石原知事記者会見

平成23年9月22日更新

石原知事定例記者会見

平成23(2011)年9月16日(金曜)
15時01分〜15時29分

知事冒頭発言

1 海江田万里前経済産業大臣のインタビュー記事について

【知事】最初に私から2つ。東京新聞の海江田(万里)前経済産業大臣のインタビューの記事だけど、この中であの野郎、とんでもないこと言っているんだ。記事読むと、「東京消防庁のハイパーレスキュー隊員に、『速やかにやらなければ処分するぞ』と言ったのは事実か?」「内輪の連絡員がいて、その中でそういう話があったのかもしれない。消防庁は何度も行って、途中で戻ってきたりした、もっと頑張ってもらいたかったという思いはある」。何だこりゃ、一体。とんでもない話だ。消防庁の名誉のためにも言いますが、こんな嘘つきがよく大臣していられたと思う。そもそものいきさつは、ある夜、あの(福島第一原発の)爆発が起こってから、阿久津(幸彦 前内閣府大臣政務官)というのは前、私の秘書もしていた、今、民主党に行って、国会議員になって、当時は菅(直人)総理の側近中の側近だったそうだ。その男から電話かかってきて、「警察の放水車をぜひ、福島の原発に送ってもらいたい、お願いします。そのことで5分後に総理から電話かかりますから受けていただけますか」と言うから、「天下の総理大臣閣下からかかってきた電話受けないわけはないだろうに。しかし、テレビにも出ていたけれど、警察の放水車なんか持っていったって役に立たない、仰角が低くて。あんなのは、デモを追い払うためのようなもので、ハイパーレスキュー持って行かなければしようがないんじゃないか」と言ったら、よく分からない。ここら辺が事に対する知識が足りない一つの証左。まあ、これは下っ端だ。5分後、待っていたら、菅から電話かかってきました。「依頼してもなかなか、ハイパーレスキュー隊が行ってくれないんで、事が事なだけに、危険もあるだろうけれども、躊躇(ちゅうちょ)しないで、ぜひ行ってもらいたい」と言うから、それはけしからん話だなと、東京消防庁の総監を呼びましたら、「とんでもございません」と、「今朝、内閣の筋から依頼があって、早朝出かけました」と。「約束した場で3時間、4時間待ったけれど、迎えが来ない、どこにいていいか分からない。現場は混乱していて、3時間以上待っていたけれども、どこへ連絡しても分からないというんで、仕方ないから戻ってきました」と言う。ばかな話よ、これ。また、菅から電話かかってきたんで、事情はこうだったんで、「あなた、それ知っているの」と言ったら、「いや、全くわかりません、そうですか、ぜひ、お願いします」と言うから、次の日にきちんと連絡させて、迎えの所に行って、今度は迎えが来たらしい。それで行って、5時から放水を始めようとしたら、なかなか、現場が混乱して、すぐに放水できないんです。そしたら、「早くしろ、早くしろ」と電話が官邸からかかってきた。現場へ行ってみなければ分からないだろうから、「いや、あまり慌てるな」と、「行った限りちゃんとやるんだから、みんな水杯で出かけていっているんだ」と言って、7時頃から放水が始まった。みんな、水杯で交わして行きました。先発隊の隊長が戻って、聞いたら、「事が事なだけに、私は、隊員たちの奥さんと子供たちにも申しわけないと思って出かけました」と。本当に水杯交わして行った。それで第二次隊が行った。第二次隊も、隊長に聞きましたら、やっている最中に、5時間か4時間放水すると、機械が焼けてきて出来ない。一旦、給水をやめたら、「ぐずぐずせずに続けてやれ」と。「それは機械の都合でできないんです」と言ったら、「言うことを聞かなかったら処分するぞ」と言われたんで、仕方なしに続けまして、機械が壊れて、1台パーになりましたと。私はそれを聞いて、激怒したんだ。それで官邸に電話して、「君に直接会いたいから」と菅に言ったら、「いや、5時から大事な会議が始まります」と。「それまでに十分間に合うから、立ち話でいいから俺の話を聞け」と。「俺は、君がそれをしないんだったら、あまりそういうことはしたくないけれど、官邸で俺は自分勝手な記者会見をするぞ」と言ったら、菅、会ったよ。5時の会議の前に。それで、「これこれしかじかで、命がけで出かけている人間たちに、言うことを聞かなかったら、機械の都合もある、それを無視して、処分するとは何だ」と、「これ君が言ったのか、誰が言ったんだ」と言ったら、「私は知りません」と。「調べてはっきりさせろ」と言ったら、次の日に、海江田が記者会見して、にやにや笑いながら、「どうも、私が言ったことで誤解を招いて申しわけございません」と、そのとき言ったんだろ、彼。それが今になって何だよ、これは一体。「消防はぐずぐずして、何とかしないけれど、もっと頑張ってもらいたいとそういう思いで言った」と、「俺が言ったんじゃない、誰かが言った」という、今頃になって、何か知らないけれど、本当に嘘つきというか、安っぽいやつだなと思いました。

2 八ツ場ダムについて

【知事】それからもう一つ。八ツ場ダムですけれど、現地も知らない、時の前原(誠司)国土交通大臣に、参議院で火をつけたやつがいる。東京都議会の議員もしていて、世田谷から出た女が、わーわー言って、結局この女性も現場行って、つるし上げになっておろおろして、「私はよく分かりません」と逃げちゃったんだけれども、今、参議院にいますよ。そんなこんなで火つけられて、民主党も、何でも反対、「コンクリートより人」というんで、前原君が国交大臣の時に、八ツ場ダムについて言ったんでしょ。今度、その国交大臣が、国交省の技術陣が出かけていって、治水のためにもダムを建設した方が、他の方法にゆだねるよりもはるかに安い形でできるということを言って、結局やらざるを得なくなったら、前の国交大臣が、国交省の検証結果に基づき、国交大臣がこれを判断すると、八ツ場について、そうすると言ったんでしょう、自分が。言っておいて、今度自分が政調会長になったら、それが気に食わないから、八ツ場ダム問題については、予算の使い道は政府三役会議で決めるべきだと言って、これもおかしな話だね。どんなメンツか何か知らないけれども、こういうちゃんちゃらおかしい、自分の立場を守るというか、権威を誇示するという、それで大きな問題がすりかえられるのは本当に厄介だし、前原の後、国交大臣やった馬淵(澄夫)君。彼が就任して、「八ツ場のことで話したい」と言ってきたから、「だめだ。現場を見なさい。必ず現場を行って見て、見てきた上で、関係の知事を集めるから、話をしようじゃないか」と。1週間たったら、「見てきました」と言うんで、それで関係5県の知事を集めて、ある所で会食しながら馬淵君に意見を聞いたら、「よく分かりました。私は、この問題はこれを中止するということを前提には考えずに物事を決めます」と言ったので、大変合理的で結構だなと思ったら、何か他の問題で彼は引責して辞めさせられちゃったんだけれども、ということです。
 それぞれの司司(つかさつかさ)にいる人間が一貫してものを言ってくれないと、本当に周りも混乱するし、国民も迷惑するという。率直に言って私は、自民党の政府も評価しないから、うんざりして辞めたんだけれども、今度の民主党の政府は、もっとその政府の体をなしていないね、行政の責任者としての筋が通らないというか、その時その時の思いつきかメンツか知らないけれど、こういう前言を翻すようなばかなことを言うんだ。私、非常に怒っています、このことについては。私から申し上げることはそれだけ。質問があったらどうぞ。
 はい、どうぞ。

質疑応答

【記者】来週、週明けに、帰宅困難者の震災の時の帰宅困難者の対策会議を、東京都も、国交省なり、鉄道会社なりも集めて行われますが、これについて知事、期待すること等があれば……。

【知事】まず、帰宅困難者は帰宅しない方がいいんだ。これは徹底してもらいたい。それぞれの職場があるんで、職場を東京に持っている人、持ってない人いるでしょうから、どうしても帰らなくちゃいけない人は帰らなくちゃいけないだろうけれど、その数は知れていると思うんです。通勤で周囲の神奈川県、千葉県、埼玉県から出てきて仕事をしている人が実にあわせて400万人いるわけだ、東京は。その人たちが全部帰るとなったら、大変なことよ。どこかの新聞が帰宅困難者の分の頭数よりも、非常食の数が足りないと。これは、ばかな話で、そんなものは何の記事にもならないし、何の非難にもならないんだ。そこらに店が開いているんだから、ものを買って食べたらいいだろうと。自分の所属している企業、組織に戻って、その職場で一夜明かす方がはるかに混乱も少ないし、みんな楽すると思います。ですから、まず、それを徹底してもらいたいのと、どうしても帰らなきゃいけない人、いるでしょう。そのために、日本の海軍とか、アメリカの海軍の船を回してもらって、特に、千葉県と神奈川県、海に面しているところで、半島の裏側から来ている人はめったにいないと思うけれども、東京湾沿いの都市に住んでいる人たちは、船がジグザグに走って降ろせばよろしいんで、そういう協力の体制のために依頼をしたんですけれど、この間の3.11(東日本大震災)の時に、代わりたての危機管理監がぼんやりして、それを発動しなかったんです。JRは、JRで、客を締め出して、本当にお客さんたち気の毒したんだけれども、船を使って帰るのも、1つの方法で、実際に、今まで準備をしていたんだ、やればよかったけど、危機監がぼんやりしたからこうなった。ただ、原則的には、災害の時、帰宅が困難な時には、皆さん、それぞれの職場に泊まってもらいたい。その方が、色々な意味で被害も少ないし、安心しているし、家族とも連絡がとりやすいと思うんです。そんなこんなで、帰宅せざるを得ない人は、帰宅をするその手伝いをするのは行政の責任ですけれど、基本的には、昼間人口400万人もいる、こういう集中が進んだ都市で、災害の時にはみんなが自分の家へ帰るという、そういうものは決して基本原理じゃないということを、今度の会議で徹底してもらいたいと思っています。
 はい、どうぞ。

【記者】先ほどの八ツ場ダム問題に関連してお伺いしますが、13日に出ました関東地方整備局のダム案が最も有利ということに関しての知事の受けとめ方を改めてお伺いしたいのと。

【知事】それは是としているわけです。もともとこちらもそう思って、一応、国交省の専門官が調べた上での結論出したんですから。今の政府はあまり、役人の知恵は借りないと言っているけれども、こういう時は自分たちで調べても、ろくなデータ出てくるわけないんで、専門家に専門的に調べてもらうのは当然のことだし、その結論が出たら、前原自身が自分で言った通りに、国交省の権威において、それに従ったらいいじゃないですか。

【記者】この結果を踏まえて、国への何か要請活動はお考えでしょうか。

【知事】要請もへったくれもないよ。国は国の結論を出した、それに従えばいいんだよ。自分の意に沿わないから、政調会長だか何だか知らないけど、そいつらが、「俺たちで決める」と言い出すことも、僣越というか、本当に自己矛盾というか、うぬぼれですよ、それは。
 はい、どうぞ。

【記者】4日前ですか、神奈川県知事が、黒岩(祐治)知事ですね、県議会で県の自然エネルギー発電量を自然エネルギー普及を上げて2020年には20%以上にするということを表明したのですが、その前に5月の30日、9都県市首脳会議の時に、知事が黒岩知事からの打診を受けて前向きに太陽光については捉えるような話をなさっているのですが、それと、あと今回、一部報道でなされていますが、いわゆる東京都の発電所が本格的に決まったという、その辺りのことを特に聞きたい……。

【知事】それはLNG(天然ガス)は、世界でたくさん新しい埋蔵が発表されていまして、アメリカなんかも株価がどんどん下がっているぐらいですから、これから日本の輸入コスト下がっていくでしょう。相対的にCO2が増えて困って、温暖化が進んでいるこの時代にそういう弊害の非常に少ない発電ですから。太陽光は結構ですけれど、そんなもので日本の経済が支え切れるものじゃないんで、これから何%ずつかGDP伸びていく、その相対に、一体どういうエネルギーがどれだけ必要かということ、さっきもうちの知事本局長が精緻に調べて、報告ありましたから、ぜひ行って聞いてもらいたいんだけれど、これは大事なことだと思います。これからどういう経済発展して、それに見合うエネルギーがどれだけ補てんされるか。太陽光、結構だ。孫なにがし(正義 ソフトバンク株式会社代表取締役社長)が、100億円寄附して偉そうに言って、あれ出したのか、100億円。出した?

【記者】はい。

【知事】本当に出したの?

【記者】出して、財団つくりました。

【知事】財団つくって何に使うの?

【記者】太陽光発電の……。

【知事】それは違うんじゃないか。東北の被害のために出したんじゃないの?

【記者】それはまた別の話だそうです。

【知事】そうなの?そっちは100億円出さないのか?最初はその話だったんだけれど。みんな感動したんだよ。

【記者】だんだんちょっとずれてきている……。

【知事】だんだんずれちゃって、自分の利益になっちゃったわけだ。ま、いいや、そんな話はどうでも。はい、どうぞ。

【記者】先週もおっしゃっているのですが、メトロ株についてなのですけれども、猪瀬(直樹)副知事も二度に渡って抗議されて、先週も知事、言及されていましたけれども、国の方は売却……。

【知事】売ればいいじゃないか。金がないんだから。東京で買ってやるよ。

【記者】具体的に都の方でアクションを起こされるおつもりは。

【知事】売るなら買いますよ、東京が。少なくとも、あと3.5%買えば50.1%になる。できれば、もうちょっと保有を受けて、絶対的な権利の執行できる、そういう大株主になりたいけれど。少なくとも、過半の株は持つということは必要だと思いますから。あと、どこが買いますかね。これは鵜の目鷹の目で、おそらく外国のファンドが飛びつくでしょう。しかし、これで株の安い時代に売るのもばかな話だと思うけれど。メトロなら必ず儲かる会社だから。ゴールドマンサックスとか、そういうところから、いろいろ依頼がありますよ、言ってくる。とにかく、2つの地下鉄があるんで、これを1つにしないとユーザーには気の毒なの。メトロの方は、一緒になろうと言っても、貧乏人と結婚するのは嫌だと言ったけれど、都営だって、発足が遅れたもんだから借財ありますけれど、どんどん儲かっているんだよ、こんな優良な会社ないんだよ。そういうことを役人分からないね。短期でしか物を考えないから。梅崎(壽 東京メトロ前社長)だって、国交省出身、事務次官をやって今の社長やっているんだ。だから、「君ら売れ、おれ買ってやるから。それが、資本主義の原則じゃないか」と言ったら、にやにや笑って黙っちゃったけれど。
 財源をいろいろ国も隠しているんだろうけれど、表へ出た最たるものは地下鉄の株と、あと、たばこ。しかし、亀井静香(国民新党代表)に言わせれば、大蔵省(現財務省)はもっとたくさんのもの隠しているそうだよ。だから、亀井に言わしたらいいじゃないか。「大蔵ににらみがきくのは俺ぐらいだ」と亀井言っているから、脅しきかして亀井使って。亀井、財務大臣したらいいんだよ。そしたら、大蔵省の管財が隠している、隠し財産いっぱいあるそうだから、当分それで増税もせずに、財政補てんしたらどうなんですか。郵政の株だって売れるでしょう。とにかく、あちこちで大蔵の管財が抱えて離さない。小さな話だけれど、油壷にいい土地があるんです。僕たち、昔、あそこホームポート(母港)にしてクラブハウスつくろうと思っても、国が持っていて売ってくれない。そのうちに段々、他の地域から買い手ついて袋小路になっちゃって、もう使いようがない。あんなもの、さっさとマリーンレジャーのために手放していれば、もうちょっと海洋文化も進んだと思うけれども、そういうことが分からないですな。
 はい、どうぞ。

【記者】12日にフランスで核施設が爆発したんです。

【知事】爆発じゃないよ、あれは。

【記者】それを、都知事、技術が大変すぐれたフランスだとおっしゃっていましたけれども、今回の事件が……。

【知事】爆発ですか、あれ、本当に、正確に。

【記者】まだ詳しいことは分かりませんけれども……。

【知事】詳しいことが分からないで質問するなよ、君。聞いている人間、迷惑だから。詳しく説明してくれ、それで答えられる。

【記者】死者が1人出たということなんです。

【知事】それは事故が起こったんでしょう、インシデントかアクシデントか分からないけれど、どういう性格の事故があったか、私、知りません。知らないから答えられません。君も正確にものを聞いて、確かめて質問してくれたまえ。いいかげんな質問はだめ。
 どうぞ。

【記者】先ほどのメトロの話の関連なのですけれども、メトロの株を買い進める目的は、都営とメトロ一元化を行うために……。

【知事】やがてそうでしょうね。

【記者】やるという理解で。

【知事】ええ。ただ、都営の方も、国が関与していますから、こっちは立場弱いのよ。だったら、儲かっている方の会社が言い出したら、遅れて出発した、まだ借財抱えている都営も助かると思うし。第1、お客さんが助かりますよ、統一料金にすればいいんだから。

【記者】その場合、先ほどおっしゃったように定款の変更などで、3分の2まで買い進める必要があるのかもしれないのですけれども、そうすると必要な資金というのはかなり……。

【知事】3分の2買うとなると、なかなかね。さっきも試算したんですが、お金がかかりまして、どこまでどういう風にするか、これから、1つの、長期にならないと思うけれども、中長期のタイムスパンを踏まえて東京における地下鉄の戦略というものを練り直す必要があると思っています。
 どうぞ。

【記者】今の株関連なのですけれども、安住(淳)財務大臣が1時頃の会見で明言しているんです、売却を。あとは都のアクション待ちみたいな状態なのですけれども。

【知事】新任の大蔵大臣だから、役人の口写しで、前原もそうだったけれども、鵜呑みにして物を言っているんだろうから。どこの出身か、田舎の人か都会の人か知らないが、東京の地下鉄事情というのはどれだけ知っているのか知りませんが、売るなら売ったらよろしいと思う。ただ、売るタイミングとしたら、随分高くて必ず儲かる会社を、こんな安い時期に売るというのも、私は得策とは思わないけれど。

【記者】それと、もう一つなのですけれども、東京都が発電所をつくった場合、どうしても送電網として東京電力の……。

【知事】そこら辺が問題でね。これは東電がかぶせてくるかもしれないし、そのうちに、東電そのものの体質というのを国家管理ということに進んでいかないと、また同じ間違いを繰り返しかねないんで、私は、電力、特に原発の管理体制というのは違ってくると思うし、東電はほかの発電もしていますから、配電網を持っているんで、そこらの折衝というのは、東京が自家発電しても電気料金にかかわってきますんで。

【記者】3割近く上がる試算……。

【知事】これはこれからの問題で、日本全体の電気事情がどういうふうに変わってくるか。今度の事故を起こして、それがコストにどう響いてくるか、そんなものとの兼ね合いだと思いますけれども。

【記者】東電関連なのですけども、東京都が持っている東電の株が、たしか4億だか、幾ら……。

【知事】3%台じゃないかな。

【記者】大体6位なんですよ。2,100円当時で計算すると、今は344円くらいになっているので、9億200万くらいの損益が東電から東京都にもたらされているのですけれども、要するに株の資産が、価値が下がったために、それについて……。

【知事】今までも配当受けていましたよ。

【記者】ええ。で、現在の資産価値として9億200万円ほど下がっているんです。

【知事】その時に、配当という作業がどういう風になるか、ちょっと分からない、これからのことは。はい、どうぞ。

【記者】13日の「知事と議論する会」、オリンピックをテーマにあったと思うのですけれども、そこで松岡修造(プロテニスプレーヤー)さんから五輪の目標に復興があるというようなことを質問された時に、「それも一つのきれいごとなんだよ」ということで、あまり多くを語られなかったのですが、復興とオリンピックがどう結びつくかというところの説明というのが、もう少し文学的にというか、丁寧にもう少しされないと、市民には分かりにくいんじゃないかなという気がするのですが。

【知事】おれも同感だね、それは。

【記者】もう少し説明していただけるとありがたい。

【知事】気持ちの問題。大きなお祭があるということだから。9年先だから、日本はそのころ何とかなっているんだろう。大分変わってきたなと思う時に、「よし、オリンピックだ」ということなら、新しい国民全体のアイデンティティーができていくんじゃないんですか。ということで、9年先では、おれ生きているかどうか分からないけれどね。  はい。

【記者】オリンピックを視野に国立競技場の建て替えを国が検討している、始めたということで、国を挙げての招致支援の一つだと思いますけれども。

【知事】そうとも言えないね。いずれにしろ、あんなぼろぼろになったのは建て替えも必要なんで、かつてのIOC(国際オリンピック委員会)の規格は10万人だったけれど、8万人で済むようになったんですから、8万人のスタジオなら何とか区画整理することで出来るんじゃないですか。これは東京の負担が減るからありがたいと思います。本来は国がやることなんだから、あんなものは。そうでしょう。だって、仮にこの間、オリンピックの招致に成功していたら、都立の競技場で、国全体のイベントをやるというのは、国にとったらあんまりうれしいことじゃないと思う、メンツから言っても。いいことじゃないですか。はい、どうぞ。

【記者】先ほどの東京メトロの関連ですが、知事が色々な試算をされているとおっしゃいましたけれども、色々なパターンを考えてと、試算を実際にされているということですか。

【知事】まだ言える部分と言えない部分がありますけれども。詳しくは、あっちにでも聞いてくれ、財務の方に。

【記者】都議会の方で民主党の都議が会派を離脱されて、また、都議会の勢力図が一転するという可能性が高くなりました。今後、予算のシーズンにもなりますけれども、知事の方で、この議会の状況をどういう風にご覧になっていますか。

【知事】結構、ありがたいことだと思っています。相川(博 都議会議員)君だけじゃなしに、彼の仲間数人は、今の民主党のあり方にうんざりしている節がありましたな。

【記者】数人?

【知事】うん。知っている限りで10人近く。

【記者】10人?

【知事】それはそうでしょう。反対、反対やってもしようがない、そんなもの。訳の分からない条例つくったって。はい。

【記者】東京電力が復興、賠償のために、15%ほどの値上げを考えているようですが、都民生活への圧迫になると思いますが、知事の見解を教えてください。

【東京都知事】電気料金というのは、ライフラインの一つのコストですから、これを、15%値上げするというのは好ましくないね。その前に、東電は東電なりの努力をして、構造を変えるとか、資産を売却するとか、色々な方法があると思いますよ。それから、きちんとした体制で、新たな発電を考えるとか、原発も考えるとか、色々な問題があるでしょう。先ほども、後で聞いてもらいたいけれど、知事本局長が試算してきたけれど、日本の経済発展というものを考えれば、とてもじゃないけど、原発とめたら、日本の経済成り立ちませんよ、向こう10年ぐらいは。これは、冷静に考えた方がいい。でも、いいや、俺たちは物買わなくてもいいし、物が少なくなってもいいと。30年ぐらい前の日本に戻ってもいいんだというんだったら、それは結構だけれど。それは、結局、GDPを減らすか増やすかということの問題じゃないですか。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)