平成18年度公共用水域及び地下水の水質測定結果について
平成19年7月31日
環境局
東京都、国土交通省、八王子市及び町田市は、都内の52河川(56水域109地点)・海域(4水域50地点)・湖沼(1水域2地点)の公共用水域及び地下水の水質汚濁状況を把握するため、毎年、水質測定計画に基づき調査を行っています。このたび、平成18年度の水質測定結果をまとめましたので、お知らせします。
なお、河川の水質改善が進み、平成18年度のBODの環境基準達成率は過去最高の96%となりました。
測定結果のポイント
1 公共用水域(表1、図1)
(1)人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)
- 昨年度に引き続き、すべての地点で環境基準を達成した。
(2)生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)
ア 河川
- BODの環境基準達成率は96%(56水域のうち54水域)と、昨年度の88%に比べて8ポイント上昇し、過去最高となった(図2)。
- 代表的な河川のBOD経年変化を見ても、長期的に改善傾向を示している(図3)。
イ 海域
- CODの環境基準を達成した水域は4水域のうち1水域であった。年度平均値は昨年度とほぼ同程度であり、長期的に横ばいで推移している(図4)。
- 全窒素及び全りんは昨年度に引き続き、環境基準を達成した。年度平均値は昨年度と同程度である(図5、6)。
2 地下水(表2、図9)
- 都内全体の地下水質の概況を把握する調査では、環境基準達成率は94%(71地点のうち67地点)であり、近年、横ばいで推移している。
なお、「公共用水域及び地下水の水質測定結果の概要」は、別紙のとおりです。
| 問い合わせ先 (河川・海域・湖沼) 環境局自然環境部水環境課 電話 03−5388−3569 (地下水) 環境局環境改善部有害化学物質対策課 電話 03−5388−3580 |
〔別紙〕
公共用水域及び地下水の水質測定結果の概要
1 公共用水域【表1】
(1)環境基準の達成状況
○人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)
健康項目の測定をした119地点のすべてで環境基準を達成した。
○生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)【図1】
河川においては、有機汚濁の代表的な指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)でみると、環境基準の達成率は、前年度(88%)より8ポイント上昇し、96%となった。
海域においては、有機汚濁の代表的な指標であるCOD(化学的酸素要求量)でみると、環境基準を達成した水域は4水域のうち1水域であった(平成17年度:2水域)。
全窒素及び全りんはともに前年度に引き続き環境基準を達成した。
湖沼(奥多摩湖)では、COD及び全りんはともに、引き続き環境基準を達成しなかった。
※表−1 環境基準達成状況(公共用水域)
※図−1 環境基準点における水質(BOD・COD75%値)及び環境基準の類型指定図(PDF形式:224KB)
(2)各水域の水質の概況
○河川の水質(BOD:年度平均値)は、下水道普及率の向上とともに大幅に改善された。近年はほぼ横ばいの状況で推移している【図3】。
都内のいずれの河川もBODの年度平均値は10ミリグラム/リットルを下回っている。
○海域の水質(COD:年度平均値)は、昭和40年代後半から50年代中頃にかけて改善されたあとは、河川の水質が改善したにもかかわらず、長期的に横ばいの状況にある。
平成18年度は、前年度とほぼ同程度であった【図4】。
全窒素は近年減少傾向を示しているが、全りんは横ばい傾向である。
ただし、いずれも東京都内湾の地点に限定すると、平成18年度は前年度に比べ若干悪化した【図5、図6】。
○水質測定計画を補完するために行った調査の結果では、夏期には恒常的に赤潮が発生し、下層の無酸素状態が続くなど、状況の改善は見られず、生物の生息環境としては望ましい状態にはない【図7、図8】。
○湖沼(奥多摩湖)のCODは1.8ミリグラム/リットル[環境基準:1ミリグラム/リットル]、全りんは0.006ミリグラム/リットル[環境基準:0.005ミリグラム/リットル]であり、いずれも環境基準を達成しなかった。
- 図−2 河川の環境基準(BOD)達成率の経年変化
- 図−3 代表的な河川のBODの経年変化(年度平均値)
- 図−4 海域のCODの経年変化(年度平均値)
- 図−5 海域の全窒素の経年変化
- 図−6 海域の全りんの経年変化
- 図−7 赤潮発生状況
- 図−8 下層の溶存酸素の月別変化(平成18年度)
(3)降水量
平成18年度の都内の降水量は1,657ミリメートルで、平年(1,467ミリメートル)に比べ1割程度多かった。
2 地下水【表2】
○概況調査(都内の全体的な地下水質の概況を把握するための調査)
71地点で調査を実施した結果、4地点で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素等3項目が環境基準を超過していた。環境基準達成率は94%であった【図9】。
○汚染井戸周辺地区調査(概況調査で環境基準を超過した井戸の周辺の状況を把握するための調査)
概況調査で環境基準を超過した4地区において調査を実施した結果、3地区において、周辺での環境基準超過が認められた。
○定期モニタリング調査(過去において環境基準を超過した井戸を継続監視するための調査)
128地点で調査を実施した結果、71地点で砒素等9項目が環境基準を超過していた。環境基準達成率は45%であった【図10】。
※表−2 環境基準達成状況(地下水)
- 図−9 地下水の概況調査における環境基準達成率の経年変化
- 図−10 地下水の定期モニタリング調査における環境基準達成率の経年変化
平成18年度公共用水域及び地下水の水質測定結果については、環境局ホームページで提供を行います。
環境局ホームページアドレス http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/
<参考資料>
河川の環境基準点における水質の順位(BOD)
| ○BODの低い河川 | 単位:ミリグラム/リットル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| (注) 1 BODの年度平均値が低いものから順位を付けた。 2 BODの環境基準達成の評価はBOD75%水質値によって行う。 |
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| ○BODの高い河川 | 単位:ミリグラム/リットル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| (注) 1 BODの年度平均値が高いものから順位を付けた。 2 BODの環境基準達成の評価はBOD75%水質値によって行う。 |
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<用語の説明>
- ●BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)
- 河川の有機性汚濁による水質汚濁指標として用いられています。BODが高ければ、水中の酸素をたくさん消費し水生生物に悪影響を与えます。一般的に、人為的汚濁のない、きれいな河川のBODとしては1ミリグラム/リットル以下、魚の生育環境としては5ミリグラム/リットル以下が望ましいといわれています。
- ●COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)
- 湖沼及び海域の有機性汚濁による水質汚濁指標として用いられています。CODの値が大きいほど汚濁が著しいことを示しています。非常にきれいな湖沼の水質は1ミリグラム/リットル以下です。
- ●BOD75%水質値
- BODの測定結果が環境基準に適合しているかどうかを評価する際、各月毎のデータが年間12個ある場合、水質の良い順に並べて9番目の値を75%水質値といいます。この値が基準値以下ならば環境基準に適合していると評価します。
- ●東京都内湾の赤潮判定基準
- (1)海水が茶褐、黄褐、緑色などに着色している。
(2)透明度が、おおむね1.5メートル以下である。
(3)顕微鏡下で赤潮プランクトンが多量に存在している。
(4)クロロフィル濃度が50ミリグラム/立方メートル以上である。 - ●鉛
- 地殻中に約8ppmの割合で存在しているといわれています。蒼白色の柔らかい金属です。古くから利用されており現在でも蓄電池、顔料などに利用されています。人体への影響としては貧血や中枢神経等への影響があります。
- ●六価クロム
- メッキ、顔料、染料等の原料に用いられます。人体への影響としては、皮膚や粘膜の障害があり、発がん性もあります。
- ●砒素
- 地殻中に約1ppmの割合で存在しているといわれています。古くから毒薬として知られていますが、現在では半導体の原料、医薬品などに広く利用されています。人体への影響としては皮膚の色素の沈着、下痢や便秘等があります。
- ●四塩化炭素
- 不燃性の液体で、溶剤等に用いられています。オゾン層破壊の原因物質の一つです。人体への影響としては麻酔作用があり、慢性症状としては肝障害、腎障害があり、発がん性の疑いがあります。
- ●シス−1,2−ジクロロエチレン
- 合成樹脂の原料、溶剤等に用いられています。人体への影響としては麻酔作用があり、慢性症状としては肝臓、腎臓の障害が指摘されています。
- ●トリクロロエチレン
- 金属製品の洗浄剤、溶剤、低温用熱媒体などに用いられています。人体への影響としては、頭痛、吐き気、麻酔作用、肝臓障害をもたらし、発がん物質である可能性が高いといわれています。
- ●テトラクロロエチレン
- 金属製品洗浄剤等として広く用いられています。人体への影響としては、めまい、頭痛、肝臓障害をもたらし、発がん物質である可能性が高いといわれています。
- ●ふっ素
- 自然状態では蛍石等の状態で存在します。金属の研磨やステンレスの洗浄に用いられ、人体への影響としては、高濃度による斑状歯やふっ素沈着症を引き起こすことが知られています。
- ●硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
- 硝酸イオン、亜硝酸イオンなどの形として存在しています。大量に摂取された場合、血液障害などを引き起こすことが知られています。