石原知事記者会見

平成22年10月21日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年10月15日(金曜)
15時01分〜15時16分

知事冒頭発言

1 東京マラソンについて

【知事】冒頭、1つです。私からマラソンについて申し上げます。
 来年2月27日に開催します東京マラソン2011でありますけれども、非常に応募者が多くて、ありがたいんですが、少しでも多くのランナーの希望をかなえてあげたいと思って、かねてから3万5,000人の参加定員を出来るだけ増やしたいと思っていましたが、今回、何とか警視庁の了解を得ることができまして、2011大会においては、現行定員とは別枠で1,000人分を増やすことにしました。この枠を利用して、かねてから構想していたロンドンマラソンのようなチャリティーの制度を新たに設けまして、それを、また有効に使っていきたいと思っていますけれども、こうした取り組みを通じて、東京マラソンを、世界最高峰の大会へと進化させる礎を築いていきたいと思っております。
 今後、東京マラソン財団がチャリティーの仕組みを検討して、12月頃には募集の発表をすることになると思います。ご存じのように、今度、このマラソンの主催者は財団にしましたんで、今までと違って、また色々な運営の仕方が出てきて、定員も増やしますし、色々な形でこのマラソンを有効に使っていきたいと思っております。
 私から申し上げることは以上です。質問があったら、どうぞ。
 市場のことは聞いてもだめだよ。みんな、先走りしようと、こちらで決めることを決め、準備をすることをしたら発表しますから。そんな遠くないことです。はい。どうぞ。

質疑応答

【記者】市場のことをあえてお聞きするのですけれども。

【知事】あえて聞いてもだめだよ。答え、同じだよ。

【記者】先週の都議会が終わった後に、民主党が言うような一部の予算の執行はできないと、やるなら全額だという話をされていましたけれども、今のお考えとしてはいかがでしょうか。

【知事】そんなものを含めて、結論を出してから申し上げます。あんな中途半端なことやってもだめ。

【記者】結論を出す時期というのは。

【知事】間もなく。

【記者】移転に、2014年12月の移転を考えたら、そんなに時間はないわけなのですが。

【知事】ないですね、はい。

【記者】10月中にも判断しないといけないと言われて。

【知事】そうでしょうね。

【記者】それは10月中に。

【知事】そんなことを、一々聞いても、こちらはこちらで行政の都合があるんで、物が決まる前に、何でメディアに一々細かく発表する必要あるんだ。立場考えて物言えよ。
 はい。ほかに。どうぞ。

【記者】片山(善博)総務大臣が就任して、もうすぐ1カ月がたつということなのですが、これまでの知事の評価と。

【知事】知らないよ、全然。あんまり、国会の運営を見る暇もないし、せいぜい予算委員会、ちらっと見るぐらいですけれど。そんなもので、政治家の評価なんか決まるものじゃない、1カ月や2カ月で。そういう質問というのは本当に無意味だと思うよ。何のためにするか分からないけれど。

【記者】特に、今後、期待されることというのはどういうことなのか。

【知事】あんまり期待できないね。彼にじゃなく、今の内閣に。一人や二人、地方自治体の首長を据えても、経験のないほかの閣僚が、地方自治体の行政について、少しは、閣議などの中で、勉強することはあるかもしらんけれど、なかなか、とっと採用された大臣が、日本の、地方行政全体を大きく変えるようなかじ取りなんかできるもんじゃないし、もっと上のほうにいる力のある政治家がその認識を持たなきゃだめだけれども、今の内閣では、とてもそんな余裕ないんじゃないですか。はい。

【記者】ちょっとそれに関連するかどうか分からないのですが、知事が8月24日に予定されていた八ツ場ダム視察と国土交通大臣への会談が、ちょっと延期になっているのですが、今後の予定というのは。

【知事】今の大臣(馬渕澄夫)は、前、(国土交通)副大臣で、その時には、1年以上前に当時の大臣(前原誠司)に随行して見たみたいです。  それから物事、進んでいますし、今の時点で、現場をまず見てから話をしろと。現場を見ない責任者と話してもしようがないので、私たちは、顔をそろえて、現場にもう一回、見に行きます。この間も、内閣がどうなるか分からない時、我々で行ってもしようがないじゃないか、内閣の趨勢(すうせい)を見てから、行こうということで延ばしました。今度、日を決めて、関係の県の県知事が現場に行きますけれども、前後して、出来れば同行してもらいたいけれど、こちらの都合も向こうの都合もありますし、現職の大臣が現場を今の時点で見てから、物を話さないとだめだと思いますから、必ず見てくれと、それじゃなかったら話はせんよと言ってありますから。
 はい、どうぞ。

【記者】成田空港の年間発着回数が30万回に拡大されることについて、国際化する羽田への対抗策と見られますが、知事はどのように考えていらっしゃいますか。

【知事】そのとおりでしょうね。今まで余計なこと、ごねてきたから、結局、日本中、迷惑したわけだよ。あなた方、知らないだろうけれど、あの空港は本当に血を流して出来た。しかも、その時、警察官が犠牲になって、ばかな連中が反対闘争やったけれども、中国の廖承志とか孫平化という、中日友好協会の会長が来て、金ばらまいて、「あなた方、反対闘争、非常に意味がある」とおだてて、それで空港開いたら、「台湾の飛行機入れるな、俺たち入れろ」ということで、それで始まったんです。そんな経過もありまして、成田の人たちも本当に余計な騒動に巻き込まれて迷惑したでしょうが。
 騒音はまた別の話だけども、10時以後は飛行機入れるなということ、決めたわけでしょう。地元の意思を反映して。そのおかげで何ができなくなったか。夏時間ができなくなった、省エネの。これやって、便によっては、10時までに入らないと、とても、運航ができない便があるんです。現地から出発すると。結局、途中でハワイとかどこかで1泊すると言っても、そんなものは、ユーティリティー(実用性)がないからお客さんがつかない。結局、日本は、世界じゅうがやってるデイライト・セービング・タイム(夏時間)ができなかった、成田のおかげで。これは誰の責任か分かりません。結局、成田の存在が非常にバリアになって。
 今度、かねがね、既定路線のとおり、国交省の役人、ばかじゃないから、私と亀井(静香 国民新党代表)君が、あの4番目の滑走路決める時に、最初、成田、ガーガー言うでしょうけれども、当面は、ごく近くにしか飛ばせませんよと言っても、何と言っても、ダウンタウン(都心)から近い、羽田みたいな便利な飛行場ないんだから、これは、絶対にハブ空港にしましょうということで進めてきまして、やっと、開港すれば、さらにCラン(滑走路)を延伸することで大型の機材、ジャンボも廃機になって、もっと有効な機も出てくるみたいですけれども、いずれにしろ、満員で満タンにして、非常に需要のいいアメリカの東海岸あるいはヨーロッパの奥のパリとかロンドンまで、羽田から飛んで行くようにします。それが本当のハブ空港になると思いますし、成田はまた別の意味で、国内線を入れて、そういう形で、あそこからすぐ乗りかえて外国に行けるような空港にしたらいい。それは、既定の路線で、Cランをつくるということを決める時から、内々、国交省の役人だってばかじゃないから、みんな考えて、じゃ、そういうことにしましょうと。
 ただ、千葉県、刺激するとうるさいから。結局、競争の時代になってくれば、成田の関係者だって、こんなこと言ってられないぞということで当たり前の措置をとるようになった。結構なことじゃないですか。
 はい、どうぞ。

【記者】知事、先週末に体調を崩されたということを聞いたのですけれど、その後、いかがでしょう。

【知事】まあ、何とか。精密検査をしました。別に健康のことは言うことはないだろう。
 僕、ひざがだめなんだ。ひざがちょっと。腱鞘炎(けんしょうえん)で1年半、一昨年、テニスしなかったら、腱鞘炎は治ったんだけれど、ひざがもう弱っちゃって。年ですから。テニス、杖をつきながらやるわけにいかないし。それで、どうも頼りないんで、専門家の一番の人に調べてもらいましたら、年の割にはひざの筋肉が弱っているから、それを鍛え直しなさいということで、今、一生懸命、足におもりつけて、三浦雄一郎(プロスキーヤー)のまねして歩いているんだ。あいつとおれ、同じ年だから。ほら、こうやって。大変なんだよ。年取りたくないから。
 ほかにありますか。はい。

【記者】世界平和のことでちょっとお聞きしたいのですが。

【知事】それは鳩山(由紀夫 前内閣総理大臣)君に聞いたらどうだ。

【記者】実はオバマ大統領が、未臨界核実験というやつを先日、やりました。核廃絶ということを念頭に置いて考えてみますと、非常に矛盾しているのではないかと思うのですが、石原都知事の、核軍縮という問題についてはどういうお考えをお持ちでしょう。

【知事】それは、11月の冒頭に発表します。私にとって、あるバリアを超えたつもりの非常に物議を醸すかもしれない論文に詳しく書きましたので、それを参照にしてください。どうぞ。

【記者】私も長い間、防災をずっとかかわってまいりました。世界が注目していた救出劇、チリのあの落盤事故におけるもので、これから検証が進むと思うのですが、決して希望を失わなかったこと、それからリーダーシップの素晴らしさ、きっと現れてくるでしょう。それと統率のとれた行動、家族のきずな、周りの力、こういったものもあろうかと思うのですが、やはり大都市東京でも、どんな災害が起きるか分からないという時に、リーダーシップの大切さというのはもう十分お分かりだろうと思うのですが、今回のこのチリの救出劇に関して、石原知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】リーダーシップの問題もさることながら、私は、鉱山を運営する掘削の技術というものの検証がきちんと済んでいれば、最初から4カ月かかるなんていうことで非常に世界が心配したけれども、思った以上早くいったでしょう。現代の技術というものを、人間が作ったんだから、それを信じなくてはしようがないと思うんです。豊洲の問題だってそうです。築地の市場の問題も。人間が開発した、最高な技術というもので、文明を進展も、人も救い、ものを合理化していくんで、チリの場合に、誰がどういうふうに言ったか知らないけれども、政治家が最初、何かよく分からないで、4カ月かかるなんて言ったら、専門家が出てくれば、2カ月でやりましょうということで、見事な成果。あれは、最近の世界の人類にとっての快挙の1つだと思いました。技術というものを踏まえた文明論というものを、私たち、もう一回、考えなくちゃいけない。その大きな何か1つのメタファー(隠喩)になったという気がします。

【記者】確かに時代は変わったのかもしれませんが、20数年前、夕張炭鉱の事故とか、命をその時に大切にできていたかどうかということも、また今、問題になってきつつあります。命がとても大切であるということは、かけがえのないことであろうと思いますし、変わりのないことだと思いますので、それをよく私たちに伝えてくれた事案であったかなというふうに。

【知事】全くそうですね。人類というのは宇宙に随分進出していって、日本の「はやぶさ」が、何と40億キロも、飛んで帰ってくるような時代ですけれど、地下に関して言うと、あの時、「はやぶさ」のチームリーダーの川口(淳一郎)さんの話を聞いたんですが、人類は、正確に、地球の地下の深くに、どんな素材が埋もれているかということは分からない。せいぜい、火山の噴き出すマグマを、調べるにしても、それにしても、たかだか、地下の距離は知れているもんだという点では、地球の地下に埋蔵されている、素材も含めての色々な可能性というのは、それを発見し、採取し、活用する技術というのは、むしろ宇宙の開発技術よりも、難しいし、困難なんじゃないかという気がします。
 とにかく、この東京なんか、どこ掘っても温泉が出るんだから。日本は、世界一の火山脈の上にあるわけですから、そういう点では、チリは北の方、不毛の砂漠、私も行ったことありますけれども、あそこに、素晴らしいランニングリソース(資源)があると。それにしても、それを採掘するために大きな危険があるし、宇宙よりもまだ未知なものが、地下にあるんじゃないか、地下の構造も含めて。だから、鉱山の作業というのは、大変なもんだなと思います。
 はい。ほかにありますか。じゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)