石原知事記者会見

平成24年3月30日更新

石原知事定例記者会見

平成24(2012)年3月23日(金曜)
15時01分〜15時32分

知事冒頭発言

1 知事のワシントン出張について

【知事】冒頭、1つ私から。4月の12日から19日まで、ワシントンを訪問して、幾つか行事に参加します。1つは100年前に、当時の尾崎行雄東京市長がワシントンのポトマック河畔に桜の苗木を贈ったのを記念して、今月20日から全米桜祭りが盛大に開かれているそうですけれども、この祭りに私も招待されているんですが、こんなことよりも、色々、日米関係、世界の情勢、自分の目で確かめて、聞いて、議論もしたいんで、共和党系の最大のヘリテージ財団から来られる理事長とトップが2人来まして、ぜひ講演の後、シンポジウムをしたいということで、向こうの政府関係者などとも会談しますし、東京が協力依頼をしているジョージタウン大学に留学生を送ったりしていますが、そこの学長、幹部と会って、これからの学生の交流のプロジェクトの話をしてきます。いずれにしろ、世界もなかなか厄介な状況に差しかかっていますけれど、日米関係も、これから変質せざるを得ないし、もうちょっと日本もアメリカに自分の主張をしたらよろしいと思うんで、そんなことを向こうで話をし、大いに物議を醸してこようと思っております。
 質問があったらどうぞ。はい、どうぞ。

質疑応答

【記者】2つお伺いします。昨日の話ですが、知事、午後、自民党本部で石原伸晃幹事長とお会いされていますが、会談では政局などについてどのようなお話をされましたでしょうか。

【知事】一切そんな話、しない。プライベートな話だから。

【記者】もう1問お伺いします。細野(豪志)環境相が、今朝の記者会見で、被災地の瓦れき受け入れを表明した県や政令市に受け入れを求める量などを示した要請文を今日、発送するというふうに表明されました。このタイミングをどのようにお考えでしょうか。

【知事】全くばかげている。遅過ぎるよ。

【記者】そもそも、受け入れ量を国が決めて、それを自治体に要請するという、その自治体の自主性に任せてもよいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

【知事】全くそうですね。だから、何回も言っているけど、総理大臣が大号令をかけたらいい、こういうのは。担当の大臣じゃなくて。総司令官なんだから、分かりやすく号令する。外国人だろうと、日本人だろうと、人が怪我して転んでいたら、誰でも助けるでしょう。まして、同胞の日本人が苦しんでいる時に。しかも、政府が保障し、3段階で東京なんかも確認しているわけだけど、放射能があったのは別の話ですよ。ちゃんとチェックをしているものを、まさに風評被害とかセンチメントか知らないけれど、ただ危ないんじゃないかと。そんなもの、説明会開くばかはいない。首長が責任持ってやればいい、そんなことは。そのために、政府がギャランティ(保証)しますと総理大臣が言えばいい。全く何もやらないね、今度の内閣は。消費税も結局どこか行っちゃうよ、見てごらん、今の政局だと。
 どうぞ。

【記者】私からも伸晃さんに関することと、あと、受動喫煙防止条例のことでちょっとお聞きしたいと思っております。
 まず、伸晃さんに関することなのですが、先週のBS朝日の番組収録の場で、知事について幹事長がお話しされていて、「都知事だから輝いている、うろうろしない方がいい、衆院選に出るのは反対だ」というふうに述べられたそうです。党首になったりすると1年して過労死してしまうのではないかというようなことも話をされていたそうなのですが、昨日、プライベートな話ということで本部に行かれたそうですが、とはいっても、政党の幹事長の部屋でプライベートな話だけというのはちょっと考えづらいところもあるので、このような話というのはされたのですか。

【知事】ばかな質問だよ。一々、君らにプライベートな会話をしたかしないか、内容まで話す必要ないじゃないか。いつかどこかで、森(喜朗)君が総理大臣の時にすれ違って、立ち話をしたんだ。そうしたら、それが分かって、新聞記者が来て、「何か話したそうですけど、何を話されましたか」、「密談だよ」と。「密談ですか、どんな内容ですか」と。日本語、勉強してもらいたいな、本当に。

【記者】過労死のことを心配……。

【知事】過労死。私も心配していますけれど、うろうろしたいかもしれないけれど、分からないよ、先のことは。政治の世界、「一寸先は闇」といつも言っているでしょう。

【記者】受動喫煙防止条例の件なのですが、知事も政策の目玉とされている……。

【知事】目玉としているわけじゃない。

【記者】オリンピック招致に関することで、五輪の開催地というのは、東京新聞によると、五輪開催地というのは必ず受動喫煙防止条例を制定してきていると。バルセロナとかアトランタ、シドニー、アテネ、北京というのは全部制定していて、今年のロンドンであるとか、その次のリオデジャネイロでも、罰則つきで受動喫煙を防ぐ条例か法律が存在しているということなのですが、このことを知事はご存じ……。

【知事】知りません。それが本当だったら、精査して、こちらも招致する限り、その条件を整えなくちゃいけないかもしれないね。

【記者】以前、これは個人の嗜好にかかわることであって、知事としてはイニシアチブとらないというふうにお話しを、この会見の場でされていらっしゃいましたが……。

【知事】しかし、事がオリンピックのビディングの成否に、仮にかかわることだったら、もっと正面切って考えなければいけないかもしれません。その情報を確かめた上で、考えます。
 はい、どうぞ。

【記者】本日、さっきなのですけれども、大阪府議会で教育基本条例が可決されたかと思うのですけれども、内容としまして、知事の教育へ関与する権限の強化ですとか、保護者に不適格な教員を申し立てる権利を認めたりとかですとか、管理強化と競争重視というのを色濃く打ち出した条例かと思うのですけれども、こういう条例が大阪で成立したことをどう思われるのかというのと、知事も昨年、橋下(徹 大阪市長)さんと会われて、参考にさせてもらうというようなご返答をされたかと思うのですが、都への影響とか、参考にする点などは、今現在、どうお考えでしょうか。

【知事】それは、非常に興味もある問題ですから。教育というのは基本的な価値観というものから考え直さないと、立ち直ってこないと思うし、日本の今日の衰退、退廃というものを招いた1つの大きな要因も教育のせいだと思っています。ですから、それを立て直すために、今まで、教育庁にも依頼して、東京は東京なりに、まず教科書から始めて、教科書もつくりましたが、橋下君が言っているみたいに、教員というのは1つの職業だし、優劣を極める競争社会だと思います。そういったものを、誰がどう評価するかということを、うまく講じれば、教員の自発というものが強くなってくるし、競争意識が強くなってきて、工夫するでしょうし、いいことだと思います。
 それから、父兄がろくに学校にも行かずに、参加もせずに、教師について難癖つけるというのは、問題があると思う。今、病院と学校が何で困っているかというと、モンスターペアレント(学校に対して自己中心的で理不尽な要求をする保護者)とモンスターペイシェント(理不尽な要求をする患者)で困っている。だから、その父兄が、先生を批判し、評価するシステムというものは、よく働けばいいけど、悪く働くと、例えば子供が風邪をひいて寝ていて、「給食費払っているんだから、給食を持ってこい」なんていうばかな親がいるわけだ、中には。そういう者がのさばるようなことにならないような1つの枠というんでしょうか、規制というんでしょうか、ものの構え方が必要になってくると思いますけれども。教育熱心な親がちゃんと先生の実質を見極めて、評価するというか、その改良とか、自発を強く要求する。校長というのは、何も、全職員の授業ぶりというものを観察する、管理しているわけじゃないから、それは1つのいい案だと私は思いますけれども、どういう形で制限をするというか、枠を作るかということは、大事だとも思います。

【記者】大阪の動きを受けて、都も大いに刺激を受けて改革を加速させたいというふうな。

【知事】それは1つのヒントになるでしょう。東京は東京で考えたこともありますし。

【記者】今度は大阪市の方なのですけれども、今度の……。

【知事】私の持論は、東京だけではできないんだけど、高校を卒業したら2年間ぐらい集団生活をさせたらいい。二十になる前に。僕はそう思います。自衛隊に入るとか、消防に入るとか、警察に入るとか、最低、海外協力隊か、つまり他人のための奉仕をする集団的な訓練というものを行う。これは国家全体の問題ですから、これをどういうふうに国にぶつけていくかということも、これから考えなければいけないと思っていますけれども。

【記者】あと、大阪市の原発に関する対応の件なのですけれども。

【知事】どういうふうに原発に対応したの。

【記者】関西電力の株主総会で、大阪市が大株主として原発の早期全廃を訴えるというふうな方針を決めたのですが、原発に関しては橋下市長と知事はかなり開きがあると思うのですが……。

【知事】それがそうだとしたら、違います、私は。国全体が、もっと政府がしっかりしていれば、役人も督励して、選挙なら選挙も通じて、国民というのは利口なようでばか、ばかなようで利口なんだけども、みんな我欲が強い人が多いが、ただ、これから何年かのタイムスパンで、どれだけの経済成長をするのかという大きなシミュレーションをして、そのためにどういう形でエネルギー、電力というものを担保するかということの、大きな設計図もなしに、賛成だ反対だ、白だ黒だという議論は拙劣だと思いますから。だから、原発は賛成とか反対とかいう前に、私は基本的にそうですよ。人間の技術で、人間の文明の進展の原理からいったら、色々な挫折をしながら新しい技術を開発してきて、原子力もその1つでしかない。何回も言っているけれども、同じ原子力ハンドリング(運用)だってフランスはうまくいっているじゃないですか。日本はシステムが悪いんですよ。変な利権構造が絡んでいるからこういうことになっちゃった。これをやったのは自民党だよ。自民党と通産省(現経済産業省)、東電、ぐるになって、利権構造をつくったんです。それで、ものごとを安上がりにしようと思うから、学者の忠告を聞かずに海のそばに原発をつくった。ほかに立地がいっぱいあるはずです。何も海のそばは、絶対必要条件じゃないんだから。そういう過ちというものを反省すれば、私はこれから必要なエネルギーの供給の最も進んだ技術を持っている日本にとっての原発というのは、大事な意味を持ってくると思うけれども。その前にそれを支えるシステムというものをつくり直すことをしなければだめだと思いますけど。

【記者】知事は、以前から核シミュレーションのお話なんかもされておりますけれども、原子力の技術というのは、産業、経済だけでなく、安全保障というのも含めて重要だと考えられるのでしょうか。

【知事】にわかに右から左というものじゃないんじゃないかな。核兵器というものにとっての原子力のユーティリティー(有用性)というのは、もっと論理が違ってくるし、ただ、私はシミュレーションしろと言っているんですよ。シミュレーションをするということは、ものすごく、色々な意味合いを持つ要因がある。それを外交的に使うということが外交なんじゃないですか。ですから、今度はくどくど話をしないけども、日本だってやろうと思ったら、このぐらいの短期間に核を持てます、いや、持てないかもしれない。そういうことを、国民が認識した上で、何回も同じことを言うけど、隣に北朝鮮、シナ、ロシアという3つの国が核を持って日本を威嚇し、領土をかっぱらい、かっぱらおうとし、同胞を連れていって返さない。こんなシチュエーションのある国が世界中のどこにありますか。日本だけだよ。まして、シナは尖閣諸島は固有のものだと、それであそこは日本が実効支配しているから、それをぶっ壊すために、新しい軍事的な装備をして、それをかく乱しようということを明言しているんですよ。こんなシチュエーションに置かれている国は世界にないと思うけれど。
 はい、どうぞ。

【記者】電気料金の値上げについてですけれども、東京電力が4月1日以降、もう契約期限までは値上げに応じなくてもいいということをこれまで説明しませんでした。このような東京電力のやり方について知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】そこのいきさつ、詳しいことを知らないんだ。猪瀬(直樹 東京都副知事)さんに聞いてくれ。いずれにしろ、こっちはそう簡単な値上げはさせないよ。株主でも、ユーザーでもあるんだから。その過程で、どれぐらいの時間の間にどういう抗議を行うか知らないけれど、偉そうに俺たちの権利だなんて言う前に、自分たちの責任を果たすこと、企業の合理化をすること、だから、今の民主党もそうなんだけど、財務省に言われるままに、消費税を上げざるを得ませんよ、それはどう考えても。しかしその前に、会計制度も変えて、国家のついている嘘というのをちゃんと分かりやすくして、するべき措置もする。それから、この間、私の先輩のナベツネさん(渡邉恒雄 読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆)と会うことがあって聞いたら、たんす預金というのは30兆円あるんだって、日本は。しかもそのうちの10兆円は驚くことに、聖徳太子の旧札なんだって。これはすごい話だ。そういう預金を持っている人が、1人は300億円、1人は百何十億円、そろそろ今の福沢諭吉に変えなければいけないなというので、税理士に相談して、何とか新札に変えられないかと言ったら、手数料を取られるのと、結局、それだけの額のものを動かすとばれちゃうから。ばれたらどうなるのかな。別にたんす預金に税金がかかるわけでもないんだろうけれども、資産の構成の仕組みは調べられはするでしょう。どうやって貯めたお金か知らないけど、いずれにしろ、そういうものの淘汰をしませんと、国民というのは、消費税について納得しませんよということで。東電だってそうです、すべき努力を責任として果たさなければ、料金を上げることが俺たちの権利だと、それは通用しない。じゃあ、彼らが電気を止められるかといったら、そんなことをやったらえらいことになるんじゃないか。
 はい。どうぞ。

【記者】冒頭におっしゃった、ワシントンの出張の件なのですけれども、政府関係者とも会談されるということなのですが、懸案である横田基地の問題は何かしら前進させるためのお話をされるご予定はありますか。

【知事】そうですね。それに絡めてあります、色々な話が。大事な話をするから来たらいいじゃない、ワシントンまで。みんな来いよ。

【記者】公務ですので、例えば先方、どういった方に会われるご予定があるか、今の段階で……。

【知事】別に私が国務省とか国防総省に行くんじゃないんです。その関係者、色々な人間がパネリストとして出てきて、シンポジウムに参加するから、その前後の会話の中で、色々な問題がざっくばらんに提案されて、向こうはそれを受けとめて、いろいろ考えるんじゃないでしょうか。そこで、すぐに結論が出る問題でもないし。今まで色々な連絡をとり、横田の問題を詰めてきたけれど、彼らが言うのは、「日本の外務省はくずだ、物事は決められない」と。結局、全部途中で物事を握りつぶして、本当に最悪だね、日本の外務省と役所は、腰抜けで。いつもアメリカの気ばっかり伺っていて、何か知らないけれども、日本の外交官になったら、外交研修所に行って最初に言われることは何かといったら、「外国と紛争を起こすな、努力をしろ」と。紛争を解決するノウハウじゃないんだよ。外国とゴタゴタするなと。つまり、相手の言うことを何でも聞けと。それがおまえたちの保身につながるんだと、そういう教育を最初からする国はありますかね。
 はい、どうぞ。

【記者】首都直下地震について、ちょっとお聞きしたいのですけれども、首都直下で震度が6強から最悪7の揺れが来る可能性があるという試算が出ていますけれども、それについて、文科省が震度7になった場合には倒壊する建物が、この首都圏、1都3県で16万棟だったのが、39万棟に倍増すると。加えて、上水道の管なんかも、被害が2倍ぐらいになるだろうというような試算が出ているのですけれども、それについては。

【知事】この問題は、皆さん、冷静に報道してもらいたいんだよ。昔からあることわざに、一犬虚を吠えて万犬実を伝えるという言葉がある。それは、東大の地震研究所の平田(直)君が4年のうちに70%、震度7の地震が来る可能性があると。東京湾といったら、どこからだと聞いたら、浦賀水道から内側と。これは非常に狭い範囲だ。そこに2つのプレートがぶつかっているところがあって、それが思ったよりも浅いところで、震源地が浅いと被害が大きいですということを言ったの。この間、彼を呼んで、二度目、いろいろ話を聞いた時に、彼も詭弁じゃないんだよ。私が言ったことを別の言葉で言うと、100年の間に5回ぐらい、震度7の地震が来る可能性があるということなんですよと。それを計算し直すと、4年のうちに70%の地震が来る可能性があるということにもなるじゃない。そこが分からないから、数学強くないから、僕は。ちょっと印象として、100年のうちに5回来るということなら、4年のうちに70%来るというのは、我々素人には算数的に、確率論として、全然違う印象にしか聞こえないんだけど、同じ学者がそう言ったんだよ。
 朝日新聞が出した『アエラ』という雑誌、みんなどういう評価するか知らないけれども、あいつらは熱心に、大変だと地震のこと言っている。繰り返して言うけど、この間、100人の地震学者に、『アエラ』という雑誌が、この次にいつ頃、大地震が日本のどこに起きると思いますかといったら、100人のアンケートで答えた人が20人しかいなくて、地震なんていうのはそんな簡単に予測できるもんじゃない、軽々に言うべきじゃないという人が回答を拒否したんでしょう。答えた20人の中の大半の人が、地震の予測なんてそう簡単にできるもんじゃないと言って、来るとしたらここだろうといった可能性の一番多いところは、この間の大地震があった東北のリアス式の沖合と、それから、東海、東南海。東京湾の直下型という人は1人もいなかったな。どういう顔ぶれか知らないけど、20人の回答者の中に。私はそれ見てほっとしたんですが、あまりそれで安心しない方がいいんでしょうかな。これはみんなで考える問題なんだよ。私は何の権威でもないよ、地震に関して。東京を預かる者として、戦々恐々としていますが、ただ、一犬虚を吠えて万犬実を伝えるみたいな、メディアの、報道する方が「大変だぞ」と威嚇的に言ったら、そのメッセージを発することで、メディアとしてのエクスタシーはあるかもしれないけど、そんなものは迷惑千万だ、国民にとってみると。もうちょっと事の信憑性をそれなりに確かめて報道してもらいたいよ。どうかしているよ、この頃、日本のメディアというのは。
 はい。次。

【記者】確かに、発生率に関してはおっしゃる通りかもしれないのですけれど、震度6強の想定が7になった場合に倒れる建物というのが倍増するという……。

【知事】それは、耐震性の問題で、古い建物がたくさんありますから。6と7では随分違うと思いますよ。

【記者】都としては、もちろんその辺の被害想定なり、防災対応ということは考えていらっしゃると思うのですけれども。

【知事】どうしたらいいんですか。古い個人の私有財産あるいは市区が持っている建物は、古い耐震性の基準でつくられたもので、7だって、危ない時に、都がそれを建て直すわけにいかないじゃないですか。あなた方が行って、「危ないですよ」と言ってやって、できるだけの補強をさせたらいいじゃないですか。私に聞いてもできっこない。神様じゃないんだから。行政の主体者でも、東京がいくら富裕財産になったって、6が7になったとき倒れそうな建物に対して、財政的に配慮なんかできるわけないじゃないですか。だから、そういう建物を持っているオーナーなり、責任者が意識改造するために、せいぜいそういうことの努力しなさいよ、あなた方が。
 はい、どうぞ。

【記者】消費税のことなのですが、弾力条項というものを消費税を実施するに当たって入れるべきだという意見がこの前の民主党の政府の中で大論議になりました。

【知事】何条項?

【記者】弾力条項というのです。景気動向によって消費税を導入すべきであるかないかということを議論するわけなのですが、そういう考え方については、都知事はどういうふうにお考えになりますか。

【知事】消費税と何回も言っていますけれど、経済全体に悪影響を及ぼすことの一番少ない税法なんです。でも、影響はあるでしょう。だったら、日本の経済、今、低迷している、片方では円高の問題がある。そういう状況の中で、どの時点で、どれだけのパーセンテージで事をやるということは、それは当然議論されるべきでしょう。ただ、足元に火がついていたら、今すぐにでも、消費税を上げなかったら財政が破綻すると。大変だと言っているのは財務省だろう。財務省の心配も分からないでもないけれど、財務省がそれに加えて、さっき言ったみたいに、東電の責任じゃないが、自分たちは払わせるけど、ほかの手立てを講じるかといったら講じないで、歳費は削らない、人も減らさずに、役人だけいい思いして。それで消費税上げてといったら、それはその中に通用しないということで反対論が多いんでしょう。ということですよ。
はい、どうぞ。

【記者】質問ですが、先日、日曜日に東北観光博がスタートしました。東北各地がすべて博覧会場というものです。そこで明らかになったのは、実は東京から東北各地への飛行機の便がほとんど今ないんです。もともとJALの専用路線だったために、全て撤退して、ないんです。日本人の場合は新幹線があるからいいのですけれども、海外から来る外国の人がものすごく減っている原因として、いわゆる成田、羽田空港で乗り継いで、東北に行くというお客さんは足がないというので、外国の人が特に落ち込んでいるということだったのですが、その解決策として、外国の人が言っていましたけれど、羽田を旅客専用にすべきだと、成田を貨物専用にすべきだというお話が出ていましたけれども、知事、どう思われますでしょうか。

【知事】それはなかなか簡単にいかないですな。貨物の量は知れているし、日本にやって来る人の数ははるかに多いですから、比重として。ですから、貨物の搬入というのは、今、ほとんど成田でやっているわけですけれど、成田を全部貨物専用にしても、あそこで受け入れているお客さんをどうはけるかといったら、これはとても羽田1つじゃいけませんし、国によっては成田にしか降りられない国もありますし。この辺のところはこれから、第3の空港というものをつくっていく、だから横田を私は問題にしているわけですが。これはちょっと、おっしゃるように、そう簡単にいきませんぞ。
 はい、どうぞ。

【記者】土曜日に、大阪維新の会の政治塾が開校するという話があります。政治塾が今、話題になっているのですけれども、これに関して、何か知事のお考えがあったらお聞かせいただければと思います。

【知事】ありません。あちこちに塾がありますから。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)