石原知事記者会見

平成23年2月17日更新

石原知事定例記者会見録

平成23(2011)年2月10日(木曜)
15時01分〜15時20分

知事冒頭発言

1 高速道路会社との包括基本協定締結について

【知事】冒頭、私から1つ申し上げます。
 高速道路会社と包括基本協定を締結しようと思います。本日、東京都は、災害時の緊急対応や、環境保全対策など、都が取り組んでいる政策をより一層推進することを目的として、首都高速、東日本高速、中日本高速のこの3つの高速道路会社と一体的な包括的連携基本協定を締結しました。
 都道府県が、地域内にある高速道路会社のすべてと、このように一体的な協定を締結するのは、おそらく全国で初めてのことだと思います。
 今後、この協定をより効果的に機能させるために、高速道路会社と連携しまして、全庁横断的に具体的な施策を展開していきます。
 いろいろやることが協定するとありまして、物産の販売その他、いろいろ可能性がありますものですから、詳細については、担当局に聞いてください。
 私から申し上げることは以上であります。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】消費税の引き上げに関連して、政府のほうで社会保障と一体的な議論が始まりましたが、先日、担当の与謝野(馨 経済財政担当)大臣が地方消費税に回す考えは今のところないとおっしゃってまして、消費税は社会保障に使うということであれば、自治体の社会保障費にも充てられるべきという考えもあるかと思いますが、この負担は将来、自治体でも伸びる部分の負担になると思いますが、この地方消費税の論が消費税の議論の中でない現状について、知事のお考えをいただければと思います。

【知事】これは、実にゆゆしき問題でして、今までその経緯を忘れたのか、忘れたふりをしてるのか、理不尽きわまりない発言だと思います。端的にはうそつきだね。
 福田(康夫)内閣のときに、法人事業税の暫定措置で東京の財布から4,000億、税収が減ったのでそんなにとられずに済んだんですけれど、かっぱらっていくということを決めたのは彼だ。了承を受けに来たんだ。それで僕は、弁護士と相談したんだけど、勝てないのはわかっているけれど、国に権限があることだから、そういう裁定は、ただ、訴訟だけして言い分を通そうじゃないかと思ったけれど、前に申し上げたと思うけど、4,000億対象の訴訟だと証紙だけで4億になりますから、びびってやめたんだけれど。そのかわり、外環だけは、都のためではなく、国のためにちゃんとやると約束してくれと言ったら、内閣も政権もかわっちゃった訳だ。
 とにかく、言っていることおかしいよ、彼、本当に。あの訳のわからない法人事業税、勝手に変えて、儲かっている地方自治体から、東京だけじゃないんです、あれ。愛知県も被害をうけたんだけど、それを取り次いできたのは彼じゃないですか。もう言っていることが全然違う、本当に。ということです。これを許せないっていったって、黙っている以外にないんだ、向こうが権限持っていることだから。
 はい、どうぞ。

【記者】天皇陛下のことについてお伺いいたします。
 昨日発表されたんですが、健康診断の結果、明日、心機能の精密検査を受け直されるということが発表されました。で、今日知事はお会いになったとお伺いしておるんですが、今日、どんな様子だったのかという……。

【知事】お元気そうでしたよ。ただ、お互いに高齢ですから、何か体にこう、テニスか何かされたというんですか、寒いときもありましょうけど、これ、侍従長が言ったことですが、違和感を感じられたらしいので、念のために入院して、負荷をかけた、実験的な検査をされるということなので、侍従長の言葉どおり言えば、永久職でありますから、できるだけ長生きされて、その間、国家のために仕事をしていただきたいということです。
 そういう念のための検査をするんですということだったので、今日お目にかかった限りじゃお元気そうでしたけど。血色もよかったし。
 はい、どうぞ。

【記者】1兆円の貯金を、石原都知事の時代にできたということであるんですけれども、2011年度の予算では2,200億円を取り崩さざるを得ないという状況のようです。この形でいきますと、5年で1兆円の貯金も底を突いてしまうという心配もあるわけですが、今後の財政運営の中では、相当しんどい、新しい都知事になった方は、しんどい財政運営をやっていかなければならないんではないかと思いますが、そのあたりについてはどういうふうにお感じになっていますでしょうか。

【知事】お言葉ですが、2,000億取り崩したわけではなく、1兆近い積立金、まだ残っています。それから、起債の度合いも随分抑えましたし、公共事業なんかの投資額は増やしたし、それなりの工夫で無駄を省いて予算を組んでいる訳ですから。
 ただ、国家のかじ取りそのものが今みたいにふらふらしていると、その中でいろんなあおりを食うわけだし、特に儲かっている地方自治体から財布に手を突っ込んで国がお金を持っていく。それで、それを言い出した張本人は、さっきの質問にあったみたいな発言をする。国は目先のことを考えて、国だけよければいいといったって、国の中に地方自治体があるわけだ、東京を含めて。今の国の姿勢だったら、それは、どんな自治体でも困ると思います。これからのかじ取りって非常に難しくなると思います。
 ほかに。どうぞ。

【記者】先日、たちあがれ日本の平沼(赳夫)代表が、知事の4選出馬を期待されてる趣旨のお話があったんですけれども、それについてはどのように……。

【知事】いろんな人がいろいろ言う。ありがたいですけど、私は私でいろんなことを酌量して決めますから、別に誰がどう言おうと、そんなもので左右されません。
 はい。どうぞ。

【記者】この間の議会で外部監査人の報告にもありましたが、都立病院で診療費の滞納が年10%の割で増えていて、今10億円近くなっているんですが、この現状、どのようにお考えでしょうか。

【知事】これは非常に深刻な問題です。それで、この後も、そのために院長を集めて会議しますが、外部監査を始めた最初のときの、筆谷(勇)さんという、今の方もすぐれた方だけど、その温厚な監査人の先生が、病院の実情を話されるときに、笑い出しちゃうんだ、あまりひど過ぎて、ずさんで。温厚な方だったけれど、目に角を立ててという訳にもいかないし、あきれ果てて声を立てて笑いながら話された、今でも覚えています。
 これは果断にやってくださいということで、かなり厳しい注文をしたんですけれど、それから代もかわりましたが、今の監査人は4代目ですか。その過程で、筆谷先生の時もそうですけれども、各監査人が、港湾とか鉄道とかいろんなものに注文を出します、ターゲットをその年で選んで。それで、いろいろ鋭い指摘があって、これを直しなさいということで、1年たっての再検査で、ほとんどのセクションは95%は直して、あと残っているところは改良中で、改良が見込まれるということでいい評価を受けたんだけれど、10年近くたって、病院だけが、まだこのていたらくだ。これはいろんな問題がありそうなんですが、病院の先生たちは本当にへとへとになって頑張っていると思うんだけれども、経営というものの、採算をとり、それを担う経理の担当者の責任感というのかな。それから、その人事のローテーションもいろいろ問題があって、これを基本的に考えなくてはいけないと。
 それから、院長職はお医者さんがやっている訳だけども、院長といえどもお医者さんですし、医者として忙しいんだろうけども、公立の大学が、学長の上にCEO(最高経営責任者)というのを置くようになりました。理事長。今、人事権も大学ではCEOが持っている。僕は、こういう体制が必要だと思います。ですから、私立の病院ではこんなことあり得ないんだろうけれど、公立の病院の運営のシステムというものを、人事の配分も、権限も含めて変えないと、この問題は、なかなか根本的に解決されない。
 それから、緊急で、救急車で運び込まれてくる患者さんの費用というのはなかなか徴収しにくいんです。パッと帰ってしまったりして。こんなことも方法を考えなくてはいけないと思うし、これだけの時間、あれだけ鋭い的確な注文がありながら、改良がなされていないということは、あくまで病院の責任ですし、こちらも相当乗り出して、手を突っ込んで、システムを変えていかないと、税金でたらい回しという訳にいきませんから、これから本当に深刻な問題ととらえて考えていきます。
 はい、どうぞ。

【記者】7日のことなんですけれども、自民党系の各種団体協議会のほうから、知事に4選の出馬を求めたいという話がありました。

【知事】その話は何回しても同じよ、答えはもう。

【記者】一応、受けとめのほうをお願いします。

【知事】ありがたいと思っています。はい。

【記者】それと、先ほど、たちあがれ日本のお話ありましたけども、昨日、みんなの党の渡辺(喜美)代表のほうも記者会見ありまして、渡辺代表の考えとしては、4期16年というのは長過ぎるのではないかというような話はありました。

【知事】同感ですな。たまにいいこと言うね、渡辺君も。

【記者】知事は、2007年に神奈川の多選条例の話があったときにも、常識的には3期なのかなというようなお話をされていたと思うんですけれども、お考えは……。

【知事】ええ。そのとおりだと思いますね。はい。
 ほかにどうぞ。

【記者】東京都知事選までちょうど2カ月という形になったんですけども、毎回、盛り上がった都知事選、また地方自治体の選挙でも、なかなか投票率というのが伸び悩んでいるという状況があるかと思います。去年から、東京都はいろいろな形で、都知事選の投票率アップを図るキャンペーンも図られてますが、知事が出られるか出られないか、もしくはどなたが出られるかというのは別にしまして、都知事選に向けて、投票率というのはやはりもっと上がっていくべきだというふうに知事はお考えでしょうか。

【知事】全くそれはそうです。いかなる選挙でも、政治に国民がじかにタッチできる、参画できるというのは、自分の持っている投票権を行使する以外ない訳ですから。
 特に、こういう時代ですし、それから、都民も知っていると思うんだけれども、世界の中でこれだけいろんな機能が集中・集積している巨大都市というのはないんです。どこにもない。こういったものが、しかも首都としてあるということの社会工学的な意味合いから言うと、東京というのは、いつも言っているみたいに日本の心臓であり、頭脳でもある訳で、また、そこにいろんな可能性がある訳ですから、国はそういうものを斟酌していないし、東京なら東京がやっていることに、国がもっと協力するなり協賛するなりすべきだと思うけれども。
 例えば、外務省だ。これは今度、もっといろいろな事実があらわれたら糾弾しますが、横田の飛行場をとにかく取り戻そう、その前に、軍民共用化をしたいということで、ずっとシンポジウムをやってきた。アメリカ側も、これに対してかなり踏み込んだ意見を出してくれているし、いろんなアプローチというものを合議しているし、前の一橋の学長の、杉山(武彦)先生に委員会をつくってもらって、シンポジウムをずっとやってきました。この間も、ジアラという国防総省の前の日本部長とホール、前の在日米軍の司令官をゲストに呼んで、シンポジウムをやった。ずっと国土交通省、防衛省、外務省も来ていたんですが、今回は外務省だけ来ない、役人が。しかも、聞いたら、前日にホールとジアラを北米局長が呼んで、何を言ったかといったら、ちゃんとこれ裏をとってあるんだが、あいつがアメリカのゲストに、「日本の航空需要はかなり満たされてきて、今、日本は横田のオープンというのを必要としていない」と。何の能力、何の知識でそんなばかなことを言うのか、あいつは。それで、僕が面罵したんだ、前原(誠司 外務大臣)君の前で。「おまえ、一体どこの役人なんだ」と言ったら、彼は昂然と「私は日本の役人です」って言うから、「おまえ、ホールとジアラを呼んで、前の日に何でばかなこと言ったんだ」と言ったら、「そんなことは言ってない」と言うけれど、実は言ってる訳だ。ちゃんと裏をとったんだ、今度。こういう役人は、まさに、周恩来が言った、官匪というんだ、官僚の匪賊。こんな奴が、外務省の北米局長をしていて、それが、アメリカさんを気にしているものだから、自分の保身のためにこういうばかなことを言う。もうあきれ果てた。そうしたら、前原がかばった。その後、「地方自治体の行事に一々、国の役人が行くことはないんだ」と。「ばかなことを言うな。こんなものはずっと続いてるんで、君の代になってから、誰の命令か知らないけど、北米局長が人をよこさなかったんで」と言ったら、答えがなかった。こういう役人、こういう大臣が国を支配したら、この国は、得られるものは得られないし、どんどん傾いていきます。本当に私はもう怒った、この間。面罵した、大きな声で。久しぶりに気持ちよかったけれど。
 はい、どうぞ。

【記者】ワタミの、渡邉(美樹)会長が、都知事選をめぐって、出馬が取りざたされておりますけども、企業の経営者として成功した方が都政のトップを目指すということに関しては、何かご意見はありますか。

【知事】それはいいんじゃないでしょうか。そういう可能性って大いにあると思います。経営感覚というのは、行政でも必要なんだし、おそらく彼は、私がやった会計制度の改良というのは当然のことと思っているし、彼の会社だって、きちっとした会計制度で運営されてると思うので、きちっとした貸借対照表、財務諸表があって、会社が掌握できるわけだから、私は、そういう感覚、能力を持った人間が行政をやるということは結構だと思いますけど。国の役人が横滑りしていくよりずっとましだと思う、僕は。

【記者】知事ご自身は、渡邉会長とおつき合い、交流はどの程度……。

【知事】知りません。会ったことない。テレビで有名な人らしいけど。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)