石原知事記者会見

平成22年11月11日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年11月5日(金曜)
15時04分〜15時18分

知事冒頭発言

1 アジア大都市ネットワーク21東京総会について

【知事】冒頭、幾つか、私から申し上げます。
 1つは、「アジア大都市ネットワーク21」の東京総会ですけれども、11月7日から10日まで、「アジア大都市ネットワーク21」の総会を東京で開催します。今回は、中小型ジェット旅客機の開発促進、危機管理や感染症対策などの共同事業について、これまで取り組んできた成果を確認するとともに、環境や産業振興、将来に向けて官民連携について、意見交換を行います。
 また、総会の開催とあわせて、都庁前の都民広場で、アジアの食や文化を楽しむ「アジア大都市ネットワーク21展」も開催しますし、アジア料理が味わえる屋台が出店するほか、ヘブンアーティストや民族舞踊団などによるイベントが数多く繰り広げられる予定です。
 都民の皆さんには是非、ここで広くアジアに接することができますので、おいで願いたい。

2 求職者への支援について

【知事】もう1つは、年末にあり得るかもしれない事態で、景気がよくありませんし、雇用が進んでいませんから、求職者への支援についてですけれども、来週から12月28日まで、生活に困っている求職者に対して、就労支援と生活支援を一体的に提供する総合対策を実施します。
 都の先駆的取り組みを踏まえて、国に強く働きかけながら、都内全17カ所のハローワークにNPO法人等の相談員を配置しまして、住居、生活の支援も行うつもりであります。あわせて、各局の連携の下に、民間の力も活用しながら、新たな雇用の場も確保したいと思っています。
 未だに、厳しい雇用情勢が続く中ですから、こうした重層的な対策を講じて、働く意欲のある人への生活全般にわたる支援を一層強化していきたいと思っております。
 既に、政府にはっきり言っておりますけれども、政府独特の場当たりで、年末になってまた派遣社員をどうこうするという、昨年のような、いわゆる「派遣村」は東京は協力して行いません。その前にやることを、もっと総合的に政府はやるべきでありまして、やってくる人たちの世話までが、厚生労働省の役人に代わって、東京都の役人が面倒見る筋は全くないので、国に、去年のような協力はできません、その代わり、もっと総合的な、マクロの対策をしっかりしなさいということを通告してあります。

3 尖閣諸島中国漁船衝突事件の画像流出について

【知事】それからもう1つ、さっき、インターネットに流れている尖閣諸島のあの漁船の衝突問題の映像を見ましたが、なぜ政府は発表しないのか。結局、内部告発でしょう。こんなことで黙っていられるかという、どこの局所の人間か知らないけれども、冗談じゃないということで、国民の目に、実態見てもらいたいという形であれが流出した、結構なことじゃないですか。私は、国民の意識というのははっきりしていると思う。
 それにあわせて、自民党の幹事長(石原伸晃)に申しましたが、政府対政府で、ああいうばかなことをしてまで、彼らが主張する尖閣の領有権が中国にあるという、法的な論拠を示してもらいたいと思う。政府から政府に「とにかく通告させなさいよ」と言ったら、幹事長は「言っても答えないだろう」と言うから、答えないという答えになるんで、政府が正式に、相手の政府に、あなた方、我々にとってみると、荒唐無稽な話と思えるけれども、あの尖閣の領有権を主張する法的、歴史的根拠は何なんですかということを、公式に質問させたらいいじゃないかと。それはすべきだと思うし、国民もそれを望んでいると思います。相手がはっきりしたこと言ってきたら、それを斟酌(しんしゃく)して、考えるべき余地があるかもしれないけれど、おそらくそれは出てこないでしょう。出てこないということが答えになるんだから。
 それから、これは余談だけれども、私もそのうちに有志と図って国民運動で、せっかく、税金を納めて自衛隊つくってもらっているんだから、あの日本の固有の領土の尖閣に、自衛隊が駐留してもらいたいというキャンペーンをしようかと思っています。皆さん、ぜひご協力ください。しっかりしたメディアがあるならば。
 はい、質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】尖閣諸島の問題だけではなくて、にわかに北方領土の問題も今、注目を浴びています。先日、ロシアのメドベージェフ大統領が国後島を訪問されましたが……。

【知事】何故、けしからん相手の元首に、敬語を使うのか。私は、仙谷(由人)という官房長官見ると、「中国の政府におかれましては」とか、あの人、前身何か知らないけれど、言葉の使い方知らないんじゃないのか。これだけ口を出された相手の国で、何故へりくだった敬語を使うのか。対等に話をしたらいいじゃないですか、第三者的に。はい、それで?

【記者】大統領が訪問したことについて、石原知事としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

【知事】当然だと思う、彼らの姿勢からすれば。政府が「行ってくれるな」と言って、そんなもんで聞く相手じゃないし、行ったことで、それを押し切って、これは国内の視察だと言われて、けしからんと言っても、言っている方がちゃんちゃらおかしい、本当に。
 これは、ちょっと尖閣と違った問題で、あなた方、その頃、幾つだったか知らないけれども、確か「氷雪の門」だったか、有名な映画がありますが、あの時にロシア軍が入ってくるということで、最後の交換台の人たちが、結局、屈辱を回避するために、みんな死ぬんだ、交換手は自殺して。その映画を絶対に上映させるなと、ロシアは今まで圧力かけて上映させなかった。この間、見ましたが、解禁になったので。
 解禁になるもならないも、日本人の味わった、こういう残虐な、屈辱な事態を、映画にして表現するのに、外国がくちばしを入れてきて、それに屈して、せっかくの作品を公開しない国そのものがおかしい、それは。
 はい、ほかにどうぞ。

【記者】2週間ぐらい前になるのですが、石原都知事が中国の雑誌のインタビューを受けたということで、向こうの記者の方では、敵の手を知るには一番いいインタビューだったという風な内容のコメントを出しているみたいですけれども、知事の方のお考えとしては、どうでしょうか。

【知事】面白かったのは、かなり正確に報道しているし、あの雑誌、記者そのもののスタンスというのはなかなか微妙だと思います。決して北京で中国を牛耳っているつもりの中国政府、共産党のシンパでもなければ、ある程度まで成熟した中国における政治情勢に対して、懐疑的というか、批判的というか、それは、私が断じることもないし、迷惑かけたら気の毒だけど、私は面白い傾向だと思いました。
 僕は共産党は嫌いだ、共産主義は嫌いだ、中国はしかし好きだ、中国の文化も尊敬しているけれど、今の中国に本当の文化があるかなという話をしましたよ。それは正確に書いていたんじゃないですか。面白かったよ。よく調べている、俺のこと。
 はい、どうぞ。

【記者】2つ目に知事がおっしゃいました「派遣村」をつくらせないための、求職者への就労、生活支援の総合対策、知事がおっしゃるように、政府に場当たり的じゃない、マクロ的な対応をお願いすると。都としては派遣村のような協力はできないとおっしゃる主張、非常によく理解できるのですが、ただ、雇用環境が劇的に好転するというのはなかなか難しいと思いまして、求職者が、また年末に東京に押し寄せてくるという事態は想定されると思うのですが、12月28日までの支援のほかに、都はさらなる何か対応策というのはお考えでしょうか。

【知事】それは色々考えていますが、担当局に聞いてください。都は都なりに、今までやってきたつもりですし。それから、メディアの諸君に正確に報道してもらいたいのは、年末本当に困ったと駆け込んでる人たち、気の毒な人がいますが、甘ったれているやつもいるよ。せっかく仕事紹介してやっても、それは辛いから嫌だと言って、それで金だけ持って逃げてしまうとか。それから、割といい仕事紹介しても、それは辛くて嫌だと、生活保護受けたいという、そういうことを安易に考えることそのものが、私は人間の堕落だと思うけれど。
 困っている人は困って、ぎりぎりまで困るんでしょうが、しかし、そういう実態もある、全てが全て、本当に気の毒な人とも言えない、甘えているやつもいるということを、皆さんの税金で私たち努力して、補償するわけだから、そういう実態も知ってもらいたい。
 はい、どうぞ。

【記者】八ツ場ダムの件で、馬淵(澄夫)国土交通大臣が6日に現地に行かれるということですが、それを受けて、知事のほうで直接、大臣の方と会われる予定はございますでしょうか。

【知事】大臣に、現場に行ってから、会いに来いと言ってあるんです。会いたいと言っているから。まず、現場を見に行きなさいと。1年前と随分違っているんだから、現場を自分の目で見届けて、最高責任者として判断を下しなさいと。何を感じたかということを、その上で、関係の知事が聞こうと言ったら、この間、来れなかったわけだ。だから、行きなさいと言っていることで、行ってくるのは、当然のことじゃないですか。どういう認識を持つか、あなたが聞いてきなさいよ。その時、私も聞きましょう、彼に。

【記者】それに関連してですけれども、今日の大臣会見で、八ツ場ダムの根拠となります基本高水、利根川水系の洪水の際の最大流量の算出の資料がありませんでしたということで……。

【知事】したらいいじゃない、もう一回。この天候異変というものを踏まえて、前より私は状況悪くなっていると思います。

【記者】もう一度、するということを言った……。

【知事】もう一度、それも検証の1つじゃないですか。

【記者】大臣もおっしゃているようですけれども。

【知事】だから、検証させたらいいじゃないですか、きちっと。それをするのは、国交省の責任じゃないの。それを命じるのは大臣の責任じゃないですか。検証というのはそういうことじゃないの?そんなこともせずに、してもいない検証して、あのプロジェクトはだめだと言って、今になっておたおたしてるわけだけれど、やっていることはめちゃくちゃだよ、本当に、素人みたいで。
 はい、どうぞ。

【記者】朝鮮学校の無償化、高校無償化で、今日、高木(義明)文部科学大臣が、実質、無償化を認めるというような方針を出されましたけれども、それについてご所見をお願いします。

【知事】そこで教育をやっている教育の内容というものを斟酌しないと、拉致の問題というのが重くのしかかってあるわけですから、そういったものを、朝鮮総連の連中が加担して、手引したというのは歴然として事実としてあるわけだから。そういうものを継承する教育をやっている学校に、私たち、なぜ税金で補償するのか、私は本当に、非常に疑義を感じます。
 はい、どうぞ。

【記者】そのことに関連して、都のほうでも朝鮮学校に補助金出しているかと思いますが、その件について、改めてお考えを……。

【知事】考えなくちゃいけないと思っています、私は。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)