石原知事記者会見

平成24年8月17日更新

石原知事定例記者会見録

2012年8月10日(金曜)
15時05分〜15時30分

質疑応答

【知事】冒頭、私から申し上げることはありません。質問があったら、どうぞ。

【記者】税と社会保障の一体改革関連法案について、今日、これからの参院本会議で可決成立する見込みになりました。知事も消費税増税については、今後の社会保障制度の維持のためには、避けて通れないという旨のことを今までおっしゃっていましたが、今回の法案成立を、これまでのプロセスも含めて、ちょっとご見解をいただければ。

【知事】自民党も少しずつ消費税上げてきましたけど、たんびに選挙にひどい目に遭ったので、一種のタブーみたいになってるけど、日本の財政そのものは、ここまで圧迫すれば、これはやっぱり景気に一番刺激を与えない、悪い影響を与えないとされている消費税で、公平に国民が分担する以外にないんじゃないんですか。
 何も北欧をもって是とするわけじゃないけども、この間やったコペンハーゲンなんかでも、25%の消費税で、医療費もほとんどただだけども、それでもなお、心臓の手術なんかするときは、人工のマテリアル(素材)の弁にするか、豚の皮を使ったものにするかって、自分で選んで、手術する人が弁を自分で買って来なきゃいけないぐらい、負担っていうのはやっぱりあるんですよ。
 ですから日本の場合には、当然必然なことだし。ただ、今度の中で1つ、自民党の福田(康夫)内閣のとき勝手に決めた、馬鹿な、儲かっているから東京からふんだくれって作った、あの法人事業税の分割基準を抜本的に考えるっていうんで、これを新しく変える限りは、その法律を変えるわけでしょうから、それは東京にとって、今まで反対して努力した甲斐があったと思いますけども。

【記者】あと、この法案の成立過程で、成立後に、近く国民の真意を問うという与野党3党の合意がなされました。与野党の党首が、時期があいまいであるにしろ、解散がいつ頃にというのを示し合わせるというのは、非常に異例だと思うんですけども。

【知事】どこまでそれを決めたのかね。解散権っていうのは総理大臣の専権事項ですから。それについて2人がどんな話し合いをしたか、何かよく解説し切れるものではないし、憶測し切れるものじゃないから。報道は一部、あうんの呼吸、あうんの呼吸っていうけど、あうんの呼吸といったって、相撲だって立ち会いで待ったかけたり、何回も仕切り直しするんで、これは分かりませんな。
 ただね、どうなんでしょうな。さっさとやったほうがいいよ、本当に。国民の感情からすれば。

【記者】選挙について、早くやる場合に、選挙制度の改革がなされないと、1票の格差で違憲判決が出るおそれもあると。

【知事】これはそうですね。選挙というのをやる限り、その寸前にでも変えなきゃだめだと思うし。中選挙区に戻さなきゃ駄目だよ。それはやっぱり、政治家の粒がちっちゃくなっちゃったし、僕も自民党にいるときに、考え方、大分違うんだけど、野中広務と僕だけが総務会で最後まで反暴力的に戦ってだね、あのときの河野洋平っていう馬鹿な総裁が小沢(一郎)に押し切られたんだけど、今になって河野君は失敗したと言っているけど。人にも相談せずに密室で決めてしまってだな、我々、せっかく努力して、あの社会党の委員長だった土井たか子が党首してるときに、彼女がつくったマドンナたちも使って、参議院でつぶしたんだよ。議長裁定って妙な案を出したら、河野が呑んじゃったんだね、これは良くないよ。
 その後僕が知事になってからも、野中によく言われたけど、石原さん、国会行ってみなさいと。今夜の11時に採決っていう法案をやっているときは、誰もいないって、議場に。皆、新幹線で帰る奴は帰っちゃって、夜、また出かけてくる。こんなことになっちゃったって言うけど、それはやっぱり、東京なんかで区議会議員になれないような奴が代議士になるんだから、選挙区がちっちゃくなっちゃって、こんな馬鹿な話はないですよ、本当に。
 議場で切磋琢磨するだけじゃなしに、やっぱり選挙区でもいろんな会合で議論をして、それを選挙民が聞いて人を選ぶわけでね、中選挙区ってそういう辛さもあったけど、面白さもあったけども、今の選挙制度は全く間違ったね。
 僕はかねがね、ドイツのように、3党あって、AとB、AとC、BとCが組むような。で、1つの有力な政党が野党でいる、ある時期。それから、そこに緑の党みたいな、日本の共産党っていうのかな、もうちょっと共産党よりもスパイシーだけどね、緑の政党のほうが、政党もあるでしょうけどね、私はやっぱり二大政党っていうのは、絶対間違いだし、何を勘違いして、小沢が言い出したことだけども。三大政党があり得るような選挙制度に変えるべきだと思ってます。それはちょっと先の話でしょう。
 どうぞ。

【記者】たちあがれ日本の平沼(赳夫)代表が、一昨日改めて、石原知事は新党にやる気で、8月中に必ず結党表明があるのではないかという期待を示されたんですが、で、先週の会見のときよりも解散風も吹き始めたんですが、8月中に結党表明されるおつもりというのはおありでしょうか。

【知事】ない。とにかく、私自身のことを、他人がいろんな憶測で言ってもらいたくない。ストレスかかっちゃってさ、もう調子悪くてしょうがないよ、このごろ。

【記者】8月じゃなくて、例えば秋以降の場合は。

【知事】私は知事なんですよ。東京っていうのはいろんな問題がたくさんありまして、国がやらないことも随分今までやってきたと思うし、大気汚染の問題も会計制度の問題もそうだし。尖閣の問題だって、国防につながる問題でしょう。それは丹羽みたいな馬鹿野郎が大使になってだな、そのうち、大中華圏が世界中に広がって、日本はその中に閉じ込められると、それゆえに、日本はシナの属国でいたほうが幸せなんて馬鹿なことを言う日本人が出てきたんだ。私は絶対に嫌だ。
 じゃ、ダライ・ラマのチベットがオリンピック招致できますか。あの国の文化っていうのは、どこに行っちゃったの。みんなダラムサラというインドに亡命して、肝心なチベットっていうのはどんどん、どんどん共産化されて、シナ化されてるよ。これは本当に気の毒で哀れな話でね、ダライ・ラマって、私、親友だけど、彼が私に会いに来て、日本に来て会いたいって言っても、外務省が妨害して会わせない。こんな国だったら、何のために気兼ねするんですか、私と個人的な友人であるダライ・ラマが会うことを、何を慮って日本の外務省が妨害するんですか。彼もこの頃気を使って、向こうは言ってこなくなったよ。間に立つ人がいて、いろんな交信してますけどね。

【記者】大阪維新の会が、選挙準備を進め始めまして、愛知でも大村知事が中京維新の会を設立したんですが、知事、以前の会見で、東京維新の会に言及されたこともおありなんですが、こうした首長の動きについては、どのようにご覧になっていますか。

【知事】現況の国会のあの無様っていうのを眺めれば、国民、うんざりしてるし、やっぱりそれぞれの首長さんっていうのは、じかに国民に接してるわけだから、その不満っていうものを酌み取って、いろいろ志を持つっていうことは、当然だと思いますけどね。どういう形でこれをアライアンス(提携)にしていくか、つなげていくかってことは、これからの問題でしょうな。
 はい、ほかに。はい。どうぞ。

【記者】先ほど、韓国の李明博大統領が、日本領土である竹島に上陸したというニュースが入ってきました。このことについて…。

【知事】しょうがないんじゃないですかね。敗戦のどさくさに李承晩ラインっていうのを勝手に引かれて。アメリカもそのときは、日本をこんなに育て上げるつもりはなかったし、朝鮮戦争が起こって初めて日本のパートナーに期待してこう育ててきたんだろうけれども、あの時点で、とにかくアメリカにいる、何か朝鮮人いないかというんで、李承晩なるわけのわからない人間がいる、奥さんがアメリカ人だからちょうどいいだろうって連れてきたわけだから。全く無能な大統領。彼が点数稼ぎに勝手に李承晩ラインつくって、漁業なんかも日本のそこの漁船締め出して、それで竹島を組み込んじゃったわけでしょう。これね、本当に何ていうのかな、全く北方4島とも違って、口惜しい話だけれど、あのときの日本にはもう身動きができなかったんですね。
 かと言って、彼らがそれを自分たちの領土だと言って、あれだけの要塞まで造って、しかもそれを観光の名所にしているという現実の中で、これは難しいですね、なかなか。
 私が運輸大臣のときに、(海上)保安庁が報告に、今週の水曜日に恒例の竹島の視察に参りますと。毎年行ってるのと同じ日に行きますと。どんなことが起こるのって言ったら、あの島から何マイルまで近づくと、まず砲弾が飛んできます。さらに、数マイル進みますと今度は至近弾で3発、大砲が飛んでくるので、そこでUターンして帰ってくるっていうんでね。私も主務大臣だから竹島の事情というのも自分で体験したいんで、私が乗って行くからそのときに一緒に連れてってくれって言ったら、また、何か知らんけど保安庁がどっかに報告したんだな。そしたら、日本の馬鹿外務省が怯えてしまって、それ潰すために、主務大臣が自分の仕事するのは当たり前だ、臨時閣議開きやがって、私の足止めしちゃったんだ。そういう事象がずっと続いているわけですよ。変な国だよ、この国は。とにかく外務省というのはわけのわからない役所になった。きょろきょろきょろきょろ。結局自分の保身なんじゃないの、あそこの役人てのは。
 どうぞ。

【記者】今、日本は変な国だという言葉も出ましたけれども、世界、200以上の国と地域が集まって、ロンドンで今、オリンピックが開催されております。そんな中でも日本のとりわけ、チームといいますか、団体の種目が大活躍しているような、そんな印象を受けるわけなんですが、これは日本人として、とてもすばらしいことではないかなという思いが一点。こうした中で、いよいよ2020年のオリンピックを東京招致、力を入れられているのではないかと思いますが、今の、現在のオリンピックに関して、感想と、それからやっぱり2020年招致に向けて、都民、あるいは全国民に対してかもしれませんが、呼びかけたいことというのを教えていただけませんか。

【知事】(質問した記者に対し)何か自分で自分をいたわっているような感じがするね。どうせなら、やっぱり個人で金とってもらって、チームで金とってもらいたいね。その個人がやっぱり、何かぎりぎりのところまでいって、結局銀だっていうのも、やっぱりどうなんでしょうかね。人間一人一人、選手一人一人のガッツの問題があると思いますな。気合いが足りないんだよね。だから、北島(康介)君は、本当に私も期待したけど、もう歳が無理だなと、個人的にも本当に親しいし、期待したけれども、ああいう形になった。それで、その北島をかばいながら、彼にあこがれて彼の背中を眺めながら育ってきた選手達が、康介さんのためにとにかくメダルとろうっていうので、一緒に。ああいうチームプレーなんていうのは気持ちが分かるけどね。ピンポンで途中で敗退して、チームになって勝ったというのはこれは1つの作戦かもしれないけれども、まずやっぱり個人で金をとって、チームでも金とってもらいたいね。それが国家における国民1人の責任の問題と同時に、何かのときの連帯感というものになるんじゃないかしら。

【記者】それは、まず個人を強め、そうすれば全体の力が強まるだろうと、そういう論法だと思うんですが、そのためには、じゃ、本当に2歳とか3歳からそういう教育が必要なのか、あるいはそのスポーツならスポーツの伸びていくための環境がやっぱり求められるものがあるのか、今、どこに問題があるのか、そんなお考えもおありかと思うんですが。

【知事】ありますね。とにかく、徒競走で100メートルのときに100メートルのゴール寸前で皆止めて、手を繋いで一緒になってゴールインさせるみたいな馬鹿な教育を子供の頃からやったら、競争心なんか出てきませんよ。この間も申し上げたけど、スポーツの世界でも、企業でも商売でも、あるいは科学技術の問題でも、やっぱり優劣があって、その差がはっきりしてくるから才能のある人間は大きな仕事をし、それを支える人間もいるわけだけども、教育の世界だけで常に平等っていうものを絶対視されるみたいな、そんな教育やってたら本当に優れた人間出てこないと思うね。

【記者】耐震診断のことなんですが、災害のときの沿道の建物ですね。これが6月末時点では1000棟の建物が回答をしてこないというふうな結果が出ているようなんですけれども、その理由が、自分のところのマンションなり建物が耐震不足であるということが判明しますと、いろいろな建物の価値自体も下がってくるとか、いろいろなことがあるんですね。
 ですから、耐震不足であるかどうかということさえも明らかにしたくないという、そういう持ち主ですか、いると思うんですが、こういう人たちに対する対策、地震は待ってくれませんので、これも1つ緊急対策として何か考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんですが、これについて何かご見解ありますでしょうか。

【知事】ないね、これは。建物の持ち主って、結局自己負担の問題で、結局我欲ですからね。金払ってまでも、うちは多分、多分、多分、大丈夫だろう、根拠のない楽観でやらないですよ、それは。僕はそれはしょうがないと思う。しかし、これは強制する方法もないんだね。
 特に、個人の一戸建ての住宅なんかだったら、古い木造なんかでも、もう再三何回も申し上げてきたけども、都でもいろんな業者に開発してもらって、せめて家族が寝ている部屋だけは倒壊をさせないという、鉄骨をちょっと張って、そこの部屋だけは安全だっていうそういう措置をしたらどうですかというので、これは格安でできますよ。格安っていったってお金はかかるけど。それでも、あんまりやらないんです。まして集合住宅、マンションになってくれば、アパートになってくれば、それは建て主、持ち主はやらないでしょうな。我欲っていうものが先走って、これをどうやって強制するかって、これまた何か法的な問題がいろいろ絡んできて、強制はできない。

【記者】補助金で誘導するという方法も考えなくてはならない…。

【知事】そんなものには金出せないね。それは、あなた考えてもごらんなさい。もっと困っている人、もっと危ない人いっぱいいるんだから、できませんな。
 補助金たって、建物にどれに何パーセントまで出すの。それは、自分の命懸かってるんだ、店子の命懸かっているんだから、甘ったれちゃいけないよ。
 どうぞ。

【記者】今年も8月15日が近づいてきましたけれども、知事は例年靖国神社に参拝されていますが、今年のご予定を教えてください。

【知事】当然行きます。

【記者】それは、いつもの質問で恐縮ですけれども、公で行かれるのか、個人として行かれるのか。

【知事】公と個人の両方。私の家内のお父さんもいるし、私の又いとこ2人も、海軍の軍人で亡くなっていますからね。それに公人として私人として会いにいくのはどこが悪いんだね。シナが怒るからかね。毎日新聞、反対なのか、賛成なのか、どうなんだい。僕が行くことに、君どう思う。君の意見聞きたいな。

【記者】すみません。個人の意見としてはちょっと言えないんですけれども。

【知事】君個人の意見を聞いているんだよ。せっかくだから、個人対個人で話そうじゃないか。質問した人間がどう考えているか、言ってみろよ。

【記者】会社としての意見もいろいろありますし、個人としても意見ありますけれども…。

【知事】個人の意見聞いているんだよ、君の。個人の意見述べたら首になるのか。そんな会社なのか君の会社は。

【記者】いや、そうではありませんけれども。

【知事】じゃ、君はどうなんだよ。賛成か反対か、俺が行くのに。

【記者】私は個人として行くのは、規制はできないと思いますけれども、公として行かれるのは、ちょっと、疑問がいろいろ残るんではないかと。

【知事】どうやって肩書外すんだね。それは、記帳するときに東京都知事と書いちゃいけないの。馬鹿なこと言うな、本当にお前ら。どこの人間なんだ貴様。日本の近代史知っているのか、現代史。あの戦争がどんなもんだったか知らないから馬鹿なこと言うんだよ。君のお父さん、お母さん、ひいじいさん、ひいばあさん、命がけで国を守ってきたんだよ。
 はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)