石原知事記者会見

平成22年11月18日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年11月12日(金曜)
15時01分〜15時11分

知事冒頭発言

【知事】今日は、私からは冒頭申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】今、尖閣ビデオ問題で逮捕されるか、起訴されるかということで取り調べが続いていますけれども、今の現状について、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

【知事】あれは本当に秘密と言えるかどうか分からないし。秘密であっても、私は、あの映像というのは公開すべきだと思うし、やった人間、僕は愛国的だと思う。その人間を売国内閣が罰する資格があるのかね。世間が決めることだけれど。(内閣が)やっていることは、本当に無能というか、場つなぎというか、見ていられない、本当に。

【記者】仙谷(由人)官房長官は、守秘義務に当たるというふうに。

【知事】色々な人がいるんだ、自分の保身のために。しかし、隠す理由は何なんだ、一体、内閣が。何様のためなんだ。相手が中国様のせいなのか。仙谷は、よく「中国におかれましては」と敬語使うけれど、一国を代表する政治家の1人が、対等な人間と国際関係をやる時に、相手の国に向かって敬語を使うばかな国があるか、本当に。

【記者】馬淵(澄夫)大臣などの責任を問う声が上がっていますけれども、流出の責任についてはどういうふうにお考えでしょうか。

【知事】責任と言っても、意図的にその人間が流したんだったら、僕は、それで1つ崇高な志と思います。国民に知らしめるべしだと思ったら。動機は、僕は愛国的だと思うけれど。あなたもそう思いませんか。国民は、そう思っているね。

【記者】特に大臣が責任をとる必要はないという……。

【知事】そう、分からない、そんなことで。どうぞ。

【記者】八ツ場ダム事業についてなのですけれども。八ツ場ダムの根拠である基本高水という数値の問題が嘘であるということが、これもばれ、それから代替地の……。

【知事】「ばれ」とか、「嘘」とかと言うけれど、あなたの1つの価値観であって、こういう異常気象の時代に、自然がどういう猛威を振るうか、誰に予測できるんですか。

【記者】変わってきたということなのですけれども、保水力が。それから、更に代替地の安全性……。

【知事】現に、世界の情勢見ても、異常気象がどんどん進んでいるじゃないですか。突発的な事故があちこちで起きているじゃないですか。そういったものを換算すれば、私は、あのダムはあってしかるべきだと思っていますけれどね。

【記者】代替地の安全性も計算ミスが見つかり、少し前に……。

【知事】それは、1つの自分の主観じゃない。もっと現実的なものを聞きなさい。あなたの主観は伺う必要ない、ここで。嘘とか、何とかという判断、あなたがしているけれど、世間がしているわけじゃないんだから。どんな取材をしているか知らないけれど、物事を決めつけて質問したって、答えられません。

【記者】工費も変わってきたということで、全てが変わってきているという事実はあると思うのですけれども、それに対して、唯々諾々と事業費、負担金をこれまで払ってきたという都の責任については、どのようにお考えでしょうか。

【知事】唯々諾々じゃない、出来ることを期待して払ってきたんだ。ダムが出来ないなら、金を戻してもらいます。品物を買おうと思って、前金払って、品物が届かないんだったら、前金も払い戻すのは当たり前の話じゃないですか。

【記者】今回、その物がないので払えないということをおっしゃったわけですけれども…。

【知事】そうですよ。

【記者】これまでに払ってきた責任については、その検証することなく、必要であるということに…。

【知事】検証をして、それを信じて、必要だと思うからお金払ってきたんで、それを突然、検証もせずに事業を中止して、今まで払った金も返さないって、これは詐欺だよ、そんなものは。あなた、世間の買い物の常識で考えても分かるでしょう。だめだ、そんな質問。
 ほかに、ありますか。はい、どうぞ。

【記者】政府が、自由貿易の推進に関して検討している環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPというものについて、自由貿易が促進されると農業に打撃があると反論もありますが、今の時点で、知事のお考え、いただければと思います。

【知事】俺は農業の専門家じゃないんだ。昨日も、あるグループで、かつての次官、局長クラスのグループがあって、色々話をしたんですが、日本におけるお米の単価というのは、想像以上のもので。しかし、日本の文化というものにとっての米の関わりというのも、切り離せないし。ただ、明らかに外米と日本のお米の味わいも違うし、そういったものが、金銭に換算して、どれだけの価値があり、意味があるかということは、これはもう一種の文化の問題になってしまう。そうすると、私は、農業のことを精通していませんから、にわかに言えませんが、自由貿易は好ましいけれども、農業という基幹的な産業というものが壊滅するということも、1つの国の成り行きとして、あり得ないことだと私は思います。だから、日本の農業というものをどうやって合理化していくかの問題だと思うんだけれど。農家はつらいわな。はい、どうぞ。

【記者】今日、豊洲への移転に関して、新市場整備部の設置が発表されましたが、市場業者に対する移転支援を強化するというのがあったのですが、どのような支援が想定されますでしょうか。

【知事】分かりません。当事者に聞いてください。私に聞いても分からないよ。ほかに、どうぞ。

【記者】知事公館が渋谷にあるわけですけれども、都知事は、最初、99年の時、入らなかったということがありました。今現在、売れていないと。48億で売りたいのだけれども、売れないというような実態があるわけですけれども、これについて、相当な無駄であるということも考えて、どういうふうな方向を考えたいと思っているのでしょうか。

【知事】売れないんなら職員があそこに住めばいいんだ。近くていいんだから。使ったらいいじゃない。何も知事様が住む必要ないんだ。遠くから通ってる人間が、あそこに住んだらいいと思うよ。

【記者】99年の時に知事が入らなかったという、大きな理由は何ですか。

【知事】あんなとこ住みたくない。私は、ちゃんとした家がありますし、そこから通うことで別に痛痒(つうよう)を感じていないし。あなた、行ってごらんなさいよ。住宅と称する会議室が4つも5つもあるような住宅なんて、住宅じゃない。買い手がいないなら、独身の職員があそこに住んだらいいんだ。有効活用じゃないか、それこそ。知事公邸だって、使わないんだったら、ほかの人間が住んだらいいじゃないか。独身の職員だってたくさんいるんだから。そうだろ?別に鳥居が建っているわけじゃない、あそこに。はい、どうぞ。

【記者】夕方に、片山(善博)総務大臣に対して、直轄事業負担金の、地方にも返還を求める制度を作る要望を出されますけれども、そのことに関して所見をお願いします。

【知事】猪瀬(直樹 副知事)さんに任せたから、猪瀬さんに詳しく聞いてください。はい、どうぞ。

【記者】三宅島のエンデューロレース終わりまして、4年間で2億、2億、2億、1.7億、計6億7,000万円を使っているわけなのですけれども、この経済効果、費用効果というのはどうだったでしょうか。

【知事】なかなか難しいよ。あの島、苦しいから、出来るだけ人、呼びたいんだけれど、ああいうことやっても、来る人間、限られているし、インターネットで世界中に飛ばしているわけですから、それがそれだけの吸引力になるか。あそこの島だけじゃなくて、こういう時代ですし、伊豆七島の観光というのは非常に衰微して、どの島も困っているんです。それこそ、逆にいいアイデアあったら貸してよ、本当に。
 僕はNHKに、昔、沖縄を主題にしたドラマあったでしょう、そういうのを頼んでいるんだけれど、NHKはその気にならない。島から隔離されて、戻る人、戻らない人、色々家族の中のドラマがあったと思うんです。今でもあると思うんです。そういうものを、ドラマにならないかと思うんだけれど。風光明媚だし、劇的な風景のある島ですから、舞台にすると面白いドラマができるんじゃないかと思うんだけれど、NHKは冷たいね。(笑)
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)