石原知事記者会見

平成24年4月11日更新

石原知事定例記者会見

2012年3月30日(金曜)
14時59分〜15時30分

知事冒頭発言

1 東京都耐震マークのデザイン決定について

【知事】冒頭、私から幾つかのことを申し上げます。
 1つは、東京都の耐震マークのデザインを決めました。建物が地震に対して安全であることを示す東京都耐震マークを決めたんですけど、デザインは、グラフィックデザインの第一人者である松永真さんにお願いしました。このマークを都が交付して、建物に表示することで、所有者、利用者、周囲の方々が、その建物の安全性確保に関心を持つようになると思います。
 これが広がることによって、都民の耐震化への機運も、高まっていくと思うんです。4月から耐震診断の義務化が始まりますので、取り組み体制が整ったところから、なるだけ早くやっていきたいと思ってます。
 建築物の耐震化を強力に推進して、世界に誇れる安全な都市に、東京をつくりかえていきたいと思ってます。詳しくは都市整備局に聞いてください。
 きょう、デザイン持ってきてないの(事務方に問いかけ)。

【事務方】はい。

【知事】(手元の資料を見る事務方に)いいですよ、それで。

2 南京事件に関する本多氏からの質問について

【知事】次いで、たびたび質問が出ましたが、いわゆる南京事件に関する問題ですが、これをしきりに喧伝した本多勝一さんからの質問も来てまして、最近の定例会でも幾つかの質問がありましたが、このことに関して、元朝日新聞の編集委員の本多勝一さんが、『週刊金曜日』という雑誌で、「石原慎太郎東京都知事に訂正・謝罪を求める」として、何週間かにわたって記事を連載していますけれども、『週刊金曜日』の3月23日号では、私に対して次の質問をしてきております。
 「南京で、日本軍が中国40万人を殺したと、どこに私が書いたのか」。次いで、「私が最後に修正したとは何のことか」と。この質問には、この場で明確に答えておきたいと思います。
  本多氏は、昭和47年の著書『中国の旅』この297ページでは、南京事件では、日本軍が殺した中国人の数として、東京裁判のころから中国側の発表は43万人だったと具体的な数字を引用していますし、さらに「東京裁判判決では11万9,000人だが、これは明白な証言に基づくものだけなので、事実よりずっと少ないと見られる」と評価している。その後、同じ著書について、平成7年の『本多勝一集』第14巻に編集して掲載する際には、275ページに、「東京裁判判決では11万9,000人だが、これは明白な証言に基づくものだけなので、事実よりは少ないと見る研究者もいる」と、研究者の見方へと修正しているわけですけど、これは一例にすぎなくて、初版から版を重ねるごとに加筆、修正、変更を行っておりまして、仮にもジャーナリストであれば、これがどういう意味かということはわかるはずですが、本多さんからの質問に対しては、以上をもって回答します。
 もう1つ、この間、大宅壮一さんの娘さんの大宅映子さんから手紙もらって、私の父も南京の虐殺について認めてますと。南京事件というのは、日本軍が、占領下の2週間ですか、たしかそれくらいの時間に、3週間か2週間の間に、30万の人を殺したということになっている。
 それで、この間申しましたように、大宅壮一とか、石川達三とか、林芙美子さんとか、報道班員として、陥落した後3日後ぐらいに南京に入った人たちはいろんなものを見たんでしょうけれども、報道班員という、戦闘に従事した人たちが、目の前で日本軍が、かなり多くの人を処刑したんだ。これは便衣隊といって、蒋介石の軍隊はたくさん同胞、シナ人を殺して逃げちゃったんですけど、日本が入ってきたっていうんで、どんどん人が戻ってきたんですよ。それで、その間なお、私服に着替えたもとの兵隊たちが、一種のゲリラ活動をするんで、非常に手をやいて、それとおぼしき人間たちを、中にはその被疑者にはなったけど、実際の便衣隊じゃなくて、市民もいたかもしれないけども、それをかなりな数、日本の兵隊、軍隊が、捕虜というんでしょうか、反乱分子として処刑したことは確かなの。
 これは、やっぱり10人、20人、30人でも、初めての処刑を見る民間の報道陣にとってはショックでしょうから、それは彼らはやっぱりそのことは当然書いたでしょう。しかし、いわゆる南京事件というのは、蒋介石の軍隊が同胞をたくさん、同じシナ人を殺したことで逃げちゃった市民が20万人しかいなくて、そこで30万、人を殺したっていうのはべらぼうな話ですが、後々に日本の軍隊が治安を戻してくれたっていうんで、市民、戻ってくるんですよ。それは、実際に事実として報道もされている。そんなこんなことで、大宅さんのお父さんの大宅壮一さんも、最初は、それはやっぱり何十人かの処刑を見たら、それは動転するでしょう。で、やっぱりそれを、一方的だったと思うから、日本軍の判断で、殺りくがあったというふうなことを書いたのかしれないけども、しかし、大事なことは、後で聞いたら、「30万の人を殺したんですか」っていったら、「いや、そんなことはあり得なかった」という話を、私はじかに聞いただけのことで、それはやっぱり、初めて現地に入って、日本軍によるゲリラの処刑を見たら、普通の民間人はやっぱりショックを受けますわな。
 そういうことの誤差があったと思いますけども、私も随分調べました。それで私は、本多君とも論争したままだし、彼はたしか最後に杭州湾に上陸してから、日本人が殺したその兵隊の数40万、それもちょっとオーバーな話で、何かそういう言い方をしていましたが、いずれにしろ、とにかく日本軍、占領して、落とした南京の中で、現在、その当時いた人間を上回るいわゆる南京事件というのは、30万か40万の人を殺りくしたと、こうなっているんでしょう。その事実はなかったということだけは、これは日本の名誉のためにも、はっきりしておいたほうがいいと思う。
 いわゆる南京事件というのは、私たちが言っていることは、南京事件の是非と言っているのは、日本の軍隊があそこで、30万、2週間か3週間で殺したという、そんなことは、日本の当時の武器体系からいってできっこないんです。
 そんなこんなで私は、でも、やっぱり興奮もあっただろうし、かなりのことをやったんだろうと。1万人ぐらいは、無差別に殺したかもしらんなということを言ったら、それだけで偕行社にすごく怒られました。
 しかし、これは本当にああいうどさくさの中でわかりませんが、ただ、日本軍が指揮系統を発動して、30万の人を、30万人口なんかなかったんだから、それを2週間か3週間で殺したって、こんな事実は全くないし、それについて戦後、蒋介石も毛沢東もこれを抗議した事実はないということであります。

3 東京都美術館リニューアルのコストダウンの取組みについて

【知事】次いでもう1つ、東京都美術館のリニューアルのコストダウンですけど、最初はとにかく古くなったもんで、べらぼうにお金をかけて直すということだったんですけども、これ、リニューアルしまして、この4月1日にオープンしまして、新しい文化発信拠点を目指していきますが、この美術館の改修経費については、2009年度予算の査定で猪瀬副知事からも、高過ぎるんじゃないかという指摘があった。私も現地を何回か視察しましたけども、全体を、天井を高くして、あそこでろくな展覧会あるわけじゃないし、ただ、やっぱり企画展でフェルメールなんかを持ってきた展覧会なんかは、本当に満員になるぐらいその部屋だけ人が入ったんだけども、いかにもその天井が低くて貧相なんで、世界の名品を陳列するにはふさわしくない。そこだけは、とにかく天井を高くして、建物そのものの構造を変えたんです。
 だけど、あとのリニューアルについてはちょっと無駄だと思うし、全部天井を高くする必要はないということにしたんですが、それにしてもとにかくその予算が高過ぎるんじゃないかということで、コストダウンをしなさいと命令しまして、結局、業者も知恵を出したんでしょうけど、その結果、当初156億円だったものが、予算査定で厳しく削減し、最初は133億円ということだったんだけど、結局競争入札でやってみたら、116億円まで経費が圧縮できまして、実に最初の3分の1をとにかく圧縮したことになるので、やっぱり一事が万事で、こういう大きな事業というものをもうちょっと厳密に予算精査しないと、随分今まで無駄があったんじゃないかって気がいたします。
 経費節減や競争入札などをないがしろにして、一方的な値上げを当然の権利だと主張してきた東京電力なども、これを大いに参考にしたらいいんじゃないかと思います。私から申し上げることは以上であります。
 質問があったらどうぞ。

 (事務方が耐震マークを知事に手渡す)そうそう。これが耐震マークです。ま、これが張ってある建物は一応安全だろうということでありますけれども、張ってない建物は危ないということだな。
 質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】消費増税をめぐって、閣議決定をめぐる動きについてですが、国民新党の亀井代表がこれに反対の立場でいらっしゃって、連立の離脱も辞さないというようなことを述べられています。一方で、残りの党員の方々は連立にとどまるというふうに意見が分かれて、分裂のような状況に、今、なっているんですが、これについては、知事はどういうふうにごらんになっていますか。

【知事】しようがないじゃない。政党のことだから、それで政治家のエゴもあるだろうし、考え方あるんで、そんなの私、知ったこっちゃないですよ。そんなことをここで聞くことは筋が違うんじゃないの。
 亀井君はもともと、隠している金がある、それを絞り出せばいいんだということを言ってましたが、それは一時的なもので、どれぐらいの金額か知らんけど、それが絞り出されたにしても、それで日本の財政が立ち直るものじゃありませんけど、亀井君は、まずそういうことをやったらいいと、財務省というものをこらしめて、やるだけのことをやった上で、その増税ということなら自分は反対はしないけども、すべきことをせずに、財務省の言いなりになって、結局、隠しているものを吐き出させずに、いきなり消費税というのは自分は順番が違うということを、かねてから言ってましたね。
 実際にこの間も、調べてみたら、繰り返しになるかもしらんけど、30兆ぐらいたんす預金がある、日本で。その中の10兆円は、たんす預金で隠しているために、依然として旧円の聖徳太子だという。10兆円。それを新円にかえなきゃということで、あるお金持ちが、1人は300億、1人は百数十億の聖徳太子の旧札を、新札にかえようと思って税理士に頼んだら、手数料でえらい取られるとか取られないとか、その手続きの中で、貯金が発覚したって。いきなりそれ課税されることはないんでしょうけど、やっぱりそれだけの貯金をどうやってつくったかということの査察を入るのかも入んないかもしらんが、旧札の持ち主は、税理士に注意されてあきらめたというような話で、どこかに膨大な、旧札のお金が眠っているんだろうけど、それを含めて、30兆のたんす預金があると。これをとにかくどうやってうまく回転させるかということも1つの大きな問題でしょうね。
 それから、亀井君に言わせると、いろんなまだ隠し財源があると。それを吐き出させることがまず最初だと言ってましたけど、ただ、やっぱりそれで日本の財政が健全化されるものじゃとてもない。それは一時的な処置でしかなくて、結果として、やっぱりこれだけの高福祉低負担を維持しようと思ったら、それは私はやっぱり経済全体に一番影響の少ない税の制度の1つである消費税を上げざるを得ないと思います。

【記者】今回の亀井さんの行動に対しては、知事は賛同というか、どういうふうな評価…。

【知事】賛同も不賛同もない。私と彼と別に、私は日本新党ではありませんし、彼がそんな判断してやったことについて論評する必要もないでしょう。

【記者】平沼(赳夫 たちあがれ日本代表)さんは、今回の亀井さんの動きに対して、これは新党の構想とは全く関係のない行動だというふうなことを会見で述べられていらっしゃるんですけれども、知事から見ると、この亀井さんの行動というのは、新党を見据えた動きだと見ていらっしゃいますか。

【知事】新党というものはそもそも一体何なのか。私絡みでいろんなこと言われているけど、私は新党の具体的な構想について話したこともありませんし、よしんば新党をつくったって、やることたくさんあると思うよ。だけど、それについて私、言及したことありますか。周りの人は言ってくれてるけど、私は一言も。
 ただ、私は、新党をつくるなら、船中八策をきちっとつくらなきゃだめだと言ったら、大阪のほうでさっさと船中八策をとられちゃった。それはいいんですよ、それで。お互いにそれぞれの所信があって、新しい政策を掲げることは。だから、平沼君がそういう批判することも、彼は彼の構想を持っているんだろうけど、それは当人たちに聞いてくれよ、君が。私に聞かずに。私は第三者ですから。アズ・ビーイング・タイム。

【記者】亀井さんと知事が長いおつき合いでいらっしゃる……。

【知事】いや、平沼君と親しいよ。

【記者】ええ。で、亀井さん、今回の件で言うと、人数が少ない党をちょっとまとめ切ることができないということであるとか、あとはそもそも消費税の観点で言うと、知事と大分考えの開きがあるということも考えると、今後、知事が共闘して何か国政の場でやっていけるという可能性はあるんでしょうか。

【知事】さあ、それは消費税除いたら、いっぱいあるかもしれないね。いいよ、そんな質問。

【記者】日本維新の党という、新しい党の名前の案が報道であったんですけれども、このネーミングセンスについては、知事はどう思いますか。

【知事】大阪維新の会がさらに発展すれば、日本維新の会になるのかもしれんわな、それは。
 ほかにありますか。どうぞ。

【記者】(南京事件に関して)どうも丁寧なご回答、ありがとうございました。確認ですけれども、本多勝一『週刊金曜日』編集委員が、40万人というのは『中国の旅』の編注の中で、いろいろな説があるというふうに列記した中の1つの数字が主張したと、そういうご回答ですね。

【知事】ただ私は、いろんな形で、論争まで行ってませんけどこの問題について非難を受けたりしたんですが、ただ、彼は、数十万の人間を日本が殺したという所信みたいなのは貫いてたと思います。それで、最後に、私はどうもつじつまが合わなくなったのかなと思ったけど、杭州湾に日本が上陸してから南京を攻め落とすまでに、日本軍が倒した支那の兵隊の数が、40万だという言い方に変わったんじゃないかと。

【記者】それは知事の見解としてお聞きしました。
 最後に修正したというのは、その編注の部分が、そういう学者の見方があるというふうに変えたというのが、修正したということですね。

【知事】何が?

【記者】「最後に修正したとは何のことですか」に対する知事のご回答というのは、編注の部分で、自分の自説として『中国の旅』では書いてたように書いていたのが、『本多勝一集』では学者の意見というふうに変えているのが、修正したという。

【知事】ですから、言ったように、275ページに「東京裁判判決では11万9,000人だが、これは明白な証言に基づくものだけなので、事実より少ないと見る研究者もいる」。これ、自説でもないんですか。彼はほかの研究者の見方に同調しているだけなんですか。彼の所信なんですか。

【記者】というふうに変えたことが、修正したというふうに知事が言われていることですね。

【知事】前の言ったこととは違うんじゃないですかね。

【記者】はい。それとですね、大宅壮一さん、石川ジュンゾウさんが……。

【知事】石川ジュンゾウじゃないよ。石川達三だよ。

【記者】達三、ごめんなさい。大変失礼いたしました。石川達三さんが書かれてないというふうに、見たことないというふうに言われていたというのは、今日の会見では事実上修正して、彼らは知事の言うことで言えば……。

【知事】いや、私が聞いた限りでは、30万なんて人殺してないよと。そんな死体見たことないし。ただ、やっぱり彼らは、30万説出てくる前に、従軍記者として書いたものの中には、日本軍が非常に、彼らにしたら膨大な数の人たちを処刑したと。その現場はやっぱり生々しい印象で映ったんじゃないですか。

【記者】それは、知事はいつ、お聞きになられたんでしょう。

【知事】何が。

【記者】大宅さんと、石川さん……。

【知事】随分たってますね。私、世の中出てからですからね。東京裁判のずっと後です。

【記者】最後に、もう1点だけ。25万人のところで30万人殺せるはずがないというご発言がありましたけれども、秦郁彦(歴史学者)さんによると、この20万から25万人というのは、南京のうちの面積の8分の1にしかすぎない南京難民区の人口であると。残りの8分の7も、やはりいろいろ人が住んでて、ただ、これはもう統計がなくて、どんどん逃げ出したのもいれば、上海から追われてどんどん入ってきた人もいるので、8分の7にどれだけ人がいたかはわからないというふうに秦郁彦さんも言われているんですけれども、つまり、この、30万人実際に殺されたかどうかは別として、25万人というのは、南京のごく8分の1の面積にすぎない人数だと思うんですが、その点はいかがですか。

【知事】それは分からんね、私は、別にそのときそこにいたわけじゃないし。そんなことを君、暇だったらだね、せいぜい日本のために、シナのためにだな、いろいろ検証してみたらどうなんだね。

【記者】知事、この南京問題ですけれども、当初、私のほうが名古屋の河村市長がお話しになったことを取り上げてお話ししたのが発端の1つになったと思うんです。私は知事と同じぐらいの年配でございまして、ちょうど台湾で生まれて引き揚げてきまして、また、戦後直接、蒋介石の次の副将軍だった何応欽(かおうきん)将軍にも、あるグループを引き入れて一緒にお会いしたりして、この問題ではまた私も違う見解を持っております。だけど、ただ、この日中国交40周年というさなかにとりたててこれを問題を大きくするのはまずいんじゃないかというお願いの形で、この間、知事、お話しさせていただいたと思いますが、知事、ぜひ1つそういう意味で、今の尖閣諸島でも問題にするとまた大きくなりますが、これはもう声高に言わないで今過ごしておる我々国民、日本の国情を考えられて、ぜひご発言にしていただきたいというお願いで申し上げたということを確認しておきたいと思います。

【知事】尖閣の問題は、声高に論じるべきじゃないでしょうかね。私はそう思いますね。日本のもともとの国土ですし、実際に人間が住んでいたし、操業もして、アメリカは、尖閣というものを、戦後、爆撃練習のターゲットに使ってて、慰謝料もかつての古賀さんの一族に払ってたわけですからね。これは、私はやっぱり、アメリカは沖縄返還という形で石垣も返したわけですし、あの返還の文書なんかを見ましても、これは私が建言したんですけど、いろんな島の数が多いから、ちょうど7カ所でしたかな、ポイントを、東経何度何分何秒、北緯何度何分という形で、3つの点を結んだその囲いの南側にある、海上の突起物はすべて返還するという形で条約ができたわけです。その中に尖閣が歴然と入っているわけですから、これは今ごろになってシナが、自分の領土だと言って、日本の実効支配を妨害するために占拠行動を起こすんだったら、やらせたらいいじゃないですか。これはもう、後々大きな紛争になりかねませんよ。彼らが自分で引き金を引くわけですから、これはやっぱり日本もアメリカも黙っているわけにいかんでしょうしね。アメリカはどういう姿勢で出てくるかわからない。
 これはやっぱり自分の領土を自分の力で守るだけの気概を示さなかったら、私はそのうちに、五星紅旗の6番目のちっちゃな星は、ちっちゃな日の丸になるんじゃないかと懸念してますけども。この問題こそ、今現実に起こりつつある問題ですから、私は声高に論ずるべきだと思いますし。外務省というのはどんな考えで、日本の外務省というのは本当に腰抜けでね、とにかく外務研修所に入所した新しい社員に何教えるかったら、外国との紛争をできるだけ起こすなと。紛争をいかに解決するかじゃないんだよ、紛争を起こすなと。そういう基本姿勢で外交をやられたら、全部相手の言うことを飲まざるを得ないじゃないですか。日本のアメリカとのつき合いだって、結局搾取され続けてきて、向こうが一方的に年次改革要望書なんていうのを、日本はアメリカに突きつけたことはないけど、毎年送ってきて、これ、日本が甘んじて履行してるっていうのは、こんなばかな主従関係はないと思いますな、私は。外務省によろしく言っておいてくださいよ。
 はい、ほかに質問は。どうぞ。

【記者】今週大阪の方で、大阪市の水道局と大阪の広域水道企業団を近々合併するという方向の話がありまして、ある意味では東京都の水道局の広域運営がうまくいってるというのを模倣されたのかなと思ってるんですが、一方で大阪のほうでは水需要が減っている実態に合わせてスケールダウンしていくという方向性を橋下(徹 大阪市長)さんが打ち出されてるんですが、東京都の場合は、逆に実際の水需要の1.5倍ぐらい、万が一のためにはあったほうがいいんだというふうに水道局のほうで施策を進めてるんですが、この点について知事はどうお考えになってるか伺えれば。

【知事】私は、大阪の事情を詳しく知りませんが、水の需要というのは、地域地域、都市都市の繁栄の、1つのメルクマールだと私は思いますね。大阪は本当に気の毒なぐらい衰退した。ろくな産業、ろくな工業が動いてない。かつては、日本第一の工業地帯というのは阪神工業地帯と僕は地理で小学校で習ったけども、二番目が京浜だったんですけど、その面影がないですね。いろんな意味で私は、大阪全体の水の需要っていうのは減るのは当然だと思いますがね。これはむしろ、今の時点で考えずに、水の需要がもっと増えるような、総合的な大阪の持ち上げってものをやっぱり考えなくちゃいけない。そのために橋下君は孤軍奮闘して、今、市長にまでなって、自分の仲間を知事に据えて、大阪の再建というのに考えてるんじゃないのかしら。私はそれが進んでいったら水の需要って増えると思いますけどね。専門家じゃありませんから断定できませんが。はい。

【記者】ただ、東京の場合も、2020年の東京でも書かれてますけども、2020年に人口がピークになって、水需要もそのぐらいがピーク、2020年ぐらいがピークだと水道局のほうでも見通してるんですが、一方で施設規模は今の、1978年がピークだったんですが、実績では、その規模を維持していくというふうになってまして、そうすると将来的に人口が減った場合に、ユーザーの負担がかさんでくるんではないかと懸念されるんですが、その点についてはいかがでしょう。

【知事】負担ってのは料金ってこと。

【記者】具体的にはそうです。

【知事】それは、ある時点での水の需要量によって左右される問題でしょうから、東京はこれからどういう形で衰微していくのか、発展していくかわかりませんけど、しかし、いずれにしろ、日本全体の人口が減り、老齢化が進んでいる中で、東京だけは人口が増えてるわけですからね。しかも、私はこれ以上の集中、集積はよくないと思うけども、しかし、昼間人口、周囲の県から、400万も人が集まってですね、インフラを使う、水道を使う、ライフラインを使うということになれば、これは都市としての機能というのを維持するために、それに対応せざるを得ないんじゃないですか。
 はい、どうぞ。

【記者】東京電力の事業計画の策定が遅れていることに関して、株主でもある東京都としてはどう受けとめてらっしゃいますでしょうか。

【知事】何が遅れてる?

【記者】東京電力の事業計画の策定が遅れていることについて、株主でもある東京都としてはどのように受けとめていらっしゃいますか。

【知事】いや、株主でもあり大きなユーザーでもあるわけですからね。これはやっぱり、もっとてきぱきやってもらいたいと思いますな。それから、会社そのものを自分の手で合理化するというのは、だれにとっても苦しいもんですけど、幸い、猪瀬(直樹 東京都副知事)君が頑張ってくれて、いろんなものを的確に指摘して、追い込んでくれていますが、それはやっぱり真摯に受けて、値上げをするのはおれたちの権利だと言う前に、合理化をして身を削ぐということが、自分たちの責任だって自覚を持ち合わせてもらいたいと私は思いますけどね。
 はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)