石原知事記者会見

平成24年7月13日更新

石原知事定例記者会見録

2012年7月6日(金曜)
15時00分〜15時25分

知事冒頭発言

1 ロンドン出張について

【知事】1つ、私から。7月24日から8月7日まで、ロンドンを訪問して、オリンピック関係の事ですけども、ロンドンオリンピック競技大会の開催に伴って、ロンドン市から招待を受けておりますので、大会の運営状況を視察するとともに、市長の主催するレセプションにも参加します。彼に一度、韓国でも会っていますが、JOCのジャパンハウスでのIOC関係者に対するプロモーション活動も通じて、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会への招致に向けての支持を訴えながら、また、日本の代表選手も応援してまいります。詳細については係から聞いてください。
 質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】東京電力の福島第一原発の事故に関連して、1問伺えればと思います。昨日、国会の事故調査委員会の報告書がまとまりまして、庁議で猪瀬副知事も少し触れられていましたが、人災で起きた事故であると。政府や東電のヒューマンエラーによる人災だという評価になっておりまして、国の基幹的な部分を揺るがすような事故が人災で起きたという評価について、知事のご感想をいただければと思います。

【知事】全くそのとおりだと思います。それは、組織そのものの作り方が間違ってたと思うし、バラバラな利権構造になっているし、それから人事の配置もそうですし。それからもっと典型的な事は、貞観年間に仙台市の奥の奥まで来た津波があったという事を、わずか数年前に地質学者が痕跡を調べて証明して建言したのに、一千年前の津波がまた来るか、みたいな話で放っておいて、しかもそういうものを、建言を受けながら、緊急のときに炉を動かす、カバーする臨時の電源ですか、それも津波の及ぶレベルに置いたためにああいう破滅をした訳でしょう。全て情報というものを精緻に心得ずに、無視して行った人災だと私は思います。
 どうぞ。

【記者】今日お昼に、中山石垣市長から尖閣研究の本を寄贈されましたけれども、これの感想とですね…。

【知事】感想って、読む暇ない、こんなに厚い本なんだもの。

【記者】では、活用方法と意義ということについて。

【知事】方々に配るよ、だから。とてもあんな本、読めないんじゃないかな。こんなに厚いんだから。
 どうぞ。

【記者】尖閣の関係なんですけれども、うちの記者もちょっと取材したんですが、戦後、1950年、51年なんですけれども、地元の伊良部島などでは、南小島とか、あと魚釣島でのかつおぶし工場を、加工場を造って、実際稼働していたと。

【知事】戦後も?

【記者】戦後ですね。1950年、51年ですね。それから、あと琉球大学などでは、1950年から68年まで学術調査を5回ほどやっているという事実もあります。これは、これまでは1940年に古賀さんが工場を閉鎖してから無人島になっていたという事になっていますけれども、事実上、地元ではあの島を活用していたという事実にはなるかと思うんですが、この点について知事の所見を。

【知事】それは大変良い情報だと思いますね。アメリカの統治下でも、日本人が実質的にあそこを国土として活用して、実効支配と言いましょうか、施政権はアメリカにあった訳だけども、日本人がそこで、あの島を国土として、元の国土か知らんけどね、戦争中だから。活用してたという事で、アメリカもそれを認めていたんだから、結構な事じゃないですか。

【記者】それで、これ、専門家の間では、やっぱり政府もきちんとそういった活用の実態について調査すべきじゃないか、という意見もあるんですが。

【知事】すべきだよ、そんなものは。自民党も今の民主党も、したら良いんだよ、そんな事。そういうものを踏まえて、はっきり物を言い返したら良いんだよ。ついでに、丹羽っていう馬鹿大使にも教えてやったら良いんだよ。あんな者、何で首にしないんだ、本当に。だって公式の席で、日本はシナの属国であったほうが幸せに過ごせるなんて言う大使が、日本の全権代表の大使として北京に行ってるっておかしいよ。
 どうぞ。

【記者】橋下市長の維新八策に関することで、ちょっと伺いたいと思います。

【知事】いや、あんまり良く読んでいないんだ、僕、八策っていうのは。

【記者】昨日なんですけれども。

【知事】八策っていうのを読んでくれよ、そこで。

【記者】骨子を申し上げますと、消費税の地方税化であるとか、あと憲法9条を変えるかどうか、国民投票に委ねるとか、公立学校教員を非公務員化するとか、そういうような内容を書かれているんですが。

【知事】それはいろいろ問題があって、大きな議論の対象になるでしょう。
 ただ、1つ言っておく事は、憲法9条を改正するなんて間違いだ。憲法は破棄したら良いんです。忘れたら良いんです。捨てたら良いんです。これは何回も言ってるけど、法学史、法律の歴史学の中で言っても、占領軍が作った占領の統治のための法律を、独立した後も継承している事例っていうのは歴史に無い。歴史というものにあるか、無いかというのが一番大事な原則なんだよ。あんなものは、とにかく責任のある政府ができたら、これは認めないと言って次の日から新しい憲法をつくったら良いんですよ。

【記者】橋下さんは、その知事の持論をお聞きになって何か感想をおっしゃっていましたか。

【知事】どうもそこの意見は違うみたいですな。あの人は弁護士だけども、法律家かどうか知りませんが、どんな事例を探しても、私たちがこの憲法を認めないと言って、それが法律違反になるという事の法的根拠はどこにも無い。

【記者】すみません、もう1点。橋下さんとの連携については、かねてから知事も話していらっしゃるんですが…。

【知事】くどいね君は、その話。本質に関係ない、都政に。もう駄目、はい次、質問。

【記者】すいません、これだけ。

【知事】駄目。いや、君の質問じゃないんだ。はい、どうぞ。

【記者】東京電力の情報公開について、お伺いいたします。
 先週金曜日の6月29日、福島第一原発事故時の東京電力本店幹部と原発所長の事故時のやり取り等を収めたテレビ会議システムの記録を証拠保全するよう、株主42人による申し立てが行われました。東京電力側は、社内資料であり、なおかつプライバシーを理由に公開を拒否しております。しかし東京電力は公的資金の投入をされており、このテレビ会議のやり取りは真相解明の重要な資料であり、国民の財産だと思うのですが、東京電力の株主でもある東京都としてどのようにお考えか、都知事のご見解をお伺いいたします。

【知事】私は東京電力の問題は、猪瀬(直樹 副知事)さんに任せ切りにしているので、あの会社の体質について詳細は分かりませんが、私は、そういう大事な資料があり、しかもこれがほとんど国有化された性格になったんなら、当然、開示すべきだと思います。

【記者】これについて、猪瀬副知事は、経営に関してなど、情報公開を求めたりなどの方針を示しているんですが、この事故究明という点に関してはどのようにお考えでしょうか。

【知事】ジコ何?

【記者】事故究明の情報公開については、どのようにお考えでしょうか。

【知事】ジコ究明のジコっていうのは、アクシデント、それとも己。どっちのジコ。

【記者】原発事故の。

【知事】ああ、事故のね。それはやっぱり、基本的には私は人災だと思いますけどね。起こった出来事のメカニックな究明というのは、あらゆる資料を基にして解明されるべきだと私は思います。そのための資料だったら、当然開示されるべきだと思います。

【記者】上野の動物園でパンダが生まれましたが、知事、この間「センセン」「カクカク」という名前にしたら良いんじゃないかとおっしゃっていましたが、生まれたのは1頭でしたので、そういう訳には行かないのかなという事ですが、今、どういう風にパンダについて考えていますか。

【知事】全然興味ないね、俺、あんなもの。2年経ったら返さなくちゃいけないんだろう。

【記者】その2年経つと返さないといけないというのも、何か勿体無い…。

【知事】せめて「センカク」という名前を付けて返してやれば良いんだよ。それで向こう、安心したら良いんだ。
 はい、ほかに。どうぞ。また朝日か。

【記者】すいません。尖閣の問題で。6月30日のニッポン放送で…。

【知事】何、嬉しそうに笑ってるんだよ。何かうっとりした顔して見てる、僕の顔を。そんないい男か、俺。映したいよ、君の顔。

【記者】質問を続けてもよろしいですか。6月30日のニッポン放送の番組で、知事、収録放送で出られたと思うんですが、その中で、尖閣の問題で、東京も必要な調査を国に協力させていくし、その、取りつけているという、そういう事をお話しになられたと思うんですが、具体的にどういった事を国とお話しされているかをお聞きしたいんですが。

【知事】とにかく、測量という事が必要なら、測量するために上陸、或いは出来るだけ早く私は取得したいし、その方が国民も納得してくれると思うから。国との契約の中で、年度内は売買しないという、これは法律的に規制力が無いんですよ。ですから、そういうものを無視して、とにかく栗原さんを説得する。栗原さんも国を気にするだろうから、国もどうぞという事を言って、年度内の取引というものを認める事だね。そういった協力をする事で、国は間接的に尖閣を守る事が出来ると思いますよ。

【記者】じゃあ、その測量へ向けた国との調整に加え、年度内に取引をする事についても、国ともう協議を始めていらっしゃるという事。

【知事】そうですね、そうしようと思っています。

【記者】そうしようというのは、これから、そういう協議をして行くおつもり…。

【知事】とにかく、全ての協力をすると言ってますから。

【記者】国がですね。

【知事】はい。
 どうぞ。

【記者】朝日新聞の…。

【知事】また朝日か。アサヒというものは飲むもので読むものじゃないんだ、あんなものは、という事を言った人がいたけど、至言だねえ。俺はとっていないから分からないけどさ。はい、何だい。

【記者】先ほど、ロンドンに知事が行かれて、招致活動されるという発表をされたんですが、現地でいろんなつながりがあると思うんですが、今回の知事としての戦略とか狙いがあれば教えて…。

【知事】そんなもの、いちいち戦いの前に「こうやってこういうパスして、こっちから攻める」なんて言う馬鹿がいるかね、あなた。

【記者】地域的にどこら辺をというのはあるんでしょうか。

【知事】わからない。
 どうぞ。

【記者】先日、ロシアのメドベージェフ首相が国後島に行きまして、ロシアの領土という事をアピールしたんですけども、尖閣とはまた全然状況が違う話なんですけども、このロシアの動き、どのようにご覧になりますでしょうか。

【知事】本当に口惜しい話でね。晴れた日に知床から見ると、国後、それから昔の択捉、択捉っていうのは温泉がたくさん湧いて、濃密な森もあって、あれ、恐らく沖縄本島より大きいんですよね。悔しいね。あれが今、日本の手の内にちゃんと領土として残っていれば、大観光地になっているね。彼らはそんなノウハウもないし、力もないし、金もないし、ロシア人があそこまで観光に行く人間もほとんどいないと思いますよ。そういう点で私は、国後、択捉、眺める度に、本当にたまらない思いになりますがね。
 しかし、あのロシアのこれからの行く先というのはどうなんですかね。金も無いし、人もどんどん減ってるし、技術も無いし、何か無理やりして宇宙開発なんかやっているけども、そんな事より、もうちょっと自分の国内に目を向けて、国内の充実を図ったら良いと思うが。プーチンとメドベージェフの、あの島に対する基本的な考え方はちょっと違うような気がしますが。そういうものを念頭に置いて。
 それからやっぱり、あれだけの事をされ、腹立てるなら、今の外務大臣が何でロシアに行くんだね。行かないっていう事が1つの国土に対する日本の意思表示になると思うけどね。日本の外務省のやっている事は、もう拙劣というか馬鹿馬鹿しいというか、本当に外交のイロハを知らない。行くべきじゃないよ。何しに行くんだよ、玄葉大臣。玄葉っていうんだろう、外務大臣。
 はい。

【記者】最初に質問がありました福島第一原発の国会事故調査委員会ですけれども、その報告の中で、津波より前に地震で施設が損壊した可能性も否定できないという報告がありました。それについては、どう受け止められますか。

【知事】これは分かりません。否定出来ないという事は、完全に肯定してる訳じゃないんだろうから。ただ、日本の建築工学からいったら、あの位の地震で、非常に重要な危険度のある構築物が崩壊するとは、私は考えられません。でもこれは分からない。
 ただ結局、津波というものが重なってあの大惨事になったのでね。だから私は、マンハッタンにビルを建てるのと違って、東京みたいに地震の多い所でこれだけの高層ビルが建って、しかもその数百メートル先で1センチの狂いもなく物が建つ、そういう工法というものを日本人が心得てる限り、原発の建築っていうのは、建築的に見てそんなに脆いものじゃないと思うし。あなたの言うとおり、否定出来ないと言われれば、否定出来ないのかもしれないけど、肯定している訳でもないし、そこの所は判断に難しい問題でしょうな。
 はい、どうぞ。

【記者】シンガポールの訪問、ご苦労さまでございました。

【知事】余計な事を言うなあ。

【記者】シンガポールの方で、都知事があいさつの中で、東京と大阪がリニアによって一体化していくもんだという風な事をおっしゃってましたが、具体的には、これはどういう事を想定しておっしゃっているんでしょうか。

【知事】葛西(敬之 JR東海会長)君が言ってるけど、何年か後には、名古屋だけじゃなしに更に延伸して大阪とつなぐ。また、つながらなかったらリニアを造った意味も無いし。で、東京の発進地は恐らく品川でしょう。大阪は新大阪の近くらしいんだけどね。これは殆どドア・ツー・ドアで飛行場に行くのに1時間以上かかってる現況の中で、ドア・ツー・ドアで東京と大阪が1時間以内で結ばれたら、これは画期的な事ですよ。だからその話をした。途上国の人が多いから、皆ぽかんとして何だか分からずに聞いてたけど、大体超電導っていうのが何だか分からんだろうから。
 ただやっぱり、日本もそう捨てたもんじゃないぞと。日本の技術は、何だかんだ何番目とか言ってるけど、スイスが1番で日本が25番目、ちょっと違うんじゃないかな。まあどうでもいいや、そんな事は。
 ただ、それじゃ、超電導のリニア、どこがやってるかって言ったら、ドイツはもう諦めたんだから。日本は唯一やってる訳ですよ。しかも日本の場合にはクリアランス(隙間)が5センチだからね。僕はあの「トランスラピッド」っていうんですか、ドイツのを見に行ったけど、その時に故障して動かない。後で聞いたら、工事の時にちっちゃなワッシャーを落としたんだって。だけど、クリアランスが3ミリか何かですから、ちっちゃなボルトが落っこちたら、もう引っかかっちゃって、それで動かなくなったんですよ。日本の場合には5センチですからね。これが超低温でなくて、普通の低温なり常温の超電導みたいなものが出来れば、これはものすごい発明、ものすごい技術の進展だと思うし、世界全体のトランスポーテーション(輸送)が変わってくるんじゃないですか。少なくとも、東京と大阪の間に飛行機は無くなりますからね。そうしたら、東京と大阪の空港はもっと活用性が出て来るし、ハブの役割も果たす事になる。
 この間も専門家の意見を聞いたんですが、アメリカから来る連中はせいぜい日本が限界で、ここでワンストップして、それから乗り継いで行く所に行きたいと。日本にもやっぱりビッグビジネスもありますしね。ですから、東京や大阪の空港のキャパシティーを広げる事がもう非常に大事なんだけども、日本の政府はそこまで頭が回らないし、外務省の馬鹿はまた横田の問題に茶々を入れて来て、僕と亀井が強引につくった4本目の滑走路が出来たから、もう外国から日本へ乗り上げるリクワイアメント(要求)は無いんだって、これはもうナショナルイシュー(国家の問題)じゃ無いって事、馬鹿な事を、シンポジウムの前にだよ、わざわざやって来た前の司令官のホールとか、(国防総省の)日本部長だったジアラなんかに言う訳ですよ。何の根拠も、何の知識があってそういう馬鹿な事を言うかね、日本の外交官。北米局長をやっていて、今どこかジュネーブの大使になっちゃったけども、あのまま行ったきり帰って来なきゃ良いんだ、あんな奴は。
 はい、終わり。どうぞ。

【記者】またシンガポール出張中の話なんですが、知事が尖閣問題に絡んで、アメリカで意見広告を出されたいというお話をされたと思うんですが、アメリカで出す意図ですとか、都が出すのかですとか、そういう具体的な形ですとか、時期ですとか、ご説明いただけたらと思うんですが。

【知事】駄目、これは。大事な事だからね。広告が出てから評価してください。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)