石原知事記者会見

平成24年2月3日更新

石原知事定例記者会見

2012年1月27日(金曜)
15時02分〜15時33分

知事冒頭発言

(1) チャリティスポーツイベント“きずな”ウォーク&ランについて

【知事】冒頭、最初、私から1つだけ申し上げます。来月開催する「東京ゲートブリッジ完成記念スポーツフェスタ」では、1万5,000人の定員に対して、申込み早々に、それを打ち切るほど多くの応募がありました。参加できない人がたくさんいるようですけれども、この間、私も、ちょっと橋の上へ視察に行ってきましたが、海の真ん中に橋が出来て、東京湾に出入りする船が下を通るわけですから、なかなかの景観で、レインボーブリッジはわりと岸が近いけれども、今度の場合は、本当に海の真ん中という感じで、全長も、非常に長い橋ですし、ある種の新しい名所になると思います。横に立派な歩道もついていますから。江東区の山崎(孝明)区長は、なかなか、思いつきのある人で、あそこをバンジージャンプの名所にしたらどうだと、私もいいなと思ったんですが、船も頻繁に通るようで、そうもいかないんで、あきらめましたけれども。
 それから、今回、東日本大震災から1年を迎える3月11日に、臨海副都心の潮風公園で、ウォーキングやランニングなどを行う「チャリティスポーツイベント」を開催するので、皆さん、ぜひ参加してほしいと思います。この参加費の一部は、被災地に寄付をいたします。このほか、被災地の少年少女を招待して、都内の子供たちや、野球、サッカーなどのアスリートと交流するイベントも行います。早春のお台場を楽しみつつ、お互いに“きずな”を深めて、被災地復興への支援と、心意気を見せてほしいと思っております。

(2) 「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」研究チームの研究成果について

【知事】幹部会の昼食会に、時々ゲストに来てもらって話をしているんですが、昨年ですけれども、東大の地震研究所の平田(直)さんという教授を招いてお聞きしました。その方が今度、コメントされて、4年以内に70%、大地震が来るから、メディアは面白く、あおっているかも知れないけれど、針小棒大と言いましょうか、こんな地震列島ですから、かねがね、みんな言っていることで、都は都なりに10年計画の中にも、都のできる防災訓練、防災対策をしていますが、結局は、いつも言っている自助、共助、公助の問題で。地震は十分に来る可能性があるという、その自覚を持って、自分で住んでいる家の耐震性などというものは、人任せにせずに、自分の命との引きかえですから、考えてもらいたいと思うんです。この間、平田さんの話を聞いた時に、私たち、ちょっとショックを受けたというんですか、「なるほど」と思ったのは、体感はないけど、地震計には大体、10分に1回ぐらい、地震が感じられると。これは、今までなかった現象で、非常に注目すべきだということですが。小さいので、皆さん、見にくいかも知れないけれど。3月11日以後、これだけの頻度で地震が起きている(※)。これは平田さんに言わせると、あくまでも、この間の(東日本)大震災の余震の域を出ないというんですが、余震だろうと。これが今後、かなり長く続くと、また違った問題で、直下型の震災を考えなくちゃいけないのだと。それから、この間、そのブリーフィングを聞いてちょっとびっくりしたのは、この頃、地理を教えないから、みんな知らないかも知れないけれど、房総半島の野島崎と神奈川県の三浦半島の三崎を結んだ線以内を東京湾とするなら、震源地がここ(東京湾)にあり得ると。3つのプレートがぶつかっているところが、東京湾の中に見つかったんですって。初めて聞いた話でびっくりしたんですが、プレートとプレートがぶつかっている部分というのは、大きな地震の一つの引き金になりやすいということで、その震源地がどこかは詳しく聞いていませんが、東京湾というのは、浅いところと深いところとあって、横浜を過ぎると、間もなく水深が200メートルあるような深海もありまして。この間、専門の学者に見せてもらったけれど、あそこに不思議なサメがいたりして、東京湾といいながら、かなり水深の深い部分があるわけです。その更に深い、どこにその3つのプレートの接合点があるのか知りません、そこまでは聞かなかったんですけれども。いずれにしろ、大都会が密集している東京湾の中が、大きな震源地になる可能性はあるであろうということで、かといって、それをどう防ぐかという手だてもないわけで、そういう認識を持つということが、さっきも申しましたが、災害に対する自助、共助、公助の1つの大きな1つのよすがになるんじゃないかと思うんで、それをお伝えいたします。それで、グーテンベルグ・リヒター法則というのがあるんだって。マグニチュード3以下の地震が100回、マグニチュード4が10回、マグニチュード5が1回あるという累積の上に大地震が発生する可能性が優にあるということらしいんですけども。東京湾なり、東京の近辺というのは、それに果たして該当するかどうか、専門家じゃないから分かりませんから、詳しく聞きたかったら、平田さんに聞いてきてくれ。私から申し上げることはそれだけです。質問があったら、どうぞ。あまり、亀井静香(国民新党代表)の流した怪情報には騙されない方がいいよ。3月は一番忙しいんだから、予算やっていて。はい。

※3月11日前後の首都圏の地震活動について
 東京大学地震研究所ホームページ
 「2011年東北地方太平洋沖地震による首都圏の地震活動の変化について

質疑応答

【記者】亀井さんのお話で、最初から、恐縮なのですけれども、先ほど、知事も、報道陣に対して、3月は忙しいというお話をされておりましたけれども、そうなると、3月に予算成立した後ならばというふうなことですか。

【知事】そういうことになるかも分かりませんな。それは何回も言っているみたいに、政治は一寸先は闇だから。今の政情に、民主党、自民党も含めて、ほかの群小政党、色々あるけれど、国会運営、議論にならない議論、前の総理大臣の前言引いてきて云々するのは結構だけれど、誰かがつくった作文読み合うみたいな、あんな討論で何も出てこないと、国民みんな、うんざりしているでしょう。1回、今の国会の政治構造というのをシャッフルする必要あると思います。やるんだったら、いくらでも協力するし、どれだけ協力するかといったら、私の身柄の問題じゃなくて、しからば、どういう政策を必要とするか、何をやるかということなんだよ。それも論じないで、政党つくっても、年末にできた政党には政党助成金が出るかも知れないけれど、その新しい人が何をやるか、さっぱり分からないんだから。そんなこと、繰り返してはしようがないでしょう。亀井君も言う通りなんで、確かに、明治維新というのは、下級武士が反乱したけれども、反乱する1つのゆえんになったというのは何かといったら、坂本龍馬のような天才が船中八策というのをつくって、今から見れば当たり前のこともあるし、卓抜もあるけども、大きな同盟つくって、薩長連合ができたんで、歴史というものを振り返ってみれば、その所以がなかったら、物事は大きく動かないんですよ。政治家が政界の再編成を論じるんだったら、それを妥当とするような政策考えなかればしようがないじゃないの。そんなものもなしに、不満分子集めて、数そろえても、そんなの政党にならない、ということなんです、私が言っているのは。

【記者】報道によりますと、知事は合意をされたと、新党の。

【知事】いくらでも協力しますと、合意はしました。

【記者】具体的な、今、綱領をつくっている作業にまで入っているというお話ですが。

【知事】綱領というか、政策についての意見のぶつけ合いはしましたよ、この間。

【記者】知事としては、どんな政策を強く。

【知事】それはめったに言えない、全部まとめなければ。私一人、暴走してもしようがないから。私は、この間、書いた『新・堕落論』の中で、日本を堕落から救うために、こういうことしなければいけないと、幾つか書きました。それについて、反対の人もいるでしょうし、賛成の人もいるでしょうけれど、私は自分の言ったこと、間違いないと思うし、例えば、日本の軍事力というものをどういうふうに高めていくか、核の問題も絡んでくるでしょう。詳しくは、本読んでくれよ。だけど、オバマなんかが「世界中の核兵器なくします。Yes We Can」と言って、次の月になって、新しい核兵器のシミュレーションしているじゃない。シミュレーションぐらい、日本がやったっていいんじゃないの。やると、みんなびっくりするよ。もっといい方法はあるの。それは、私の本に書いてありますから読んでください(笑)。

【記者】新党を発足されると、今の都知事の職というものに対して、どうお考えですか。

【知事】国が大事か、都が大事か、色々な選択の幅はあるでしょう。私は、もともと、3期で辞めるつもりでいましたけれど、4期やっているわけだから、おまえは途中でやめるんじゃないかと。そんなことじゃないんだよ。自分にとって、政治家というのは、必然性があれば、1人でもやることやります、ということですよ。政治家というのは、その覚悟がなかったらできないんじゃないの。はい、どうぞ。

【記者】政策の前に、改めて確認させてください。トップとなって、現状の日本国を立て直すお気持ちがあるという理解でいいのか、この点だけお聞かせください。

【知事】あるとかないとかじゃない。なれたら誰だってなりたいし、村会議員に出る人間だって、将来は総理大臣になると言うわけだから、政治家というのは。もともと国会議員もしていましたけれども、自分の属している自民党に愛想を尽かして辞めた訳です。この中央集権というか、明治政府がつくった政治体制が、いまだに全然変わらずに続いてるという、この国はやっぱりだめだね。日本の戦後を良くしたのも官僚、だめにしたのも官僚。年金の問題1つ見ても、そうじゃないですか。よく国民が怒らずにきたと思うね。色々な問題が、本当に手つかずで、先送り、先送りでここまで来ちゃったんですよ。はい、どうぞ。

【記者】新党結成に向けて協力するという話もありましたが、大阪の橋下(徹)市長との連携について、どのようなお考え方を持っていらっしゃいますか。

【知事】これは、全然別の意味で、私が橋下さんに共感するというか、橋下さんが私に共感していること、いくつかあるんですが。大事なことは、何回も言ってきた。君は初めての顔だから、聞いたかどうか知らないが。会計制度というものが、この国はいいかげんなんです。この記者会見を見ている国民の皆さんに知ってもらいたいけれど、大福帳みたいなことをやっている国というのは、日本のほかにないんですよ。先進国では日本だけ。世界中で、日本の周り見てみると、財務諸表の出てこない単式簿記みたいなばかなことやっている国は、日本と北朝鮮とフィリピンとパプアニューギニアだけだ。こんな国に財務諸表があるわけないんだ。バランスシートがないんだから。財務諸表というのは何ですか。知っているだろうけれど、知らないけれど知ったふりしているのか知らないが、財務諸表というのは、株主がこの会社の株買いたいなと思った時に、その株が正しいか正しくないか、持っている株の売り時か、まだ持っていていいか、調べるための大事な資料です。会社なら会社の財政がどうなっているかということを完全に掌握するための一番の手だてなの。この国はないんだよ、財務諸表が。財務諸表のない国が何やるかといったら、民主党がばかみたいな事業仕分けやるけれど、あんなもので何も出てこない。それをやろうと思うと、財務省は大反対だ。自分たちのがばれちゃうから。これを東京はやりました。会社の会計制度と公的な会計制度違いますから、例えば、持っている高速道路とか地下鉄なんかも耐用年数が過ぎると、普通だったら償却できるものだけど、償却されずに、資産価値がある。そういうものをどう組み込むかというのは非常に難しいんで。かつて、友人だった中地(宏)さんという(日本公認)会計士協会の会長と組んで、彼に頼んで、まず、バランスシートの立派なもの、独特のものをつくって、それをベースに会計制度を変えました。大阪はそれを見て、すぐ取り入れたいと言ってきてくれた。僕は、それを非常に多とするんだ。肝心なことは財政、金なんですよ。役人がごまかしたら国民や都民や市民は分からない。それを分かりやすくするために、東京が工夫して、ただで提供しましたよ。みんな、暗い顔しているから、あまりよく分からないんだろう、会計制度なんていうのは。よく勉強し直してくれよ、記者は。こんないいかげんな会計制度やっている国というのはないんだよ、世界中に。それを東京は直しましたよ。愛知県もやると言ってくれた。新潟県もやると言ってくれた。新潟は妨害が入って、財務省が勧めたものやるといったけれど、新潟の知事は、これじゃだめだと。東京方式でいくと言って採用してくれましたよ。こうやって地方から国を変えていく、そのきっかけに、東京と大阪が組み、愛知県が組み、首都圏なんかも、東京に限らず3つの県が広域行政で協力してやってきた。こういう中央集権というのをぶっ壊していく絆は、地方と地方の強いアライアンス(提携)がなかったらできないんじゃないですか。それを、私は橋下さんと一緒にやろうと、やってきましたし、これからやろうと。彼がやっている、教育制度、かなり破壊的な改革案らしいけれど、これは私も懸案だった、なかなかいいアイデアがなかった。大阪のやっていることで非常に参考になるなら、どんどんまねして取り入れて、東京方式をつくってやりますよ。そういうことです。ろくでもない政党はみんな、能力のない政治家なんかがびくびくして、橋下君が何十人の候補者を立てると。彼は彼で忙しくて、(市長に)なったばかりの大阪市というのは伏魔殿だから。この組合は、年間10人以上の刑事犯を出しているんだから。こんな組合を持っているところありませんよ。しかも、大阪の市民の18人に1人は生活保護受けているのよ。こんな自治体なんかないよ。こういったものをぶっ壊すために、彼、頑張っているんだから。協力は、東京もしよう、名古屋もしようと言って、首都圏もしようということで、手を組むというのは妥当なことだし。これは国は嫌うかもしれないけれど、やれるところまでやります、ということです。大演説になりましたけれど。どうぞ。

【記者】先ほどの東大の平田教授のお話もありましたけども、平田教授も発表したのは、あえて驚かそうとかそういう意味ではないと思うんですね。正しく恐れようと、備えようと。

【知事】全く。

【記者】いたずらに怖がらないようにというようなこともあろうと思います。そういった首都圏、東京のリーダーとして、石原さん、こうやっていらっしゃるわけなんですが、そうした中で、「石原新党」とかああいう言葉だけがひとり歩きすると、色々なことを考える人もいらっしゃると思うんです。その時、東京都のリーダーでいらっしゃる石原さんは、果たしてどういう、今、気持ちであるのか。東京都のことをきちんとやるよというようなことを、どうなんだろうかということを聞きたいと思っていると思うのですが、いかがでしょうか、改めて。

【知事】私も逆に聞きたいみたいなもんで、これから先、色々な政治の動きの中で、私は東京も大事だけれど、東京より国家が大事です。その国家のために東京を動かしてきて、やるだけのことやってきたと思うけれど、まだ道半ばのものもありますが。オリンピックなんかは、しっかりした知事が、8年先のことですから。在任中はやることやりますけれど、そのころ生きているかどうか分からないから。陣容整ったら、日本の国力でだってできるんですよ。あとはチームの編成なんだ。だけど、災害の問題は、自助、共助、公助とお経みたいに唱えても、なるもんでもないし、財政がある程度の可能性持っている時は、やることやらなくちゃいかんと思っていますけれど、本当に、こういう噂を立てられるのはありがたいようなありがたくないような、仕事の上でもバリアになりますし、私は1日1日やるだけのことやっていくだけです。あなたに偉そうなこと言っていますけれど、あなたが一番ベテランで分かっている。政治は一寸先は闇だから。分からんよ、そこで転んで死ぬかもしれないし。生まれ変わるかもしれないし。はい、どうぞ。

【記者】先ほど、政治構造をシャッフルする必要があるというお話をされましたが、その関連の質問なのですけれども、政策ありきということでありましたが、大阪の橋下さんは、5%の増税だけでは足りないという話もされているのですけれども、消費税への考え方を旗印に、今後、政界の再編というのを打って出るというお考えはあるのでしょうか。

【知事】打って出る、出ないの問題の前に、消費税というのを、もう一回みんなで考え直す必要があると思う。消費税というのを、2段階で上げるというけれど、私は反対。1回上げて、また次上げると、またかということになって、ろくなことにならない。あなた方、財政をどれだけ知っているか分からないけれど、消費税というのは、経済に対するマイナス効果というのが一番少ない税金なんです。そういう性格の。消費税はきちんと上げたらいいと思う。上げなかったら、とても日本はもたない。その前に、なぜ国の役人の数を減らさないんですか、給料を減らさないんですか。人事院が体裁が悪いから少し減らそうと言ったけれど、その案を採用せずに、一方で消費税だけ上げるというのは、国民は冗談じゃないと思うし、民主党の議員だって、尻込みするでしょう。東京は15万人いる人間の中で2万8,000人減らしました。増やしたのは警察官と消防だ。給料はやりくりして、40%くらい、結果、全体で減らしたんだよ。人件費が一番、金、食うの。それを減らさないで、役人の数も減らさずに。参議院なんか要らないんだよ、こんなものは。いたから、よく分かるけれども。参議院なんか要りませんよ。第二院だ、ヘチマだって言っても、フランスの元老院とかそういうのだって、実際に機能していないし、飾りものだけど、日本の場合には、衆議院でやった同じ審議をするわけですよ。しかも、ねじれになったら、全然、事が運ばない。しかも、この時代に、大事な委員会、予算委員会も含めて、大事な問題の中継はテレビがしているんだから、二番煎じで、参議院でやる必要、全くないと思う。こんなものなら、なくしたらいいんですよ。そういうことも、みんなで考えたらいいと思う。はい。

【記者】今の話に関連するのですが、亀井さんとは、知事、古くからの同志なんだと思うのですが、消費増税であるとか、財源を都市に分配するのか、地方に分配するのかで、その重点の置き方とか、そういう面でかなり考え方が亀井さんとは違うんじゃないかと。少なくとも経済、財政政策においては。その辺で合意はできるんでしょうか。

【知事】それはどうか分かりません。これからそういうことを話したらいいと思うね。政局が進んでいくにつれて。私も1人のアドバイザーとして、特に、「たちあがれ日本」の応援団長をしているから、彼も加わるわけだから。亀井君はよく言うんだよね。増税しなくても隠し金いっぱいあると。それだったら出せよと。どうやって吐き出させるかの方法論を、ちゃんと述べてくれと言うけれど、大丈夫だ、やればやれるんだという話で、具体的な案をあまり聞いたことないね。

【記者】そうすると、従前、イデオロギー的な対立というのは、今ないんだというお話しされる中で、経済政策というのは、一番重要な政策ではないかと思うのですが、そこで一致できないのに一緒になるということがあり得るのか。

【知事】経済政策が何も一番重要な政策と思いませんね。折衷案もいろいろ出てくるでしょう、話し合いすれば。それは、これからのことですよ。あなた方に一々相談することじゃないんだ、決まったことをこちらが発表すればいいんだから。はい、どうぞ。

【記者】都知事の仕事に対する考え方を改めてお聞きしたいと思うのですけれども、国が大事ということは再三おっしゃっておられますけれども、過去には、現職の知事でいながら政党の代表になっているというケースは、例えば田中康夫さん、長野県(知事)の時代なんかもあったと思うのですけれども。

【知事】一緒にしないでもらいたいな、頼むから。

【記者】10年以上、東京の都知事をされてきたお立場からして、両立というのは、そもそも可能というふうにお考えでしょうか。

【知事】何の両立?

【記者】都知事をやりなから、政党の代表をやるということは可能であると考えますか。

【知事】それはだめでしょうね。

【記者】そうすると、おっしゃったように、助ける方法の形の一つとして、党首になるという選択をされた場合には、都知事の仕事は辞めざるを得ないということなのでしょうか。

【知事】そんな仮定の、仮定の、仮定の先の話しないでよ。考えるの面倒臭いから。君らで考えてくれ。はい。

【記者】今の新党の話とちょっと絡むのですけれども、昨年末までは、知事に、新党の話が出ると、「私はオールドマンだ」ということで、割と否定的なことをお話しする機会が多かったように記憶しているのですが。

【知事】僕はオールドマンですよ、依然として。

【記者】年明けから「さあ、どうだろうか」というような形になってきて、今回、今日に至って、4月以降あるかもしれない。その場合は、都知事の仕事は一緒にはやれないというような発言も出てきて。この1カ月ぐらいの間に、知事はどういう状況をご覧になって、どういう気持ちの変化というのがあったんですか。

【知事】気持ちの変化なんかないですよ。ただ、だんだん日本が悪くなっていくね、危なくなっているね。それから、消費税一つとってみても、絶対必要だし、外国人のエコノミスト、専門家は、当然、日本は上げるだろうと。上げざるを得ないし、日本人はばかじゃないから、当然、上げると。ギリシャなんかと大分違うから、結局、賛成せざるを得ないだろう。その通りだと思う。だから、円は信頼性がまだ高くて、円高が続いているわけだけれど。同じ消費税上げるんだったら、2段階で上げるなんて、実に拙劣ですよ。心理的にも非常にばかな話で、私は一遍に上げたらいいと思う。その前に、あわせてやることやったらいい。役人の首を切る、給料を下げる。それをせずに、いきなり消費税だけ断固上げるといっても、そんな不退転では何にもならない。ちゃんちゃらおかしいよ。

【記者】そうすると、消費税の話が出てきて、話が大分進んできたということで、考え方が変わったという理解でいいのでしょうか。

【知事】違います。そんなことじゃないです。もっと大事な問題がいっぱいあります。はい。

【記者】仮定の仮定の仮定のお話は、知事は答えられないということなのですが、知事が常々インタビューで、坂本龍馬を大変評価されていまして、ああいう天才がいないと。

【知事】たまたま明治維新の話が出た時に、亀井が下級武士が反乱して日本は変わったと言うけど、それは結構だ、その通りだけれど、変わるは変わるで、精神的所以もあったし、政策の所以があったんですよ。だから、薩長連合もできたんですよ。

【記者】知事ご自身は、坂本龍馬のような存在になるお気持ちというのは。

【知事】ならないね、私は。あんな骨太な人間じゃないよ。気が弱くて、華奢な人間ですからね。はい、どうぞ。

【記者】オリンピックの招致の関係で、来年ですか、都市が決まります。東京は招致を目指しているわけですが、その間ずっと、招致の活動には知事として取り組まれるというお考えなんでしょうか。

【知事】その言葉、なんか罠張ってないか。だからってだめだよ、そんなものは。一寸先は闇なんだから、見えるわけないじゃない。どうぞ。

【記者】冒頭、知事からご説明いただいた、平田教授の東京湾の中が大きな震源地になる可能性があるというお話なのですが、都民の個々の対応を促すためにも、都として今後、調査なり、詳細なことをもう少し明らかにしていくという、そういったお考えはないでしょうか。

【知事】地震研究所という、一応、日本の最高権威の一つが、それなりのデータを踏まえて言っていることで、東京が潜水艦雇って調べるわけいかないし。

【記者】協力して。

【知事】いや、情報を待つしかない。ちょっと話がそれるんだけれど、海の底に私は非常に興味がある、自分もダイバーなんです。ただ、この間、全然違うことで、3人乗りの潜水艇ですか、それで東京湾を、ずっとリサーチした映像を見た。何百メートルもある東京湾の一部に行きますと、もうめったに見たことのない不気味なサメがいたりして。今度、ぜひ、俺を乗せろと言ったの。そしたら、めったにできないんだって。というのは、非常に通航する船舶が多くて、潜水してリサーチする作業そのものが危険なんですって。事、地震のためだというなら、ポイントが決まっているんだったら、1,000、2,000メートル潜る能力がある潜水艇だから、潜らせて調べたらいいと思うんですけれど。そう言われてみれば、新しいデータが得られるんだったら、国に申し込んで、一時期、あそこの航行を制限して、本格的に震源地の調査してもらいたいと思いますし、すべきでしょう。はい、どうぞ。

【記者】電気料金の値上げについてなのですけれども、昨日、知事名で、東京電力と枝野(幸男 経済産業)大臣に要望書を提出されましたけれども、これまでも東電は、データ開示には非協力的だったということですから、今回もこういったことが続く場合は、今後、どのような行動を知事としては考えていらっしゃいますか。

【知事】まず、東電の姿勢が、政府の姿勢も、あなた方に協力してもらって公開し、世間に知らしめる必要があるんじゃないでしょうか。自分の財産隠して、売らずに、電気料金だけ上げるなんてとんでもないということになってくるでしょうし。猪瀬(直樹 東京都副知事)君がリーダーシップして発揮してやってくれたあのリサーチは、東京都の職員が協力してやったことですけれど、とてもいい調査だと思うし、自分たちの厚生年金、福祉を維持している事務所が、超一等地にある必要は毛頭ないんで、どこか田舎でもやればいいんだ、そんな仕事は。そういう資産というものを整理して、それで足りない分は、電気料金に加算する必要あるのかもしれないけれども、その前に身辺整理しないと、財政的に、ということです。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)