石原知事記者会見

平成22年12月16日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年12月10日(金曜)
15時01分〜15時16分

知事冒頭発言

1 東京マラソンについて

【知事】今日は冒頭1つ、私から申し上げます。
 東京マラソン2011についてですが、今回、新たに設けるチャリティー制度についての概要が固まりました。東京マラソンは、昨年、国際陸上競技連盟のゴールドラベルを取得して、海外から高い評価を受けるなど、回を重ねる毎に成長してきました。ロンドン・マラソンやニューヨーク・シティマラソンなど海外のメジャーマラソンでは、大会の価値を最大限に活用して、社会に還元する取り組み、チャリティーを含めて、色々行われていますが、東京マラソンでも、5回目を超える今度の大会において、かねてから構想していましたチャリティー事業を実施することとしました。本来の出走料は1万円で、抽選に受かった人が1万円出して走るわけですけれども、今回から、10万円以上チャリティー事業に寄附するランナーを、来週の15日から先着千人募集します。今回の新たな取り組みにより、東京マラソンを世界最高峰の大会に進化させるとともに、日本にチャリティー文化を根づかせる礎もつくっていきたいと思っています。
 また、前回大会で実施した、子どもたちを対象とする、ファミリーランについても非常に好評だったものですから、今回は定員を倍増して、開催をします。
 詳細については、この後、東京マラソン財団から説明いたします。
 私から申し上げるのは以上です。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】2点、お尋ねしたいと思います。1点目は、子ども手当についてです。
 本日、神奈川県の松沢(成文)知事が内閣府に地方負担は認められないという旨の意見書なるものを提出して、神奈川県では、来年度の子ども手当分の予算計上もしないという方針を改めておっしゃっていました。九都県市首脳会議で、反対の姿勢を九都県市で連携しようというお話もありましたが、来年度の予算計上、東京都として、どうお取り組みになるか、知事のお考えいただければと思います。

【知事】基本的には、松沢さんの言うことは妥当だと思うし、賛成・不賛成の前に、国の言っていることはめちゃくちゃだと思います。ですから、これから予算の査定に入りますけれど、それは十分踏まえて考えていきます。

【記者】2点目は、ちょっと話飛びますが、大阪と愛知で、それぞれ「都」なるものを目指そうという話が出ております。

【知事】都というのはおかしいよ。この前、橋下(徹 大阪府知事)君に言ったんだけれど、都、首都というのは、元首がいて、国の政府があるところを首都というので、名古屋とか大阪に都が2つも3つもできるというのは面妖(めんよう)な話であり得ないことだと思います。言葉を選んでやってもらいたいと思いますが。

【記者】その大阪府知事は、中京都と大阪都を目指すことを応援してくれるような東京都知事をつくろうじゃないかという旨の発言もされているようですが、こういったお考えについてはいかがでしょうか。

【知事】都というのを使う限り、私は賛成しないね。それは、政令指定都市を抱えている県知事なんていうのは非常にはかないもんで、その気持ちは分かるし、大阪の場合には、どちらかというと市議会議員の方が府議会議員より威張っていて、そういう現象もありますが、それを平らなものにするというのは、政治家としての1つの試みだろうけれども、それを行うに当たって、都というのは紛らわしい、キャピタル(首都)ですから。ステート・キャピタル(州都)と違うんで、国に2つも3つも都があるわけないんで、そんなもの呼称する限り、その限りで私は賛成できませんし、迷惑千万だ、東京にとってみると。はい、どうぞ。

【記者】今年も残り少なくなってまいりまして、知事ももうご承知かと思うのですが、つい先ほど、今年1年間を表す漢字の1文字が、いわゆる発表されました。これはご存じだと思うのですが。この言葉が、来年の春の知事をも悩ませる花粉症、花粉を多くまき散らす原因にも1つなっているわけなのですが、防災上の意味でも、命を落とすようなことにもなりました。その言葉が、今年をあらわす漢字として選ばれたということについてはいかがでしょうか。

【知事】何でしたっけ。

【記者】暑。暑い。猛暑の「暑」です。

【知事】暑。暑い。なるほど。それは随分、人を弱らせましたから。国全体で考えると、私は「衰」だね。衰弱の「衰」。国全体は。そんな感じします。これはもう如実に。
 夏だけの現象じゃないよ、本当に。国全体が沈もうとしています。大連合の噂もあるけれど、結構じゃないですか。単独の政党で出来ないんだったら、組んで、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」で、みんなで渡るんだったらできることあります。消費税だってそうだし、憲法改正だってそうだし。あと集団自衛権の行使もそうだし。赤信号ともしたの誰かといったら国民なんだよ。特に、消費税なんかは、国民はもう我欲ばっかり先走ってて、いかなる支出も好まないから。我欲というのを分析すると、物欲、金銭欲、性欲。自分の産んだ子どもを殺すような母親が、この頃やたら増えてきたけれど、忌まわしい現象ですけれど。とにかくそういう我欲が横行してて、政治もそれに媚びざるを得ないから、政党同士の選挙で勝とうと思ったら、みんな、国民が言うこと聞くけれども、大連合でもできたら、みんな、手つないで渡れば、信号も青に変わる、と思います。

【記者】ただ、この暑いという「暑」の中には、チリのあの33人、奇跡の救出された、地下の猛烈な暑さの中で、数十日、間生き長らえて救出されたと。これもつながっているという意味合いもあったりなのですが。

【知事】それは、快挙で、本当に、世界中の人間がほっとしたわけだけれども、それは一部の他国のことで、全体から見ると、私は、世界全体が衰弱してきているし、アメリカもそうですが、1人意気軒昂(いきけんこう)としているのは、隣の中国様だね。はい、どうぞ。

【記者】青少年健全育成条例なのですけれども、これについて、今日、民主党が総会開きましたが、様々な意見が出まして、役員会に一任となりました。民主党の中には、一定評価する人もいるのですけれども、これについて知事のご所見をお伺いできれば。

【知事】常識で考えて、文言の解釈とかひねり方じゃなくて、自分に子どもがいて、それを子どもに見せられるかという話になれば、みんな、誰でもノーと言います。だから、陳列の形を変えるということなんだから。ああいう変態的なものを描くやつは、1つの表現の自由ということで描くやつもいるだろう。そこまで制限するわけじゃないんで。そういうものを子どもに見せないということのための配慮ですから、それに反対する人の理由というのが分からない、私は。はい。どうぞ。

【記者】三宅島の関係でお伺いしたいのですが。来年1月にも、居住制限があった地区が、制限が、条件つきで住めるようになる見通しとなりました。そのことについて、まずご感想をお願いいたします。

【知事】感想じゃなしに、この間も村長が来て、私に言うからね。これは本当に、私はまだ心配だよと。1つの事例は、この1月に、あそこに飛んでいる全日空の飛行機の就航率というのは3%だったんです。飛行機は亜硫酸ガスが、霧で混じると硫酸になっちゃうわけね。それで、機材の保護のため飛ばないで引き返したわけだけれど、同じことも、人間に言えるんじゃないでしょうか。じわじわね。あなたも行ったことあるかどうか分からないけれど、あの爆発が起こった後と違って、数年たっていくと、下の方の木が全部真っ白になっている。これは、時間の経過というものが、ガスの被害というのも堆積していって、目立つ大きな木というのは、みんな漂白されているわけです。その地域に、条件つきで、人が家の中に色々な施設を施すということが条件だろうけれども、どう考えても健康にいい訳はないんで、そこら辺のことは、本当に慎重に考慮してやってくれと言いましたら、いろいろ統計とってみて、経験的にも大丈夫ですと、元に戻りたいという人も多いから、条件つきでということだけれど、これは、私たち離れているところの人間じゃなくて、島の当事者のリーダーに一任するしかないんで、私は、注意してやってくれということで念を押しましたが。なお、はらはらして眺めています。

【記者】条件つきということで、脱硫装置であるとか、家の中に装置をつけたりという必要もあるようですが、都として、何か支援をされるというようなお考えは、金銭的な面で。

【知事】そこまではちょっと出来ません。今、住んでいるところも、ほかにあるわけだし。自分の元の家に住みたいというのは、1つのセンチメント(感傷)、非常に強いものでしょうけれど、わざわざ、避難して住む住居も建ててあるわけですから、そこをあえて出て、危険を冒して住むというのは、これはご当人の意思だし、それを行政の責任者が是とするんだと、あとは結果を待つしかないです、本当に。はい、どうぞ。

【記者】政治家とカネについてのお考えをお聞きしたいと思うのですが。民主党の方では、企業献金を、3年後に見直すということを言っているわけですが、現在は企業献金を、今のうちにどんどん受け入れておこうという考えを持っているようです。選挙も来年、地方選挙もあるようですが、政治献金というのは、政治家にとっては絶対必要なものなのでしょうか。そのあたりを、ちょっと。

【知事】今の選挙の運用の様式見ていますと、とても歳費だけではできないでしょう。選挙準備、選挙運動というの。結局、必然、支持者の協力が要るということになるでしょうけれども、その中に企業が入るか入らないか。その企業も色々な営利の目的持っているでしょうけれども、そういったものの兼ね合いで、献金を受けるというのは、委託、贈収賄の問題にもなってきかねないことがありますが、そういった附帯条件がついてない献金なら、私は企業も1つの人格を持っている組織だし、国の政治がよくあってほしいという願いもあるでしょうから、それを見込んだ政治家に献金するというのは、私は決して間違っていないと思いますけれども。
 ただ、それが、企業の営利の目的というものを兼ねたものになってきたら、これは問題なんで、そこら辺の見極めというのは非常に難しいことがあるでしょう。だから、金銭的な額を制限されてきたんで。その限りにおいたら、私は、これを是とせざるを得ないんじゃないかと。今の選挙の様式見ても、そう思いますけれど。
 ただ、何か問題になっている人物の政党つくったり壊したりする時に、我々の税金で政党に対する助成金というのは出ているわけです。その用途がどこ行ったか分からなくて、結局、どこまで確かか知らないけれど、個人の口座にしまわれるとかなんていうことがあったら、これは大きな問題だと思います。はい、どうぞ。

【記者】先ほどの青少年育成条例の関係で、東京アニメフェスティバル(東京国際アニメフェア2011)に、角川書店の社長が不参加の意向を示しましたが、いかが……。

【知事】勝手に自分で決めたらいいじゃないか。出したくないなら出さなきゃいい。条例に関係あるかどうか分からないけれども、それを考えるというんだったら、彼なりの解釈でしょう。全然構いません。どうぞ、ご自由になさったらいいんじゃないですか。はい。

【記者】先ほど一部言及いただきましたけれども、来年度の予算の知事査定、今日から始まりますけれども、方針などを伺えますでしょうか。

【知事】方針は、健全財政の維持、節約、無駄なものはできるだけ排除、当然のことじゃないですか。はい。どうも。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)