石原知事記者会見

平成22年6月10日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年6月4日(金)
15時00分〜15時10分

知事冒頭発言

【知事】冒頭、申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。新内閣については分からないよ。つまらない質問するなよ。ここは東京だから。はい。

質疑応答

【記者】すいません、つまらない質問とお叱りの上で質問させてください。菅直人首相が衆院で指名されまして、久しぶりの東京選出、東京出身の総理大臣ということで、こういう東京出身の総理であるということに対するご感想をいただければと思います。

【知事】鳩山(由紀夫 元首相)さんだって東京生まれじゃないか。そんなものは関係ない。どういう行政をするのかで、評価が決まるので。今から、憶測の立つものじゃないでしょう。

【記者】ただ、外かく環状道路のように、東京に地盤がある人だと、政策の重要度を理解されている面も……。

【知事】結果を見ないと分からないんだよ。東京都出身のリーダーというような見識を示してもらいたいです。はい。

【記者】関連なのですが、菅さんとはいろいろとお話も、これまでもされてるかと思います。菅直人という政治家については、知事としては……。

【知事】よく知らない。

【記者】でも色々、税の関係とかでもお話しされたりというのは、これまでも会見でお話ありましたけど。

【知事】こちらが言う一方で、「分かりました」と。行政にじかに関与してる人間が、「そうします」とは、なかなか言わないでしょう。「よく分かりました」ということは聞きましたけれど、よく分かってやってもらわなくては困るのだけど。
 はい。どうぞ。

【記者】東京では、今日から子ども手当の支給が始まりました。現金給付ではなく、子育てに関する施策への投資に充てるべきだという政府からの考えもありますが、知事はどのように考えて……。

【知事】それを支給されてる若いお母さんたちのインタビューを聞きましたが、過半の人が貯金すると言っている、これは怖いです。あれだけの財源というものを割愛して、支給しても、それが貯金という形でとどまれば、還流しないということですから、にわかに。還流しない、つまり、お金の配布というのは、結局、ばらまきに終わって、経済の刺激にならないというのは自明ですから。相当な額を配布するわけでしょう。たしか防衛費より上です、総額は。それを配布して、還流しないということになると、これは色々な問題が出てくる。膨大なお金が遅滞するということは、決して、使ったお金が、ベネフィット(利益)になっていきませんから。分かるだろう?ちょっと考えれば。
 はい。

【記者】温暖化ガス削減に絡んで、都側は総量削減規制(※事業所ごとの排出量を決める)という方向で、一方で国側のほうは、別の原単位方式(※生産量当たりの排出量に上限を設ける)にこだわっているようですけれども、都として、国のこうした対応についてどう思っているかどうかというのを、意見を伺えればと思います。

【知事】私は、東京がやってることが一番積極的、合理的だと思いますから、相対的に眺めて。地方自治体が先にやったことを、沽券(こけん)に関わらず、真似して同じことをやったらいいと思います。はい。どうぞ。

【記者】元杉並区長の山田(宏)さんが、(日本)創新党から、東京選挙区からの立候補を決めました。

【知事】人の選挙なんか構っていられない、こっちは。年寄りの政党を抱えて、アップアップしているんだから。

【記者】小倉(麻子)さんも、昨日、会見したんですが、第3極の候補が、東京、集まってきてるんですけども、何か連携のほうは。

【知事】それはこれからのことでしょう。総理大臣も変わったわけだけれども、民主党の政権が、あの形で同じような政治を遂行されたらかなわないから、チェックをかけるためにも、参議院の過半数を阻止しようということで、それぞれの政党が、それなりの政策掲げてやっているわけだけれども。効果を上げるためには、ある形での連帯、連携というのは必要じゃないかと思います。
 それぞれの政党が、それぞれプライドを持っているから。特に、みんなの党なんていうのは、1回、選挙を体験してるから、俺はおまえ達と違うんだというところはあるだろうし。そこら辺を誰が取り持って、どういう形をするか。薩長連合なんて、そう画期的なものじゃないけれど、誰が考えても。
 前から言っていることだけれども、パリが陥落した後、ナチスのドイツに対抗しようというので、右も左も連合して、レジスタンス(抵抗運動)をやった。その中から、最後はド・ゴールが出てくるわけですけれど、そういう連帯というのは必要だと思います。大人になって考えれば、そういうことだと思う。私も、そのためには努力はしたいと思ってますけれども。
 この間も、関東知事会で、首都圏の、松沢(成文 神奈川県知事)さん、上田(清司 埼玉県知事)さん、それから森田(健作 千葉県知事)さんという、一緒に広域行政をやってきた知事たち、我々が、このために一汗、二汗かかなくてはいけないんじゃないかと、意見は一致しましたから、それをどういうふうに具体的に動いていくか。あんまりもう時間ありませんけど。
 はい。どうぞ。

【記者】先ほどの首相の選出にまた話が戻るんですけれども。
 知事も、総理として認められないとおっしゃっていた鳩山内閣が退陣しまして、支持率が若干、民主党、上がったという報道もあるのですけれども、何かこの新しい政権に期待するところはございますでしょうか。

【知事】全然違うことやってもらいたい。役人、うまく使ってもらいたい。うまく使わないから、「海兵隊の抑止力について勉強しました、なるほどと思いました」なんて馬鹿なことを言うので。そんなものではとても追いつかない、世の中に。はい。

【記者】今週、議会が始まった日の、その後のぶら下がりのときに、「鳩山さん、続けたほうがいいよ」ということを、知事がおっしゃいましたが。

【知事】皮肉で言ったんです。選挙対策で言ったんです。(笑)そんなこと、一々聞くなよ。分かって質問してるんだろう。

【記者】いえ。ここ数年、短期間で首相がころころと変わるという状況も踏まえた上でのご発言だったのかなと思うのですけれども、今度また新しく総理が誕生するということで、総理としてのあり方というものに、知事も一家言(いっかげん 独自の考え)持ってらっしゃるんじゃないかと思うのですけども、どのように考えていらっしゃいますか。

【知事】政権というものは、ある程度の継続性を持たなかったら、枝葉をふまえた仕事できないでしょう。それは、竹下(登)内閣の頃、竹下さんが、やや自嘲気味に「歌手3年、総理2年の使い捨て」と言って笑っていた。歌手は1曲ヒットすると、3年ぐらいどさ回りしてもそれで食えるけど、総理大臣は2年もたない、このごろ2年もたないな、困った話だ。こういう現象というのは、日本しかないんじゃないですか。そう思います。
 さっき、岡本行夫君(外交評論家)と久しぶりに話した。私は、鳩山総理に「あなた、確かめなさい」と言ったことを彼に確かめたら、彼は、「尖閣列島で紛争が起こったら、アメリカは絶対に、尖閣のために兵隊出しませんよ」と言っていた。「それは、もう自明、分かり切っていることです。アメリカはそういう国ですよ」と。しかし、「それを覚悟で何をするかということだけれど、なかなかそれは石原さん、大変なんじゃないですか」と。彼は、アメリカ通でありね。
 それから、万博に色々な国がパビリオンを出しているけれども、自分の国のパビリオンに国旗を揚げてない国は日本だけという、卑屈というか、気兼ねなんですか。誰が責任者なんだ、その国旗を揚げないこと。堺屋太一かね。その後ろにいる政府なのか。こんなの君たちで確かめてくれ、本当に、国民の前に。一体誰の責任で、税金を使ってやっている日本の万博のパビリオンに、日本館にだけ国旗を揚げないのか。こんな国は、世界にないと思う。
 福田(康夫)内閣のときも、福田総理大臣が北京に行って、オリンピックに行ったら、自分の国の選手団が入場してくる時に、選手団の行進の向こうに大きなスクリーンが映るのです。そこへ全部、元首が立って、拍手する。各国の元首が同じようにしてるのに。自国の選手団が来たときに、立ち上がって拍手、手も振らなかったのは日本の総理大臣と北朝鮮の代表だけだ。福田総理は、横で奥さんが手を振ったけど、にやにや笑って座っていたよ。どこの総理かと思った。
 そういう体たらくが、あちこち露出すると、まさに日本ディッシング(日本無視)になって、もう日本の話題が全然ここ最近は出なくなったということを岡本君は嘆いていたけれど、まさにパビリオンに国旗を揚げないというのは象徴的なシーンじゃないですか。それを、あなた方、ほとんど問題にしないというのが問題だ、メディアは。しっかりしてくれよ。国民の代表なんだろう、メディアは。第4権力と言っているのだろう。力があるのだったら、せめてパビリオンに国旗ぐらい、途中からでも揚げさせてよ。お願いしますよ。都民の皆さん、そう思うでしょ?
 (※上海万博の日本館では、5月19日より国旗を掲揚している。)

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)