舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成27年7月17日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年7月17日(金曜)
14時00分〜14時35分

知事冒頭発言

1 2020年東京大会5年前イベント、公式エンブレムについて

【知事】私の方から、5点ばかり、まず、ご報告をいたします。
 最初は、オリンピック・パラリンピック関係でございます。来週、7月24日(金曜日)の夕方に、2020年東京オリンピック及びパラリンピックのそれぞれの公式エンブレムを同時に発表いたしますので、お知らせいたします。
 この7月24日というのは、2020年東京オリンピック大会の開会式まで、ちょうど5年前の節目となる日でありますので、その記念であります。この公式エンブレムは、招致活動以来、使われてきました桜のリースのエンブレムに代わりまして、2020年大会の象徴となるものでありまして、今後は様々な場面で使用されることとなります。
 発表式典は都庁の都民広場で行います。IOCのジョン・コーツ調整委員会委員長、それからIPCのアンドリュー・パーソンズ副会長をはじめ、多くの関係者をお招きして盛大に開催いたしますので、是非とも、その歴史的瞬間に立ち会っていただきたいと思っております。
 また、同じ日の午前中には、江東区青海のシンボルプロムナード公園におきまして、オリンピック5年前記念イベント、「5 Years to Go!!」を開催いたします。
 さらに、「未来(あした)への道1000キロメートル縦断リレー2015」が青森県庁前からスタートいたします。シンボルプロムナード公園では、北京オリンピックの銅メダリストであります朝原宣治さん、それから高平慎士さんらによる、小学生を対象にしたリレー教室を開催いたします。加えまして、「1000キロメートル縦断リレー2015」との連携企画や、警視庁音楽隊のミニコンサートも行います。
 そのほか、この日は、都庁舎、駒沢オリンピック公園の管制塔のライトアップも行いますし、開催5年前の節目の日を様々な形でPRすることによって、2020年大会に向けた機運の盛り上げを図っていきたいと思っております。
 この件につきましては、オリンピック・パラリンピック準備局に聞いていただきたいと思います。

2 新市場の「名称」及び「開場日」について

【知事】次は豊洲新市場です。現在準備を進めております豊洲新市場の正式な名称と開場日、これをお知らせいたします。
 まず名称ですが、「東京都中央卸売市場 豊洲市場」といたします。市場関係者の方々にとって分かりやすいことが大切でありますので、新市場が所在する江東区の地名から「豊洲」と命名することにいたしました。
 では、いつからオープンするかという開場日ですけれども、これは、市場関係者の方々の意見を踏まえまして、来年の11月7日といたします。現在、豊洲市場の整備、着々と進行しておりまして、長大な3つの棟の施設の外観が姿を現して、青果棟、水産卸売場棟、水産仲卸売場棟、もう大体分かってきていると。
 開場まで1年4カ月となった今、長年培ってきた「築地」ブランドが豊洲市場に継承され、さらに発展していくように、今後とも着実に取り組んでまいりたいと思っております。
 この件の詳細は、中央卸売市場に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 「丸の内仲通り」の歩行者空間の拡大について

【知事】続きまして、3番目ですけれども、これは歩行者天国の話でありまして、今月31日から「丸の内仲通り」におきまして、歩行者中心の空間を拡大する取組を始めますので、お知らせいたします。
 先般申し上げましたように、「日本橋室町仲通り」を試行して大変好評でありますので、第2弾として、丸の内の仲通りですね。去年、「Taste of Tokyo」という食の祭典やったところですけれど、仲通りの一部、約600メートルの区間でやるということでありまして。通常、平日昼休みのみ、サラリーマンが昼ご飯、買いに行ったりする、その時間、つまり午後0時から午後1時までの間のみ交通規制が実施されていますけれども、今回、警視庁の協力のもと、荷物の搬入などに影響のない範囲で、その取組を拡大しようということで。具体的にはですね、平日は午前11時00分から午後3時00分まで、土日は午前11時00分から午後5時00分までということで実施して、支障がなければ、365日間継続して行うこととなります。
 日本橋の室町の仲通りもそうでしたけれども、オープンカフェがあったりイベントがあったり、もう車が来ない訳ですから、歩行者中心の空間を活用して、地元の区とともに、地元まちづくり協議会、様々な団体の皆さんと協力して、オープンカフェ、イベント、様々な催しをやりたいと思っております。
 モータリゼーションが50年前のオリンピックだとすると、今度はディーモータリゼーション、脱「車社会」ということを常に私は申し上げておる訳でありまして、日本橋の室町の仲通りは、福徳神社という神社もできて、その表参道になりますから、大変好評であって、安心して通行できると。もうオープンカフェは快適だということでありますので、第2弾として、丸の内にもそういう試みを広げていきたいと思っております。
 この件の詳細は、都市整備局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 「ながら見守り連携事業」に関する協定の締結について

【知事】4番目ですけれども、これは地域の子供たちを守ったり、お年寄りを守ったり、そういう地域全体でコミュニティーをいかに生かすかということで、今までもやってきたのですけれど、「ながら見守り連携事業」ということについてお話をします。このたび、地域における事業者の防犯活動等を促進するために、「東京都信用金庫協会」、さらに「日本郵便株式会社東京支社」と包括協定を締結するので、お知らせいたします。
 犯罪や交通事故等に遭いやすい子供や高齢者など弱者の安全安心の確保のためには、地域みんなで助ける共助の取組が必要であります。
 そこで、都では、町会、自治会等の見守り活動、これを補完するものとして、地域を巡回する事業者が業務をしながら、街中のパトロールなどを実施する、「ながら見守り連携事業」を進めております。
 事業のスキームとしましては、東京都が事業者と包括協定を結ぶ。次に、区市町村は都内の各店舗と個別協定を結ぶということをやりたい。毎日、郵便配達、来ている訳ですから、これ、行ってみて、「何か異常があるよ」と、「おじいちゃん、2日も3日も出てこないね」とか、それから「ここは交通事故危ないよ」と。それは信金の方々も、しょっちゅう回っている訳ですから、地域を。そういうことで、地域からの見守り要望箇所の走行、「是非、このあたり、ちょっと物騒なので、時々通ってくれませんか」とかです。それから、さっき言った交通事故のヒヤリ・ハットと言われるような場所はどこであるかとか、それで、認知症の高齢者が徘回しているというような状況を見たり、今のように大変暑いと熱中症というようなこともありますので、それから、先ほど申し上げましたように、郵便配達したら、何日も新聞がたまっていたというようなことで、地域の見守りをやってもらうと。
 それから、今後の展開についてはですね、モデル区市町村として、墨田区、豊島区、荒川区、武蔵野市、三鷹市と、こういうところで実施したいと思っています。地域における、こういう見守りの目を増やすということで、区市町村に働きかけまして、この取組を都内全域に展開したいと思っております。7月21日の定例会見の後、都庁で、この包括協定の締結式を行いますので、私も出席いたします。
 詳細は、青少年・治安対策本部に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 分煙化整備を進める宿泊・飲食事業者の募集について

【知事】最後でございますけれども、たばこの問題であります。外国人旅行者の受け入れに向けた「宿泊・飲食施設の分煙環境整備補助金」の実施についてお知らせいたします。
 受動喫煙の問題については実効性が上がる取組が必要ではありますけれども、その一環として、外国人旅行者が東京で快適に滞在できるような分煙対策を実施することとしまして、ホームページやメニューなどの外国語表記に取り組む都内の宿泊施設、それから飲食店に対して、施設整備の支援を開始したいと思っています。具体的にはですね、喫煙室の設置をやってもらう、エリア分煙をやってもらう。こういうことをやったときに必要な経費の5分の4、1件当たり300万円を上限として補助したいと思っております。
 なお、効果的に事業を推進するために、分煙に関して技術的な知見を有します日本たばこ産業(JT)と協定を締結いたしました。JTには、各施設が分煙に取り組む際に、具体的な手法についてアドバイスを行うコンサルタントの派遣などを実施していただきたいと思っております。今月27日より補助申請の受付を開始しますので、是非多くの事業者の方々に分煙環境の整備に取り組んでいってもらいたいと思っております。
 この件の詳細につきましては、産業労働局の方に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】時事通信の石松です。幹事社から3点ほど質問させてください。まず、豊洲市場に関してですけれども、正式に開業日も決まったということで、改めて、どういう市場にしていきたいか、期待をする点をお伺いしたいのと、千客万来施設に関して、先月公表した再公募の概要の中で、開業時期については新市場の開場後、速やかに開設をするとあると思うのですけれども、いつ頃までに開業してほしいという希望というのはありますでしょうか。

【知事】まず最初のご質問ですけれども、築地というブランドが非常に確立していて、諸外国まで含めて、発信してきましたので、それに負けないような新しい市場にしたいということ。ただ、何度も私も視察していますけれども、衛生の面から、例えば今みたいに夏の暑いときというのは、物が腐敗するということを含めて、やはりそういう新しい安全な設備にした方が良いので、それはもう完璧に今やっていますので、よりおいしいものをより安全な形で提供できるということで、その点も改善できると思っております。
 それから、千客万来施設、今、民間の方々に公募していただいて、何とか急いでと思っていますので、これはいつということよりも、できるだけ早くオープンしたいというのが今の状況であります。

【記者】すみません。2点目の新国立競技場に関してですけれども、ちょうど今ほどなのですけれども、安倍首相と、そして組織委員会の森会長が会談をされて、会談後に総理の方から計画の見直しについて表明をされる見通しなのですが、先月の調整会議で決まった政府の方針から変化するか、というような状況なのですが、今後改めて都に対して説明を求めるですとか、このことに関しての受けとめをお願いします。

【知事】ちょうど今、森会長と総理とが会見なさっているという情報はこちらにも入っていますけれども、その結果は、ふたをあけてみないと分かりませんので、全てそれを受けてからということでありますし、国の方からはきちんと説明が、結果があれば来ると思っていますので、それを待ちたいと思っています。

【記者】すいません。それに関連してなのですけれども、計画を抜本的に見直すことで、ラグビーワールドカップに間に合わないという見方もあるのですけれども、これに関して、森会長が、今日番組収録の中で、間に合わなければほかの会場でやるしかないと発言をされたそうなのですが、一方で、知事は、昨日も、期限に間に合わせてくださいということをずっとおっしゃっている訳ですけれども、この期限というのは、ラグビーワールドカップの前の2019年5月のことを指していらっしゃるのか、それとも2020年の大会までに間に合えばいいという、どちらのお考えですか。

【知事】今までの政府の方針は、2019年の5月ということを、6月29日に政府の正式決定だということで、2520億円という、今の、いつまでに完成するかおっしゃった訳ですよ。3週間もたってないのですよ。そうでしょう。今からどういう決定をなさるか分からないし、総理がどういう発表なさるか分からないけれども、それは期限というのは、2019年の5月でしょう。しかも、2日前の7月15日に、ラグビーのワールドカップに向けてキックオフイベントを12の開催都市を集めてやったばかりじゃないですか。やったばかりのその夕方に見直すといって、ただその見直しの形がですよ、どういう見直しなのかはわかりませんから、間に合うような見直しをやるのか、間に合わないような見直しをやるのか、それを見てみないと答えは出ないということだと思います。

【記者】ありがとうございました。

【記者】テレビ東京の石井です。政府が会場計画の見直しを検討し始めたのは、5月、知事と下村文部科学大臣が会談された後、さらに知事がいろいろ問題提起をされたのがきっかけなのではないかなと見られていると思うのですけれど、これについて知事自身はどのように感じていらっしゃいますでしょうか。

【知事】何度も申し上げていますけれども、本来、こういう議論は1年ないし1年半前にあってしかるべき話ではありませんかというのが私の率直な思いでありまして。国から都に対して協力要請がきましたね。皆さんご承知のように、正式にきたのは今年の5月18日ですから、私は、都民に税金を支払ってくださいと言うためには、覚えていらっしゃると思いますが、総額幾らになるかもはっきり示してくださいよと、それからきちんと間に合うかどうか、工期も示してくださいね、その上で、都民が税金を拠出して支援するためのきちんとした理由がないとだめですね、この3点、お示しくださいと言って。それで私は、何度も言うように、建築の専門家ではないですから、様々なヒアリングをやり、様々な勉強をすると、こういう問題がありますよと、屋根は大丈夫かとか、お金かかりすぎるのではないかとか、あの構造物でどうだとか、だから、それは全部投げかけた話ですね。全てを検討した上で、6月29日に最終決定ですということでおっしゃった訳でしょう。それから、いつも言うように、7月7日の有識者会議は、それが最終決定する場所ではありません。先ほど幹事社がそうおっしゃったけれど、それは違うのです。6月29日にもう政府が決めているのです。それで、ただ、いわゆる有識者会議の意見は様々聞きましょうと。あの中でもいろいろな反対意見が出たのだけれども、最後の言葉は、文部科学省とJSCが決めますということを明言している訳ですよ、佐藤さんという有識者会議の委員長が。これ、皆さん、現場にいたからわかっていると思いますよ。メモをとっているはず、録音している、フルオープンだから。
 という状況できたのであって、そうすると、石井さんがおっしゃるように、私は、いろいろな方がいろいろなことを言うので、こういう疑問に対して答えるべきでしょうという、オープンで議論しましょうということを申し上げたので。しかし、その結果、6月29日に決まった話ですね。だから、ちょっと、6月29日に決める前にそれができなかったのかなというのは、率直な思いです。しかし、これはあくまで国立ですから、お国が決められることなので。私はとにかく主催地の東京の知事として、できるだけの協力をしたいと、これ、ずっと前から言っているので。ですから、その協力の対応はどうするかというのは、今日、どういう見直しとどういう変更をなされるかを聞いてからまた考えるということに尽きると思いますが、あんまり楽しい気分ではありませんね、ということを申し上げておきたい。

【記者】文化放送の高橋民夫です。知事、ご苦労さまです。

【知事】いいえ。慰めていただいてありがとうございます。

【記者】いやいや。5年後の、まさに7月24日に開会式を迎える2020年東京オリンピック・パラリンピックですね。それより2日前にも、日程的には新国立競技場を舞台にしてサッカーが始まったりとか、もういやが上にも、もう国民はオリンピック気分に盛り上がっていると思うのです。それがちょうど5年後ですね。それよりも1年前に、もう施設などがほぼでき上がっていなければいけないというタイムリミットもあることは確かです。そうした中で、今、いい言葉があるとすれば、「改むるに憚ることなかれ」というようなこともあるのですが、これの状態で、より良い方向でタイムリミットまでにちゃんと間に合うことが見つかるならば、よし、より良い方向に行こうという動きもあろうかと思うのですが、それこそ誰に、誰がどんなことを言ったから責任をとらせるとかっていうのではなくて、やはり大所高所で、すばらしいリーダーのもとに、このチームジャパンが、大成功に終わらせるために、やはり知事はそういう思いをなさっていらっしゃると思うのです。それを改めて、ちょっとお聞かせいただけませんか。

【知事】高橋さんおっしゃるとおりでね、やはり国民的な大事業で、絶対、成功させないといけない。それから、オリンピック・パラリンピックと並んでサッカーのワールドカップ、ラグビーのワールドカップ、これ、3大イベントなのです。その3つのうちの2つが東京にやってくると、しかも8万人の席をやろうというのは、サッカーのワールドカップも8万人なら来るよと。これはすばらしいじゃないですか、東京にスポーツの最大イベントが来るということは。だから、そういう思いで皆でまとまらないといけないところなのです。
 そこで、先ほど石井さんの質問でしたか、とにかくオリンピックは間に合うけれども、ラグビーに間に合わないというのは、2日前のキックオフイベントって何だったんだということで、ラグビーの選手に何の罪もないのですよ。それで、ラグビーの方が先に決まっていた訳でしょう。それで、ラグビーは6万人しか要らないのですよ、最大。決勝戦とか開幕戦、8万人、要らない訳ですよ。8万人というのはサッカー、オリンピックも含めてなので。やはりそういうところを全部、気配りをしてやらないと、それならこんな朝令暮改をやるなって言いたいのです。だからね、あらゆるところに目配り、気配りをして、皆が良い思いになるようにしないと。そのみんなが良い思いのときには、どなたかだけ100%、良い思いしてはだめです。みんな2割ずつ我慢するから、僕らはこれでいいよ、僕らはこれでいいよと言って8割、7割ぐらいで結束を固めるというのが一番いいので。
 しかし、終わったこと言ってもしょうがないですから、これからどういう形でまとめていくかと。私は、だから、冒頭に公式エンブレムの発表を24日にやるというけれど、24日、どうやってこれで盛り上げるんだというのは。これは、だって、IOCの調整委員会委員長ジョン・コーツさんもわざわざ来られる訳ですよ。パラリンピックの副会長も来られる訳ですよ。今日、何日ですか。17日でしょう。1週間後ですよ。1週間後に新たな見直しをやって、その見直しだって完璧なものができるか。
 だから、やはりそういうときには、あれじゃないですか。しっかりリーダーシップを発揮して、こういうものをやるのだと。私の希望をあえて言わせていただけば、2019年の5月に間に合わせるということを最優先してくださいよということですよ、両方の大きな大会やるために。そして、その上で、いくら何でも2520億円というのは高過ぎるでしょうということを、これ、皆、思っている訳ですよ。そうすると、それは国民がこれぐらいなら、まあ、過去の例に比べても高いけれども、これぐらいなら頑張ろうという線を出さないといけないです。だから、これ、国民に聞いてみないとわかりませんが、2520億円は高いけれど、2000億円なら安いと言うのかねと。では、何億円なら安いと言うのですかということなので、様々な疑問があるので。あくまで国立ですから国が決めますというと、また都知事が何か当事者じゃないようなことを言っていると言うけれど、国が決めるのですから、一切、この瞬間まで何の相談もないですから、今回の見直しについても。相談があって、都知事、どうしますかと、都知事のご意見はどうですかと、それ、反映しますよと言うのなら言うけれども、一切、何もないし、とにかく国がしっかりしたものを作ってもらう。私は常に言っているでしょう。期限に間に合わせて、しかるべきものを作ってくださいということを常に言っているのであって、その上で協力をしますと言っているのだから、是非そうやってくださいと言うしかありません。
 ただ、なかなかね、高橋さんおっしゃるように、オールジャパンで結束するための大きなつまずきになりましたね。しかし、こういうのは乗り越えていかないといけないので、私は何があろうと、明るく前向きに、良い方向になるように全力を挙げますので、是非皆さんもご支援ください。

【記者】是非そうしていただきたいです。

【知事】はい。頑張ってやりたいと思います。

【記者】何しろ、すばらしいリーダー、指揮者、その存在が、ちょっと薄いような気がして、それをちょっと心配しているのです。

【知事】でも、組織委員会の会長は元総理の森さんだし、今、采配を振るっているのは安倍総理でありますから、元の内閣総理大臣と現内閣総理大臣がトップリーダーですから、是非しっかりやっていただきたいというのが今の私の気持ちです。

【記者】毎日新聞の武本です。2点ほど伺います。1つ、まだ相談等、連絡来ていないというお話でしたけれども、もしラグビーのワールドカップに間に合わなかった場合について、今、東京都、かなりの枠の分担金ですかね、求められているかと思うのですけれども、国立競技場、新国立競技場で開催されないとなった場合、ちょっとその分担金はどういうふうに考えるかということが1つと。それともう1つ、先ほども有識者会議の話があって、ちょっと過去の話になてしまいますけれども、知事、決める場じゃないということを再三おっしゃっていますけれどもね、基本的には国ないし文科省ないしJSCが決めることだって、それはそのとおりだと思うのですけれど、会議の設置要綱を見ますと、やはり審議して、出席委員の過半数で決しというふうになっている訳で。それで、さっきおっしゃいました委員長の話も、「最終的に決定についてはJSCと文科省に決定いただくことになっています」と。ただ、そのとおりおっしゃっていましたけれど、その前段で、やはり、「ご異議ありませんか」、「よろしゅうございますか」っていうので、「異議なし」っていう形で、やはり一応、決めた形にはなっているかと思うのです。それで、かつ河野一郎理事長も会見で、「本日、ご賛同いただいた新国立競技場建設概要案についてご説明させていただく」となっているので、全く、決める機関じゃないっていうのはちょっと規定上、違うのではないかと思うのですけれども。で、おっしゃるように、国が決めるというのはそのとおりだと思うのですけれど、知事も、充て職とはいえ、有識者会議のメンバーでいらっしゃったとは思うのです。そうすると、こんなふうに迷走というか混乱したかと思うのですけれども、知事、この有識者会議がどういうふうな形で、話し合われれば、こんな迷走にならないで済んだんじゃないかなというふうにお考えになりますかね。

【知事】いや、だから、いつも私が言うように、言葉遣いがみんな正確じゃないので、了承とか承認って、皆さん、もうしようがないから書いているけれど、7月7日の有識者会議で了承された、承認されたって書いているけれども、それは承認権限も了承権限もないので、今まで多数決もなくて、いわゆる審議会のようなもので、言葉悪いけれど、しゃんしゃん大会っていうようなことをやってきた訳でしょう。だって、今まで、それまで大きなニュースにならないし、皆さんも取材に来ないしっていうことだった訳で、急にこれだけ多くなった、あれだけたくさんの人が来て、それで私が言葉遣いを正確にやりなさいよ。いくらあそこで反対意見を言ったって、それでひっくり返る訳でもないです。だから、私は説明を。だって、その場で資料を見て判断できますか。専門家でもないのに。で、よく後で、うち帰って見たら、あ、何だ、この数字、こんなところ、外へ出ているのじゃないかっていうのがわかる訳ですから。だから、あくまであれは一つのプロセスにすぎないと。
 で、JSCの私的諮問機関なのですよ、あれは。どういう規定であろうと。じゃ、今回、見直しってなったときに、誰が見直したのですか。JSCが見直したことになるのですか。そしたら、もう一遍、有識者会議を開くのですか。ちょっと武本さんに聞いてもしようがないのだけれど、というような疑問が湧いてくるから、物事を進めるときはもうちょっと慎重に、私が言うことじゃないけれど。あくまで私は、有識者会議に決定権はありませんということは確認しておきたい。皆さんの表現、それは書きようがないのですよ、承認したとか了承したとか以外の言葉で書けないっていうのは、しようがないのはよくわかるんだけれど、あえて申し上げたい。

【記者】知事、有識者会議自体が、そうすると知事のお話聞いていると、まあ、あんまり意味のない会議だったというふうにお考えだと。

【知事】まあ、意味のない会議だと言ったら、お前だってメンバーじゃないかってことにはね返ってきますけれども、要するにこれ、私が知事になってできた組織じゃなくて最初からできていた組織で入ってきた訳ですから。よく、役所のやり方は、審議会も全部そうなのですけれども、隠れみのって言えば言葉悪いですけれども、一般の人の声を聴取してという形になって、その意見を反映してということになってほとんど全部、都の審議会もそうです、そういうことになっている訳です。で、普通は、そういう審議会というのは、有識者っていうのは、私が例えば厚労大臣やっていたときに医者とか、そういう医療の審議会は専門家が入る訳で、大学の先生とかね。で、私のような無識者が入って有識者と言うかということ。私、建築の知識ないですから。そうでしょ。だから、まあ、私に言わせれば最初からそれはボタンかけ違えているじゃないかなと思うけれど、そんなこと言ったって、「お前、知事がメンバーになってる」と言われればそれは入らざるを得ないじゃないですか。ということです。まあ、そういう議論してると、もう、山ほど言いたいことはありますけれども、ちょっともう時間がありませんので。

【記者】NHKの江頭です。すみません、新国立の関連で、朝令暮改をやるなというお話の後で、ちょっと先のこと伺って恐縮なのですけれども。要するに、見直しをされるとしたら、欠かせないものとして、議論の透明性とかいろいろあると思うのですけれども、舛添知事としてやはり見直しに欠かせないものは何だというふうに考えておられるかということと、都知事としてやはり受け入れがあるかということと、あと、費用負担の協議が始めると決めたばかりですけれども、それへの影響はどのように考えるかを教えてください。

【知事】まず、アスリートファーストということなのです。で、先ほどの24日のイベントの話をいたしましたですね。あのとき、申し上げましたように、みんな頑張ってやるって言って。私は、インターハイで400メートルリレーの100メートル走っていますから、そうすると、何が必要かと言ったらサブトラックないとだめですよ。陸上競技選手として言えば。それから、立派なやはり、走っていて本当に負担のない、いいグラウンドにしてもらわないといけない。それから、まあ、やはり陸上競技の選手ですから、どんな嵐の中でも走るので、今、我々は屋根がなく、あろうがなかろうが、野球みたいに雨で中止なんてことはないので、それはもうしようがありません。だけれどやはり、アスリートファーストということをやらないといけないし、国際的な試合を常に招致できるような、そういうものをまずつくってもらいたいということです。それから、陸上競技のためだけにある訳ではありません。様々な競技に使うし、それからイベントに使うこともあると思いますから、オリンピック・パラリンピックのためだけに作るのじゃないのですよ。新国立競技場ですから、様々なスポーツのために、そして、これから10年後、20年後、30年後のために作るのですから、きちんとしたレガシーになるものを作ってくださいよと。私はしょっちゅう駒沢公園行きますけれども、特にインターハイなんか駒沢公園でもやるので、あれはあってよかったなと、今でもこのサッカーここでできるなあという思いでおりますので。そして、都民にとって非常に憩いになる立派な公園になったじゃないですか。ああいうものにしないといけないというふうに思っています。
 アスリートファーストでいいレガシーにすると。で、そういうことに対してきちんとした議論ができれば、多少金額が高くても、それはいいだろうということに都民だってなると思いますし、国民だってなると思います。税金でやってもそこまでのものはやっているし、ということになると思うので、そこまで、そのことをしっかりやれば、当然費用の分担ということもそれは考える。だから、国立競技場であるけれども、オリンピック、東京オリンピック・パラリンピックの開会式やその他に使うということ、それから、東京都の中にありますから、あのあたり、秩父宮ラグビー場も神宮球場も、その他のスポーツ施設に大きなスポーツのメッカにする訳ですよ。で、そのうちの1つの施設なので、それは東京も応分の負担とか、協力はしますけれども、様々な法的な仕組みもありますから、そういうことを入れながら、しっかりやっていきたいということであります。まあ、しかしながら、抜本的に見直しをされて、今、議論なさっているそうですけれども、全く白紙でゼロからやり直すということであれば、じゃあ、我々もゼロからやり直すしかありませんねというのは当たり前でしょ。ですから、そういう意味で決定をお待ちしますということです。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)