石原知事記者会見

平成24年8月10日更新

石原知事定例記者会見録

2012年8月3日(金曜)
15時00分〜15時30分

知事冒頭発言

1 ウォール・ストリート・ジャーナルへの広告掲出について

【知事】ちょっと調子を悪くして休んでましたけど、皆さんのお目に留まっているかどうか分かりませんが、一般の方は知らないでしょうけども、先般、アメリカで一番今のところ公平なウォール・ストリート・ジャーナルに紙面広告を出しました。アメリカの諸君へ、日本から、東京からというので、尖閣のことでアピールをしてというのと、アメリカがこれに対して積極的に、協力の前に共感しなかったら、結局、アメリカは結果として太平洋全体を失うぞということを、私はここで書きました。
 これは当たり前のことなんですけど、実はその前に、先般も私、テレビの持っている番組に呼んだジェームス・アワーという、昔、国防総省の日本通の日本部長ですから、それから国防総省の次官補だったのかな、アーミテージも、これについて同じこと言っているのは、中国の覇権主義は、東太平洋にいろんな問題を誘発しているというのは私たち非常に理解しているし、尖閣の問題についてもよく理解をしているが、この紛争が高まっていったとき、日本がどれまで、自分の力で、自分の国を守るかという、その気概の問題で、それがあまり感じられないというのは、ごく妥当な観察だと思います。特に今の政府のやり方を見ていてもそうだし、もともとこれも、自民党政府の年来の腰が引けた姿勢というか、結局、腰抜けの外務省の言いなりになってやってきた日本の、尖閣も含めた外交政策というものを、アメリカも含めて周りの国から馬鹿にされているという一つの証左だと思うけども、相手が日本の固有の領土に対して、あれは俺のものだと、シナの覇権主義とは、俺のものは俺のもの、お前のものも俺のものというのが典型的なものだけども、その主張で突然、海底資源ということはあるんでしょうけども、尖閣は中国の固有の領土だってね、中国にとって、シナにとって核心的な国家利益だと。しかも、人民日報に今年2月に、我々が日本の今の実効支配というのをぶっ壊すために、もっと果敢な行動に出るぞと、そのための機材もちゃんと準備すると言って、ここが大事なとこなんだけど、それでもなお、日本は戦争というものを覚悟してまで、この国、島を守るのかという問いかけを、この間、ある筋がしていた。
 これは私メディアで読んだんですけども、これ、とても大事な問題でね、ここで私、言うとおかしいけど、もし通常兵器の戦闘が起こったらどちらが勝つかということは、これは日本の専門家もアメリカの専門家もシナの専門家も熟知しているところです。例えば空軍一つとってみても、使用している戦闘機の性能が格段に違う。練習量が違う。日本とアメリカでは共有しているF-15というものの改良型、これ、中曽根(康弘 元内閣総理大臣)さん時代に、FSXというのを作ろうと思ったらアメリカが驚いて反対して潰した代わりに、特に日本とアメリカだけが当時でも最優秀戦闘機だったF-15を改良して使おうということで、三菱重工も結局これに乗って、その戦闘機いまだに使って。これアズ・ビーイング・タイムで、世界で一番戦闘能力のある戦闘機ですけど、それを使って練習時間も換算しても結果が知れている。海軍の能力って格段に違いますが、しかしそれをことさらにね、私が言えば、きっと問題になると。結構なんだ。日本人は、それ知っといたほうが良いんだ。知らないから、びくびくするんで、だから、そういうもの見てアメリカはやきもきしながら、一体、国土を自分で守るというのは妥当で結構なことだし、日米安保でも、台湾ではなしに、尖閣は、とにかく日米安保の防衛の対象の中に入っているということを、この間もクリントン国務長官も言ってますけども、しかしやっぱり自分の国を、とにかく仮に血を流しても自分で守るんだという意思というものを持たない国家というのは、これは国家じゃないし、それは本当に二国間の協定の中の本当のパートナーになり得るかということを、私たち、考え直したほうがいいと思います。
 政局も大分ね、こう白熱化してきて、なかなか予断を許さない状況ですけども、選挙、さっさとやってくれたほうがありがたいの、こっちもね。新党だ何だ、いろんな問題、こちらもこちらで尖閣で今手一杯なんで。
 そういう心境、状況であります。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】今、政局の話もありましたけれども、たちあがれ日本の平沼代表がですね、今月早々にも石原氏が、石原知事が新党構想について態度を正式に表明するというような見通しを示していらっしゃるんですけれども、この見通しは正しいものでしょうか。

【知事】全然、私、彼とそのことについて話したことありませんが。この問題について、周りの人が言ってくれるのもありがた迷惑でね、決めるときは自分で決めますし、相談をして決めますけども、今の政局の動きがどうなるかも分からないしね。

【記者】さっさと、今、選挙やってもらったほうが良いというお話、ありましたが、知事はかねてから尖閣諸島を買う、そのときまでは今の知事の職に専念する、それまで……。

【知事】それは言い出したことだしね、これ、途中でほうり出すわけにいかないでしょう。

【記者】そうすると、さっさと選挙があった場合というのは、これはそっちのほうにコミット(関与)するというのはなかなか難しい…。

【知事】難しいですな、それは。数万人の人達があれだけ拠金してくれていて、東京が言い出したことを、国が勝手に多角的に交渉しているというけど、そんな事例はご当人栗原さんに聞く限りありませんね。電話で掛かってきて、電話で話をしているらしいけど、それは本当の話し合いになるんですかね。当人は全く国を相手にするつもりないと言っているのだから。世の中の商売というのはそうなんじゃないのかな。僕はやっぱりそう思いますけどね。物事の売買、個人と個人との間でも、企業と企業の間でも、相手選ぶ権利というのは持ち主が決めることだし、特に人のものを買おう買うまいということの話ですから、そういうこと。

【記者】知事は人材育成に身を投じたいとお話しされて、政治塾のほうにも深くコミット(関与)して…。

【知事】それはこれからだってやりますよ、私ね。協力して。

【記者】続いて尖閣諸島の件なんですけれども、ちょっと確認にはなってしまうんですけれども、上陸申請に当たってですね、栗原さんのほうからは同意があったというふうに、知事、以前、おっしゃって…。

【知事】当たり前じゃないですかね。

【記者】それは口頭のみで、文書での同意っていうのはまだ得られてないっていうことで良いのでしょうか。

【知事】文書は、私、一緒に何度も飯食って、フェース・トゥ・フェース(対面して)で話していて、どうぞやってくださいという限り、私が国に申請すれば良いので、栗原君が、東京が買うと言っているのに、東京に売りたいと言っているのに、東京が調査のために上陸する、それを拒む理由はないじゃないですか。それはまた、国家がディスターブ(妨げる)する、遮るいわれもないじゃないですか。そんなもの裁判かけたら勝ちますよ、こっちが。

【記者】そうすると、文書での同意というのはまだ得られてないって…。

【知事】文書なんてどうにでもなる、そんなものは。やれば良いんで、やることを、こっちが。

【記者】東京都のほうではですね、申請に当たって、やはり栗原さんの同意文書、これを入手した上で…。

【知事】そんなもの、いつでも取れますよ。

【記者】申請するということですが…。

【知事】いつでも取れます、役人が言っているだけのことで、役人は役人の手続き考えるから。はい、ほかに質問。

【記者】上陸申請を…。

【知事】上陸はするんだよ、するときは。商売のために。それを何で、民間の商取引を国が妨害することができるの。そんなもの、裁判したって勝てるに決まっているじゃないですか。

【記者】申請のリミットは、知事の中で頭にありますか。

【知事】いつでもやります。
 はい、どうぞ。

【記者】新銀行東京について1問お尋ねさせてください。今日、新銀行東京の4〜6月期決算が発表されてまして、中期計画始まって最初の決算発表になりますが、前期の4〜6月期に比べると、少し最終利益幅落ちていますが、黒字を確保して、業務純益も黒字を確保していると。この経営状況、どう見てらっしゃるか伺えればと思います。

【知事】非常にありがたいですね。これ本当に少数精鋭主義で、この間も激励というか感謝に銀行を訪れましたが、僅かな人間でよくやってくれていると思うしね。
 この間もトヨタの奥田(硯 元日本経済団体連合会会長)に会ったんだ、ある会で。私、仲間を忍ぶ会で言ったんだ。お前さんのいい加減な人事のおかげで、ひでえ奴を突きつけられて、社長に迎えられて、大損したんだよって。そしたら、俺よく知らないと言うから、知らないだろうけどね、知らないでいて人を差し向けておいてね、重要人物だから大事にしてくれと、君から聞いたけど、ちっとも大人物じゃなかったじゃないかと言って、憂さを晴らしたことにならないけど、そんな話をしましたかね。
 何とか、寺井(宏隆 新銀行東京社長)さん以下の努力で、とにかく銀行があんまりやらないリスケジュール、つまり返済の期限を迫ってきたけど、延ばしてもいいですよ、延ばす限り、こういう努力を、内部努力をしなさいというんで、そういう相談に、親切に、密接に乗ってきた結果が今の形になったと思います。次の段階でいろいろ考えたことはやりますけどね。
 どうぞ。

【記者】ロンドンオリンピックの件で聞きたいのですけれども、日本競泳陣のメダルが戦後最大になったりですとか、あと内村選手の体操金メダルと、日本人が非常に頑張っておりますけれども、知事はどのようにごらんになっていますでしょうか。

【知事】まあまあの結果じゃないですかね、うん。取れるもので取れなかったり、取れないと思っても取れたりして。北島(康介 競泳選手)君て、僕、非常に評価して期待もしたけど、トップアスリートの肉体の限界というのはあるんだね。それは、人間というのは誰でも老いてく。私なんかもうすごく、ものすごくいい年だけどね。今度も、訳の分からない風邪ひいて治らなくて往生してますがね。
 あのイチローだって、あの年になれば、ちょっとした1ミリぐらいの幅の感覚というのが分かんなくなってくるんだね。僕、ジャンボ尾崎にも聞いたけど、尾崎は今でも、シニアの試合に出ずに、普通の試合に出て頑張っているけども、彼も言ったけど、昔は、本当に長いロングパットでも、1、2ミリぐらいの誤差というのが読めたって、感じで、手触りで。それが駄目になってくるんです。やっぱり年齢っていうもののもたらす肉体というか、神経というか、そういうものの衰弱で、これはしょうがないと思うな。やっぱりイチローも、去年から今年にかけて、その前の年のように順調じゃない。松井(秀喜)君もそうだし、北島だってやっぱりね。そりゃ意識は強く、意思は強く、頑張ってきたけども、本当に水泳の中の極意の中の極意というものを成就させる筋肉とか神経の動きというのは、衰弱していくんだな。彼は本当に偉大なスイマーだったけどね。人生の1つの凋落というかな。お経にもあるけどさ、人間の世の中に行ったら、水の泡と、水泡とね、炎のように、定まるところがなくて、それを嫌う心、忌む心というものを捨てないと人間は往生しないと言うけど、彼だって同じことじゃないですかね。仕方がないね。残念だけど、無念だけども、人間って年齢にはなかなか本当に勝てるもんじゃないですよ。

【記者】2030年のですね、新しいエネルギー政策、これが今、野田政権の中で3通りの選択肢を出してですね、国民の人に選択をさせているわけですけども…。

【知事】3通りってどういうこと?

【記者】3通りと言いますのはですね、2030年に原発をゼロにするのと、それから15%にするのと、それから20〜25%に原発をすると、この3通りをですね、選択肢として出しているわけです。これに対してですね、こういう選択肢を出すこと自体がナンセンスなのかどうか。それと、石原都知事でしたらこういう選択肢をもう一つ出したいと、こういうものが、お考えがあるんでしたら教えていただきたいと思います。

【知事】原発を含めて、エネルギーというものの供給能力というのは、経済、産業にとって、決定的な要因ですね。ですから、これは何もエネルギーだけが経済の経過というのを左右するものじゃないにしても、経済政策も含めて、一体これから先、日本人がどういう社会を望み、どういう生活を望み、しかも人口の増減、年齢層の非常に著しい変化というものを見据えた上でも、あるタイムスパン(期間)を講じて、例えば10年なら10年、ワン・ディケード(10年)、一番分かりやすいんでしょう。そのワン・ディケードの中で、どれだけの成長率を果たすかということを考えてかかるべきで、0から15%、20何%という、そういう大雑把な物事の規定でことは決まらないと思いますよ、私。非常に乱暴な素人じみたものの言い方であって、それから人によってみると、3つ講じたのだったら、これ勘繰りかもしれないけど、真ん中の15%落としどころだという、そういう意見があるけど、これまた分からない。
 しかし、出し方が粗雑で粗暴だから、結局そういうことかという憶測を生まざるを得ないかもしらないけども、もうちょっと緻密にものを考えてもらいたいのと、それから私は、これから出るあるコラムにも書いたんだけど、人間というのは目先のもの、一番気になる目先のものってカネなんだ、カネ、経済。このところ続いている豪雨、豪雪、あるいはアメリカの内陸農業等に致命的な打撃を与えている干ばつ、これ異常気象じゃないんですよね。通常気象になっちゃったんだ、これが。それは今度だって、原発というものを縮小して運営するとなると、結局、他のエネルギーで電気作らなくちゃいけない。そうすると、東電1つに限ってみたって、あそこが排出するCO2はたしか今年で12%増えたんですよ。
 こういったものが世界中に蔓延していくと、温暖化がどんどん進むの。進む結果どうなるかと言ったら、そりゃ北極海の氷というのは、ハンセン(米航空宇宙局の大気学者)が言ったとおりでいうと、あと10年足らずでなくなるんでしょ。ヒマラヤの氷も溶けて流れる。私、前にも言ったと思うけど、フランスのアルプスの、ローヌ氷河を眺める展望台なんてのは、この頃行ったって客がいないの。氷河、見えないんだから。10キロ以上、上行かないと。そういう水が、海へ流れたらどうなるかと言ったら、水が増えれば、蒸発の量も増えるわけですよ。水温どんどん上がってくる。私のホームポート(母港)の葉山のヨットハーバーなんかだって、僕の船もかなり大きな船だけど、喫水が足りずに、本当の大潮を待たなかったら、上がれないし、引いているときは、底つかえて、船、上へ上げることができない。そういう現象がね、近くの川でもはっきり見られるし、大潮のときの干満の水位というのは昔と全然変わってきちゃって、びっくりするぐらい、潮が引いたり満ちたりする。それ、結局、蒸発して、地上に落ちてくるわけでしょ。そういう循環がなかったら、そりゃえらいことになるわけだ。
 だから、豪雪、豪雨とか、一方、温暖化で、内陸の気温が上がって、海からの湿気が届かない。これはもう自業自得で、私は温暖化による通常現象だと思いますよ。今年もどこか、この夏、サミットやるんでしょ、先進国の。過去3年間、スポークスマンがこの問題について触れたら何て言ってきましたか。3年とも、この問題よりも、ちょっと問題が、大事があったので、そっちに話して、主に経済の話でしょうが。温暖化対策については半歩前進ですと、3年間同じこと言ってきた。3年間で1歩半前進なんだ。こんなもので今の温暖化というのに歯止めが利きますか。繰り返しだけど、去年のダーバンの温暖化についての会合あったけど、結局アメリカとインドとシナという、一番多量の排出国が、シナに至っては、温家宝(首相)が、うちは発展途上国だって豪語して、だから嫌だ、抑制義務は負わないと言うの。インドも同じなんだ、アメリカもそうだ。私たちは自分で自分の首を絞めてるということを、もうそろそろ知ったほうが良いと思うけどもね。
 ということで、エネルギーの問題もそうです。原発というのは人間が考えた。日本の場合には、人為のミス。人災というか、データがありながら、それを予見しなかった。そういうことで、あの惨事が起こりましたが、私は1つの文明論だけで捉えると、一番大事なものが、つまり、生命の存在というものを根本的に脅かしかねない温暖化の環境問題というのは、完全にネグられてるということを、とっても危ないと思いますがね。私も君も、そう長生きする年じゃないから良いけど、こういう若い連中、かわいそうだよな。
 はい、ほかにありますか。はい、どうぞ。

【記者】以前、会見で石原知事が、東京電力のテレビ会議の録画映像について、国有化された性格という点と、ほとんど、その会議映像については国民の財産ということで、当然開示すべきと発言されたんですが、これを受けて、東京電力が7月10日の火曜日の記者会見で、石原知事のこの発言について、株主としての発言ならばきちんと対応したいと回答したんですが、その後いまだに消極的であります。
 で、この公開方法をめぐってなんですが、録画映像について、東京電力側が指定する一部公開という形になっていまして、これが東京電力のホームページ等で公開して、国民が見れるというような状況にないのですが、東京電力の多くのユーザーを抱える東京都として、この映像公開について、申し入れや要請などするかという点について、お伺いできればと思います。

【知事】ああ、それは公開すべきでしょうから、申し込んでもしないのだったら、逆に今度はユーザー(利用者)である都民を代表して、東京都が申し入れしますよ。当然だと思いますよ。それは、映像って、一番生々しくはっきり分かる。
 あの尖閣の衝突事件にしたって、一色(正春 元海上保安官)君が自分の進退をかけて、一部公開したけど、もっと隠されているのたくさんあるんですよ、聞いてみると。まあ、それ見れば、あれは明らかに意識的な体当たりであるということがよく分かるし、それを、彼らが何をもってしたかということも、自ずと分かってくると思うんだけどね。
 映像というのは、一番直截にものを分からせるから、当然公開すべきだと思う。それで一部だけではなしに、どこまで皆が本気になって見るか分からないけど、あなた方は、それ見た後で、君なんかは特別のメディアなんだから、そういうものを編集して分かりやすくして、さわりだけでも一般の市民に公開してくれよ。そういう作業もやったらどうだい、メディアなんだから。
 はい、どうぞ。

【記者】ロンドンオリンピックに、ちょっと話を戻させて頂きたいんですが、先ほど知事、年齢のことをおっしゃいましたけども、知事とほぼ同年代の、馬術の法華津選手は、あの…。

【知事】同年代じゃないよ、こっちは。俺より9つは若いんだから。

【記者】若いんですね。あの……。

【知事】75過ぎると、がくっと年とるんだよ。

【記者】最高齢ということで、外国メディアからも注目を浴びているみたいですが。

【知事】うん。いいじゃないの。年とったって。

【記者】それと、また柔道なんですけども、今回、柔道が不振で、まだ全部は終わってないみたいなんですが、このままでいくと男子は金メダルがない状態になるとも言われておりますが。

【知事】柔道というのは、日本が発生地ですが、なかなか面白いスポーツなんで、非常に世界に普及して、今の体たらくになった。ただ、やっぱり体格の違う、あるいは価値観の違う、情操の違う外国人、特に、体の力のバランスも日本人とは違う、背丈の大きな西洋人たちの柔道というのは、見ていてちっともきれいでないね。獣の喧嘩みたいで、日本人が使うきれいな技のきれが全く感じなくて、スポーツの醍醐味、柔道の醍醐味というのはどっかいっちゃったね。かけ逃げなんていうのを、今度、やっと禁止されましたが、あんなもの今まで野放図にほったらかしにされてたしね。私は、これはしようがないと思うね。
 この間も、ブラジルの食風俗があれだったら日本食がいいというのやって、向こうではのり巻きの中にチョコレート入れて食うと言うんだよ。これは寿司じゃないな、これ。しようがないよね。柔道もそうなっちゃったんだから。
 はい、どうぞ。

【記者】先ほどの尖閣の上陸申請について、すいません、もう少し……。

【知事】しつこいね。いつでもやるんだよ、やるときは。

【記者】はい。先ほど、知事もいつでもやるというふうにおっしゃっていたのですが、そうすると、まだ上陸申請をされていない理由というのは、どういった事情がおありなんでしょうか。

【知事】それは、栗原さんと話がもうじき煮詰まりますけど、その上で、そういうステップを踏まなかったら、しようがないんじゃないですか。

【記者】基本的には、栗原さんの同意の文書を得て申請する…。

【知事】いえ、別にそれは、こういう契約をしました、こういうことになりましたから、私たちは、仮契約の段階でも、本当にそれを履行するためにこういう行動をとりましょうと、国に言えば良いんだから、栗原さんの内諾を得る必要はないでしょう。栗原さんは売るつもりでいるのだから。

【記者】同意が口頭で取れている以上、文書は、先ほど、文書もすぐ取れるというふうに…。

【知事】書いて出せばいいんじゃん、あんなもの。

【記者】それが得られなくても、いずれかのタイミングでは、もう申請を出すということで。

【知事】何?

【記者】文書が今無いということなんですが、要は、文書をすぐ取れるというふうにおっしゃっていましたが……。

【知事】いや、文書を取れる取れないじゃないんだ。申請をしたら良いんだ。そのために文書が要るんだったら、文書を出したら良いんだ、その場で。ということじゃないですか。

【記者】文書は必ずしも必要ではないというお考えという……。

【知事】いや、必要なら必要で出しますよ。手続きの上で。ということじゃないですか。

【記者】先ほども質問出たんですが…。

【知事】先ほどの質問はいいよ。くどいよ。

【記者】タイミングはいつごろまでに判断をしようと……。

【知事】そんなものは言えない。めったに言えない。人の商売に口出す必要はない。
 はい、終わり。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)