石原知事記者会見

平成22年5月27日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年5月21日(金)
14時59分〜15時23分

知事冒頭発言

1 鈴木俊一元東京都知事のご逝去について

【知事】冒頭、私から1つ。鈴木俊一元知事が、去る5月14日、名誉都民でもありました鈴木俊一さんが逝去されました。地方自治の巨星であり、人々に末永く記憶される名知事のご逝去は、大変残念であります。
 鈴木さんは、今年9月の「百歳訪問」を楽しみにしておられまして、1つ間違って、去年伺おうと思ったら、来年だということで、それで私も楽しみにしていたのですが、鈴木さんも、久しぶりに私に会って、色々またお話があったと思うんですけれども、楽しみにされてると聞いてたのですが、誠にその寸前で亡くなって、大変残念です。
 改めて、ご冥福をお祈り申し上げ、ご遺族の皆様には心からお悔やみ申し上げます。
 既にお知らせしているとおり、来る5月28日、港区の青山葬儀所で、東京都の都葬というのをやります。
 鈴木さんとは、色々、個人的にも曰く因縁があったというのか、佐藤(栄作)内閣のチョンボで、あの頃いつも、洞ヶ峠(ほらがとうげ 日和見)を決めていた民社党の存在に気になって、佐藤さんは、春日一幸、当時の委員長から申し出てきた、これなら民社党も、一緒に都知事選戦うぞという、松下正寿という立教(大学)の総長を候補にしてしまった、自民党が。
 私たちは、ずっと東(龍太郎 元東京都知事)さんの副知事もして、とにかく事務次官もした人ですから、この人がなるのかと思ってたら、鈴木さんがそこで外されて、非常に不本意な思いをされたと思うのですが、その後、結果として松下正寿が美濃部(亮吉 元東京都知事)さんに負けて、美濃部都政が始まったわけだけれど、これは今度の鳩山(由紀夫)内閣と同じ、大ばらまきで、東京の財政というのはめちゃくちゃになってしまった。
 3度目の時か、とにかくもともとは、私が参議院から衆議院に移って苦労して、参議院と衆議院、戦い方が違いますから、東京の第2区選で、本当にどぶ板で、戸別訪問もして、地盤つくって、暮れの12月選挙で当選したのですが、そしたら、ついに、私の支持者でもあった、本当は当人が地元からも衆議院に出ろという要望もあったのだけど、若い人に譲るということで、後には都議会の議長もされましたが、醍醐安之助さんという本当に気骨のある政治家が、若い人を育てるんだと私を擁立してくれまして、それで、衆議院に移ったんです。
 それで、醍醐さんも、そのうちにリーダーにもなったのだけれども、まだその頃は中堅だったのかな、あの人。それで、もっと先輩の数人の都議会議員が来て、都知事の選挙に出てくれと。とんでもない、私はもう苦労して衆議院に移ったばかりなので、お断りしますと言って、醍醐さんもほっとしたんですが、10月ごろか、三木(武夫)内閣のころでしたけど、三木派の宇都宮徳馬さん、私はたまたま同じ選挙区だったんだけど、この人が候補になって、よかったなと思って、あの暗殺されたベニグノ・アキノ(フィリピンの政治家)と非常に親友だったので、衆議院で予算上げてしまって、その後、しばらく休みがありますから、家族ごと招待されて、フィリピンに行ってたんですよ。
 2月の中旬近くに帰ってきたら、宇都宮さんが突然やめたと。それで、あと告示まで20日ぐらいしかない、地方統一選挙。私は嫌な予感がしまして、私にまた回ってきたら、えらいことになるなと。もうあと20日ちょっとしかないんですから、これは余計なこと来なければいいなと思っていたら、果せるかな、来た。その時点で私が断ったら、美濃部さんは無競争で当選するので、東京のためには、民主主義のためによくないと思って、私はもう失敗覚悟で出ました。
 そしたら、途中で、美濃部さん、1回やめたふりしてまた出てきて、変なプレーをしたのだけれども、選挙始まったら、途中でまた松下が出た、民社党に担がれて。彼は20万票そこそこだった。ちょうどその差だけ、僕、負けたのですが、負け惜しみじゃないが、負けてよかったと思うのは、あの時は本当に、僕もあまのじゃくな人間だから、負けるの覚悟だったから、1日もう何十回も、自分の選挙であんな熱心にやったことないのだけれども、20万ぐらいの差で負けましたが、ちょうどその票だけ、松下さんがとったのだけれども、それでよかったと思います。あれで、松下が出なかったら、1,000票ぐらいの差の際どい選挙になったと思うのだけど。
 負けてよかった、当然だと思ったのは、行政の経験のない人間が、国家予算の10分の1の都政を預かって、何ができるわけでもない。これはもう美濃部都政がそれを証明したし、残念ながら、友人でもあった青島(幸男 元東京都知事)君も、あのていたらくだった。行政の経験がないという人間が、こんな所帯を、知名度だけで預かったらえらいことになるなと、改めて思いましたけども、そんなこんながありました。
 ゆえにも、鈴木さんがあの時、佐藤内閣のばかな選択でおろされて、その後、オリンピックとか、万博の事務総長やって大成功させたんだけれども、あのまま鈴木さんが知事になっていたら、私も知事になってなかったかもしれないし、いろんな思いがあります。
 それで、鈴木さんの4度目の選挙で、お台場の埋め立てがありまして。大変な利権構造を描いた、自民党の金丸信と小沢一郎が幹事長で、鈴木さんが言うこと聞かないから、NHKのアナウンサー(磯村尚徳氏)を出した。それで、私はその時、そんなばかな話があるかと思って、鈴木さんにもちろん味方しましたが、1つ条件つけたんです。横田の基地を、あなた、どうするんですか、ご覧になったことがあるかないか分からないけれど、これは取り戻すべきだと思うし、あれが日本のものになれば非常に便利なので、埼玉県の畑(和)という社会党の知事も、埼玉県に飛行場をつくると言っていたり、神奈川県も非常に不便を囲ったんですが、これも長洲(一二)という社会党の知事だったけど、この2人に会って、「横田の問題を、東京都がイニシアチブをとって取り戻そうと思うのだけれども、鈴木さんがそう言い出したら、あなた方も賛成するだろうか」と言ったら、「もちろんします」と言うので、その根回しをして、鈴木さんに会いました。「あなたを一生懸命支持しますが、条件の1つとして横田の問題、考えてください、必ず公約にうたってください」と言いましたら、鈴木さんが「よく分かりました」というので、公約に書き加えて。おそらく都知事の選挙の中で、横田の問題が初めて俎上(そじょう)に乗ったのは、鈴木さんがそれを選んでくれたのですけど、そんな思い出がありまして。
 ただあの人は、本当にいろんな意味で選挙にトラウマ持ったでしょう。ああいう、非常に口惜しい思いをした人というのはめったにないんじゃないか。才能がありながら。だから、石坂泰三(元経団連会長)が、諸君、知らないだろうけど、経済界の大々ボスであった石坂さんが、大阪の万博ですか、事務総長として鈴木さん使って、その人材に惚れて、もう君の面倒はおれが徹底して見るということで、自民党内が何と言おうが、とにかく鈴木さんを非常に擁護した。
 そんないきさつがありまして、本当に鈴木さんは思いがけない挫折を味わされて、それを、1つのバネにして、見事な行政やられたと思いますので、いろんな点で、あの人は非常に渋い人で、おとなしい人だったけれども、しかし意思の強い人だなという感を今でも持っていますが、本当に100歳というすばらしい天寿を全うされるかなと思ったら、その寸前で亡くなられたというのも、非常に感慨無量なものがあります。お葬式ではそんなこと話せませんから、皆さんにお話しして、また鈴木さんの人物、評価を世間に伝えていただきたいと思います。
 私から申し上げるのはそれだけです。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】本日、新銀行東京が前期決算を発表しておりまして、15億5,000万円の最終黒字で、通期で初めて黒字化いたしました。まず、この評価について伺えればと思います。

【知事】大変ありがたいです。これは、その1つの信用につながりますので、これから後、とにかくセカンドステージのいろいろ画策といいましょうか、もっと力をつけるための作業に取りかかれると思ってます。それが何かということを聞きたいだろうけど、言わない、今、手の内は。

【記者】今期の業績予想もあわせて発表しておりまして、前期が15億円の黒字だったのに、今期は5億円の黒字に落とす予想になってまして、収益力は右肩上がりというわけにはいかないようですが、この黒字幅が小さくなってしまうということについては、どうお感じですか。

【知事】その説明、この間、聞きました。あなたも専門家なら、専門家に聞いてくれ、専門家同士。この間、社長から、こういう事情でと聞きましたが、なかなかこれからも前途多難だと思いますけど、1つの信用というものを取りつける実績を残したってことは、新しいスタッフの努力だと思うし、あんまり君ら、シニック(皮肉)な、風評被害につながる、足引っ張るみたいな記事、書かないでくれ。ほかの銀行がやらないことやってきたんだから。リレギュレーション(条件緩和等)、それを一番やったんだ、この新銀行東京は。
 それは何かというと、大銀行はやらない、こういうことは。これが焦げつきそうだなと思うと、つぶしてしまえと、余裕あるから。この間みたいに、税金もらって、たくさんのお金つぎ込んで、立ち直ったんだけど、その恩恵を今まで、甘い汁を覚えたのかどうか知らないけど、厄介なことやらないんだ。それに比べて、この銀行は、零細企業と話し合って、「あなたこの経営は変えたほうがいいですよ」、「こういうことはこうしたほうがいいですよ」と、綿密に経営の相談に乗って、それ、リレギっていうの。それをこの銀行だけはやったんだ。ほかの銀行はやってないんだ。みんな平気で見捨てて、つぶしてるんだ、大銀行っていうのは。
 こういう、緻密な作業というものがなかったら、この時期に、なかなか、黒字は出ないと思うし、そういう努力というものは、あなた方、専門家なんだから、そういうの評価して、この新銀行の特徴を書いてくれよ。何か足引っ張るみたいな記事ばっかり書かずに。はい。ほかにないですか。

【記者】用途地域の権限(※都が持つ用途地域の決定権限を区市町村に移譲すること)の問題なのですが、東京都と23区の区長会とで、権限をおろしてくれという23区長会の意向があるようです。都知事としては、このことについてはどういうふうに。

【知事】いろいろ両者に思惑があるんですが、ただ、民主党が、基礎自治体というものにイニシアチブを与えるというのは大変結構なんだけど、23区というのはまた非常に特別な構成でして、とにかく境が水辺に接してて、そういうものを踏まえて、今度、経済同友会が、23区は1つの州にするという発想が出てきたけど、これはこれで、まさにむべなるかなと思うけど、今の体制の中で、23区それぞれ競合するところもあるわけです。それが用途地域の選定というものを、現場なんだから、とにかくおれたちに任せろと言ってもらっても、今までも、そういうものの変更は、現場感覚を持っているから、23区の当事者と話して、東京都は最終的に、認可もおろして、変化もしてきたのだけれども、これをフリーリー(自由)に、23区それぞれに権限を与えてしまうと、東京都の中核なしている23区の中の都市計画の整合性というのはなくなりかねないんです。これは、これからの問題でしょうということを、また区長さんたち、よく知ってるから、非常に今度の国に対する要望書というんですか、非常にソフトなトーンで。
 こういったものをこれから、今まで齟齬(そご)をきたしたわけじゃないと思うけれども、用途変更というものを一方的に区がやるというのは、私は考えものだと思うが、ただ、絶対の権限で、都が決めるというのも、今まではあり得なかったと思いますけど、随分区と話し合って、斟酌(しんしゃく)して、用途地域の変更その他やってきたわけで、これから、東京が本当に成熟していくために、都市計画といったものをどういうふうに遂行していくかということが、今度大きな要素になってくるので、これから、区長さんたちと東京都が、慎重に話し合わないと、あんまり物事を知らない、今の政権が、一方的に変な理念か、センチメントか知らないけれど、基礎自治体ということで物を決められたら、大変な混乱になりますから。かけるブレーキはかけながら、一方では、あくまでも東京の一部であり、その一部が東京都を支え合ってるわけで、区長会と、突っ込んだ話をしていくべき問題だと思ってます。
 はい、どうぞ。

【記者】2点ご質問します。まず、青少年健全育成条例(東京都青少年の健全な育成に関する条例)の改正案につきまして、本日、日弁連(日本弁護士連合会)会長からも反対声明が出まして、先日の知事の会見の中で、文言は修正すればという話もありましたけれども、その文言の修正の場合も、議決が必要であったり、なかなか容易ではない点もあるかと思うのですが、今はどうでしょう。議会のほうに修正を求めていきたい、ゆだねたいということになるんでしょうか。

【知事】議会あってのこういう条例ですから、議会で十分討論することで。日弁連というのは、ある意味で偏った価値観持ってると思うし、その人間がどんな発言しようと、それがこの問題を、左右する問題じゃないと思う。ただ、目的は目的として確固としてあるわけだ。それを分かりやすく、納得できる、文言の条例にしようと言ってることで、これからそれを議論したらよろしいので。

【記者】もう1点、本日、山田(宏)杉並区長が交通の表彰(※首都交通対策協議会会長賞の贈呈式)に来られた際に、その後、お2人で懇談されて……。

【知事】そんなこと、一々君に話すことないわ。

【記者】先ほど若干お話が出ましたが、経済同友会が23区を東京特別州として創設すべきなどの提言をまとめました。同友会のほかに、原口(一博)総務大臣ですとか、最近の新党とかから道州制という話も最近挙がっていますが、知事、現時点では、道州制についてはお考えはございますでしょうか。

【知事】いろいろあり過ぎて、こんなところで申せません。言うのは簡単だけど、東京の存在というのは、非常にある意味では道州制にとって厄介な存在になってきた。これだけ、いろんなものが集積、集中している都市を、道州制の中でどうとらえておくかということ、これはまたワシントンDCとまたちょっと違うんだ、意味合いが。
 そういう点で、経済同友会、思いつきばかり出てくるけども、それはそれで、1つの問題提起として受けとめますが、これは簡単に決まる問題じゃないでしょう。
 いつか首都移転なんて思いつきで出てきたけど、いつの間にか消えちゃったけれども、日本みたいに非常に偏った、片一方では絶滅する集落が出てきているような、地域地域の格差が出ている中で、大ざっぱに言って、九州は九州、四国は四国という形で、東北は東北とまとめて、物事が進むか、行政がそれほど効率を上げて合理化されるかといったら、私は難しいと思います。
 それから、前政府がかけ声かけて、色々メリットがあるからというので、地方自治体がいろいろ合併をやったけれども、その効果が出てるか、出てないかというのは、もうちょっと長い目で検証しないと、基礎自治体というもののサイズを大きくすることで、物事がよくなるということは、あんまり結果としてなかったんじゃないですか。だから、そういうものを斟酌しながら、この問題、考えたらいいと思います。
 どうぞ。

【記者】先ほどもちょっと質問出てましたが、青少年の条例の改正案について、今度の都議会で、都側が1回撤回して、文言を修正して新たに提案し直すと、そんなことは考えていらっしゃいませんか。

【知事】これから、議論の推移を見て、それは考えることでしょうけど。いずれにしろ、私は目的は間違ってると思いませんから。何も言論統制とか、表現を拘束するわけじゃないんだから。子供の目に触れないところに物を置けと言っていることなんだから、その説明が舌足らずだから、かえって誤解を得たんで。役人が文章をつくると、得てしてひとりよがりで、こういうばかなものになっちゃうの。非実在青少年って、僕でも分からない、ほんとに。幽霊かと思ったら、漫画にかかれている少年のことを非実在、それはそうだろう、漫画は漫画だろうから、そこにいる少年と違うんだから。こういう持って回った、自分たちだけが納得して、専門家ぶってるかもしれないけど、そんな文章でやったって世間はわからないよ。政治家もわからない、弁護士もわからないから、ぐちゃぐちゃ言ってくるので。こんなもので表現を統制するつもりは全くありません。
 私だって物書きだから、そういうものに対する表現を拘束されるんだったら、体張って抵抗します。そういう誤解を生みかねないような文章をつくるなっていうんだ、文章の専門家でない連中が。

【記者】この間の火曜日に都議会の総務委員会で(青少年健全育成条例改正案について、学識経験者を参考人として呼び、意見を聞いた件について)。

【知事】知らない、僕は。都議会の議論は、一々聞いてない。君らが傍聴してるんだから、もっとディテールをとらえて、こういう議論が起こってるということを言って、質問してよ。

【記者】その中で出た意見として、首都大(学東京)の宮台(真司)先生なんかおっしゃってたんですけれども、一律に規制をかけるんではなくて、もっと家庭とか……。

【知事】だから、そんなものは議会で聞いてくれ。結論が出てきたら、私、言いますから。直った文言を見て。
 どうぞ。

【記者】新銀行の話でいま一度お尋ねしたいんですけれども、開業以来初の黒字ということではあるんですが、これまでどおり貸倒引当金を取り崩しての黒字ということに対してのご所見を教えてください。

【知事】そんな専門的なことを聞いたって、私、よく分からないよ。だから、任せてあるので。銀行行って聞いてください、そんなことは。

【記者】なかなか本業での黒が出ないということと、これからのその……。

【知事】病人を立ち動かすためには、いろいろ工夫しなくちゃいけないでしょう。まずとにかく、床についただけだった病人を立ち上がらせて、ひとり歩きさせるためにもいろんなことをやってきたんだ。だから、再三言ってるみたいに、これから、信用というものが回復してきたんだから、セカンドステージで何をするかということの問題なんです。

【記者】それは知事の任期……。

【知事】言わない。その基礎工事はするつもりでいますけど、これは、外国あってのことで、向こうの政情もいろいろ変わってきているので、いろんな問題がありますが、これは具体的に進み出したらお話ししますけども。
 何かいいアイデア出してくれよ。銀行の味方か敵か知らないけど、つぶれればいいって思ってるわけじゃないんだろ。せっかくつくった銀行だよ。ほかの大銀行がましなことをしてるか。さっき言ったようにリレギやらないで、とにかく見殺しにして、金は幾らでもあるから、つぶれるならつぶれろってやってきた。そんな銀行に比べたら、零細企業かも知れないけど、零細企業相手に、この銀行が、いろいろ、経営の立て直しの、親身に忠告をして、リレギュレーションやってきてるんだ。それでとにかく黒字も出てきたんだ。ほかの銀行それやってるのかね。何だか知らないで、質問もしないでもらいたいんだ。同じことを、ほかの銀行やってるかやってないか、試しに調べてごらんなさい。大銀行やってないよ、何にも。零細企業は見捨ててる、つぶれるならつぶれろと。だから見かねてこの銀行つくったら、1回挫折したのだけれども、その趣旨を体して、社長以下みんなが一生懸命やってくれているんだ。

【記者】ちょっと話が変わりますけれども、今度は全国知事会議が27日にも開催が要請されておりますけれども、知事はこの場にはぜひ出席するというご意向でしょうか。

【知事】内閣のばかさ加減眺めるために出かけようと思って。今ごろこんなことやって、そりゃあ、基地の負担というのは沖縄大変だと思うけど、ほかの県でやってくれって言ったって、例えば福島県が海兵隊引き受けますよって言ったら、あそこに行くか?行くわけないだろう、そんなものは。自分の誠意のアリバイつくるみたいな会議やったって、タイミングおかしいし、何をそこで言うつもりなのか、ぬけぬけと。どうかしてるよ、この内閣は、本当に。
 アメリカって相手がいるんです。それに、大きなものを預けているので、向こうの意向もたださずに、日本だけが、何の思惑でか、センチメントに駆られて、言っちゃいけないことを言って混乱を生じている。
 このごろ、アメリカではやってることはジャパン・バッシング(叩き)、ジャパン・パッシング(外し)に次いで、ジャパン・ディッシィング。ディッシィングって言葉はないんで、ディスカウントのディスなの。それにingつけると、アメリカ人の英語感覚では無視ということになるらしい。
 こんなステータスに日本をおとしめた、それは外交でしょう。対米関係の、特にこの問題で、右往左往ならいいけど、全く無知蒙昧(むちもうまい)で、しかも問題が煮詰まってきたら、総理大臣が私は無知蒙昧ですと認めてるわけだから。海兵隊の機能の抑止力がいかにあるか、やっとわかりましたって。恐ろしい国になっちゃった、これ。
 嫌われるとか、怖がられるってのは、悪いこともあるし、いいこともあるけど、軽蔑はただの軽蔑しかないです。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)