石原知事記者会見

平成23年4月22日更新

石原知事定例記者会見

平成23年(2011)年4月15日(金曜)
15時01分〜15時21分

知事冒頭発言

節電対策について

【知事】最初、私から1つ申し上げたいんですが、夏の節電に関して、政府が政令らしきものを出した。大口の電気需要者に関しては25%、更に小口の20%を節電しろといっても、大体それぞれの企業が、自分たちがどれだけ電力使っているというのは、皆あまり分からないんです。際どいところでも操業している会社もあるんでしょう。ですから、うちが50万キロワットか、49万キロワットか、なかなか自覚もしていないと思うんだけれども、いずれにしろ、それをきちんと計量をして通達する必要があるし、例えば、地下鉄がピーク時に36万キロワットの電力で動いているのに比べて、パチンコは84万キロワット。それから自動販売機が26万キロワットだと。こういうべらぼうの数字、福島(第1原発の1号機)が46万キロワットという出力に比べて、こういった業種が、かなりべらぼうな電力を食っているということを自粛させるような具体性のある政令を出さなかったら、効果が出てこないと思います。
 先般も、今まで一緒に広域行政をやってきた埼玉県、神奈川県、千葉県の知事とも話しましたが、大気汚染のための対策とか、首都圏FEMAとか、広域行政をやってきたわけですから、その実を踏まえて、首都圏を形成している4つの都県と政令指定都市で共同のルールを作って、それを政府に申し込もうじゃないかということを、今、検討しています。
 随分、物議を醸しているかどうか知りませんが、自動販売機がこんなに林立している国なんて世界にないんだ、日本しか。この間、自動販売機の会社の協会の専務だか偉そうな人が出てきて、「我々は消費はしているけれど、浪費はしていない」と言うけれど、冗談じゃない。別にあってもなくても痛痒を感じない、そういう業務でべらぼうな電力を食っているということは、これは私にとってみれば、浪費でしかないと思います、眺めても。大体、治安が悪いんでしょう、日本に比べれば。他の国で自動販売機あったら、若いやつが壊して盗んでいくけれど、日本はそれがないから、安心して自動販売機を並べているのか知らないけれども、あんなものは、店舗に行って買えばいいんです。コンビニなんて夜中まで開いているわけだし。この夜中開いているコンビニも問題あるけれども。そういったものを1回、淘汰するということで、私たちはこの、言ってみれば国難の態勢の中に、自分たちの今までの生活の様式というものを変える必要というのを感じる必要があるんです。戦争中、1人でも、灯火管制やっているとき明かりが漏れたら周りから注意された。みんな我慢して、節約もしたんだ。本当に東北の一部の人たちが困惑し切って、疲弊している中で、私はそういうものを支えるために、日本の経済を疲弊しないために、電力の節約というのは絶対に必要だと思いますけれど。パチンコというのは、どれだけ国民的なニーズがあるか分からないけれども、私、趣味的には好きじゃないが、在日の韓国の人がやっている仕事が多いんでしょ。その連中が、韓国にパチンコ持って帰ったら、急に流行り出して当局が、これは国民を堕落させるということで全面禁止して、廃止したんです。それがいいか悪いか別にして、日本も政治体制が違うけれども、そういう事例もあるということを考えれば、パチンコのある業種が、これだけ膨大なピークの時間に84万キロの消費を電力消費しているということを、私たちは反省して、そんなに好きな人が多いんなら真夜中にやったらいい、電力食わない時間に。そういうことも、私たち首都圏を構成している4つの知事で合議して、政府に要請しようと思いますし、そういうものを規制する政令を作らなかったら、私は節電の効果は上がらないと思う。
 さっき、東京電力の副社長が来てブリーフィングを受けました、電力供給やその他。国の役人とか、国の政府というのは偉ぶっているから、地方自治体がどんないいことを言っても聞かないんだ。その証拠に、4県でやったディーゼルエンジンの規制というのをやりましたか。ザル法のNOx法を作って、何もやっていないじゃないですか。大阪行ってごらんなさい。同じような空気で、汚い空気吐き出す自動車が走っているよ。何故か知らないけれど、地方自治体を馬鹿にして、地方で成功したら絶対に国の閣僚はまねしてやらない。そういう体たらくだから、私は、東京や神奈川県、埼玉県、千葉県が一緒になって言っても聞く耳持たないだろうから、結局、政府を動かすのはあなた方当事者の東電なんだから、東電から、私たちの案を政府に突きつけなさいと、こちらも案を出します、足りないところは、あなた方、補填して、節電の実際の効果があるような政令を出すようにお互いに頑張ろうじゃないかということを、さっき、話しました。私から申し上げることはそれだけです。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】今、冒頭にあった節電について、その他、もう1点伺えればと思います。まず、節電なのですが、昨日、都議会民主党で、都議会として節電に関する自販機の電力抑制の条例案というものを検討されていまして、今の知事のお話ですと、9都県市での有効な枠組みということをご検討されるということだと思いますが、東京都独自に条例や規制等の節電対応、特定の業種を特に意識したものを作られるようなお考えは、今あるかどうか伺えればと思います。

【知事】ないです。こんなものは、首都圏全体でやらないと意味ないんで、1県1県が条例つくってやるよりも、政府がばっと政令出したらいいんだ。その権限を持っているんだから、中央の政府というのは。それは中央の政府の責任じゃないですか。政府が機能してなければ、抽象的に地方にお願いして、蓮舫(節電啓発担当大臣)なる人物が私のところにやってきて、握手して、テレビに映って帰ったけれど、じゃあ、横浜とか埼玉に行くのかね、彼女は。そんなものは、スタンドプレーでしかない。その時に「政令つくりなさい」と言ったら、どうも政令というのは何だかよく分からなくて、「上へ取り継ぎます」と言うけれど、彼女がもし節電担当の主務大臣だったら、主務大臣が政令を出したらよろしいんで。既にある政令を変えて、閣議に上程して、政府の意思としてそれを徹底したらいい。それが中央政府の責任であるし、すべき仕事じゃないんですか。東京も、民主党が何を思いついたか、私が言い出してから何日かたって同じことを言い出した、悪いことじゃないけれど、それは都政しか知らないけれど、国というものを考えれば、こんなものは全国に及ぶ、関東だけじゃない、大阪だってどこだって無駄な電気は使わなきゃいいんだ。そういう電力を、ほかの生産に回したらよろしいんで。だから、東京都の条例だけでそんなものを括れるものではないし、この国難なんか克服できません、とても。

【記者】2点目は、その政府の対応に関連してなのですが、知事は以前、大連立というものをやるべきだというお話をされていましたが、今の政権に与野党から、原発や震災の対応に批判が出ていますが、現政権のもとで、なお、連立を模索されることが望ましいと思われるかどうか伺えればと思います。

【知事】これは国会のレベルのことで、私も数日前、亀井(静香 国民新党代表)君と話して、亀井も、ほかの案を持ち出したけれども、「そんなものは無理だ、その前に君自身が有能な人物なんだから、政権の中に踏み込んで仕事しろ。そうじゃなかったら、他も誰も動かんよ」と言ったら、彼が菅(直人)君に話して、復興実施本部というのを作って、本部長は総理大臣になるんだろうから、その代行という形で彼が辣腕を発揮してくれることを望みますけれど。中には、共産党も含めて、全ての野党が入るべきだと思うけれども、自民党の方は、色々問題意識があって、彼らに言わせると、役に立たない総理大臣の下で何をやっても無駄だから、一日も早く総理大臣を代えろと、それならやぶさかじゃないという姿勢みたいで。亀井が、「あなたの息子、(石原伸晃自民党)幹事長を口説いてくれと、言うこと聞かなかったら勘当しろ」と言うから、「言うこと聞かせるのは難しいかもしれないけど、勘当するのは簡単だからね。」ということです。はい、どうぞ。

【記者】先ほどの節電のお話なのですけれども、蓮舫大臣が、先ほど、この自動販売機のことについて、国が口を出すべき問題ではないと。

【知事】国が口を出さなければ、誰が口出すんだ。国家の主権というのは政府の責任でするもんじゃないですか。かつて政令出したじゃないですか。角さん(田中角栄 元首相)の時代に、第1次オイルショックの時。そういう近い歴史も知らないで、政府の権能というものを知らずに、じゃあ、誰が口出すんですか、こういうことについて。

【記者】蓮舫大臣は、経済にも影響を与えることなので、強制的にやるものではないと……。

【知事】馬鹿言っちゃいけないよ。パチンコで自動販売機で余計な電力食うことで、日本の経済を疲弊させるんだから、その分有効な生産手段に回したらいいじゃないですか。工場を止めるよりも、自動販売機を止めた方がよほど国民の役に立つと思う。そんな「てにをは」が分からないのが大臣やっていたら悲しい話だよ、国民も。何か彼女は非常に私に腹立てているみたいですが、結構ですけれど、腹立つのはいいんだけれど、とんちんかんで言わない方がいいよ。どうぞ。

【記者】先ほど、首都圏で共通のルールをつくって国にということでしたけれども、その具体性の中で、パチンコであるとか、自販機であるとか、ほかにも色々と考えて盛り込まれるような考えということですか。

【知事】私たちは私たちで、もう少し多岐にわたる知恵も出しますし、昨日、上田(清司 埼玉県知事)君とも話したけれど、埼玉県の上田知事というのは非常に有能な知事ですけれど、彼は彼で同じことを考えていて、プラスアルファを持ち寄って、近々、4つの県の知事が集まって合議しようということですから、もっと、東京が考えている以上のいい案が出るかもしれません。どうぞ。

【記者】今後、災害復興もそうですし、地方分権の舵取りというのが重要になる中で、26日に全国知事会の会長選があると思うのですけれども、今のところ、京都府の山田(啓二)知事というのが浮上しているようですが、知事、出馬のご予定であるとか、あるいは、誰を推薦されたりする予定というのはありますでしょうか。

【知事】上田君が名乗りを上げると思うけれど、上田さんが一番いいと思う。非常に有能だし、はっきり物言うし。私は、彼をおいていないと思います。今までの、言っては悪いけれど、私が知事に就任してからの歴代の全国知事会の会長は、自分が出てきた役所に気兼ねし、もう1つ果断に物事ができませんでした。ですから、全国知事会そのものがまとまって、地方分権、地方主権というのは結構な話だけれど、それを踏まえて、国にはっきり物を言うことがついになかった。上田さんならやると思う。私は彼を絶対に支持します。

【記者】その場合、推薦人となられる可能性というのは。

【知事】もちろん喜んでやります。必要ならば。はい。

【記者】あと、もう1点なのですけれども、震災を踏まえて、首都直下地震型の地震があるんじゃないかということで、首都機能を分散させようかという議論が、専門家であるとか、あるいは大阪都構想を掲げる橋下(徹)大阪府知事らから出ているようなのですけれども、こうした動きについて、知事の認識があれば聞かせていただきたいのですが。

【知事】かつても、首都移転論というのはありました。これは、もっとちゃちな話で、国会が壊れたらどうするかといったら、立川へ持っていったらいいじゃないかと言い出したのは金丸信(元自民党副総裁)だよ。それで、各地方が色めき立って、利権抗争で、我田引水でやり出したけれど、それは、話聞いているとナンセンスで、私は国会に乗り込んでつぶしましたが。今度のような震災が起こってみると、誰しも考えるでしょう。ですが、東京も広いし、東京全域、三多摩を含めて、それが壊滅する地震だったら、これは国家が滅びる。主要な行政の機能というのを、現に小さな市町村で、全滅したもんですから、その首長さん以下、職員だけじゃなく、市民、町民全体が避難して移転しているという事態が起こっているわけですけれど。東京は、都民全体が移転するわけにとてもいかないし、直下型の地震だって、東京全域を壊滅させるような地震というのは、私は、想像ではあっても、あり得ないと思います。どこに震源地があるか分からないけれど、東京の、特に23区の中枢の機能というが壊滅した時には当然、どこかに移さなければいけないでしょう。今から想定していくのは大事なことだと思います。ただ、首都を移転するといっても、行政の機能をまずとりあえず移転するんで、東京が駄目になった時にほかへ、次の東京を作るかと言ったら、なかなか言うに簡単だけれども、みんな利権抗争で、俺のところ、俺のところで、訳の分からないものが出てきましたが。大事なことは、もし震災があった時に、それを復旧、復興する行政の機能というものは、どこで確かに動くかという、そういう移転だったら、私は当然考えるべきだと思っています。どうぞ。

【記者】震災から1カ月以上たちましたけれども、花見の自粛の関係も含めて、今もなお自粛のムードというか、そういうものがある中で、普段通りにやっていこうという動きも強まっていますけれども、改めてそのあたりのご見解を伺いたいと思います。

【知事】花見と他の日常活動、ちょっと違うんじゃないの。花見というのは、年に1回、桜が咲いて、日本人、桜が好きだから、今までみたいに、あんまり外国にないような事例で、花の下にむしろひいて、どんちゃん騒ぎしたけれど、私は少なくとも個人の心情としたら、多くの同胞がああいう形で亡くなって、被災されている時に、そんなつもりもないし、そんなとこ行くつもりもないけれども、やりたいやつはやったらいいけれども、後ろめたいんじゃないの、そんな人は。ただ、自粛といっても、会社の営業活動の中で、人を接待するその他この他で、今、レストランとか料亭というのはどんどん疲弊してきていますから。これは、好ましくない傾向だし。別に、そこでどんちゃんされるわけじゃないし、そういう形で日ごろの、消費活動というのは復活すべきだと。してもらわなければ、日本、どんどん衰退していくと思います。

【記者】関連で、都知事選の候補者の中には、行政のトップの方が自粛ということを言うと、事実上の禁止に当たるのではないかというような意見を……。

【知事】そんなことないよ。自粛というのは禁止じゃない。それぞれの人間が自分の心情で判断したらいいんで。何も都知事が絶対権力を持っているわけじゃない。日本の総理大臣は絶対権力を持っているはずが、全然持ってないじゃないか。はい、どうぞ。

【記者】先ほどの節電の件なのですが、知事の主張は先ほどの主張として、賛否はともかく、この話を伺ったのは、ちょうど先週の、最初で最後の街頭演説のときというふうに私は記憶しています。都民にとっては、ちょっとあまりに唐突だなというふうに思った方は多いかと思います。

【知事】そうでもない。

【記者】これは、知事が前から温めていたことなのでしょうか。そこら辺の、この2つの業種を選ぶことになったきっかけというのを、もう少し詳しくお話しいただけますか。

【知事】それは、私は典型的な無駄だと思うから。ほかに無駄、色々あるでしょう。だけど、自販機は、こんなものは生活の様式としても、世界中ありません。パチンコもない。韓国は、どういう思想なんだか知らないけれど、自分の同胞が持ち込んだそういう産業というのをつぶしてしまった、自粛して。これはこれで1つの見識でしょう。私は、パチンコをやっている人を咎めるつもりはないけれど、1日中あそこにいて、チンジャラやっている人間が、どうやって食っているのか知らんけれど、あれで栄える人も滅びる人もいるみたいだけれども、所詮ゲームでしょう。そんなものを、1つのゲームセンターかもしれないけれど、私は、とにかく煌々と明かりをつけ、音楽鳴らしてやっている国というのは、あまりほかにないと思う。韓国というのは、どういう思想が生きていて、どういう道徳律を持っているか知らないけれども、日本よりはるかに儒教的だなと思って、私は感心しました。はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)