石原知事記者会見

平成22年7月1日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年6月25日(金)
15時00分〜15時13分

知事冒頭発言

1 「知事のマニラ出張」について

【知事】冒頭、私から1つ説明申し上げます。フィリピンの政府から招待を受けまして、6月30日にマニラで行われます、ベニグノ・アキノ3世大統領の就任式典に出席するため、6月29日から7月1日まで出張いたします。
 ご存じかどうか、彼の死んだ父親のニノイ・アキノとは親友で、暗殺された日の寸前まで、色々、こちらもものを頼まれて、電話で話をしておりましたが、ああいう形で亡くなりました。その後にお母さんのコーリー(コラソン・アキノ)が大統領になりましたけれども、さらにその息子が今度、大統領選挙に勝ったので、慶賀に堪えませんが、フィリピンの、今までの政治の体質なんかもありまして、色々な問題が滞っていることがあったのだけれども、家族ぐるみのつき合いで、特に私の子どもたちが、ノイノイ(※ベニグノ・アキノ3世の愛称)という、息子と親しかったので、これからは日比関係の中で、色々、こちら側もできることはあるんじゃないかと思っていますけれども、例えば、向こうにたくさん残っている遺骨、日本兵の。野口健君という、東京の自然保護のレンジャー、つくってくれた彼なんかはやっているのですが、見つけた遺骨もなかなか、持ってこられないのです。色々な事情があって。こういったものも、ノイノイが大統領になれば、割とスムーズにいくんじゃないかと思っていますけれども。
 詳細については報道官云々というけれど、詳細、誰も知らないんだ。日程はただそれだけのことですから。
 はい。

質疑応答

【記者】都政と関係なくて申しわけございませんが、今朝の未明ですが、サッカーのワールドカップで。2002年の6月にも、同じような記者会見で日韓ワールドカップで日本がチュニジアに勝って決勝トーナメントに進出したときには、彼らは国を背負って戦っていると、そういうふうな役人も政治家ももっと出てきてほしいものだなというようなお言葉をいただいたのですが。

【知事】同感ですね。今年も同じ考えです。

【記者】そうですか。今回、非常に、海外でのワールドカップで初めて、戦いにも勝って、得点も入れて、非常に久しぶりに国にとっても明るいニュースだと思うのですが、知事の今の率直な感想と、それから今後についての、希望的なものがあれば、一言いただきたいのですが。

【知事】希望といえば、間違ってもというか、優勝まで行ってもらいたいけれど、つくづく感じたのは、あなた方の責任もあるんだよ、メディアの。勝てば官軍で、予備戦の練習試合、負けたら、岡田(武史 サッカー日本代表監督)なんかだめだとか、変えろとか、色々な声があったけれど、今度一転して、名采配だとか、みんな持ち上げているじゃない。世の中そんなものだよ。私、親しかった、Jリーグつくった川淵(三郎 日本サッカー協会名誉会長)キャプテンが、責任者として、ドイツでのワールドカップで惨敗したんだ。それはもうけちょんけちょんにやられて、奥さんなんか本当にノイローゼになったぐらいひどい目に遭ったというけれど、世論というのはそんなものだ。まさに勝てば官軍です。しかし、勝つに越したことないよ。
 本当に、私、明るいニュースで感謝していますよ。

【記者】当然優勝をねらってほしい?

【知事】それは、高望みかもしれないけれど。韓国が東洋の虎なら、日本は何かね。日本は侍かね。

【記者】サムライブルーと言われていますけれど。

【知事】そう。もう決まったのですか、トーナメントで次に当たるのは。

【記者】パラグアイと。29日に。

【知事】そうか。なるほど。分からないね。勝ってほしいね。

【記者】分かりました。ありがとうございました。

【知事】はい。どうぞ。

【記者】民主党が消費税増税に踏み込んだ意見を述べたことで、ここの部分では「たちあがれ日本」との公約とさして違いはなくなっているように感じております。また、都知事が前々から問題として指摘している外国人の参政権の問題についても、これは民主党がうまいのかどうか分からないのですが、マニフェストを読む限りにおいては……。

【知事】消えちゃったね、どこかに。

【記者】ええ。書かれていないという状況もあって。

【知事】ずるいね。私は、この問題こそ、今度の参議院選挙の争点にしてもらいたいと思っていましたが。

【記者】そうなると、今度の、次の選挙の、民主党との争点というのは何になるのかという。

【知事】そんなこと知らないよ。国会に行って聞いてこいよ。俺に聞かないで。

【記者】「たちあがれ日本」の応援団としてという立場でお答えしていただけると……。

【知事】大事な問題だから、今度の選挙の争点にしたらいいと思うけれど。何か知らないけれど、結果がどうなるか分からないけれども、うやむやで、物が決まったら大変なことになると思いますよ。
 昨日、昔の弟分と仲間の、亀井静香の応援に行きました。彼は、今度の政権の連帯の中で、この問題についてはっきり反対してくれるから、頑張ってもらいたい。こんな問題まかり通ったらえらいことになります。

【記者】もう1点、例えば、亀井さんのように民主党と、例えば外国人参政権を反対することを唱えて連立に入るとか、そういうことという可能性は。

【知事】どこが?

【記者】「たちあがれ日本」が。

【知事】参政権は賛成で?

【記者】だから、参政権に反対するとか、そういうような幾つかの条件を提示して、それを飲めば……。

【知事】それは知りません。それは平沼(赳夫 「たちあがれ日本」代表)君に聞いてください。私に聞く話の筋じゃないんじゃないかな。私はただ応援団長ですから、絶対にとにかく反対してもらいたいと思う。

【記者】分かりました。

【東京都知事】はい。

【記者】首都大学東京の学生が、町で女性の映像を撮って無断でインターネットに流していたという問題で、大学側は退学という非常に厳しい処分を下しました。現代の若者のモラルについて、どのようにお考えでしょうか。

【知事】それはどういうふうな形で使ったのか。とんでもないタイトルつけて、写真集を出そうということらしいのだけれども、そうなったら、プライバシーの侵害だけじゃなく、名誉毀損の問題にもなると思います。学校のとった措置は、私は正しいと思いますよ。

【記者】先ほどの安全・安心協議会(東京都安全・安心まちづくり協議会総会)で落書きのことをおっしゃっていましたけれども、そういったところで、やはりモラルの乱れは感じていらっしゃる……。

【知事】そうですね、さっきも、安全・安心協議会で申し上げたのだけれども、言うと、かえって、またいい気になってばかをするかもしれないが、ビクターの横に仙寿院というお寺があるのです。その墓地の下を通って、トンネルつくって、おそらくお寺が許したのでしょう。そこに絵かきたちが、壁画描いていたの。それは大したものじゃないのだけれど、色々いいものも悪いものもあった。
 それに、今度、落書きしたやつがいる。全部絵は壊滅しました。これは、とっても怖い話で、(トーキョー)ワンダーサイトの受賞者で、かなりいい線いっている、外国で評判になっているような作家たちに頼んで、六本木へ抜けていく、青山のほうから降りていった壁に、かなり大きな、号数にすると300号以上あるかな、壁画を描いてもらっているのですが、これは芸術的な価値があるものだけれど、そういうものまで侵害されると、図に乗って、例えば、非常に文化的な価値のある、あるいは指定されている文化財のようなお寺の山門とか、千社札張るのは仕方ないかもしれないが、そういった五重の塔とかに落書きするばかが出てきかねない。これはとっても怖いです。
 それは、一種の自己陶酔というか、自己主張というのか、自己表現か、そんなものになっていないものだけれども、自分の存在感を、自分でそうやって、マスターベーションで確かめている、非常に稚拙な、下品なやり方だと思います。
 ヨーロッパも同じような落書き多いから、さすがに場所を選んでやっているけれど、今度は、同じ若い世代がかいた絵に落書きをするというのは言語道断だ。
 サルバドール・ダリだったと思いますけれども、モナ・リザの顔にヒゲかいて、世界で評判になったことがあるけれど、そういうものとちょっと質が違いますよ。実際にその芸術本体に傷つけるということは、これはもう許せないことと思います。
 はい。

【記者】今回、フィリピンに出張されるということですが、途上国に対する、色々な水道とか、関係のインフラの技術提供とか、力入れていらっしゃるのですが、その辺の部分で、関係の方と会ったりだとか、そういうPRというのでしょうか、そういったようなことをされる予定はありますか。

【知事】ええ。水道の事業なんかは、ああいう途上国ですから、もっと大きな、日本で考えている以上に意味があると思います。それから、大都市ネットワーク(アジア大都市ネットワーク21)で、あそこの長官のフェルナンド君(元マニラ首都圏開発局長官)が、1,000ドルぐらいの安い住宅、建てたいんだと言ったけれど、これは、私の知っている住宅業者に相談しまして、1,000ドルというのはなかなか難しいけれど、もうちょっと額が張れば、かなり安価なものが、今はトタン張ったみたいなスラムに皆住んでいるわけだけど、それはできるんじゃないでしょうか。そんなことも、ノイノイ新大統領に献言して、助けてやろうと思っていますけれども。はい。

【記者】今日、群馬県八ツ場ダム予定地の地元の町長さんと会談されたとお聞きしていますけれども、どういう内容だったのか教えてください。

【知事】彼らも困窮しているし、検証する、検証するといって、全然内容が明かされないし、やがて何を発表するかといったら、検証の方法みたいなものを発表するらしいけれども、いずれにしろ、はっきりしたデータを出してもらって、事を決着してほしいと。色々な工事が進んでいて、残るのはダムだけなんて、非常に奇態な現象になっていますが、みんな、東京含めた、関東の首都圏、多くの県に水を供給するためのインフラだと思って協力してきたのに、残るのはダムだけだったら、私たちとしてもとても我慢ならないし、事を速やかに推進する努力を一緒にしましょうということで、賛成ですと申しました。
 はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)