石原知事記者会見

平成24年6月13日更新

石原知事定例記者会見録

2012年6月8日(金曜)
15時00分〜15時21分

質疑応答

【知事】冒頭、私から申し上げる事がありません。質問があったらどうぞ。

【記者】尖閣の件で丹羽中国大使の発言の件なんですけれども、都の尖閣購入が実行された場合に日中関係に危機をもたらすと発言していた訳ですけど、更に5月4日、これは東京都が尖閣諸島の寄附金を開設し、それから都庁にもたくさんの賛同の声が寄せられ始めていた時期な訳ですけれども、この時に、習近平、中国の副首席との会談に同席した際に、丹羽大使がこういう日本の状況について、「日本の国民感情はおかしい」とか「日本は変わった国なんですよ」という発言をしていたという事なんですが。

【知事】あいつが変わってるんだよ。大体、伊藤忠の社長ごとき者を、利害関係がある上に、会社人でもあってだよ。この頃の経済人というのは粒がちっちゃくて、何かいうと我が社、我が社しか言わない。せいぜい業界のことしか言わんけど、そんな者をこの日中関係のこういう形の時に、大使で送るほうが間違ってますよ、私に言わせると。
 大体、尖閣の問題があった時に、あの例の衝突事件の時かな、真夜中に、どうせいびりで何回も呼び出され、その度「はい、はい」と夜中の3時、4時に相手の外務省に何の都合か知らんけど出て行くのも馬鹿だよ。俺は寝てるからって、日が変わってからにしろって言ったら良いじゃないか、そんなもの。失敬千万な、奴隷のごとく使われて。まあ、そんなものだね。日本の外交官というのは。
 昔、中江要介という、私の親しく可愛がった奴がいるんだ。舞台のバレエの台本なんかやる。この男がインテリゲンチャ(知識人)で、ましだと思ったら、中国大使になったらがらっと変わったね。驚くほど変わった、物の考え方が。とにかく日米安保、日米関係というのは中国で障害なので、これを無くさなきゃいかんみたいなことを言い出して、外務省は非常に困惑して迷惑したんだけど、そういう日本人が突然、北京に行くと誕生するというのも、不思議というか恐ろしいというか、まあ、相当な所なんだね、やっぱり。どんな風な抑圧、どんな風な洗脳が行われるか知りませんがね。少なくとも、日本を代表して北京にいるべき人物じゃないって事だな。

【記者】東京都として、また知事として、この発言に対して丹羽さんに対して何か抗議等をされるお考えは。

【知事】もう少し、自分の国のことを勉強して物言えって。でなきゃ、大使の資格無いよ、そんな奴は。
 はい、どうぞ。

【記者】『SAPIO』という雑誌に、知事がインタビューに答えてらっしゃって、その内容についてお聞きしたいんですが。以前、会見で、新党のことは何も決まっていないというような事も、お話し、1週間ぐらい前でしたか、されていらっしゃいましたが、国会が今、滅茶苦茶になっていると。で、この状況をどうにかしなくてはいけないという事を知事はそのインタビューの中でおっしゃっていて、核になるのは新党になるというようなお答えをされているんですが、これはもう、大阪の橋下市長と組んで次期衆院選を見据えて、石原新党を立ち上げてやって行くという決意を固められたという事なんでしょうか。

【知事】何とでもご想像ください。物事を具体的に発表するときは、タイミングを見てしますから。

【記者】あと1点、その同じインタビューの中で尖閣のことにも触れていらっしゃいまして、来年3月が目途になると、購入の。それ迄は都政に徹したいという風にされていらっしゃって、東京オリンピックは次のしっかりした知事にやってもらえれば良いというような事もおっしゃっているんですが、これは4月に購入が済んでしまった場合は、東京オリンピックの選考までの間に、もう次の知事に知事の職を譲るというようなお考えだという事ですか。

【知事】あなた方の乏しい想像力で、いろんな事を考えたら良いんじゃないの。
 はい、どうぞ。

【記者】東京電力の株主総会が今月27日に開かれますが、東電は、東京都が提案した顧客第一という経営理念を定款に盛り込むことに反対の姿勢を示しています。猪瀬副知事が、都の改革案について株主に賛同してもらうように文書やホームページで呼びかけていますが、これについて知事のお考えをお聞かせください。

【知事】なぜ定款にそれを謳(うた)えないのかね。それがそんなに彼らの営業に拘束力を持つんですかね。普通、憲法みたいなもんだからね。こういう事故も起こした訳だし、いろんな問題を抱えている訳だから、これから何とか体制の整備もし、体質変えていかなくちゃいけない時に、東京都が提案した条件を呑めないって言うんなら、あんまり期待が持てないという事を周知させる事になるんじゃないでしょうか。そこら辺が今の東電の限界というか、官僚と同じように硬直した、あの会社の幹部たちの限界じゃないですか。何でその言葉に恐れる事があるんですか。

【記者】先日、議会の開会のときの所信表明で、尖閣の関係なんですけれども、一刻も早く島の権利を個人から公の所有に切り替えて、領土を確かに守る手立てを講じる必要があるという風に知事はおっしゃったんですけれども、今、東京都が購入を計画しているのは、4島のうち3島で、久場島については、どのようにお考えでしょうか。

【知事】正確に聞きましたら、栗原さんの妹さんの所有になっているんですけども、その夫婦を、彼は奥さんと別れられて、お子さんもいらっしゃらないので、養子縁組しているそうですから、そういう点では、私は栗原さんが、自分の相続人になった妹さんに、どういう説得をされるか分かりませんけども、併せてそれも取得できるものと思っております。

【記者】4島の購入を考えているということですか。

【知事】はい。だって、1島だけ別の人が持ったらややこしいじゃないですか。
 どうぞ。

【記者】先ほどの『SAPIO』のインタビューに関連してなんですけれども、知事は、来年3月に尖閣の目途が立つまでは都政に徹したいというお答えをされておりまして、それは都知事という立場を当然、その間は続けるという意図と受け止めるんですけれども、以前知事は、新党の党首と都知事というものは両立しないという風な事を、昨年、石原新党のお話が盛り上がったときにおっしゃっていましたが、そのお気持ちというのは今も変わらないですか。

【知事】それはそうでしょうね。やっぱり地方自治体の首長をしながら総選挙をやる訳には行かないだろうし、仲間の応援だけにしかならないし、やるんだったら自分がその陣頭指揮をして突っ込んで行かなかったら、迫力も何にもならないじゃないの。
 私にとっても、尖閣の問題を早く埒(らち)をつけて、11日に持ち主の人とまた懇談していろいろ話を詰めるんですが、ある間違いない目途を、彼が国との約束の中で、地主さんでいる間でも、一つの目途だけ付けたいなと思っています。

【記者】確認ですけど、11日に地主の栗原さんとお会いして、いろいろと金額なんかを話し合う…。

【知事】いや、それはもう既に話してますし、その他この他、別にこういう話は一々具体的に、微細に、あなた方に話しするものでもないし、余計なものが漏れればまとまる話でもまとまりませんから、今の限りにしておいてほしい。

【記者】栗原さんは、国に売るということに対して今も反対しておるような印象ですか。

【知事】さあ、それもやっぱり会って話をしてみようと思いますけどね。もし野田君が心変わりして、今でも買うって言うんならさっさと買ってもらいたいね。国がもともとすべき仕事だよ。やらないんだから、自民党も民主党もずっと。
 この間の衝突船のあの犯罪人も、拘留もせずに釈放する訳でしょう、向こうに言われるままになって。何か地方の検事の裁断でしたって言うけど、検事、かわいそうだね、僕は。あの検事、よっぽど出世させてやらないとね。だから参考人に呼んだらどうだって言ったんだけど、呼ばないだろうな。君らが言って、大いに、呼べ呼べって言ってやれよ、本当に。メディアもしっかりしろよ、少し、政府を追い込む位の事をやってくれよ、こういう時に。国民は燃えてるんだから、もう。メディアが燃えないから。朝日はどうも反対らしいけども。まあ、何でもいいや。
 はい、ほかに。どうぞ。

【記者】航空会社のスカイマークのサービス指針の件ですけれども、苦情がある場合は消費生活センターの方にというような文言を入れた関係で、都が抗議した結果、回収するというお話になりましたけれども、知事のご見解を伺えますか。

【知事】当たり前の話じゃないですかね。あんなもの、会社は会社の責任で営業してるんだから、お客の苦情を役所に任せるなんていうのは馬鹿な話でね。自分たちで直(じか)に聞いて解釈するのが、それが本当の営業ってもんだよ、サービスってもんじゃないですか。これは論外だ。都庁もたまには良い事をやるんですよ、消費者のためには。評価してやってくださいよ。

【記者】尖閣問題で同様なんですが、島根が一時、竹島を県に編入しましたけれども、韓国政府がそれを無視してヘリポートを造り、軍事施設を造りと、今、日本人も出入りできない状態になっております。日米安保が発令されたり、自衛隊が何か日本領土、竹島を守るために動いたという気配もございませんし、同じような事が尖閣に起こるんじゃないかと危惧しますが、いかがでしょうか。

【知事】ちょっと違うんじゃないですか。竹島は、敗戦のどさくさに李承晩が勝手に李承晩ラインを引いて、その中に竹島を繰り込んで、了ということで、私達が占領下にある間に彼らは勝手にあそこにいろんな施設を造った。実効支配をしちゃった訳ですけどね。これは日本も日本の主張があって、あの島の領有権について、じゃあ国際裁判に掛けようじゃないか、出てきて欲しいと言っても出てきませんな、竹島。尖閣もそうですね、再三日本が言ってもハーグの裁判所にシナは出てきませんね。
 彼らの言い分を見る所に拠ると、丹羽が言ったかどうか知らないけど、尖閣は中国固有の領土でこれは言う余地のない主権を有してるっていう事を言ってるけど、言う余地が無いかあるかっていう事は、お互いに主張が違うんだったらハーグの裁判所に出てきたら良いじゃないですか。日本が今まで提訴しても、出てくるという意思は一向に示さないね。万引きみたいなものだ、あれは。俺のもんだ、俺のもんだって言って、それで通ると思ってるけど、そうは行かないよな。
 はい、どうぞ。

【記者】今日夕方、野田総理が大飯原発の再稼働について、国民の理解を求める記者会見を開くという事なんですが、これに関して知事のご見解をお伺いしたいんですが。

【知事】だから政府は政府の判断で、国家の安危を左右するものだから、どれだけ実質的なことをやってるか知らないけども、あるタイムスパンを構えて、その間、何%の経済成長をする、しなかったら生活はこうなりますよ、それでもいいんですか、何%の成長するためにはどれだけのエネルギーをどういう形で担保するかっていう事、そのうち原発が何%を占めなかったら、これは成り立ちませんよという、そういうシミュレーションをちゃんと示してからやったら良いんだ。
 とりあえず夏に停電になるかもしらんからっていうことじゃなくて、もっと緻密に、国民を納得できる手順を踏んで発表したら良いと思いますよ。
 それから、田中角(田中角栄)さんの時の、オイルショックの時に政令出したんだ。その政令、今でも生きてるんですよ。何で政令出さないんですか、もう1回、書き直したら良いんだ。例えば、パチンコ屋がチンジャラチンジャラ過剰にやってる事とか、あのころはなかった自動販売機なんていうのは、あの時東京が、ちょっとこれ過剰じゃないか、東京の夜は明る過ぎるんじゃないか、こんな電力要らないんじゃないかと言ったから、パチンコ業界も、最初はサントリーなんか反対してたけれども、コカ・コーラはそうだというんで、自粛することで自動販売機の電気の使用量、減ったじゃないですか。
 政府が言えば良いんだよ、そういう事を、政府が。最高の権限持ってるんだから。総司令官なんだから。軍隊じゃないけど、号令を出したら良いんだ。それが政令ってものじゃないですか。それも知らない、何か担当の大臣がやって来て、首都圏で節電をお願いしますって言ったって、君、東京も神奈川県も千葉県も回るのかって言ったら、いえ、とりあえず東京だけって言うから、政令出しなさいって言ったら、政令って分からないでぽかんとしてるから、てにをはを教えてあげましたが、結局出さなかったね、あの時も政府は。
 私はそこで言った事をあなた方が取り次いでくれたので、パチンコ業界も自動販売機業界も自粛してくれたので、電力助かったんですよ。出せば良いんだ、出せば、国が。号令をしたら良い。政令を出したら良い。それが指導力ってものじゃないですか。
 どうぞ。

【記者】首都高速道路の新しい社長に、元副知事の菅原さんが固まったということですが、老朽化などを指摘されてますけれども、期待なさるところをお願いします。

【知事】いろいろ人事の問題があって、国交省も懊悩したんですが、とんちんかんな人が来て何か良く分からん理念でぶち上げられても、現場は混乱するんですよね。そういう点では、菅原君は経験もあるしという事で推挽したんですがね。
 道路の整備って言ったら、東京だけじゃなしに関東全体、日本全体のためになる事ですから、合理的に出来るだけ早く完成してもらいたいと思ってますけども。
 どうぞ。

【記者】この9日、10日からなんですけれども、尖閣の方に都の職員も乗られるようですけれども。

【知事】あれ、行きません、行きません。やめさせました。ちゃんと行く時、ちゃんと東京都の船で行きますから。

【記者】やめさせたという理由は。

【知事】いや、何か、非常に政治色が強いグループ云々ということで、自粛したというのかな、やめたようですよ。

【記者】それに関連しまして、一連のこの行動の中で、9日、10日は今までで一番大きい規模、国会議員も6人乗られて行かれると。都議の方も乗っているという事なんですが、どうご覧になっていますでしょうか。

【知事】良い事じゃないですか。上陸してみたら良いと思うし、如何に峻険な島で、苦労して、ある連中がその志で灯台を建ててくれた。それは多とすると私は思うし、行ってみたらもっと分かりますし、1人、過労で死んだりもしてる訳だ。
 その灯台を、外務省の腰抜けが、シナに慮って時期尚早ということで20年近くチャートに載せていなかった。こんな馬鹿なことをする国ったらないね。
 それは、あそこを航行する人間達にとって生命の危険にかかわる事なんですよと言ったのに、外務省は知らん顔して、どこか知らんけど、外交に、シナというのに憚って時期尚早と言って、また歴代、自民党の政府もそれを従って来たんだ。私はそういう自民党というのは我慢ならない。今の政府も良くないけど。
 外務省の役人の身の程にも、あそこを航行する日本人、シナ人、台湾人、朝鮮人、沢山いるだろう。そういう人間たちの、船に乗ってる人間の生命の安危っていうのを保障するのは、国家としての責任じゃないですか。それを果たせないで、せっかく出来たものをチャートに載せないっていう事は、かえって危険なんですよ。そういう馬鹿なことを延々やって来た。
 はい、どうぞ。

【記者】ちょっと時間が経ってしまいましたが、今週の月曜日だったんですが改造内閣がスタートして、きょう初めての知事の定例会見という形ですので、野田内閣の政治的リーダーをという事は、何度も何度も知事はおっしゃってましたけども、今回の改造内閣をご覧になって、どういう風な思いを抱かれましたでしょうか。

【知事】僕は知らない人が多いので。ただ、民間人であるとか、国会議員という資格が無いとか有るって事で防衛庁の長官の資格を云々する節はありますが、私は実に良い人事だと思いますね。彼以上に見識を持ってる人間はいるんですか。最後のいろんな大事な問題を判断を下すのは、当然、総理大臣でしょうよ、それは。しかしそれまでのプロセスの中で、何か訳の分からない、アルファベットも読めないイロハも読めないような人間が防衛省の総司令官でいたら、隊員だって動き辛いし、国の安危に関わると私は思っていましたがね。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)