石原知事記者会見

平成22年8月12日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年8月6日(金)
15時09分〜15時38分

知事冒頭発言

【知事】冒頭、私から申し上げることはございません。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】今日、8月6日は広島のみならず、日本国民が忘れてはならない、65回目の広島の原爆の日を迎えました。核廃絶に向けたテンポが早くなってほしい中、今回は広島の方に国連事務総長ら多くの参列者を迎えたこうした動きについて、石原知事、きっと思いがおありになろうと思いますけども、いかが感想をお持ちでしょうか。

【知事】核の問題というのは、考えるとき、色々なアングル(見方)があるんです。この間、どこかの新聞に、空幕(航空幕僚長)をやめた田母神(俊雄 軍事評論家)さんと、被爆者の代表の人が、何か講演したんですか、どこかで。その中で田母神さんが、核というものを抑制するには、核持つのが一番手っ取り早くて、機能的にもそれしかないのだという、言い方をしていた。これも多分、一理でしょう。アメリカやロシアのような国、大きな核をたくさん持っている国が、自分たちも少しは減らすけれど、おまえたち持つなという言い分も、非常に勝手というか、都合がいいというか、結局、自分の保身でしかなくて、それがそのまま核の廃絶につながるとは到底思えません。
 私、この頃つまらないので行かなくなっちゃったけれど、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)の何度目かに行った時に一番人気のセッションが、もう亡くなったけれども、元気だったアラファト(パレスチナ解放機構議長)とシモン・ペレス、わりと強気のイスラエルの大統領との対論で、司会をエジプトの外務大臣がしていましたが、なかなかきわどい応酬があった中で、最後に、妙な行き詰まりがあるんだ。それは、結局、イスラエルは核持っています。うんとは言っていないけれど持っている。それから、アラブ側も持っているね。例えば、ソビエト時代に開発された、25個とか35個のポータブルなスーツケースに入るコンパクトな核兵器というのは、回収されたけれど、2つ行方不明なんです。所有者が誰かって未だに分からないんだけど、あの対論を見ていると、なるほどなと、それに触れることが、ある線を超えちゃうので、そこで2人とも足踏みした、そういう対論でした。
 昨日も、NHKのある特集で、あのきのこ雲が、一体どれぐらいの高さまで広がって、どれだけ黒い雨が降ったかという。これは写真とか色々な映像を見て、1万数千メートルまで行って、大気が非常に薄くなって、そこで、頭打ちして横に広がっていって、おそらく、常識で見ても、黒い雨が降った地域というのは非常に、もっと広範囲だったと思います。国は、補償の問題があるから適当なことで済まそうと思うかもしれないけれど。本来なら、この問題というのは、補償はアメリカがすべきだよ。「何言ってるの、おまえらが始めた戦争じゃないか」と向こうは言うかもしれないけれども。
 例えば、話が転々としますが、オッペンハイマーという、原爆を開発したあの有名な学者の伝記を読むと、彼は、広島での原爆の効果が予想以上にあり過ぎて非常にショックを受けて、以来、もうこういった問題は手をつけないということで、もっと多大なノウハウを持っていながら水爆の開発を、拒否して、マッカーシーの委員会(反米活動調査委員会)なんかにつるし上げられて、あれは左翼だ、共産党だというレッテル張られて。ケネディの時代に復権するんですけど。
 未曾有の凶悪な兵器というものを開発したオッペンハイマーというのは非常に知的な、心の広い人だった、組織力もあった、だからチームをつくって、非常に状況の悪いところで原爆開発したんですけれども、彼の苦悩というのは、何もオッペンハイマーは神様でもないし、とんでもなく、大天才であったんだろうけれど、あれを開発した学者自身のその後の苦悩、反省、つまり、あの物事への姿勢というものを見ると、核兵器というのは、本当そら恐ろしいものでしょう。
 こういうこと言うと、また誤解されるかもしれないけれど、これから世界のどこかで核兵器使いますかね。アメリカの映画なんかで、ポータブルな核兵器というものを、ニューヨークに持ち込んで云々という、そういう映画もあったけれども、おそらく、あれだけ金をかけて開発しても、広島・長崎という、ああいう悲劇というものを、私たちが忘れない限り、核兵器を使うことはないでしょう。使えることもないでしょう。私は、それが、膨大な金をかけたかもしれないけれど、自業自得の結末で、人間全体にとっては、ある意味で好ましい結論だと思いますけれども。

【記者】まさに二度と使われてはいけない、兵器だと思うんですね。

【知事】ええ。

【記者】愚かな人間同士の命を奪い合うものと、あの恐ろしいものというものを、やっぱり世界中の人に知ってもらいたい。そうした中で、アメリカも政府を代表して駐日大使が初めて出席した。エノラ・ゲイのパイロットの、多分、息子さんだと思うのですが、出席すること自体がもう謝罪に当たるから遺憾だと言っているのです。しかし、それについては、私たちは、そんなことではなくて、もう謝れとか謝らないとかじゃなくて、二度とこういったことは、争いをやめ、それから、長い間築き上げてきた建造物等を一瞬にして破壊してしまうようなこと、もったいない、無駄なことをしてはいけないということをみんなが、人間同士が理解しなければいけないことだと、そういうふうに思うのですが。

【知事】全くそうです。だから、核反対とか、そういう政治的な主張じゃなくて、全く無抵抗な膨大な数の市民が、瞬間的にどれだけの被害を負って、それが長く続いているかということを、情報としてもっともっと、世界に積極的に知らせる必要があると思います。
 そういう点では、国の中でのキャンペーンはあっても、外国に出かけて行ってまでも、広島・長崎の悲劇の濃度の濃さというものを日本はキャンペーンしてこなかったんじゃないんですか。私は、既に核を持っている国に行って、もっとそういうことを喧伝(けんでん)し、資料の展示をし、展覧会をするとか、核をつくっている国にも出かけて行ってやったらいいと思う、僕は。それがちょっと足りないような気がします。
 あそこへ閉じこもって、大変だ、大変だったと悲嘆に暮れるのも仕方がないと思うけれど、政治運動じゃなしに、一発の爆弾というのがこれだけの被害を長きにわたって与えるという恐ろしさ。例えば、それと同じようなことがチェルノブイリでも起こっているわけでしょ。あそこの人は貧しいから、豊穣な森に入ってキノコを採ったりせざるを得ないから、あそこは、もう切りなく循環するわけだ、汚染が。ああいうものをどんどん出したらいいと思います。

【記者】広島・長崎は外国へ出て、そういうふうに写真なども全部公開して見てもらいたいのだという行動は随分とっていたのですが。まだ足りなかったかもしれません。

【知事】外国が、それを許容しないんですか。
 クジラを捕ってはいけないとか、シー・シェパード、過激な運動を展開しているけれど、これだけの被害があって、続いているんだから、もうちょっと過激というか、積極的というか、人間全体に対する責任として、日本の国がそういうプロモーションというのを私はしたらいいと思うけれども、夏が来るたびに、広島と長崎の被爆者たちが悲嘆に暮れる、その映像を伝えるだけで。例えば、オッペンハイマーなんかの反省とか、自覚とか、そういったものを含めて、核というものを、もっと包括的に、もっと深く、技術的にも検証する必要があるんじゃないかしら。そういう努力、あんまりやっていませんな。

【記者】色々、ありがとうございます。

【知事】はい。どうぞ。

【記者】6月の議会で、公営企業委員会の方で、水需要予測の実施に関する請願ということで、水需要予測の見直しを実施していただきたいということが東京都水道局に求められていますけれども、知事としては、これはどのように、いつ、水需要予測の見直しをするように、指示を出されますでしょうか。

【知事】僕、知らない、その話。初めて聞いた。申しわけない。

【記者】つまり、水需要予測に基づいて水道施設をつくるようにということになっておりますので、例えば、埼玉県は40万立方メートル下方修正をして予測をし直しました。東京都は、まだ、これまで見直しを行っていませんで、実績と予測の乖離が100万立方、埼玉の約2倍以上あるんです。これをやってくださいということを公営企業委員会のほうで、6月の委員会で多数で採択をされています。これをやることによって、例えば、無駄な水道事業、八ツ場ダムはその1つになりますけれども、そういった見直しが可能になってくると思うのですが。

【知事】それは八ツ場の問題に当然関係あることですから。
 ただ、数年前に東京では、二百十何日ですか、取水制限したんです。それ1回のことで、それで済んで、当分ないだろうという予測で済むのか済まないのか。あの時は、学校のプールも使えなくなったし、東京のビール会社も生産を停止した。もし八ツ場が仮にあったとしたなら、17日で済んだ取水制限が、117日、続いたんです。こういうものも、1つの公の水路に対する大事な前提条件じゃないかと私は思いますけれども。
 あなたはどういう立場なの。

【記者】ダム問題をずっと報道しているダムジャーナリストですが、いつもビールの工場が停止されたということをおっしゃるのですけれども、確認しましたところ、知事がおっしゃっていたその時期に、ビールで生産ができなくなったというところは、ほとんど見つからなかったということ……。

【知事】そう。僕は東京で2つの会社が、製造を停止じゃないけれども、生産量を従来よりも低めたという話は聞きましたけれど。

【記者】はい。あと、プールにしても、それで人命が失われるというようなことではなかった……。

【知事】もちろんそうです。

【記者】飲み水、あるいは生きていくための最低限のものという、ナショナルミニマム(最低限度の生活水準)、あるいはローカルミニマム(極小値)というものは、見直し……。

【知事】ただ、八ツ場の場合、行ってみて分かるでしょうけれど、あそこまで事業が進んでいるわけです。しかも、利水の問題だけじゃない。治水の問題もあって、埼玉(県知事)の上田(清司)君の話なんか聞いたらいいと思うけれども、堤防が非常に老朽化して、どうどうと浸水してきて、結局、それに対する対策というのは、堤防をつくり直すということで、べらぼうにお金がかかるから、その度に、地元の消防団が出て、ここはまずい、危ないということで土嚢を積んだりなんかしているらしいけれども、堤防の決壊もさることながら、前提となる浸水というのでしょうか、それが堤防の反対側に、わき上がってくるような状況というのはあるみたいだから、これまた八ツ場について考える1つの条件じゃないでしょうか。

【記者】その堤防についてはボーリング調査で、どこが危ないかということが、おおよそ分かっている部分もありますので、そういった部分を、人命を、防災をするという意味で優先させるということは必要だと思うのですけれども。きょうお伺いしたのは、治水という観点も議論はたくさんあると思うのですが、利水について絞って、ぜひ伺いたかったのですが。

【知事】その話、初めて聞きましたんでね。

【記者】ぜひ、予測を見直すというような、議会からの要請ですので、釈迦に説法ですが、三権分立ということでいえば、議会からの要請というのは、やはり行政として受けとめて。

【知事】それはそうですね。

【記者】それを行うということは必要な……。

【知事】ええ。当然だと思います。

【記者】はい。何時ぐらいに……。

【知事】それは分かりません。当局に聞いてください。

【記者】これから国の方が見直しを要請されてくると思うのですけれども、その場合に、そういった見直しがきちんと行われたかどうかということも、おそらく国としては見るのじゃないかと思うのです。

【知事】八ツ場についての論争がかまびすしいけれど、八ツ場の問題、是とするか非とするかということも1つ大事な要件になると思いますから。それは、速やかにやったらいいと思います。まずは、専門家とお会いして。

【記者】知事としては、八ツ場ありきということではなく、粛々と予測を見直すところは見直すというお考え……。

【知事】八ツ場について、あそこまで形が進んでしまったものを、東京都は色々な負担しているわけだ。前提は、あそこにダムができて、東京の利水にもおかげがあるということで、ほかの県は治水の問題もあるでしょうけれども。だから、とにかく政府は検証するすると言っているので、一向に何をどういうふうにするか、さっぱり分からないけれども、そのための前提条件として必要なら、速やかに事を進め、やるかやらないか。やらないんだったら、東京、金返してもらいますから。今まで出したものを。その為にも、さっさとした作業で、検証のための条件というのを整備するということは結構だと思います。

【記者】先の話ですが、もしお金が返ってきた場合に、水没する予定で、苦しい生活をしてきた方々のために、その返ってきたお金を使うとか。

【知事】そんなのは出来ないね。

【記者】堤防、あるいは東京関係の堤防を強化するほうに回すとか、そういったこともお考えでしょうか。

【知事】その用途については、ここでみだりに言えませんけれど。その現地の人たちのために、私たちが、そのお金を用立てるということは、それは行政の中であり得ないことです。それは国の責任でしょう。そんなものは。はい、どうぞ。

【記者】国土交通省は、今日の夕方にも、東京港を含む京浜港を国際コンテナ戦略港湾として選定する見通しになっていると思うのですけれども、首都圏の物流のあり方ということを、知事よくおっしゃられると思うのですが、コンテナ貨物取扱量でシンガポールであるとか釜山などに負けない港湾にするために、国にどのような注文を、これからしていきたいと思われるでしょうか。

【知事】国に対してする注文というのは多々あります。私が言い出して、やっと、京浜3港というものの連帯ができたんだけれど、それまでは東京で荷おろした船が、川崎に入ったら、また別の金払ったんだ。こんなばかなこと、分かりきったことを、国交省は何で今まで、ほったらかしにしたか分からない。
 それから、どんどん外国、特にアジアの外国の港湾に実績で負けています。負けている理由は色々あります。これは、見えない部分、見える部分があったりして。あなた見たかどうか。昔、ロッド・スタイガーとマーロン・ブランドの『波止場』という映画があった。波止場の業務というのは、非常にアメリカは非合理で、だから嫌になって、大事な港湾、外国に売っちゃったけれど、これは国家の安危にかかわるというので買い戻した。日本も、いささかそういった状況があったんじゃないですか。今もあるかどうか分かりませんよ。
 僕はシンガポール行ってみて、何度も行ったことあるけど、ショック受けたのは、波止場に人なんかほとんどいない。非常に合理的・機能的に、コンピュータで物事動いて、センターに行ったら、十数人の人たちが港動かしていて、ソフト・ハードのノウハウというのは、全部日本製です。何でそれが日本で使われないのか。そんな問題もある。
 それから、地政学的な条件もあって、流通というものに対する、つまり物価を支える流通に対する道路の機能というものに対する考察が、もうほとんどこの国はなかったから、だから、環状線なんかも凍結はほったらかしにされていて。港を蘇生させようと思ったら、そこに物を運んでくる、陸路のアクセスというものを合理化しないと、港、生きてきません。
 それから、妙な法律があって。例えば、東京で物を降ろした船が、例えば、八戸なら八戸にちょっと寄って、立派な港ですが。外国船が物を降ろすことは出来ない、日本では。内海航路の汽船会社というもの支えるために、そういうものを禁じているもんですから、そういう点も非常に非合理で、日本が、外国に遅れをとっていく理由は多々あります。自民党の時代に、スーパー中枢港を3つ選んで、今度は名古屋、外れちゃった。名古屋、怒っていると思う。今さら、何で屋上屋を架すみたいなことをやったのか。別に今度あれがあってもなくても、京浜3港も合理化に努めているけれども、これについては見えないこともたくさんありますが、当たり前だよ、京浜3港が、京浜港として重要港の1つに指定されるのは。
 ただ、これがごたごたしたのは、都内の担当者がさぼっていて、せっかくの情報がありながら、それ、聞き流ししていて、非常にずさんなリポートしか出さなかったから、民間審査ではねられそうになったんです。「それは危ないぞ」という情報が、ある筋であることから入ってきていたんだけれど、耳かさなかった。土壇場になって、危ないというのを聞いて、私、右往左往して、国交省の意向も忖度(そんたく)させてリポートをつくり直しまして、当然、その評価を受けることになったんだけれども、そういう点では都庁の動きはとろかった。横浜は非常に焦って、民主党の代議士が大騒ぎし出したんだけども、それは横浜1人で済むことじゃなくて、色々反省する点があると思います。京浜3港が日本で一番大事な港としてノミネート、当たり前のことです。どうぞ。

【記者】2点お尋ねいたします。1点は、先週も伺いましたが、100歳以上の高齢者の方の所在が確認できていない事例が相次いでいる問題ですが、現場の首長さんからは、強制的に家に踏み込む権限があるわけでもなく、現行制度に限界があるのではないかという声も出ていますが、まずこの事例、事件というか、問題について伺えればと思います。

【知事】行方が知れないのなら、深沢七郎の楢山節考じゃないけれども、姥捨て山行って探したらいいんじゃないか。カラスがたかる白骨がたくさんあったりしたら、怪談だよ、現代の。日本人はここまで落ちたのかという感じします。

【記者】2点目は新銀行東京の第一四半期決算が昨日発表されました。引き続き黒字基調が続いておりますが、利益の回復傾向が知事の目指されるセカンドステージに向かって、プラスに寄与するようなものであると見てらっしゃるのかどうか、伺えればと思います。

【知事】そうですね。信用というのが回復されつつありますから。しかも、預金も増えてきている。一時、一種の、行政としてあってはいけないんだけれど、おまえの銀行は、危ないから、あまり預金を集めるななんていう圧力があったんだ。それは本当おかしな話で、これ亀井(静香 元金融担当大臣)君が牽制してくれましたが、おかげで預金も増えていますし、そういう点では、信用というものを踏まえて、まさにセカンドステージで色々な工夫をすべき時代になったと思います。
 繰り返して申し上げますが、すべき努力をしているわけだ、新銀行東京は。リスケ、リスケジュール(条件緩和)。つまり、あなたのところ、危ないけれど、納期も少し延ばしますけれども、こういう工夫をして、人減らしなさいという、そういう経営の上での親身な相談というものをしてきた。大銀行はしないんだ、これ。絶対にしない、面倒くさいから。小さな会社つぶしたっていい、たかが知れているんだし、痛くもかゆくもないからつぶせということで、銀行員が出向いていって、親身の相談することないから、そういう零細の企業は、金借りて返せなくなったら、どんどん切り捨てられたわけだ。それは、あんまり無残な話なんじゃないですか。銀行というのは何のためにあるかと考えれば、大銀行の職員というのは、ほとんどその責任を果たしていないね。はい、どうぞ。

【記者】高齢者の不在について関連しての質問なのですが、各区市町村の担当者が所在確認に行った際とかに、家族のほうで個人情報ということを盾にして回答しないというケースがしばしば見られるということなのですけれども、近年、この個人情報保護という言葉が肥大化した結果の1つだと思うのですが、いかがお考えになるでしょうか。

【知事】あなたの言うとおりだと思う。個人情報を盾にとって、説明を拒否するというのは、勘繰りかもしれないけれど、後ろめたいものがあるからなんだよ。自分の家でちゃんと看取るなり、ちゃんとどこかにいるおじいちゃん、おばあちゃんを通ってでも看護するとか、見舞ってるということがあるんだったら、私は、その説明はきちっとしたらいいけど、プライバシーに名をかりて言いにくいこと、言えないこと、自分に、例えばとても恥ずかしいあるギルティーコンシャス(罪意識)があるから、自分の大事な親に関する、情報の拒否ということになるんじゃないでしょうか。
 しかし、そのケースも出てきたけれど、年金とか国から出る公的な手当というものを死者にまで、私らの税金で立てかえてお払いする義理はないわけだから、こういったものは難しいです。個人情報というものの建前をどうやって外して、真偽を確かめるかということ。これは、それぞれの地域の行政の責任としてしなくちゃいけないと思います。1つの、こういうものに対するパターンというものをつくる必要があるんじゃないか。私も研究しますが。はい、どうぞ。

【記者】築地の問題に関連して1つお伺いいたします。2日に、(土壌汚染の対策実験に関する)技術会議が開かれまして、最終的な報告書が出されました。その中で、実験については評価される一方で、盛り土については詳しく再調査をするべきだという提言がなされました。
 その中で原島(文雄 首都大学東京学長)座長は、盛り土を搬入する際に2,000立方メートルに一度、その土壌の汚染の状況を調査するという内規が守られていなかったことについて、特に都の安全に対する意識というのが、足りていないんじゃないかというふうに苦言を呈されました。そのことについて知事としてはどのようにお考えに……。

【知事】全くそのとおりです。行政の怠慢です。それ以外にない。盛り土というのも客土であるか、どんな形があるか知りません。だけど、あそこになかった新規の毒物が検証されたら別だけれども、出てきたものは全部あそこにあるものだから、下からわき上がったんだろうとか、攪拌(かくはん)の時に混ざったとか、色々意見があるけれども、とにかく盛り土する時に、その程度(の調査)をしていれば、対象物がはっきりしたわけだから、その手を抜いた、さぼったわけだから、これは、原島先生が本当にお怒りになるのは誠にそのとおりだと思います。私も怒っています。君らも怒ってくれよ。はい。

【記者】東京マラソンについて伺います。今月1日からランナーの申し込みが始まり、初めて募集初日で定員を超えるということがあって、東京マラソンの人気が一層高まっている結果だと思われますが、知事はどのようにごらんになってますか。

【知事】あなたの言うとおり。本当に人気が高まった。当たり前のこと言うな。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)