確実な実現に向けて、積極的な施策の展開、毎年の進捗状況の公開及び点検を行ってほしい。


  • 計画を確実に実施していくには、関係者全員が相互に連携・協力することが重要と考えております。このため、連携体制の一層の拡充を図り、継続的に検討や意見交換の場を持ちながら、耐震診断及び耐震改修の促進に努めていきます。
  • 計画はおおむね3年を目途に検証することとしています。