石原知事記者会見

平成22年12月24日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年12月17日(金曜)
15時00分〜15時09分

知事冒頭発言

1 「10年後の東京」への実行プログラム2011の策定について

【知事】冒頭、私から1つ。本日、「10年後の東京」計画の確実な実現のために、向こう3カ年のアクションプランであります「実行プログラム2011」を策定しました。
 4回目の策定となります今回の実行プログラムでは、これまでの取組を詳細に検証した上で、「10年後の東京」計画で挙げた目標の達成に向けて、必要な事業を26の施策に盛り込みました。特に、雇用対策、少子化対策、災害対策といった、都民が今まさに直面している緊急課題への対応について、「緊急重点事業」と位置づけ、都民不安を払拭するために、現場を持つ都ならではの取組を強力に推進していきます。さらに今回の改定においては、「10年後の東京」が計画期間のちょうど半ばに差しかかったことから、これまでの取組を総括した上で、さらにその先に目を向け、進化した都市・東京の将来像の一端を、「将来への指針」として明らかにしました。
 過去からの蓄積の上に、技術進歩を重ね、トレードオフの関係とされる経済活動と環境を両立させて、誰もが安心して暮らせることのできる街をつくるとともに、アジアのリーダーとしての地位を持続することが、日本における首都の東京の責任であると思います。東京を、世界に冠たる成熟した都市へとさらに進化させていくために、直面する課題に迅速かつ的確に対応するとともに、今回、描いた将来像を1つの指針にして、日本の未来を切り開いていく、確かな歩みを東京から進めていきたいと思っております。
 申し上げることは以上です。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】今回の予算案なのですが、これが否決されるという見通しになりますと、知事は何か、解散をさせるという風なことをおっしゃっておりましたけれども、これはある新聞のインタビューなのですが、その真意のほどをお聞かせ願えればと思いますが。

【知事】そんなことは、仮定の仮定の仮定の話で、真意を探るのはあなた方々の推理能力だから。
 はい、どうぞ。

【記者】先日の本会議で可決された青少年健全育成条例について伺いたいのですけれども、知事は以前に、『真実の性教育』というご著書の中で、いかなる書物であっても、子供たちを犯罪や非行に教唆することはないと。仮に好ましくない本がこの世から消えたとしても、犯罪も逆になくならないというようなお考えを述べていらっしゃるのですが、そのお考えは今はどう変わられたのでしょうか。

【知事】それは大分違いますね。その頃、私、間違っていましたね。
 今日これほど、何となく世の中が狂ってきて、変態というものを是認するみたいな著書というのは、あの頃はあまりなかったんです。あなたの雑誌で、あんなもの載せますか。

【記者】ちょっとうちの読者には受けないので、載せないと思いますけれども。

【知事】そうでしょう。あなたのところの新聞じゃなく、テレビでも、こういうものが問題になっているんですという、あの漫画そのものを、その画面に映しますか。

【記者】テレビでですか。でも、あれは出版というメディアが違いますよ、今回は。

【知事】いや、テレビで映せますかと。限られた人間が対象にするような、コンビニに売っている書棚じゃなく、一般不特定の人たちがたくさん見るテレビで、ああいうものを画面にさらせますか。

【記者】それは、その時の判断だと思います。

【知事】場合によったら載せる?網かけせずに。

【記者】その必要があると判断すれば載せるのではないでしょうか。

【知事】載せたら、本当に世間はもっと分かってくれるよ。これなら当たり前だと、規制をするのは。何も、そういうものを描いてはいけないと言っているんじゃないんだから。子供にさらさないようにということの処置をしただけで。世の中に変態はやっぱりいるから、気の毒な人で、DNAが狂っていて。そういう人たちが、そういう嗜好で、それを読んだり、描いたりすることにエクスタシーを感じるのは、それは結構です。しかし、西洋の社会では、あんなもの認められないと思うけれど。日本は開け広げになり過ぎたから。だけど、やっぱりアブノーマルでしょ。

【記者】今の続きを伺いたいのですが、このご著書を書かれた時から、それはどういうふうに変わられたのでしょうか。いつ、どのタイミングで。

【知事】物事、こんなにひどくなかったよ、あの頃は。

【記者】今は、ひどくなったからお考えが変わったと。

【知事】それが度を越していると思います。

【記者】どのあたりが度を越しているという風にお考えなのですか。

【知事】例えば、ナボコフの『ロリータ』なんて小説に、川端康成さんは非常に影響を受けて、妙な小説書いたりしたけれど、あれだって、当時、ショッキングだったけれど、あの程度だったら、叙述の美しさもあります。だけど、あんなにあからさまに、7〜8歳の女の子と男が結婚できることもないし、また、そういう幼い子供を強姦することが、あり得べきストーリーとして描かれるということを、私は、あんなものは、何の役にも立たないし、害があって一利もないと思います。
 はい。どうぞ。

【記者】東京マラソンの話をちょっとお伺いしたいのですけれども、来年から、チャリティー枠を、東京マラソン財団が設けるということになりまして、今、募集が行われていると思うのですが、ちょっと聞くところによると、大体7割ぐらい埋まったと。

【知事】公示してから2日間で、今日になったらどれぐらいか知りません、昨日限りで666人という応募がありました。2日間で、枠が1,000人ですから、あと残り少ないけれど。中には、10万円以上というので、25万円でも出すからという人もいまして、オークションじゃないから、高い順に入れるわけにいかないけれども、チャリティーのお金の額は人によって違う、だから10万円以上ということなんで、1,000人はあっという間に満たされるんじゃないかと思いますけれども。

【記者】日本のマラソンのレース上で初めての試みで、出だしが一体どうなるのか。今のような状況であれば、年内にも1,000人埋まる可能性もあるというふうに……。

【知事】もちろんそうでしょう。すぐ埋まると思います。

【記者】年内に例えば1,000人、ばたばたと埋まったりすると、人数また増やせとか、増やした方がいいのではないかと。

【知事】これは、警察次第なんだな。これ以上増やさないでくれと、やっと、3万人を3万6,000人にしたんで、今度。これ以上無理でしょう。チャリティーのお金が有効に使えるし、ありがたいことだけれども、かといって、マラソンで募金をすると、これ以上するわけにもなかなかいかないと思います。運営の上でも、何か支障を来すといけないから。はい、どうぞ。

【記者】文部科学省が子供の体力テストの結果を発表しまして、都道府県別では、東京が中学生男子46位、女子が41位という数字出て、心配な数字だと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

【知事】心配ですよ、それはもう。東京は、子供の体力につながらない、変な娯楽が多過ぎるから。遊ぶ場所の問題もあるし。この間もテレビでやっていたけれども、学校の先生が責任持てないというんで、放課後のグラウンドの使用を禁止したり、これもおかしな話で。この頃、先生に代わって父兄が監督するというところも出てきているんでしょうけれど、子供にとって不本意な制約もあるみたいで、それが、こういうマイナスの結果になって、非常に残念ですし、改良できるところはしていきたいと思いますけれども。大体、昔から都会の子供は貧弱なんだよ。これは都会の宿命かもしれませんが。何とか東京なりに、それを改良していく方法を考えたいと思っています。
 はい、どうも。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)