石原知事記者会見

平成22年9月9日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年9月3日(金曜)
15時01分〜15時16分

知事冒頭発言

1 東京スポーツ奨励賞の創設と贈呈について

【知事】冒頭1つです。申し上げます。
 今回、東京スポーツ奨励賞というのを創設しまして、それを、贈りたいと思います。きっかけは、シンガポールで行われましたユースオリンピックで、日本の選手たちが大活躍して、特に東京から、7人のメンバーが入賞しまして、そういう人たちにこれからもっと発奮して、世界大会でも大いに活躍してもらいたいということで、奨励賞を設けました。
 もう1つ、リトルリーグ(世界選手権)で、日本の東京のチーム(「江戸川南リトルリーグ」)が優勝しましたので、まさにリトルリーグでは世界一ということになったので、これも表彰し、今日これから表敬訪問を受けます。
 質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】どうもお疲れさまです。今ちょっとスポーツの話が出たので、スポーツの話を1つお伺いしたいのですが、東京マラソンなのですけれども、応募者ですが、33万人という人が応募して、ざっと9倍以上、10倍近くの、非常に大きな倍率になって、回数が少ない割には、かなりの人気が、ここにきて、去年からそうなのですけれども、爆発したと。かなり抽選でも当たらないという声が、あちこちから聞こえてくるのですが、現状の定員を、またこういう倍率が高くなれば、定員を増やすとか、そういう話がまた出てくると思うのですけれども、知事、何らかのそのお考えとか、何かこうしなくちゃいけないとか、そういうふうなお考えあれば教えてほしいのですが。

【知事】そうですね。何らかの工夫をして、警察にも協力してもらって、これだけ要望が多いので、増やさなくちゃいけないなと思うのですが、その1つの手だてとして、ロンドンなどでやっているチャリティーの、例えば、あるお金を払って、それぐらいの出費なら自分はあえて出るというふうな、そういう形でも、受け入れるような、それによって、財団の運営も賄えると思いますし、いずれにしろ、積極的に考えたいと思っていますけれども、いきなり数字出すとまた警察が、なかなかいい顔してくれないので。そこのところは、いろいろ警備の都合もあるでしょうし、警察側とも相談しながら、とにかく需要に応じていきたいと思っています。

【記者】ということは、定員増に向けて、警視庁なり関係機関の協力を要請していくと、そういうことでよろしゅうございますか。

【知事】そりゃそうです。減らすつもりは毛頭ないから。これだけ人気になってきたら、もうちょっと増やしたいと思います。いきなり幾らというのは、色々と物議を醸すので。それは警察側の警備体制の準備というのがあるでしょうから、それも相談しながら、出来るだけ増やしたいと思っています。
 はい。どうぞ。

【記者】8月31日に、文部科学省の方から、朝鮮学校などの授業料無償化について審査基準が発表されました。この中で、基準については、学校の教育の内容については問わないというような基準が示されております。これについて知事のご所見をお伺いできればなと思います。

【知事】これは、拉致問題とも関係あるんだけれど、一部の人間は、明らかに手引きして、日本人を罠にはめて、拉致していって、ひどい目に遭わせているわけですから、その状況証拠は濃厚にあるわけだし、そういうものを勘案して、学校でどういう教育を受ける、それがもし著しい反日教育なら、そんな学校に、我々の税金で支援するというのはおかしな話で。
 それほど日本に反発し、日本に害を及ぼすこと、拉致を含めて、是とするんだったら、お国に帰られたらいいんじゃないかと思いますけれど。
 これからは、国民的な討論にさらされるべき問題だと思います、私は。

【記者】都としましても、助成金のほうを出されているかと思います。これについてどのように。

【知事】そういったものを、基本的に論議がかまびすしくなるなら、都の姿勢そのものを、従来通りということで、それで国を批判するわけにいかないと思うし、再検討する必要が私はあると思います。
 どうぞ。

【記者】先ほどマレーシアと東京水道との連携についてチン(マレーシア エネルギー・環境技術・水)大臣にお話を伺ったところ、チン大臣は非常に前向きな姿勢でしたが、知事の感触はいかがでしたでしょうか。

【知事】とにかく水道をひねっても、新首都で、茶色の水しか出ていないような国なんだから、当然、水質を改善する必要あるし、世界で最高の技術を持っているんですから、東京は、協力することはやぶさかじゃない話です。向こうもそれを多とすると思いますし。飲めない水が出る水道を持ったって、しようがないんじゃない。
 その理由は、さっきも色々言っていました。非常に泥が多くて、そういったものが混在して。しかし、それを精練する技術があるわけだ。しかし、ある程度お金がかかります。そこら辺のところは、特にあそこは、中央政府と各地方の政府との色々な対立がありまして、そういったものの調整が必要なのと、その対立のゆえんも色々あるんでしょうけれども、その結果、飲みたい水が飲めないのも国民が気の毒なので、あとは向こうの国内の問題だから、それの調整が済めば、私はいくらでも協力しますとさっき申しました。ということです。
 はい。どうぞ。

【記者】水に関してなのですけれども、海外に出ていくという話もあると思うのですが、逆に、国内のほかの自治体に、東京のサービスを提供するというようなお考えはあるのでしょうか。

【知事】それは要望があれば行きます。大体、日本のどこの水も、それなりに何とか質が高いものでやっていますけれど、東京みたいに5次処理をして、「東京水」の中には防腐剤が入っていないわけです。そういう水を味わいということでいうと、ちょっと違うんだよ。
 きれいな泉とか、きれいな源流で、手ですくって飲む水の味わいというのは、本当にこくがあって素晴らしいけれど、あれをあのまま放置すると腐敗しちゃうんです、色々な問題があって。だから、それを瓶に詰めるとき防腐剤を入れるわけだから。世界中の水が日本で飲めることになっているけれども、いろいろ問題がありまして。東京のように、かなりの予算かけて完璧な処理をする、あの水が好きだという人もいるし、何か味気ないという人もいるかもしれないけれども、一番安全であることは間違いないので、それを、例えば最近は東京都に移管することが決まったけれども、三多摩の地方なんか行くと、自治体独自にやっている水がある。これはもう水源地がすぐ間近で、大した工夫もなしに、源流に近い形で提供できる形になっているから、味も違うんだろうけれど、そこら辺のところはなかなか兼ね合いが難しいのですが。
 特に地方の大都市で、需要が多いのに、なかなか完璧に安全な水が飲めないところがあるんだったら、これはもう申し出があったらいくらでも協力しますし、ただ5次処理というのはお金かかるから、まずその自治体の財政をどうするかという問題が別にあるでしょう。
 はい。

【記者】千葉については、下水処理に関して言うと、フランスの水メジャーの1つであるヴェオリアというのが一部それを処理を担っていたりする。日本にもそういう水メジャーが入り込んできているという現状があるようですけれども、そこら辺については……。

【知事】フランスの水というのは日本の水質とも違うんだけれど、あまりパリの人はパリの水道の水飲まない。だからエビアンが流行ったりするので。そういう点からいうと、日本という地域的な状況がかなりフランスとも違うヨーロッパとも違う、その国にマッチした水道行政やっているところに、フランスごときが乗り込んできて、私はちゃんちゃらおかしいと思う、それは。そこら辺のところは、向こうの売り込みの問題だと思うけれど。県の当事者が冷静に相対的に比較をして、コストも安い、しかも結果のいい技術を、採択するのが得策じゃないかと思います。
 私はフランスの水は決していいと思いません。
 どうぞ。

【記者】政治家とカネのことにつきまして、ちょっとお聞きしたいと思っておるのですが、例えば、昔、金丸信(元自民党副総裁)という人がいましたけれども、その派閥を維持するためには蓄財をしていくということが当たり前だといいますか、それで正当性を持っていたという部分があったと思うのですが。

【知事】まさにそうですね。

【記者】政治家とカネのあり方としては、どうあるべきなのか。それから、小沢(一郎 元民主党幹事長)さんが今回民主党党首選に出ましたけれども、疑惑がついたままで一国の総理に出るということに対して、いかがなものかなとも思いますけれども。

【知事】あなた自分で言ってこいよ、小沢一郎君に君が。いかがなものかって。取り次いでもいいよ。新聞に書いたらいいじゃないか、そんなことは人に聞く前に。

【記者】都知事の識見を伺いたいと。

【知事】私はそれはちっとも好ましいことと思いません。特に経世会なるものは、金丸だけじゃなくて、経世会をだめにしたのは、自民党は結局、厚生労働省に滅ぼされたんだ。厚労省をだめにしたのは、まさに経世会です。名前は言わないけれど、いわゆる有名な政治家が3人いて、御三家と言われて、これが薬会社とくっついて、薬会社が相場でぼろもうけして金持っている。それで、世界中で使っている薬も日本では入れないとか、そういうことをやってきて、それで野放図に金つくった。それ見てて厚生省の役人は、あれだけのことをやっていいのかということで、例えば岡光(序治)みたいな事務次官が、老人食い物にして、蓄財して、結局訴えられて牢獄に入っているじゃないですか。こんなものは、許されるべきは絶対ないので。そういう点で、年金の問題なんかも厚労省というのは実にずさんな行政運営することで、あの体たらくになって、結局、あの問題で何の解決も得ていない。当時の担当大臣も大見え切った、それを攻撃した、今、与党になった野党の今の厚労大臣だって、何を示したか。年金、何が変わりましたか。
 日本人の自我というのは弱いので、これがフランスとかイギリスだったら、国民的な、反政府運動になって、ストライキが起こったり、大きなデモが起こっています。日本はそれがなかった。結局、そういう体質の人間、国民が政治家になると、非常に、金に弱いというか、そういう性格を持つ。しかも政党もそういう性格を持つ。だから派閥なんていうのは私は毛嫌いして、最後は仲間のために福田派に行きましたが、ほとんど閥もしなかったけれども、政治家を疎外するし、個性をなくさせるし、結局、誰かが言ったけれども、日本の体たらくを見ると、特に経世会だけとは言わない、経世会が象徴するように、政治というのはカネでつくった数の力と、こうなっちゃう。これは好ましくない、と私は思います。信じております。
 どうぞあなたの意見も小沢さんによろしくお伝えくださいませ。相当あなた思うところがあるみたいだから。新宿や東京のことだけ書かずに、大いに国家のことを論じてくれよ。それがメディアというもんじゃないのか。みんな黙っているけれど、ほとんど。日本のメディア。
 はい、どうぞ。

【記者】この夏は100年レベルでの猛暑となったのですけれども、東京でも熱帯夜の記録更新したりということがありまして、猛暑で熱中症の方がいっぱい亡くなったりとか、あるいはちょっと関係ないかもしれないですけれど、高齢者が。

【知事】僕も熱中症になっちゃったよ。

【記者】都知事にとってはどのような夏だったでしょうか。

【知事】俺にとっては、失われた夏だった。夏始めヨットレースへ出たり、ダイビングに行ったりして、息子の方がばてちゃって、「何だ、情けないな、若いやつは」と思ってるうちに、いい気になって、ある友人の贅沢なプールで泳がせてもらって、うちへ帰ってきて一杯飲んで、いい気持ちでテラスで寝ていたら風邪引いちゃって。なかなか夏風邪というのは治らないんだね。本当に、やっと後遺症を脱して、自分の健康からいうと7割5分ぐらい回復した体になったけれど、そういう意味で失われた夏で。もう私も、いい歳ですから、太陽の季節はあまり好きじゃないですな。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)