石原知事記者会見

平成22年9月17日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年9月10日(金曜)
15時01分〜15時16分

知事冒頭発言

【知事】今日は、私から申し上げることはありません。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】来週火曜日に、カリフォルニア州の知事とお会いになりますが、石原知事としては、シュワルツネッガー知事とはどんなようなお話をされたいとお考えになっていますでしょうか。

【知事】向こうが、もうじき自分も引退して、その後、ゴア(前米国副大統領)のまねか何か知らないけれども、環境問題に関する財団か、組織を作るつもりらしいです。それに賛同してくれということらしいから、趣旨がこちらの意向に沿うなら協力はしましょうということだけれども、全くどんな話が出るか分かりません。

【記者】そのお話が出て、聞いてみて賛同できるようなら、東京都としても協力していこうというお考えでしょうか。

【知事】仄聞ですから、憶測の域出ませんけれども、話を聞いてみなくては分からないよ、これは。書類が来ているわけでもないし。
 はい。

【記者】先日、鈴木宗男(新党大地代表)さんの判決がおりました。

【知事】あなた、都政に関係ないこと聞いたってだめよ。

【記者】政治家の姿勢という問題で、石原都知事の見解をお聞きしたいと思っているのですが、鈴木宗男さんが、なぜこういう判決になったのかといいますと、色々、官僚、役人に対して口をきいて、それを地元に利益を誘導したと、そして票もお金もついてきたということなのですが……。

【知事】それが本当なら、まずいじゃない。職務権限持っているんだから。

【記者】そういう体質と言いますか、今までの古い政治家の体質としてそういうものがあったのではないかと思うのですけれども……。

【知事】おっしゃるとおりでございまして、あなたの言うとおり、だから、最高裁まで行って罰食ったんじゃないの。

【記者】石原都知事の場合の政治家としての体質とは、随分そこが違っているのではないかなと思うのですけれども、そういう古い体質との違いを、どういうふうにお考えになりますでしょうか。

【知事】どういうふうにって、違うものは違うんだから。
 私はそんな生き方したくもないし、するつもりもない。昔からあるし、これからもまだ政治の世界って、ああいう出来事はつきものなんじゃないですか。政治というのは、人間の方法の中で一応権限持っていますから、規制力あるから。まして、閣僚という立場があれば、役所は動かざるを得ないこともあるでしょうし、知っている人間だけに残念です。

【記者】これが今現在の民主党の政治に……。

【知事】君が論文に書け、自分の新聞の、俺に言わず。そこで演説聞いていたってしようがないんだ。はい、どうぞ。

【記者】2カ月後に三宅島のエンデューロレース(オフロードバイクのレース)を控えているわけですけれども、名誉会長としての期待と、それから詳細についてまだ発表はされておりませんが、会見をされるなどされるおつもりがあれば……。

【知事】君、来て見てくれよ。

【記者】詳細についてですけれども。あと、期待を込めた……。

【知事】オートバイなんていうのはそう珍しくないもので、たまたまそれがたくさん、三宅島でぞろぞろ走ったってしようがないので、アトラクティブ(魅力的)なアトラクションをしませんと。モトクロスというのはなかなかスリリングなゲームですから、観光の紹介も兼ねて、内輪山と外輪山の間は、昔は砂漠だったので、あそこでモトクロスレースをすることで、それもインターネットで中継を今度してくれるようですから、島に来ない人にも関心が及んで、島への観光の誘致になればいいと思いますので、だから激しい、面白いレースをやってもらいたいと思うし、アマチュア、どういう資格の人が来るか知らないけれど、それはそれなりに覚悟して、技術のある人が来るんでしょうから、賞金も出して、行事として、それを、エキサイティングなものにしたいと思いますし、それが伝われば、これから見物の客も、もっと来てもらえると思うし、そんなことで、今までのようなことを繰り返してもしようがないと思うので、そういうことを思いつきました。はい、どうぞ。

【記者】青少年健全育成条例なのですけれども、6月議会で否決されましたが、新たな改正案というのを9月議会に提出されるお考えはおありでしょうか。

【知事】今、調整中で、9月の議会に間に合いませんから、第4回定例会には出すつもりで修正していこうと思っています。

【記者】今回提案されない理由というのは、どのようなものなのでしょうか。

【知事】調整中だから間に合わないということ。どこが調整しているか聞いてくれよ、それは担当に。はい、どうぞ。

【記者】東京マラソンのことについてお伺いします。先週の記者会見で定員を増やすという話を聞いているのですが、実は池袋で、第2スタート地点を誘致しようと……。

【知事】それはだめだね。無理だと思います。
 大体、そういうアイデアがあったけれど、運営上も非常に難しいのと、今度は、主催者が、新しく作った財団ですから、そちらに聞いてください。多分同じ答えだと思います。
 はい。どうぞ。

【記者】毎週、民主党のお話出ていますけれども、今週は自民党も、新役員を決めまして、谷垣(禎一)総裁は次の世代のリーダーに頑張ってもらいたいということでかなり若返ったのですが、自民党は変わるでしょうか。

【知事】変えなきゃしようがない。私の息子(石原伸晃)もそのひとり(自民党新幹事長)になったみたいだけれど。しかし、今の時期の幹事長は大変だと思う。福田買わずして貧田を買わされたという感じだけれど、それなりに政治家の使命ですから、頑張らないと、自民党の蘇生もないでしょう。
  自民党にとってもそうだし、特に政調会長の石破(茂)君は、専門性の強い、防衛という限られた領域かもしれないけれども、非常に説得力のある論評をする人だが、自民党にとっても、政権をとっている民主党にとっても、試練は尖閣(諸島)の問題です。これは色々な伏線がある。中国の政府は、しきりにインターネットを使って、やっていますが、この間のあの漁船の奇々怪々な行動も、あれは1つのジャブです。香港の活動、これはみんな軍人なんです、実際は。それが、民間の船数十隻集めて、尖閣にデモをかけると、しきりにインターネットでキャンペーンしている。
 日本の政府は、いらいらしながら、防衛省はアメリカと組んで、孤立した島の防衛の演習すると言うけれど、やるなら尖閣でやったらいいと思う、自分の領土なんだから。どこかの演習地で、仕切りをつくってやるということらしいけれども、アメリカは、中国と色々な取引を陰でしています。
 あなたが知っているかは知らないけれど、画期的に4年か5年前に、南シナ海に遊弋(ゆうよく)している原子力潜水艦に、原爆も積める巡航ミサイルを発射する装置つくった。これ、なぜか知らないけれど、撤回した。これは一番中国で嫌な攻撃手段で、巡航ミサイルというのはミサイルと違ってスピードは遅いんですけれど、相当の距離飛行するし、低空で飛んでくるから、非常にウオーニングシステム(警戒システム)にひっかかりにくくて、発見しにくいんです。中国は国土が広いから、あちこち重要な拠点を持っていますが、どれを攻撃するか知りません、しかし、中国が一番いらいらした攻撃手段をアメリカはやめた。
 この間、横田の問題でやってきたアメリカのペンタゴンの元日本部長(ポール・ジアラ)と会い、その話を聞いたら、うにゃうにゃ言って「いや、ほかにいい手段があるけど」と、「じゃ、何なんだ」と聞いたら、言いませんでした。アメリカずるいから、これは片っ方でおだて、片っ方で色々持ちかけてきて、私は尖閣での紛争がどんな形で起こるか、起こらないか分かりませんけれども、中国のやり方はじわじわ攻めて、結局チベットみたいになるんじゃないか。日本の某新聞などは、島なんか放棄してもいいと、ばかなことを書いている。だけど、これは今度の政権が、国家としての自立性、意思というものを試される試練になると思うし、それに応えて、自民党の三役の石破君なんて非常に有力な防衛通がこの問題にどう対処して、与党、野党が協力するのか、しないのか、なかなか難しい問題だと思います。見てごらんなさい、これね、必ず今年中に、大きなテストケースになると思う。
 はい、どうぞ。

【記者】今日、日本振興銀行が(民事)再生法を申請しました。新銀行東京と同じく、中小企業への融資を目的とした銀行ですが、破綻ということになってしまいました。そのことについて、知事はどんなご所見を……。

【知事】木村剛(日本振興銀行前会長)君は、私と同じように、小零細企業に対する国の、金融も含めての冷たさに業を煮やして、同じような使命感で、あの銀行をつくった、それは、私は本当に評価できます。ただ、結果がああいうことになって残念だし、私のところは、新しい社長を迎えて、リスケジュールという、普通の銀行は面倒くさがってやらない、つまり返済の時期というものを考え直しながら、かつ、延ばしますけれども、こういう努力をしたらどうですかという形の、中堅以上の銀行は面倒くさがってやらない作業をすることで、信用も受けてきたし、再生のめどがついて、セカンドステージ迎える条件が整いましたけれども、ほかの銀行のことを責める気はしませんし、非常に残念だと思います。
 ただ、ああいう現況をとらえて、国は、日本の技術というものを本当に底辺で支えているし、画期的な、開発などをやっている、そういう小さな企業にもうちょっと目を向けないと、みんな見殺しだ。かつて、皆さんの税金何億も注ぎ込んで、立て直した大きな銀行というのは、今、何にもやってないじゃないか。
 本当は、木村君の銀行なんかだって、努力のしがいのある状況というものを政府が作ってくれなきゃいけないと思うんだけれど、これは個々の銀行の性格というか、努力の問題だと思いますけれど、いずれにしろ、中堅以上の銀行というのは、小零細企業に貸している額としては些細なものです。自分の銀行が大きいものだから、つぶれるならつぶしちまえ、相談も面倒くさいから。ということで、100、200、1,000万程度の、そういった融資というものを、みんな、見捨てて、倒産させる。手を伸べれば、立ち直ってくる、そういう企業がたくさんあるのに、やらない、国は。そういう点で、あの銀行というのは意味があったと思うけれど、結果としてこういうことになって残念だと思います。はい。

【記者】アシネトバクターをはじめとする多剤耐性菌というのが、最近話題になっておりまして、都内でも幾つかの病院かで院内感染の疑い例が出ています。そのことについて、報告の遅れであるとかいうことは、都側も指摘していますが、今後、何か対応をとられるようなお考えというのはありますでしょうか。

【知事】さっきも、うちの医官から詳しい報告というのがありまして、これはまさにレクチャーで、私たち素人ですからよく分かりませんが、細菌の世界って、ほかの動物と同じように日々変化もして、変質もしているみたいで、なかなか、ミクロのものだから、人間がのぞき切れないところ、あるみたいだけれども、もともと、いかなる抗生物質も及ばないという細菌というのはあるらしいんです。それが、色々なケースで顕在化してきたのと、特に、手術の後とか、ガンとか、非常に重症な、免疫力が弱まった患者さんにそれがとりつくと、敗血症を起こしたり、致命的なものになるということなので、これは、レアケース中のレアケースでしょうし、細菌を細菌として防ぐ方法というのはないわけで、仕方なしに、ガンになる人もいるだろうし、手術をせざるを得ない人もいるだろうけど、とにかく常人は、体力さえあれば感染しないということで、重症の患者というものを預かる病院の警戒力と言うのでしょうか、こういうものを機会に反省して、強化されるべきと思いますけれども、その程度のことです。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)