石原知事記者会見

平成24年2月23日更新

石原知事定例記者会見

平成24(2012)年2月17日(金曜)
15時02分〜15時24分

知事冒頭発言

【知事】冒頭、私から申し上げることはありません。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】オリンピックについてお伺いします。ローマが財政難から、招致レースから撤退いたしました。東京招致に与える影響について、知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】そんなものはJOC(日本オリンピック委員会)に聞いてくれ。俺に聞いても分からない、そんなものは。はい。

【記者】大阪の橋下(徹)市長が、「船中八策」という公約集を公表したのですが。

【知事】船中八策というのは、俺が最初言い出したんでね。いつの間にか、向こうの方にいっちゃったけれど(笑)。

【記者】この内容について、どういうふうに見ていらっしゃいますか。

【知事】あれに大賛成のところはあるね。例えば、首相公選というのは、中曽根(康弘 元内閣総理大臣)さんが、若いころ言っていた。僕も駆り出されて、生まれて初めての政談演説を高崎でやったことがあるけど、色々な条件が当然必要だと思いますね。僕は、いいことだと思いますよ。必ず共和制につながるものじゃないと思うんで、三島由紀夫さんはそれを反対したけれど。
それから、参議院はもう要らないよ。私は二院制はナンセンスだと思う。フランスでも、イギリスの元老院でも、意味が違いますね。ですから、衆議院でやっているのと同じ審議をするんだったら、参議院は要らないと思う。その他この他、私が昔言ったことと随分同じことがあるんで、大変結構だなと思っていますけれども。

【記者】今、お話しのあった参院の廃止というのも入っているのですが、そのほか、道州制であるとか、首相公選制とか、そういうのも盛り込まれているのですが、具体的に、こういうところは賛成だけれど、こういうところはちょっとどうかな、反対というのはありますか。

【知事】僕は、箇条書きに書いてあるのを、ちらっと今朝の新聞で読んだだけだけど、幾つかあるんですよね。それぞれ賛否両論あるでしょう。それを討論したらいいと思いますよ。ただ、もう、国民は飽き飽きしているだろう。何か知らないけれど、議院運営のタクティカル(戦術的)なことで、自民党というのは、本当に優柔不断で、けんかの仕方知らないな。

【記者】知事が応援団長を務めていらっしゃる、「たちあがれ日本」の平沼(赳夫 代表)さんは、この船中八策について、国家観がないというふうに批判したというふうにされていますが。

【知事】そんなことないんじゃない、随分国家観あると思うけど。国家規模の問題じゃないの。僕は、精通していませんけれどね。はい、どうぞ。

【記者】その船中八策なのですが、知事も平沼さんですとか亀井(静香 国民新党代表)さんと船中八策のようなものをいろいろ協議されていると思うのですが、その整合性はいかがでしょう。「(大阪)維新の会」の船中八策と。

【知事】私たちの案は、色々あるというか、私も建言しました。別にそれで収斂(しゅうれん)したわけじゃないんで。いつ政変があるかどうか知らないけれど、下手したら、選挙、当分ないんじゃないの。ですから、はかりごとは密にして、緻密にして、収斂し尽くして、発表すればいいんで、途中からべらべらしゃべるやつがいるからさ。しゃべればしゃべるほど遠心力が働くんだ。

【記者】橋下さんとは船中八策を発表する前に、色々お話をされてきたと思うのですが。

【知事】別に私は、彼の「維新の会」の衆議院の総選挙というのを意識して、政策について、話したことはありませんよ。僕が、彼を非常に評価しているのは、東京がやったのと同じことをやってくれているから。こちらも自信があるし、決して間違ったことはやってこなかったし、広域行政もそうだし。一番大事なことは、何回もくどくど言うみたいに、会計監査の方法を考えたということですよ。

【記者】近々、地域連合のお話で、橋下さんですとか、大村(秀章 愛知県知事)さんに会われるご予定というのはありませんか。

【知事】別にありません。どうぞ。

【記者】昨日、国民新党の下地(幹郎)幹事長が石原新党の綱領について、自衛隊を国軍とするというお話をされたのですけども、どのような思いでこれを綱領に盛り込むのか。

【知事】知らない。みんな、てんてんばらばら、自分の思いを言っているけれど、僕は下地と会ったこともないし、そんな話したこともありませんよ。

【記者】知事のお考えの中にはないでしょうか、このことについては。

【知事】私は、自衛隊を国軍にすべきだと思います。なし崩しに、警察予備隊から来たんだけど、集団自衛権みたいな問題は当然問題になってくると思うし、こういう問題を踏まえていえば、自衛隊をはっきり国軍とした方がいいですよ。自衛のための軍隊が外国で働くというのは妙な話なんだから。はい、どうぞ。

【記者】大飯原発が3、4号機が稼働を再開されるという方向になったようですけれども、この原発と夏の停電との関係等をいろいろ考えていきますと、都知事の見通しとしては、どんなふうになるでしょうか。

【知事】そんなものは、経産省か何かに聞いてよ。俺に聞いても分からん、そんなものは。学校じゃないんだよ、ここは。はい。

【記者】きのう申請ファイルの発表があって、知事も最初、ご挨拶されたと思うのですが、JOCに聞いてくれということなのかもしれませんけれど、「ニッポン復活オリンピック」とかいうキャッチフレーズがあって、「たちあがれ日本」みたいな感じで、ちょっと知事もアイデアに絡まれているのかなと思うのですが、「ニッポン復活」というフレーズについて、どういうふうに……。

【知事】ちょっとちっちゃいよな。
あれは、JOCが考えた末に決めたんでしょう。何でもかんでも、乳母日傘(おんばひがさ)で言ってくるなと言っているから、彼らは彼らなりにやったんだろう。復興も復旧も大事でしょう。しかし、大分先にはめどがついているんで、当面、ビディングゲームの招致運動の中で、日本の、日本人全体のオリンピックに対する期待というか、そういった心情を表したんだろうけれど。悪くはないけど、そんな大きくはないよな。

【記者】このホームページを見ると、日本復活にオリンピックがどうつながるのか、5個か6個ぐらい、いろいろ段階を踏んだと、ちょっと若干理屈っぽいかなというところがあって、もう少し純粋なお祭り風を出してもいいのかなと思うのですが、その辺、どうなのでしょうか。

【知事】その辺、どうなるか、私もちょっとそんな気がしないでもないけれどね(笑)。

【記者】さっきから新党の話が続いていて、もういいよと思っていると思うのですが、さっきの下地さんなのですけれど、3月後半から4月下旬の連休までに新党結成時期が来るんだというふうにおっしゃっているのですが、全くあずかり知らないことで、そんな時期は知らないということでしょうか。

【知事】3月は私、一番忙しい時ですから。

【記者】ただ、議会は29日で終わるんですが。

【知事】その後、ワシントンにも用事があって行きますし、色々なことも考えていることはあるから。だから、「お前らみたいなのんびりしている連中と違うんだ、俺は。東京を抱えているんだから、人のタイムスケジュール考えて物言え」と言っているんですよ。

【記者】もう1点、下地さんに絡めてなのですけれど、下地さんは沖縄出身なのですが、東京だと横田基地もあるのですが、米軍再編の関係で、沖縄の基地負担の問題とか、米軍再編のことを今、知事は、特に沖縄の基地負担ということに絡めて、どういうふうなお考えをお持ちでしょうか。

【知事】沖縄にとっての基地負担の問題は色々な構造があって、沖縄経済というのは何で動いているかというと、ほとんど基地なんだよ。農業なんていうのは、たかだかしれているもんで。土地を基地として提供している地主さんたちに入る収入というのは、かなりのものなんですよ。それから、基地で働いている組合も、私も年中、ダイビング行ったり、ヨットレースで行ったりなんかするんで、時々見るんだけど、米軍が沖縄における基地関係の財政というものを合理化しようと思って、人員整理しようとすると、猛烈な反対をしている。と同時に、ある時は、基地全面返還という運動もやっているね。そこら辺は、私たちから見ると、非常に奇妙な感じがしますが、そういうものをよく考えた上で、もちろん、基地というのは戦略的な意味があって設けられていて、日本もその恩恵に浴している部分はあります。だけど、沖縄にとっての基地の負担の過重性云々というのは、もうちょっと冷静に考えた方がいいと思いますよ。僕は、それは何も全部の基地を認めろと言っているんじゃないんですよ。ただ、行くと非常に奇妙な現象があるわけだよ。地主さんの問題もあるし。「首切り反対」と言いながら、ある時には、基地全面返還という運動に熱烈に参加している。ちょっと我々から見ると解せないところがあります。だから、彼らの立場というのは本当にデリケートなものなんですよ。沖縄の人自身や日本という国を踏まえて、複合的に冷静に考えてもらう必要が私はあると思いますけれども。それ以上のこと言うと、余計なこと言うなと言われるから。はい。どうぞ。

【記者】都の除染についてお伺いしたいのですけれども、葛飾区の水元公園で、大量のヨシを刈った後に、そのヨシを堆積させている広いエリアがあるのですが、ここで空間線量で0.8から0.9、最大で1.18マイクロシーベルト/アワーという非常に高い線量が検出されております。これは放射線管理区域と同じぐらい高い区域なのですけれども、放射性物質汚染対処特措法にのっとって、都の方で処理すべきだと思うのですけれども、知事のご見解をお伺いできますか。

【知事】初めて聞いた話。これから調査して、聞き取って決めます。はい。

【記者】お願いいたします。公園内で、子供とかお年寄りの方も気軽に入れるような広い地域なんですけれども。

【知事】水元公園、よく知っていますよ。きれいな公園で。大きな池というのは、どういう形で水源がつながっているか分からないけれど、放射線というのは、水とか空気で色々な形の動き方しますし、大きな池ですから、あそこへ集積するということもあるでしょう。おそらく一時的なものだと思うけれども。

【記者】このヨシの処理なのですけれども、2月16日に処理に関して入札が行われていて、これがどのような処理になるのか、特措法にのっとった処理になるのかというのを確認いただければと思います。一般の企業がもう落札をしているのですけれど、この処理に関して。

【知事】そのフォローをちゃんとしろということでしょう、管理を。分かりました。はい、どうぞ。

【記者】来月は、東日本大震災が発生してから1カ年であると同時に、東京大空襲が発生した月でもあります。東京大空襲の遺族からは、風化を心配する声も上がっています。東日本大震災に隠れて、東京大空襲が風化される……。

【知事】(東京都平和の日記念式典は)毎年やっている、風化していないよ。いつも寒い思いして、同じメッセージ読んでいるんだよ。

【記者】大丈夫だと。

【知事】大丈夫です。それはひどいことしたんだから、アメリカは、あの時。成層圏を飛ぶような新兵器に近い「B29」という飛行機が、低空300メートルの絨毯(じゅうたん)爆撃やって、参謀たちは反対したんだけど、ルメイという空軍司令官が、変に偏見の強いやつで、日本人は汚い、だから焼いてきれいにするんだと、強引にやったんだ。2回も3回もやったんだ。完全にジュネーブ協定違反ですよ。その男に、戦後、航空自衛隊をつくる時に、功があったって日本は一番高い勲章をやったんだよ。おめでたい国だよ、この国は。あそこで殺されては浮かばないよ、本当に。宮さんもいらっしゃるからあまり物騒なことできないけれど、いつも決まった「この惨事を私たちは忘れず、平和に貢献いたします」と同じものを読むよりも、みんなに向かって、「君ら思い出しなさい、アメリカはひどいことしたんだぞ、そういうもの考えてアメリカとつき合おうじゃないか」と言いたいね。しかも、10日の大空襲だけじゃないんですよ。その前にも同じことやって、たくさんの人が死んだという記録写真が、ある写真屋さんの記録で出てきた。そういうことを思い出すことは、決してあの出来事を風化させることにならないと思いますから。彼らにとっては耳が痛い話かもしれないけれど、こっちは耳が痛いどころか、たくさんの人、死んだんだから。むげに殺されたんだから。制空権なくなった飛行機に、亜成層圏を飛べる新兵器の爆撃機が200メートル、300メートルの低空飛行で、悠々と焼夷弾ばらまくなんていう空襲はどこがやりましたか。はい、どうぞ。

【記者】8日に、ロシアの爆撃機が5機、日本の領空に接近して、防衛省が「これほどの大規模な飛行演習が日本列島で行われたのは初めてであり、早期警戒管制機が日本に接近し、偵察を行ったのも前例がない」ということを言っているのですが、それを受けて、ロシアの軍事専門家が「ロシア空軍がその気になれば、20分以内に日本を地球から消滅することもできる」という発言をなさっているのですが、先ほど知事が、自衛隊をもうちょっと強化するべきだという発言を踏まえた上で、この件に関してどう思われるでしょうか。

【知事】彼らがどう見ているか知らないけど、彼らは水爆を持っています。水爆というのは、世界で使われたことがないけれど、日本列島というのは非常に縦に長い国土でありますが、それでも、大体2発の水爆で全滅しますよ。彼らはそれを言ったんでしょう。「お前らは俺たちが盗んだと言うけど、お前らは油断大敵で、北方四島返せなんてあほなこと言うな」という威嚇ですよ、それは。小癪(こしゃく)だけど、悔しいけれど。本当にそうなんだよ。大体、スクランブルかけたの?日本の空軍は。

【記者】かけました。

【知事】かけて、追い払ったわけ?

【記者】追い払えない。そのまま、領海すれすれだったそうなので、何もしなかったそうです。

【知事】領海入ってきたら撃ち落としたらいいんだけどさ。大体、日本の領空じゃなく、領海の中の海峡を中国の潜水艦が悠々と通るわけだよ。それに、爆雷も落とさず、威嚇もせずに見逃すんだけど、認識していながら。日本の潜水艦が仮に中国の領海に入って侵犯して通ったら、爆雷落とされる、沈められますよ。北朝鮮もそうでしょう、ロシアもそうでしょう。韓国といえども、日本の潜水艦が無断で領海に侵入したら爆雷落とすね。やらない国は日本だけだよ。それぐらい能天気になったんだ。話せば分かるんじゃないんだ、話しても分からないし、話そうともしないんだ、相手は。そういうことは考えた方がいいよ。領土を侵犯され、略奪され、あるいはされつつあり、領海を侵犯され、同胞を状況証拠あった200人ぐらいを殺された、しかもその3つの国が核を構えて日本に向かって睥睨(へいげい)している、こういうシチュエーションにある国家は世界中どこにありますか。世界で日本だけですよ。

【記者】知事はたびたび、地政学上、日本は極めて特殊な位置にあるとおっしゃっていましたが……。

【知事】いや、なっちゃったんだ。周りの国が邪悪になってきたから。

【記者】それに対して、日本がこれから持つべきものというのは何でしょうか。精神的なものですか。

【知事】精神的なものじゃないね。例えば、日本が、最低限、核兵器のシミュレーションするだけで、随分、状況が変わってくると思います。核兵器を持っても、水爆で日本を全滅させようとばかなことをロシアが言っても、今、そんなもの使えませんよ。使えない理由は4つか、5つか6つある。核兵器を使えない。ただ、持っていないと物が言えないが、持とうという意思があるとなると、かなり状況は変わってくるという、これが外交の構図なんだ。それと、「はやぶさ(小惑星探査機)」みたいな快挙を日本人はできた。一生懸命まねしようとしたのはアメリカだ、盗もうとしたのは中国だ。アメリカがやろうとしている新しい戦略兵器の「コンベンショナル・ストライク・ミサイル」のようなものは、日本は持とうと思ったらできますよ。これには核弾頭積んでないんだから。こういったものを、みんな本気で考えたらいいんだ。役人に言うと、みんなニヤニヤ笑って、「いやー」と言うだけで。政治家は、そんなこと毛頭知らない。別に自慢するわけじゃないけれども、これには距離が要るんです。そのために格好なのは日本の南鳥島だよ。僕は、この間行ってきたよ。おそらく日本の政治家で行ったやつ1人もいないんじゃないかな。誰か行ったらいいんだ、本当に。そうすると、コンベンショナルミサイルとあわせて、あそこの1点だけ、ぽつんと離れている日本の貴重な自衛隊がもういますけれど、これがどれだけ世界的意味を持つかということが分かってくるよ。君らもそういうこと勉強しなさい。はい、どうぞ。

【記者】天皇陛下が、ご存じのように体調を崩されて、今日から手術ということで入院されて、記帳が始まりまして、私も朝、早くから起きて、記帳に一番でサインしてきたのですが、同じくらいの年配でございますので、知事の方も、一言何かお言葉を。

【知事】本当に、私も心配していますね。私の非常に親しい優秀な専門医に聞きましたら、カテーテル突っ込んで処置できないこともないんだろうけど、場所が非常に悪いそうですね、角のところで。万々、万が一というものを慮って、胸を切り開くような大手術になる。私の家内も、実は一昨年、その手術を受けましたが、家内の方が少し若いんだけれども、陛下のお年考えると、私と1つしかお違いにならないけれども、相当体力を消耗されると思います。陛下も3月11日の式典(東日本大震災1周年追悼式)に、非常に強い意欲で出られるというご意向のようだけれども、あまり無理だけはなさらないでいただきたいですな。はい、どうぞ。

【記者】小沢一郎さん(元民主党幹事長)の話で恐縮なのですけども、議員勤続25年以上たったということで、小沢一郎さんの肖像画が国会内に掲げられるという話もあるようですが、これについてどう思われますか。

【知事】いいじゃないか。僕はうんざりして辞めたもんだから、肖像画はかかっていませんが。慣例なんだから、彼がそれを受けるか、受けないか別にして。大変存在感のある政治家でいらっしゃるから。はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)