石原知事記者会見

平成22年4月22日更新

石原知事定例記者会見録

平成22(2010)年4月16日(金)
15時00分〜15時09分

知事冒頭発言

1 「活字離れ」対策検討チームの発足について

【知事】冒頭、私から1つ申し上げます。
 昨今の、若い人の活字離れを何とかしないといけないということで、猪瀬(直樹)副知事からの提案で動きましたが、一種の社会問題になっている活字離れですね、象徴的なのは、前の総理大臣が漢字読めなかったんだから、これは何の責任かよくわからないけども。これまで人間は、書籍を読むということを通じて自分で考える力を養ってきました。しかし、急激に、メディアが多様化して読書をめぐる環境が大きく変わってきた中で、物を考える力が弱まっています。首都大学東京の宮台(真司首都大学東京都市教養学部教授)君という、なかなか気鋭の教授がいますけど、彼に言わせると、若い人たちが情報をインターネットに頼る。大脳生理的にも情報が集まって、リンゴの木でいうと、幹が細いのに実がなり過ぎて、木が頼りないんだけども、そういう状況の中で、過剰に摂取した情報の整理までを、情報に頼る。その価値判断までを情報に頼るという。これ、民主党の誰かが言っている一種のメディアに対するリテラシー(処理力)の問題だと思うんだけれど、ゆえに、若い人が勘違いとか思い違いをしなくなった。これはとっても大変なことで、人間ってのは思い違い、勘違いすることが非常に大事なんです。それで、脳幹も強くなっていくんだけど。脳幹っていうのはいろんな情操を養う器官だけれども、それがなかったら人間、立っていかないんだから。
 そういうトレンド(流れ)の中で、とにかくこの問題を積極的にやろうということで、今までも内部で検討してきましたが、新たに局横断的な検討チームを設置しまして、各界の専門家からの意見を踏まえて対応することにしました。検討チームのリーダーは、私と同じ作家で、この問題意識を持っている猪瀬さんにお願いしますけども、現代に生きる我々だけじゃなく、将来を担う子供たちのためにも、今までにない鋭い観点から問題の本質を解明し、実効力のある対策を検討してもらいたいと思っております。ある人などは、せめて日曜版でいいから、無料で新聞の日曜版を配布したらどうかという案もあったけど、そういうことだけではなくて、もう少し工夫を凝らして対策したいなと思っています。
 以上です、私から申し上げるのは。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】今日、築地市場の再整備の検討をするための組織が知事本局内にできると聞いているんですけれども……。

【知事】後で聞いてください。後で発表しますから。

【記者】はい。それで、再整備の検討自体は、知事はどれぐらいのスパン(期間)で。

【知事】それは、事を急ぐんでね。豊洲への移転の、技術的、科学的な可能性というのは、6月にも結果が出るわけですから、それと並行して結論が出るような状態が整わなかったら、いたずらに足踏みして事を待つことになりますから。時間はそうないと思うけれども、今までも随分論議されてきたことだから、時代が変わった、技術変わったって言うけど、そんなに状況変わってないと思います、技術的にも。ですから、早くその成案を出してもらいたい。それだけです。どうぞ。

【記者】築地市場移転の議論について、関連で伺います。今週、都議会民主党が現地再整備の方法を公募するという発表をいたしておりますが。

【知事】うん、随分のんびりした話だよ。自分たちに案がないから公募するんだろう。

【記者】そういう見方もありますし、もっと知恵を出してもらおうという取り組みとも見られますが、知事のご意見を。

【知事】それなら今までに随分知恵を出してもらったんじゃないの、どんなのが出てくるのか、分からないけども、はい、そういうこと。

【記者】新党「たちあがれ日本」のことなんですけれども。

【知事】俺じゃなくて、事務局長に聞いてくれ、幹事長に。

【記者】発起人で、命名もなさったということで、命名問題で、今、日本という形で、何か略称を出しているということで、新党日本から、ちょっとクレームがついているという話も一つあるんです。命名者の立場からそれをどうお感じになっているのかというのが一つ。

【知事】私、選挙の、そういう政党の名前について、法律、つまびらかにしませんから、園田(博之)君のような幹事長のほうが詳しいから、そっちに聞いてください。少なくとも、日本というのは日本の国家の名前だから、何であろうと、誰であろうと、政党であろうと、そういったものを、早い者勝ちで独占できるということは私はあり得ないと思います。そういうつもりで登録を申し出たのか知りませんけど、詳しいことは当事者に聞いてください。

【記者】それから、参院選に向けて、どういう候補者を出すのかということにつきまして、猪瀬さんという名前も挙がっているのですが、それは。

【知事】当人に聞きなさい、当人に。私に聞いたってしようがない。そんなこと。

【記者】都知事はどうお考えになって。

【知事】あんな大事な副知事を失うわけにはいかないけれども、私は。全く役人にない発想で、色々助けてもらっていますから。出るといったら、俺は反対するけど。

【記者】多摩市長選挙がありまして、みんなの党の候補者が大健闘したわけですけれども、今、「たちあがれ日本」と、「みんなの党」と、新党がたくさん並んで出てくるわけですけれども、さらに市長の中田(宏 元横浜市長)さんなんかの市長の新党もでき上がるというふうな話も聞いております。

【知事】大事なことは、今の混迷して、無能力な、民主党の国政における暴走というのをストップさせること。その手だての、最初の1つは、参議院で過半数を取らせないこと、逆のねじれ現象をつくることと私は思います。国民は自民党にもうんざりして政権を変えた。ところがこのていたらくだと。特に年配の人ほど危機感を持っていて、どういうことになるんだという危機感を持っている。つまり、第3極に対する待望というのは高まっているわけでしょう。だから、群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)か知らないけど、幾つか政党が出来ているのはむべなるかなって感じがしますが。大事なことは、ストップ・ザ・民主ということで、参議院である形をつくること。そのためには、群雄割拠をしている、新党は連帯したらいいと思います。ヒトラーが、パリ陥落させて、フランスを占拠した後、ドゴールも含めて、右も左もが、レジスタンス(抵抗運動)の戦線をつくった。私はそういうことがあり得るべきだと思っています。はい、どうぞ。

【記者】ちょっと関連ですけれども、参院選の候補者の選出であっと驚くフレッシュな候補ということは、どのような方が頭にあるんでしょうか。

【知事】そんなことは言えないよ、今から。質問したって、そんな大事なことを話すバカがいるかね、君。座って尋ねれば、何でも答えが返ってくるっていうのは記者クラブの悪い制度だね、ほかの人はそうするかもしれないけど、ノーコメント。はい、どうもありがとう。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)